ン我が戦姫!!   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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楽園失墜:2003’

 ノイズとは生涯を通して遭遇する確率は東京都心で通り魔に遭う確率より低いと言われている。

つまり今までの人生において二度もノイズに遭遇した響はもう遭遇する事じゃ無いだろうと本人も思っている。

その為先日翼によって二課本部に連れて行かれた際にそこの司令である風鳴弦十郎にガングニールのギアペンダントとビルドウォッチを渡すか二課に加入するかを要請された際に渡す方を選択したのだ。

 だがウォズと言う存在が本当に自身が戦いから離れられるとは考えることもできていなかった。

こんな事を考えているのが良くなかったのだろうと響は直ぐさまに軽く後悔する事になった。

モヤモヤとする頭をどうにかしようと行く先も決めずに街をブラブラと歩いていると紅のバイクが歩道を歩く響の前に飛び出してくる。

 

「一度踏み入れた地獄から抜け出せるって思うなんて・・・」

「急に飛び出してきて何?」

「羨ましいなぁ・・・。平和ボケな頭で・・・」

 

初対面だと言うのに随分な言い草をしてくるバイクに乗っている少女に響が苛立っていると少女がバイクから降りるとアナザーファイズへと変貌する。

アナザーファイズは響の胸ぐらを掴み引き寄せると投げ飛ばす。

 

「何だコイツ・・・。ノイズじゃないッ!」

「今は逢魔が時なんだからさ。気を張らないといけないよ」

 

気怠そうに手首をスナップさせながら迫ってくるアナザーファイズを迎え撃とうとするが今はシンフォギアを纏うのに必要なギアペンダントを二課に渡している事を思い出し逃走を選択する。

 

(こんな事になるなら渡すんじゃ無かったッ!)

 

ノイズやら何やらに関係なく騒動に巻き込まれ命を脅かされるこの状況に世界自体に嫌われているのではないかと響は思ってしまう。

 

「やっぱり私呪われてるッ!でなきゃおかしいッ!」

 

銃を抜いて足を狙って撃ってきたアナザーファイズに響は足を撃ち抜かれなかった物の靴底を消し飛ばされる。

それによってバランスを崩した響は近くにあった地下鉄へと繋がっている階段を転がり落ちていく。

 

「・・・つうッ!」

 

転がり落ちる途中でまだ治りきっていない腕を強かに打ち付けた響は腕を押さえて蹲る。

 

「こんな事してる場合じゃないッ」

 

直ぐに起き上がり逃げようとする響の近くにアナザーファイズの銃撃が着弾する。

落ちてきた響に何事かと近寄ってきた人が地下鉄に降りてきたアナザーファイズに撃ち抜かれる。

 

「お前ッ!」

「逃げる貴女がいけない」

 

現われた怪物に人々が逃げた事で地下鉄の構内にて響とアナザーファイズの一対一となる。

 

「お困りのようじゃないか我が戦姫」

「ウォズ!」

「こんにちは、いやこんばんはかな?」

「どっちでも良い」

「つれないじゃないか」

 

もうウォズが突然現われた事に慣れたのか響は驚くこともなくウォズに返答するとアナザーファイズがウォズを銃撃するが手で払い落とす。

 

「紛い物風情が随分と舐めた真似をしてくれるじゃないか」

「紛い物・・・確かに地獄に生きる私には相応しい」

「なんなのあれ」

 

相変わらず気怠そうにアナザーファイズについて聞かれたウォズは本を開く。

 

「この本によればあれはアナザーライダーの一つアナザーファイズ。そしてその変身者はバルベルデにて内戦に巻き込まれ行方知れずとなっていた雪音クリス」

「変身してる奴はどうでも良い」

「知っておいて損はないさ。おっとそんな事より今の君には彼女が必要じゃないかい?」

 

二課に渡した筈のギアペンダントを差し出してくるウォズから響は躊躇いも無くそれを受け取る。

 

「世界が私を嫌っているんだ。だったら戦ってやるッ!」

「少なくとも私は嫌いではないよ」

 

ウォズがそう言う横で響が聖詠を歌いシンフォギアを纏う。

 

――Balwisyall nescell gungnir tron

 

響がシンフォギアを纏うのに合わせて先ほどアナザーファイズに撃ち抜かれた者が灰を落としながら立ち上がるとオックスオルフェノクへと変貌する。

 

「人が怪物にッ!」

「どうやら殺害した人間をオルフェノクへと変化させる事が彼女の能力の一つらしい」

「ノイズよりも質が悪いッ!」

 

殺すだけではなく怪物へと変貌させるアナザーファイズに響が悪態をつくとオックスオルフェノクの突進を喰らい構内の奥へと連れて行かれる。

 

「貴女は・・・別に良いや」

 

相手をすれば面倒くさいとアナザーファイズはウォズをスルーして響を追っていった。

 

「何故アナザーライダーが現われたのかは気になるが、この程度試練我が戦姫には容易く乗り越えて貰わねば」

 

ウォズのその言葉は異なる響の軌跡を知っているが故である。

 

 

 

 

 

 

 二課司令室に聖遺物の研究者である櫻井了子が慌てた様子で飛び込んでくる。

 

「大変よ弦十郎くん!!ガングニールのペンダントが無くなってるわ!!」

「ああ知っているとも」

「え?」

「ガングニールの反応を検知したからな。既に翼を向かわせている」

 

