ン我が戦姫!!   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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ワイルドカード:2004’

 電撃が迸り飛行していたファイアフライアンデッドの筋肉が硬直し地に落ちる。

いきなり降ってきたファイアフライアンデッドに街行く人々が動きを止めているとファイアフライアンデッドの上にアナザーブレイドが降り立ち踏みつける。

再び現われた怪物によってもたらされた衝撃によって人々は我を取り戻すと一目散に逃げていく。

 

「バトルファイトに勝利し世界を手にする。今度こそだ」

 

火を噴き抵抗しようとしたファイアフライアンデッドの頭部を大剣で貫き活動を停止させアンデッドバックルが開いたのを確認しラウズカードを用い封印する。

 

「君さぁブレイドじゃないよね?」

 

スマホのカメラによるシャッター音が響いた後にかけられた声にアナザーブレイドが顔を向けるとベンチの上に少年が座っていた。

 

 

「お前は・・・」

「それっぽい偽物だよね」

「そちらから出向いてくるとは良い度胸だな。カテゴリーキング」

 

正体を当てられたにも関わらずカテゴリーキングはぴくりとも動揺しない。

 

「まずは貴様で一枚目だ。俺は究極の力を手に入れる」

「君もしかして・・・。だとしたら出てくるのが早すぎるんじゃないかな」

 

アナザーブレイドの言動からその正体を察したカテゴリーキングが戦闘態勢に入ろうとするがこちら側へと向かってくる数台の車の音を聞きつける。

 

「邪魔が入っちゃったね。また今度にしようか」

 

風が吹くと共にカテゴリーキングが姿を消すとアナザーブレイドの前方に車が停車すると武装した者達が降り立ちアナザーブレイドを取り囲む。

 

「対象を発見。撃ち方用意!!テェッー!!」

 

隊長らしき者の指示により一斉射を受けるアナザーブレイド。

しかし強靱な装甲により一切のダメージを受けずに逆に大剣を一振りし攻撃してきた者達を肉塊へと変えようとする。

だが振り抜かれる直前にアナザーブレイドの影に弾丸が撃たれる事で動きが止まるといつの間にか懐に潜り込んでいた緒川がアナザーブレイドの大剣を蹴り飛ばす。

 

「人間風情が邪魔をするな」

「翼さん!!目を覚ましてください!!」

 

影縫いによる拘束を無理矢理振りほどき殴りかかってくるアナザーブレイドに忍術で対抗する緒川をアナザーブレイドは嘲笑する。

 

「聞こえないさ。あの女は失われた俺の身体になってもらっている」

「ならば貴方は誰だ!!」

「最後の切り札だ」

 

スペード10を使用し周辺の時を止めたアナザーブレイドはカテゴリーキングを探しに行った。

 

「居ない・・・」

 

時が再び再始動した事で動けるようになった緒川はアナザーブレイドを逃した事を悟ると即座に二課へと通信を入れる。

 

「司令、申し訳ありません翼さんを取り込んだ怪物を見失いました」

『対策を考えよう。一度戻ってきてくれ』

「分かりました。司令、奴は自身の事を最後の切り札と言っていました」

『最後の切り札か・・・』

 

その言葉にどのような名称が含まれているのかを弦十郎は了子に調べるように頼んだ。

 

 

 

 

 

 

――2008年

 

 無数の竜巻が発生し海を吸い上げ大地に海水の雨を降らせる。

大地が割れマグマが噴き出し大陸の形が変わっていく。

 

「アルビノジョーカー!!このままお前の好きにはさせない!!」

 

『EVOLUTION・KING』

 

巨大邪神フォーティーンと一体となり万能の力を手に入れたアルビノジョーカーの眼下で剣崎一真がブレイバックルを操作すると黄金のオリハルコンエレメントと12枚のギルドラウズカードが展開され剣崎と一体化し彼を仮面ライダーブレイドキングフォームへと変身させる。

 

「始の・・・アイツの意思を無駄にしないために!!」

 

フォーティーンの頭部よりも遙か上空に飛び上がったブレイドはキングラウザーに5枚のギルドラウズカードを投入する。

 

『スペード10・スペードJ・スペードQ・スペードK・スペードA』

 

