アビドス高校 会議室
ツバサ「みんな、いい話が…!って、あれ?」
朝、会議室に来るとみんなが深刻な表情を浮かべていた。セリカだけがその場にいない上に、先生すら深刻な表情だった。
アヤネ「大変だよ、ツバサ!セリカちゃんが!!」
アヤネの口から事情が説明された。
ツバサ「セリカが攫われた!?」
アヤネ「うん、今先生が連邦生徒会のネットワークに入ってセリカちゃんの居場所を特定したんだ。行こう!」
ツバサ「あ、あぁ!」
郊外の砂漠地帯に向かう俺たち。攫ったのはカタカタヘルメット団の奴らだ。
ツバサ「アヤネ、例のやつを動かすのか?」
アヤネ「もちろん!超特急だからね!」
アヤネはみんなをバギーに乗せる。倉庫に眠っていたものを俺とアヤネで掃除して動かせるようにしたんだ。
ノノミ「急いで助けに行きましょう」
ホシノ「飛ばすね〜」
先生「こんなのをどこで!?」
先生は助手席で端末を確認している。
アヤネ「倉庫で眠ってたんです。こんな時に役に立ってくれました!!」
俺とシロコ先輩は荷台から砂漠の景色の観察だ。先生によるとセリカを載せたトラックはこの辺りを通るだろうと予想しており、双眼鏡で辺りを探す。
シロコ「どう?」
ツバサ「うーん…今のところ、それらしき影は見えてないですね」
シロコ「貸して」
辺りを見回していたシロコ先輩、普段よりも焦ってるのが声色と態度から分かる。けど今いる場所にはヘルメット団の一団は見られなかった。
シロコ「アヤネ、もう少しだけ動ける?」
アヤネ「はい、少し移動しますね」
シロコ(セリカ、どこなの!?)
アビドス郊外の砂漠地帯
砂漠地帯での探索は続く。続けること10分、一台のトラックと数台の戦車が移動している様子が確認されていた。
シロコ「見つけた!アヤネ!!」
アヤネ「はい!」
先生「よし、なるべく気づかれないように周辺の監視を。付近に到着したら、一旦停止を」
先生の指示で接近し、一時停車したバギー。みんなが一度バギーから降りて敵の姿の把握に移る。
ノノミ「戦車にトラック… きっとあのトラックにセリカちゃんが」
ホシノ「セリカちゃん1人にどうして戦車なんか…」
ツバサ「何はともあれ、ここまで来たらあとは助け出すだけだな」
先生「まずは奇襲を仕掛けよう。戦車に真っ向からじゃ作戦の成功率は低くなる。シロコ、爆撃ドローンでトラックや戦車を狙えるかい?」
シロコ「うん、できるよ」
先生「アヤネは私と戦況の把握を。ノノミとホシノは出てきたヘルメット団員の迎撃をお願い。ツバサはシロコと一緒にセリカの救出を」
ツバサ「了解です!」
作戦は始まった。シロコ先輩の爆撃にトラックが当たって案の定、驚いたヘルメット団の奴らが飛び出してきた。
ホシノ「シロコちゃんナイス!」
ノノミ「さあ行きますよ!急いでセリカちゃんを助けるんです!!」
敵の砲撃をアヤネのドラテクで避けていく。
ヘルメット「お前らか!」
ツバサ「お前らに用はない。一気に突破させてもらうぞ!!」
ARを乱射しながらトラックの荷台へ向かう。シロコ先輩も敵の銃撃を避けて、蹴りで倒していく。
シロコ「ん、そこ!」
荷台を開けると案の定、セリカが捕えられていた。
シロコ「泣きっ面のセリカ、発見!」
ツバサ「大丈夫か!?」
シロコ先輩が縄を解く中、セリカは項垂れていた。
ツバサ「みんな、セリカは無事だ!」
アヤネ「セリカちゃん!」
みんなが通信越しにホッとしたのか声が高くなっていた。
ホシノ「セリカちゃーん、そんなに寂しかったんだね」
ノノミ「泣かないでセリカちゃん、その涙は私たちが拭いてあげますよ」
ツバサ「へへっ、ハンカチってやつだな」
セリカ「さ、寂しくなんかなかったっての!」
嬉し涙を流しているセリカ。
先生「無事で良かったよセリカ」
セリカ「な、なんで!?」
セリカが狼狽した表情を浮かべる。
先生「ふふん、伊達にストーカーやってないからね!!」
セリカ「ば、バッカじゃないの!?」
先生の得意げな感じに苦笑いを浮かべつつも、対策委員会の仲間が揃ったことにみんなが笑顔を浮かべる。
先生「よーし!反撃開始だ!!」
先生の合図でヘルメット団への反撃が始まる。
ヘルメット団員「う、うてぇ!」
ツバサ「行くぜ!」
先陣を切るのは俺だ。
ツバサ「おらああああああ!!」
動揺したヘルメット団員は銃撃により次々倒されていった。
ホシノ「もう遠慮しないよ」