反応こそないがガングニールの反応が出たと言うことはノイズかそれに準じる驚異の出現と判断したことで弦十郎は翼を反応が検知された場へと向かわせたのだ。

 

「何か途轍もないものが動いているわよ」

「だろうよ。緒川にさえ気取られずに此処で盗みを働くことのできる奴など想像がつかないからな」

 

ガングニールのギアペンダントを盗み出したのはウォズであるがそのウォズの存在は翼から伝えられているだけの存在であり街中に仕掛けられている監視カメラにも一切映り込んでいない。

その為現在の二課にとってはガングニールのギアペンダントを盗み出した犯人は皆目見当もつかないのであった。

 

 

 

 

 

 

 アナザーファイズに蹴り上げられた響が宙で態勢を整えようとするとオックスオルフェノクが鉄球を振り上げ響を構内の天井にめり込ませる。

 

「これくらいすれば良いかな」

「舐めるなッ!」

 

向かってこようとす響を見て溜息をついたアナザーファイズはオックスオルフェノクに指示を出すとオックスオルフェノクは跳躍し響に角を突き立てると勢いを落とすことなく天井を貫いていき硬い地層を貫通すると星空の元に躍り出る。

 

「ぐぅッ!」

「そろそろ大人しくしたら?」

「誰がッ!」

 

遅れて地上に現われたアナザーファイズにそう言われた響は今の攻撃によって口の中に上ってきていた血を吐き捨てながらアナザーファイズに戦意が衰えていないことを告げる。

 

「ちょいとストップ!!」

 

再び戦闘が始まるかと思われた時にどこからか声がすると先日クリスが立ち寄って居たラーメン屋の店主が居た。

 

「ラーメンの・・・」

「お嬢さん、その力はそうやって使うもんじゃ無いって事を教えてやるよ。少なくとも俺の知ってる奴はそういう風には使ってなかったぜ」

「誰?」

 

此処に来るのに乗ってきたのだろうバイクの荷台に固定していたアタッシュケースを開き中からファイズギアを取りだした店主は響からの誰何に答える。

 

「ただの海堂様だ。変身!!」

 

『Complete』

 

紅いフォトンストリームが海堂の身体を覆うと特殊合金の鎧が纏われることで彼は仮面ライダーファイズへと変身を遂げる。

 

「もう変身できるのは俺だけだからな」

 

どこか寂寥感を感じさせる声色で小さく呟いたファイズはアナザーファイズの指示を受け突進してくるのをすれ違いざまにグランインパクトを炸裂させ灰と化させる。

 

「本物が出てきちゃった」

「おらぁ!!」

 

拳を振るってくるファイズをいなしアナザーファイズは後ろ蹴りを喰らわせ続けて振り返り様に正拳突きを放つが身体を反らしていたファイズに躱され足払いを受けるとバランスを崩す。

振り下ろされる踵落としを転がり回避したアナザーファイズは立ち上がるとファイズエッジと酷似した歪な剣を取り出すとそれに応じてファイズが手を翳すとバイクが変形したバトルモードのオートバジンからファイズエッジが放り投げられるとそれをキャッチし刃を展開しアナザーファイズの振るう剣に応戦した。

 目の前で繰り広げられる戦いに響が入ることができないでいるとウォズが彼女に声をかける。

 

「言い忘れていたが我が戦姫アナザーライダーは元となった仮面ライダーの力でしか倒すことはできない」

「てことは今が倒し時って事か」

「その通りだとも」

「そう言うことは始めに言って」

「以後気をつけよう」

 

倒すならば今が一番のチャンスだと判断した響はファイズを斬り付け蹴り飛ばし追撃を行おうとしているアナザーファイズに跳び蹴りを食らわせ蹴り飛ばす。

 

「あれを叩くのにアンタの力が要るらしい」

「おう、良いぜ。こう見えて昔は一緒に戦ってた仲間が居たのよ」

「今は?」

「みーんな人間の明日を信じて逝っちまいやがった」

「明日ろくなもんじゃない」

 

投擲されたアナザーファイズの剣の蹴り返したファイズが響に言う。

 

「お前友達居ないな?」

「必要ないそんなの」

「一人くらい作っておいた方が人生楽しくなるぜ」

 

大地を切り裂き赤い波動を放ったアナザーファイズの攻撃を響が地面を殴り相殺すると彼女の背後からスパークルカットを発動したファイズがアナザーファイズに迫る。

 

「うおおおお!!」

 

技を放った直後で硬直しているアナザーファイズにスパークルカットが直撃するかと思われたその時。

 

『Exceed charge』

 

光の刀身が闇より伸びファイズを斬り飛ばす。

 

「痛ってぇ・・・!」

 

今の衝撃で変身を解除され大地に転がり呻く海堂と警戒する響の視界に仮面ライダーオーガが現われる。

 

「君が生きている可能性があるだけでも僕は嬉しい」

「その声、お前まさか木場か!?」

 

変身を解除したオーガは被っていたフードを取ると素顔を晒す。

 

「だけど海堂僕の償いの邪魔をしないでくれ」

「なに言っちゃってんだお前って奴は・・・」

 

居るはずのない者に困惑しながらも言葉を絞り出す海堂の前で木場はテレポートジェムを砕くとアナザーファイズを連れて撤退した。

 

「この本によればあれは至ってしまった木場勇治だ」

「至る?何に?」

「パラダイスロスト」

 

ウォズの言葉の意味を響はオーガの変身者の名前以外理解できなかった。

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