ン我が戦姫!!   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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SURPRISE DRIVE:2014

 照明に照らされた赤く染まった短剣が嫌でもその場に居る全員の視線を集める。

 

「えぶ・・・」

 

内蔵を傷つけられたのか血を吐きながら切歌が倒れ込むなりセレナが頭を踏みつけにする。

 

「どうして切ちゃんを!!」

 

アームドギアを展開した調が切歌を痛めつけているセレナに攻撃を仕掛けようとするがアナザードライブによって殴打を受け動きが止まった所を押さえ込まれ動きを封じられる。

 

「切歌!!調!!ッ!セレナ!!どうして!?」

 

妹の突然の凶行をマリアは信じられないが目の前の光景が犯人はセレナであると克明に告げる。

 

「どうしてって・・・言われても・・・」

「お前、そいつに追われてたんじゃないのかよ」

「そうですね。確かに追わせてました」

「追わせてた?・・・まさかお前!!」

 

あり得ないと分かりながらも剛はこんな事をする奴を一人知っている。

 

「此処まで言えば流石に気づきますよね?」

「さっきから貴方達は一体何を言っているの?」

 

震える声で聞くマリアにセレナは彼女の記憶にあるような微笑みを向けるが足は切歌をぐりぐりと踏みつけ呻き声を上げさせる。

歌わせないために口元を塞がれているが視線だけで殺せそうなほどの殺意を込めて調に睨み付けられながらセレナはゆっくりと口を開く。

 

「7年も経ってるのに見た目が変わらないことをどうしてもっと疑おうと思わなかったの姉さん?」

「やめろ・・・」

「疑わなかったんじゃない、貴女は疑えなかったの姉さん!!」

 

本当に楽しいと言うのが見て取れる表情を浮かべたセレナがこらえきれぬとばかりに笑い始めていると剛に遅れて騒ぎを聞きつけて皆が集まってくる。

 

「月読!!暁!!貴女は!!これは貴女がやったのか!!」

 

聞いてはいるが聞くまでもないと判断した翼がシンフォギアを纏おうとするもアナザードライブが調の口元を抑えていた手で首を絞め始めたのを見て動きを止める。

 

「前提としてセレナと言う人間は既に死んでいる。間違い無くね」

「でも・・・貴女はそこに・・・」

「私?私はセレナじゃない。私は機械生命体パラドクスロイミュードだから!!」

 

そう言うなり彼女の身体がパラドクスロイミュードの物へと変貌する。

 

「私は仮面ライダーによりコアを破壊されたかに思った!!だが奇跡は起きた!!あの時発生した過去と未来が混ざり合うパラドックスによって生じたエネルギーが私を20年後ではあるが並行世界へと弾き飛ばしたのだ!!」

「108、やはり既に潜り込んでいたか」

「死神か。ならばどうする?お前では私に勝てない」

 

再びセレナへと擬態したパラドクスロイミュードは黒クリスの身体に憑依したチェイスにそう言うと彼はマッハドライバー炎を装着する。

 

「こっちはこの二人をいつでも殺せるんですよ?・・・姉さんならどうすれば良いのか分かるよね?」

「私は・・・」

「惑わされるなマリア!!」

 

パラドクスロイミュードが自身の愉悦の為にマリアを揺さぶっているとパラドクスロイミュードとアナザードライブの背後に音もなく忍者プレイヤーが現われると同時に忍者刀で斬り付け調と切歌を抱え撤退していく。

 

「貴様!!」

「直ぐに医務室へ連れて行け!!」

 

『ハリケーンクリティカルストライク!!』

 

竜巻を纏った蹴りをパラドクスロイミュードへと風魔が放つがアナザードライブが重加速を発動させると動きが鈍重になった風魔を横から蹴り抜き壁に叩きつけめり込ませると幾度も殴りつける。

 

「やめろ!!レッツ変身!!」

「変身」

 

『シグナルバイク!!シフトカー!!ライダー!!デッドヒート!!』

『シグナルバイク!!ライダー!!チェイサー!!』

 

マッハとチェイサーがアナザードライブを止めようとするがそれをパラドクスロイミュードがセレナに擬態したままの状態で短剣を振るい止める。

 

「あの時私が味わった屈辱を何倍にもして返してやる仮面ライダー。そして再び永遠のグローバルフリーズを起こす!!」

「させるか!!」

「貴様の野望は既に潰えている大人しくコアを破壊されろ」

 

始まった戦いが激しいものになると判断した風魔は殴られ続けられながらもキメワザスロットホルダーを操作する。

 

『ステージセレクト!!』

 