怒りが滲むホシノ先輩が容赦なく攻め立てる。しかし敵にはまだ戦車が残っていた。戦車が先生とアヤネの乗ったバギーを追いかけ回す。
ツバサ「へっ、一番乗りはいただきだ!!」
正面から突っ込む。
アヤネ「危ない!」
戦車3台のうち1台の砲台に飛びかかる。
ツバサ「これでもくらえ!」
ゼロ距離でARを撃ちまくるが、硬い装甲にはビクともしない。
ツバサ「かってぇ!なんだこれ!?」
遠方からセリカも狙撃するがやはり装甲には傷がつかない。
シロコ「それなら!」
シロコ先輩の爆撃ドローンの攻撃で走行中の一機をまず転覆させられた。残りは2台。
先生「危ないアヤネ!」
バギーに戦車の一発が放たれる。先生とアヤネはなんとか脱出したが、敵の猛攻は止まらない。
ヘルメット団員「お前らもここで終わりだ!」
さらにノノミ先輩のミニガンとホシノ先輩のショットガンの連携攻撃ですら戦車は壊れなかった。
ツバサ「鉄壁かよ!動いてればさっきみたいに、一発で楽に吹っ飛ばせるんだが…!」
こちらは弾薬を消費していくだけだけで向こうは戦車のおかげで戦況が悪くなるどころかひっくり返そうとしている勢いだ。睨み合いが続たら、こっちが不利になる。
先生「だけど、崩せないわけじゃない。みんな、私に提案がある!!」
先生から作戦が伝えられる。 すげえ、そんなすごい作戦を思いつくなんて…
先生「どうだろうか、みんな」
シロコ「うん、いいと思う」
ノノミ「それで行きましょう!」
アヤネ「支援は任せてください!」
ホシノ「頼むよ、セリカちゃん」
ツバサ「満塁ホームランを頼むぜ、セリカ」
セリカ「う、うん!やってみる!!」
ツバサ「よし!行くぜ!」
戦車の砲撃を避けながら駆け出す。左右に分散して少しづつ反撃していく。当然効果は薄い。
ヘルメット団員「そんなもんかぁ!?」
ツバサ「ハッ、その"そんなもんたち"をとらえられないオンボロ戦車が、いい気になんなよ!!」
挑発をしながら、俺たちは後退する。そんな中背後に見えるビルの方角を一瞥する。
ヘルメット団員「鬼ごっこは終わりだ!!」
ツバサ(セリカ、頼むぜ!)
ノノミ(セリカちゃん!)
ホシノ(セリカちゃん!)
シロコ(セリカ!)
廃ビルにはセリカがいた。作戦の主役はスコープでチャンスを待つ。
アヤネ(受け取ってセリカちゃん!)
アヤネがドローンを飛ばす。上空から落としたのは、爆弾。
そしてその時は来た!
アヤネ「今です!」
爆弾付きのドローンが落とされた。
先生「今だ!セリカッ!!」
セリカの一発が爆弾にヒットした。大爆発に巻き込まれた戦車はまとめて壊され、ヘルメット団も撤退を余儀なくされたのだった。
セリカ「私を誘拐したことを後悔しなさい!!」
戦闘終了__
逃げ帰るヘルメット団を背に、作戦成功の喜びを皆で分かち合っていた。
ツバサ「よっしゃあああああああ!見たか、うちのバイトリーダーの神エイム!!」
ノノミ「ふふ、セリカちゃんは立派ですね」
ホシノ「いやぁ、なんとかなるもんだね〜」
先生「お疲れ様」
戦いを終えて皆んなが余韻に浸る。
先生「ありがとうセリカ」
顔を赤くしたセリカが上目遣いで先生を見つめる。うん、かわいい。
セリカ「…助けてくれてありがとう。先生」
ホシノ「おっ、セリカちゃんがデレた!」
ツバサ「素直になったってことだな」
セリカ「ち、違うってば〜!!」
あははと笑う中、俺のスマホにメールが届く。
ツバサ「うん?」
メールを開き、目を通すとその内容に崩れ去った。
セリカ「ちょ、ちょっと!?」
アヤネ「どうしたの!?」
先生「ツバサ!?」
ツバサ「嘘だろ、おーーーーい!!」
メールに書いてあったのは謝罪文だった。どうやら先日の注文を取り消したいという内容のメールだった。
ツバサ「せっかく、大口の注文で意気揚々だったのにさ〜 なんでだよ!!」
悔しさで地面をなん度も叩く。
ノノミ「ふふ、ドンマイですよツバサくん♪」
アヤネ「また次の機会を狙おうね」
ツバサ「はぁ…」
まぁでも、仲間が無事だった。これだけでも嬉しいからいいか。
ツバサ「へへ…」
セリカ「なーに呑気に笑ってんのよ!ほら帰るわよ!明日から早速頑張らなくっちゃ!!」
ツバサ「へいへーい… うん?」
近くに何か落ちていた。
ツバサ(これって、さっきの戦車のやつだよな?)
とりあえず破片をくすねておいたが、まぁ戦利品にでもなれば万々歳だな。
ツバサ「さーて、明日はどうなる?」
意気揚々で学校に戻り、その日を終えた。