フォーティーンへと導くように浮かび上がったアンデッドクレストのスクリーンをブレイドは潜り抜けていく。

 

『ロイヤルストレートフラッシュ』

「ウェェェェェイッ!!!」

 

気合いを込めた叫びと共にキングラウザーを大上段から振り下ろすブレイドの軌道はフォーティーンから幾ら攻撃を受けようとも一ミリたりともずれはしない。

胸部から生えているアルビノジョーカー自身もフォーティーンと共に真っ二つに切り裂かれる。

 

「馬鹿なッ!そんな、俺はッ!」

 

そしてアルビノジョーカーは断末魔を上げながらフォーティーンと共に消滅した。

 

 

 

 

 

 

――2043年

 

 身を巻く炎の幻視と両断される幻痛を感じた翼が目を覚ます。

どこかの路地裏に積まれているゴミ袋の上で眠っていた事の気づいた翼が慌てて身を起こすと室外機の下にできた水溜まりに写っている自身が普段ではしないような服装をしていることにも気がつく。

 

「なんだこの格好は・・・」

 

あの時アナザー鎧武に敗北してからの記憶がすっぽりと抜け落ちている事で今まで自分が何をしていたのか分からない翼は背後に気配を感じる。

 

「貴女もこちら側に来る?」

「お前は・・・そうか奴の言っていた妹か・・・」

 

ポリバケツの蓋の上に座るクリスを警戒しながらいつでもシンフォギアを纏えるように翼はギアペンダントを握ろうとした瞬間脳裏にリザードアンデッドが人々を襲う光景が浮かび上がる。

 

「何だこれは・・・!やめろ、私を呼ぶなッ!」

 

そしてドンドンと自身の意識が薄れていくと共に自らの奥から途轍もなく邪悪な意思が浮かび上がってくるのを感じる。

 

「誰だお前は・・・」

 

膝を突いた翼の身体から歪なオリハルコンエレメントが展開されるとそれが彼女の身体を潜り抜けその身をアナザーブレイドへと変える。

 

「貴様に自由意志などない」

「ウォッチが意思を持っているの?」

 

アンデッドではないクリスを無視したアナザーブレイドはリザードアンデッドの元へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 自身の家への帰り道がビートルアンデッドにより破壊されていた事で帰る事ができなくなった未来は親へと連絡を入れ昨夜入れていた。

ホテルへ泊まるような金など持っていないが鉄道会社が臨時で駅に附属しているホテルを無料開放した事で未来と始はそこで一夜を明かした。無論部屋は別である。

 

「何故俺に着いてくる」

「だってまだお礼が何もできていないから」

「そんなもの必要ない。君には帰らないと行けない場所があるんじゃないか」

「まだバスも電車も動いてないです」

「・・・」

 

小さく溜息をついた始は少し後ろを着いてくる未来に何処かへ行けと言おうとしたが自身の前にアンデッドの気配を感じ取り足を止める。

 

「止まれ」

「どうしたんですか?」

 

険しい顔つきをしている始に対しての疑問は彼の視線の先に居る初老の男が答えとなった。

 

「カテゴリーエース、今回も私の役に立ってもらおう」

「誰だ貴様は」

「忘れたのか?私だよ、鎌田だ。此処まで言えば分かるだろう?それともこの姿を見せた方が早いか」

 

鎌田と名乗った男の姿が陽炎のように揺らめくとパラドキサアンデッドへと変わる。

 

「カテゴリーキングか・・・」

 

カリスラウザーを腰部に出現させた始はチェンジマンティスのカードを手に持つ。

 

「礼がしたいんだったな。ならば下がっていろ」

 

有無を言わさない始に未来は頷くと離れた所にあるオブジェの後ろに隠れる。

それを確認した始はカリスラウザーにカードをスキャンする。

 

「変身」

 

『CHANGE』

 

カリスとなった始を見てパラドキサアンデッドはこいつはカテゴリーエースではないと確信する。

 

「そうか、既にカテゴリーエースは封印されていたか。ならば私達が戦う理由は無い。どうだ、手を組み共に世界を手にしないか?人間」

「貴様に戦う理由が無くとも俺にはある」

 