マッハ達の姿が一瞬にして消えると共にその場に発生していた重加速が解除される。

 

「消えた?」

「きっとゲームエリアで決着をつけるつもりなんだ」

 

永夢はそう言いながらキメワザスロットホルダーを取り出すと翼Bがそれを永夢の手から取る。

 

「貴方にはアナザーエグゼイドを倒す役目がある。私が行こう」

「分かりました」

「あれを此処に招き入れたのは私の責だ。私も共に行こう」

 

パラドクスロイミュードみすみすと招き入れてしまったのは自身だとの事でついて行こうとする翼Aをマリアが止める。

 

「待ってくれ」

「マリア、見ていただろう。あれは貴女の妹では」

「分かっている!!だからこそ許せない!!セレナの姿でこのようなことをしたアイツを!!だから私が行く」

「だが今の貴女に纏えるギアは」

「それでも私はアイツからセレナのアガートラームを取り戻したい!!」

 

何があっても引かぬと判断した翼Aはため息をつくと自身が引き下がる。

 

「ならば決して死ぬな」

「良いんですか翼さん?」

「ガングニールの装者は皆頑固なのよ」

 

翼Aが響にそう言っていると翼Bとマリアがゲームエリアへと向かっていった。

ステージセレクトがされた時点で翼Bが永夢にキメワザスロットホルダーを返却したのでキメワザスロットホルダーは彼の手元に戻ってきていた。

 

 

 

 

 

 

 殴られ続けていた風魔は戦場がゲームエリアに完全に移り変わった事を確認すると鈍重な動きながらもガシャットをもう一つゲーマドライバーにセットしレベルアップする。

 

『アガッチャ!!レベルアップ!!爆走!!独走!!激走!!暴走!!爆走バイク!!』

 

永夢の持つ物とは別の爆走バイクを用いハリケーンバイクゲーマーとなった風魔は重加速に適応しアナザードライブに竜巻の如く苛烈な攻撃を仕掛け吹き飛ばす。

 

「娘の生きる世界を壊させたりはしない」

 

『キメワザ!!爆走クリティカルストライク!!』

 

腕部に装着してあるタイヤを投擲しアナザードライブにぶつけ大きくよろめかせるとトドメのライダーキックを放ち風魔は地面にアナザードライブを押しつけ装甲を削り続けていくとダメージに耐えきれなくなったアナザードライブが爆散する。

 

「これで三対一だ!!108!!」

「あれはただの偽ドライブじゃないんですよ?」

 

マッハから放たれた拡散弾をアガートラームのエネルギーベクトル操作によりマッハだけではなくチェイサーのマッハドライバー炎に当てることで強制的に変身を解除させたパラドクスロミュードはアナザードライブウォッチを取り出し起動するとつい今し方爆散したアナザードライブがパラドクスロイミュードを覆い彼をアナザードライブへと変身させる。

 

『ドライブ・・・!』

 

地面を叩きつけ周囲を爆破したアナザードライブは迫ってきていた風魔に回し蹴りを喰らわせ蹴り飛ばすと地面に着地される前にトレーラー砲を構えバイラルコアをセットし風魔へと向けて引き金を引き撃ち落とす。

 

「グゥッ!!」

「ふんッ!」

 

ライダーゲージが危険域に達したことで変身が解除された南雲が這いつくばっていると彼の背後から翼Bとマリアが姿を現す。

 

「何故ここに来た」

「放ってはおけないのでな」

 

翼Bがシンフォギアを纏いアナザードライブへと向かっていく後ろでマリアは南雲を助け起こす。

 

「無事か?」

「貴女の方が心情穏やかではないはずだ」

「ああ、だから此処に来た」

 

そう言うマリアはアナザードライブを射殺さんばかりに睨み付けていた。

 ブレイドアーマーを装着しアナザードライブと戦う翼を見て黒クリスはマッハドライバー炎とシグナルチェイサーを拾い上げながら立ち上がる。

 

「あれは並行世界とはいえ姉さんを傷つけた。よりによって姉さんにとって1番大切な人の姿で。だから此処からは私が戦う」

『奴は俺達のやり残しだ。力を貸そう』

 

マッハドライバー炎を装着しシグナルチェイサーを装填した状態で黒クリスは聖詠を歌い上げる。

 

――Killter Ichaival tron

『シグナルバイク!!ライダー!!チェイサー!!』

 

今回は自らの意思でイチイバルをライダーリンクギアチェイサーの状態で纏ったクリスは駆け出すと翼に斬り付けられたアナザードライブをブレイクガンナーで撃ち抜きながら距離を詰めると翼と同時に蹴りを放つ。

