一匹狼スコート、敗北ループに出向す   作:彼岸花すずか

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4.一匹狼、どく攻撃と精神攻撃

 諸君、こんにちわ。スコートだ。

 正直言って、私はどうするべきなのか分からなくなってきた。これまでループを解消するべく努力を続けてきたかが、本当に意味があるのだろうか。私は部下に信頼されていないのか。そもそもループが終わる保証すらない。

 

 なんかもう、疲れたな。

 今回のループでは何もしないことにしよう。ついでに部下にも優しくするか。”孫”だからな。ほれボーナスをあげよう、自費で。……キモガられてしまった。

 

 もう偵察もやめだ。今回はなにもしないぞ。

 

「……これを」

 

 疲れ果てた私の下に、見慣れない服装の男が差し入れをしてくれた。おお、もはやいないと思われた味方がまだいたか。気が付けば対決の日はすぐそこまで近づいていた。あいつらにも分けてあげよう。

 だが、対決には行かなければならない。いざ金人港。

 

 金人港に着いたが、皆の様子がおかしい。というかこの場の全員が辛そうだ。腹が、痛い!

 気づけば三月らは来ていたが、それどころではない。我先にと部下がトイレに向かって駆け出していく。彼らは戦闘員も兼ねているので多少は我慢する力があるが、私はもう……。

 あ。

 

「ええと、あんた大丈夫」

「危ないところだったが、もう心配する必要はない」

「うわぁ……。エグい」

 

 察するにこれは三月の助っ人の搦手だろう。あの男かその仲間が差し入れてくれた料理に下剤が入っていたと思われる。三月もやりすぎたと言わんばかりの表情をしている。

 とんでもない。

 

「三月なのか。お前は私と同じくらい卑劣で恥知らずで、残忍かつ無情で、手段を択ばない人間だった。こころから敗北を認めるよ」

「殴っていい?」

 

 三月は怒っているようだが、これでもほめてるんだよ。

 流石に殴られたくはないと思っていたが、無事だったらしい部下が駆けつけてくれた。無事でよかったのやら、薬膳スープを拒否られて悲しいやら。私は引きずられながらも彼女に拍手を送り続けた。

 そして十回目の拍手を終えた瞬間に、私は不夜候にまで戻っていた。

 

 今回こそは頭にきた。

 今度こそ叩き潰してやるぞ、三月なのか。過程は省略するが今回こそ、我らカンパニーの最高傑作。金人港で一行を待っていると彼女らは3人でやって来た。開拓者と三月はいつも通りで、あとはよく知らない銀髪女。話を聞いている限りはただのゲーマー。脅威は無かろう。

 しばらくすると三月なのかは助っ人少女を横目に、目の前に掲げた剣と会話を始めた。頭でも沸いたか。

 

 ん?

 会話が終わると三月は構えを取ったのだが、これまた特殊であった。いつものことではあるものの今回は特に珍妙。ほどなくして弱弱しい突きをロボへと放つ。

 前に三月はループごとに強くなっていると言ったが、あれは嘘だ。たまにコイツはこのように気狂いのごとき振る舞いをすることがある。そんなものでロボがやられるはずがあるまい。

 あれ、ちょっと待て。なぜロボがこちらを向いている。

 ちょっと待て、敵は向こうだ。こっちを攻撃するんじゃない。

 待ってくれ!

 

「大変そうだね。あと君のパソコンのデータが安全だと思わないことだね」

 

 本当に待ってくれ!

 というか、私のパソコン?何を言っているんだ、この娘は。

 そう疑問符を浮かべる私の下に走って来た部下が、焦ったように言う。

 

「スコートさん、そいつは星核ハンターの銀狼です!」

 

 何、どうりでカンパニーのロボを易々とハッキングできたのか。

 

「まずいバレた。こうなったらコイツを社会的に抹殺するしかない。ええと、どれどれ……。『俺様メカに恋されて』、『無機帝国ロマンチカ』。あなたの趣味は本当に変わってるね」

「この度は申し訳ございませんでした。今すぐ消えます」

「え、でも……」

「うるさい!」

 

 どうせループで帳消しになるが、これ以上痴態を晒すのは耐えかねる。豚の鳴き真似で十分だ。

 

 

 あれからも数々のループを繰り返した。その中で搦手も増えてきてたが、そのどれもが解決の糸口となることはなく、手を変え品を変えで私の品位が貶められるばかりであった。正直言うとまともにやりあう方がマシまである。最近は彦卿と雲璃が来るのを、ガチャ感覚で祈るようになってしまった。どうしてくれるんだ。

 

「いっくよー、不可視の斬撃!」

 

 そういうわけで再び我々のメカは三月の斬撃の前に斃れたが、それにしても強くなりすぎではないだろうか。師匠のお二人さんもうんうんうなずいてないで、君らの弟子凄いことになってるぞ。

 もう怖いよ、三月なのか。化け物だろ。

 

 

ー三月なのかが剣術で勝利した後、スコートは負けを認め、謝罪してから金人港を去った。

ーフォフォはシッポの封印を解き、スコートの心の世界に送り込んだ......。

ー青雀に歪んだ仕事観を面と向かって批判されたスコートは......。

ー椒丘がモゼを寄越してスコート一行に下剤を飲ませた......。

ー三月なのかは銀狼が改造した剣でカンパニーのメカを操り......。

 

ー三月なのかが剣術で勝利......、フォフォはシッポの封印を解き......、青雀に仕事観を批判された......、椒丘が下剤を飲ませた......、銀狼が改造した......。

ー剣術、封印、批判、下剤、改造。

ー三月なのか、フォフォ、青雀、椒丘、銀狼。

 

ー全てのエンディングを解放しました。




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