全てのハートのカテゴリーを手に入れた時に変身できる姿へと至るために必要な存在であるカテゴリーキングを封印するためにカリスにはパラドキサアンデッドと戦う理由がある。

 

「ならば仕方が無い。貴様を殺し別の人間を私のマリオネットにしよう」

 

飛んでくる真空の刃をカリスアローで防ぎながらカリスはパラドキサアンデッドに一気に肉薄すると手加減することなく斬り付け緑の血飛沫を舞わせる。

 

「反撃などさせるか!」

「舐めるなッ!」

 

ダメージを負いながらもカリスアローを掴んだパラドキサアンデッドは腕の鎌を振るいカリスを斬り付け自身と同じ緑色の血が流れているのを見て動揺する。

 

「貴様アンデッドか!」

「俺はアンデッドではない!!そして人間でもない!!」

「ならば貴様は誰だ!!」

「俺は仮面ライダーだ!!」

「奴らの同類か!!」

 

両者が同時に相手を蹴り飛ばし距離が開くと丁度中間地点にライオンアンデッドが横からライオンアンデッドが吹き飛んでくる。

 

「新手か・・・」

 

そう言うカリスであったがライオンアンデッドのアンデッドバックルが既に展開されているのを見てそれが飛んできた方を見ると響がラウズカードを投げていた。

 

「仮面ライダーではない奴が封印を!」

「残り二枚で二匹。丁度良いどっちも封印する」

 

カリスとパラドキサアンデッドをどちらも相手取ろうとしている響をウォズが制止する。

 

「逸りすぎるのは良くないな我が戦姫。あちらの弓を構えている方は仮面ライダーカリス。アンデッドであっても仮面ライダーだ」

「敵じゃないって考えて良いって事?」

「その通りだとも」

「だったらアイツか」

 

カリスから視線を外しパラドキサアンデッドだけに意識を向けて響を見てカリスも響への警戒心を残しながらもパラドキサアンデッドに標的を絞る。

 

「たかが小娘一人増えたところで勝てると思うな」

 

両者の態度から舐められていると感じたパラドキサアンデッドは怒りを露わにした。

 今まで必死に探していた親友が戦装束に身を包み現われた事で未来は盛大に混乱していた。

 

「どうして・・・どうして響が戦っているの?」

「これは異な事を言う。小日向未来、我が戦姫が戦う契機は君じゃないか」

「私・・・?」

 

どうして自分が切っ掛けなのかと更に混乱する未来にウォズは追撃する。

 

「分からないかい?あの日君がツヴァイウィングのライブに誘ったからだ」

「私が・・・」

 

どうしてライブに誘った事で響が戦う事に繋がるのかは分からない。

だが、そう言われた事で自身が紛れもなく響が戦いへと身を投じる切っ掛けだというのは明らかであると未来は理解してしまった。

 

「我が戦姫だけに君は戦わせるのかい?」

「私は・・・私は・・・」

 

目の前に居る名も知らぬ女に未来は直ぐ側で行われている戦いよりも意識を持って行かれていた。

 

 

 

 

 

 

 瓦礫に埋もれたリザードアンデッドを封印したアナザーブレイドの前にクラブのカテゴリーキングであるタランチュラアンデッドが姿を現す。

 

「カテゴリーキング!!」

「君も彼のように心の闇に取り憑かれたか・・・」

 

アナザーブレイドを見て仮面ライダーレンゲルの事を思い出したタランチュラアンデッドは振るわれる大剣を掴み取る。

 

「そしてお前にその力は相応しくない、ジョーカー!仮面ライダーは彼のような心を持つものにこそ相応しいのだ」

「黙れ。そんなに仮面ライダーがお望みならばそうしてやろう」

 

『OPEN UP』

 

アナザーブレイドからオリハルコンエレメントが展開されるとタランチュラアンデッドを吹き飛ばしアナザーブレイドを仮面ライダーグレイブへと変える。

 

「封印してやる」

「私の知らない仮面ライダーだと・・・」

 

グレイブラウザーに斬り付けられたタランチュラアンデッドはこの存在と身体を乗っ取られている翼とを分離させる為にレンゲルの時と同じ賭けに出ることを決意した。

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