 

「俺も負けてらんないだろ」

 

自らの元に駆けてきたシフトライドクロッサーを掴み取った剛はそれをマッハドライバー炎へとセットする。

 

「追跡!撲滅!いずれもマッハ!・・・レッツ変身!!」

 

『シグナルバイク!!シフトカー!!マッハチェイサー!!』

 

「仮面ライダー!!!マッハチェイサー!!!さぁ、飛ばしちゃうぜ~!!!」

 

三人それぞれがバラバラに動いているにも関わらずアナザードライブは一手一手を的確に潰され終いにはマッハチェイサーの振り抜いたシンゴウアックスにより装甲を破壊され火花を散らされる。

 

「鬱陶しい!!この空間で永遠に静止しろ!!」

 

タイヤを射出し三人を弾き飛ばしたアナザードライブが超重加速を発動させようとすると胸の中心にマリアの拳が当たる。

 

「返せッ!」

「戦うことすらできない屑が!!」

 

腕を振り下ろしマリアを砕こうとしたアナザードライブであるがその動きが何故か途中で止まる。

 

「それはセレナのアガートラームだッ!」

『ううん、それはもうマリア姉さんのシンフォギアだよ』

「ッ!もう私に譲ってくれていたらしい!!!」

 

聞こえたセレナの声それは目の前のアナザードライブによる紛い物ではないと判断したマリアの胸に聖詠が湧き上がる。

 

――Seilien coffin airget-lamh tron

 

アナザードライブが激しく火花をあげると白銀の光が漏れ出し装甲の隙間から先ほどまでパラドクスロイミュードが纏っていたアガートラームが飛び出すとマリアへと纏われていく。

シンフォギアを纏い終えたマリアは全力でアナザードライブの顔面を殴り抜き吹き飛ばす。

 

「返して貰ったぞ!!セレナの、私のアガートラームを!!」

「馬鹿なッ!適合係数の低いお前にこのような芸当は不可能!!」

「私の胸にはセレナが居る!!ならば不可能など存在しないッ!」

 

マリアがそう言っていると翼Bは先ほどアナザードライブが殴り飛ばされた際に落としたダークドライブウォッチを拾いあげる。

 

「通常のライドウォッチか。やもすればこれで奴を」

「こっちを使え」

 

ダークドライブウォッチを使用しようとした翼に黒クリスはドライブウォッチを投げ渡す。

 

「何故お前がこれを」

「こいつが渡せってうるさいからアンタにくれてやった」

「そうか、ならばありがたく使わせて貰おう」

 

『ドライブ!!』

 

翼が起動したドライブウォッチを確認したアナザードライブがドライブアーマーを纏わせないために超重加速を発動させるが直ぐさまにマリアによって打ち消されると彼女の振るった長剣が鎖のようになるとアナザードライブを拘束する。

 

「今だ!!」

「ああ」

 

『ライダーリンク!!』

『ドライブ!!タイプスピード!!』

『ドライブ!!』

 

無事にドライブアーマーを纏った翼がアナザードライブにトドメを刺そうと黒クリスとマッハチェイサーの間に立つと声が轟く。

 

「祝え!!新たな戦姫の誕生を!!」

「ウォズ!?」

「その名も風鳴翼ライダーリンクギアドライブ!!無辜の市民の命を守り続けたライダーの力を手にした瞬間である。さあ、我が戦姫の剣よ存分にその力をふるいため。質問にも答えておこう我が戦姫も既にこの世界に来ているのさ」

 

世界を越えてまで現われたウォズから翼Bはアナザードライブへと意識を戻す。

 

「仔細は後で聞こう。今は奴を倒す」

「じゃあ、行くぜ~!!」

「木っ端にしてやる」

 

『ヒッサツフルスロットル!!スピード!!』

『ヒッサツフルスロットル!!マッハチェイサー!!』

『ヒッサツフルスロットル!!チェイサー!!』

 

放たれたトリプルライダーキックが身動きのできないアナザードライブへと迫る。

 

「本当に良いの姉さん!?このまま私を見殺しにしたらセレナと言う存在が居た証が消えるのよ!?」

「何度も言わせるなお前はセレナではない」

「おのれぇぇえぇええええ!!!」

 

トリプルライダーキックが炸裂しアナザードライブを吹き飛ばし爆散させると二つの108のコアとアナザードライブウォッチが砕け散った。

 

「いい画でしょ?」

 

マッハチェイサーが決め台詞を発すると共にゲームエリアから五人はS.O.N.G.本部内へと戻ってきていた。

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