「ここが地獄の業火で焼かれて死んだ女の墓だ!!」
「うわっ!!」
晃が驚く
やっぱり梢ちゃんの声じゃない!
俺と世理香はショックで声をつまらせる
しかし晃が驚いたのは梢ちゃんの声に対してだけではなかった・・・
「ど・・・どうしてこの場所を知ってるんだ?」
「え?」
「こ・・・ここなんだよ・・・」
「な、なにが?」
「俺が言っていた例の「女の霊が出る場所」・・・写真で見たんだ・・・ここに間違いない・・・」
晃の顔が真っ青になっていく
「・・・そんなばかな・・・梢ちゃんはここに来るのは初めてだって言ってたぞ・・・」
「ここに来るのは初めて」と言った梢ちゃんの言葉は本当だと思う・・・
そんな嘘をつくような人間ではないし、なにより俺たちにそんな嘘をつく理由がない・・・
しかし、今目の前にいる梢ちゃんは何百と立ち並ぶ墓の中で少しの迷いもなくこの墓の前にたどり着いた・・・
この場所を知っていたとしか思えない
何かが梢ちゃんに取り憑りついている・・・・
みんな俺と同じことを考えているのだろう
梢ちゃんの姿を殺人犯を見るような警戒したまなざしで見据えていた・・・
「あ・・・あなたは一体誰?」
世理香が恐怖にかすれた声で梢ちゃんに尋ねる
ドコニイル!!
「うわっ!!」
「キャ!!」
またあの声が聞こえた!
今度は俺だけじゃない!!
晃と世理香にも聞こえたのだ
時々俺に聞こえていたあの声は幻聴じゃなかったのだ!!
「何がどうなってんの!!」
恐怖がピークに達した世理香が叫ぶ
「お前たちが望んでここに来た!女の問いに答えよ!!」
パニックにおちっている俺たちに梢ちゃんに取り憑りついた「男」は言葉を投げかけてくる・・・
・・・頭の中が真っ白になっていく
だがそれに比例して梢ちゃんに取り憑りついた「男」の言葉が鮮明に脳に渦巻く・・・
「女の問いに答えよ!!」
確かに「男」はそう言った
女の霊はなんといっていた?
・・・・・・・・確か・・・・・・・・
ダレダ?
ドコニイル?
・・・・・・・・・・・・
そこまで考えたとき車の中で晃が言っていた言葉がよみがえる・・・
霊園の奥にある墓に近くで「わたしはここにいる」というとその霊が現れて姿を人間に死の呪いをかけるという…
これが死の霊園の呪いの正体だったのだ!!
「・・・晃・・・世理香・・・あの言葉・・・言うんじゃないぞ・・・」
俺は心臓が凍りそうなこの状況の中必死の思いでそれだけ言葉に出していた
・・・もしかしたら梢ちゃんを守らなければと誓ったことが俺に力を与えてくれたのかもしれない
浸りは俺の言葉に頷いた
・・・恐怖に憑りつかれてはいるが俺と同じく今の状況を直感的に把握してるのだろう・・・
まだ俺たちは「女の霊を見てはいない」
よって死の呪いにはかかっていない…
何の根拠もないが今はそう考えて強く行動するしかない・・・
無理やりにでも梢ちゃんを連れて霊園から一刻も早く離れるんだ・・・今はそれしかない!
「・・・晃・・・世理香を頼む・・・俺は梢ちゃんを連れて逃げる・・・」
「わ・・・分かった・・・」
晃が世理香の手を掴んで逃げようとしたその時・・・
「ここまで来ておいてただ帰るのは許さない・・・お前たちも俺たちの仲間になるのだ!!」
「な!なに?・・・仲間?」
どういう意味だ?
「ま・・・まさか!!」
晃も気づいたのだろう・・・
最悪の状況が頭をよぎる
梢ちゃんの体を操ってあの言葉を言わせようとしている?!
「や!やめろ!!」
俺はとっさに梢ちゃんの体に飛びかかり口を押さえようとした
だが・・・一歩遅かった・・・
「わたしはここにいる!!」
梢ちゃんが叫んだ・・・
いや正確に言えば梢ちゃんの中にいる「男」が叫んだのだが
内容はどうあれついに俺たちは女の霊が現れる条件をクリアーしてしまった
あとは焼けただれた女の霊が現れて俺たちを呪うのだろう…
「逃げなきゃ!」
「目をつぶらなきゃ!」
「なぜこんな所に来てしまったのだろう?」
いろいろな思考が一度に頭を駆け巡る
・・・しかし体はその思考とは逆の事になってしまってしまっていた…
俺、晃、世理香の3人は時が止まったかのようにその墓を凝視していた…
動けない3人の目の前で梢ちゃんの体が崩れ落ちる・・・
「・・・遺体・・・」
梢ちゃんの声だ
俺はとっさに彼女に駆け寄り抱きかかえると
「梢ちゃん!大丈夫か?!」
彼女に尋ねた
ほかの二人はまだ動けないようだ
「・・・私・・・どうしたの?」
「梢ちゃんは誰かに操られていたんだよ!・・・でももう大丈夫!!さあ、ここから逃げよう!!」
どうやら女の霊は現れなかったようだ
しかしだたらと言ってこの場所にとどまる事は本能が強く拒否していた・・・
俺は彼女を立たせ一緒に逃げようとした
その時
ミツケタ!!
この世のものとは思えない恐ろしい声が響き渡った…
「雅人・・・ワリィ・・・やばい事に・・・巻き込んじまった・・」
そこには女の霊が立っていた…
さあ、幽霊がでてきてしまいました。
雅人たちの運命は?
はたして雅人たちは生き残れるのか?
次回をお楽しみに