昨日に引き続き、メールを送る。
まだ返事はない。
普段なら一週間。
それよりも早く帰って来られるのに。
今回のバレルの鍛錬は、二日前にはそれを過ぎた。
彼是、四度目の連絡になる。
結局の所、ご返信も何もなかったから勝手に進めているのだが。
ゼフラム社との追加の話し合いを終えた日から三日。
今後の方針のすり合わせも兼ねて早い所、話をしたい。
無意味に顎を擦り、首を傾げる。
普段よりも戻って来られるのが遅い。
と言うのもあるが、ここまで何の反応も返って来ないのは珍しい。
なくはないが、普段よりも遅い上にコレだ。
事故にでも遭われたかとの考えがチラと過ぎるが、すぐに捨て去った。
ワイリー様お一人なら歳もあってないではないだろうが、若いバレルが共に居て何かあったと考えるには現状、材料も不足している。
探しに行こうにも、ワタシは別に何処に行くか聞いていない。
さてどうしたものか。
そんな風に手を動かしながら悩んでいた中、不意に現実世界とを繋ぐモニターが付けられることを検知する。
見られてマズいモノはなし。
その確認だけ瞬時に済ませ、素知らぬ顔でそちらに向ければ、
『突然悪いな』
「リーガルか……」
画面にリーガルが映っていた。
答えつつ、訝しむ。
ワタシ――のみならずストーンマンもだが――のプライベートルームが映るのはワイリー様の部屋にある機器からのみ。
流石にハッキングされればその限りではなかろう。
しかし、ワイリー様のプロテクトを越えるより部屋に入って付けたと考えるのが道理にあっている。
問題は。
何故、わざわざワタシと繋がるモニターを付けたか。
「何の用ダ?」
それはまあ、聞けば良いだけの話。
胡乱気を装いつつ、手は引き続き動かし続けておく。
作業を辞めない姿を見、何処かおかしそうに笑ったかと思えば何やら片手で持ち上げて見せた。
それは。
『親父が忘れて行ったんだよ』
「PETをカ……道理デな」
『お前からのメッセージが昨日も来ていたようだからな……伝えてやろうと思ったまでだ』
「そリゃどうモ」
やれやれと言った感じで額を掻く。
アイリスは連れて行ったハズだが、どうやら手持ちのパソコンなりに入れてか。
それも多分、完全に作業用にした代物に。
そもそも連絡手段を忘れてるんじゃあ、どうやったって遣り取り出来るハズもない。
バレルの方に連絡を入れれば繋がるか。
だが、それはそれだ。
『それで?』
「ンだ?」
『急ぎの用なら、聞いておいてやるが?』
「調査結果の続報ダ。知っテるか分からネえが、怪しいインターネットエリアが見付かっテんだ」
『ああ……聞いた。何処の国のエリアかも不明だとか』
「其処の定期探査報告のヤツだ――モノがモノだから直接してるってノに…………」
そう伝えれば、まだ若干興味はありそうな顔だが納得はしたようだった。
嘘じゃあない。
ウラインターネット、とはまだ呼ばれていないそこの調査を続けているのは本当だ。
だが今回、ワイリー様にお伝えしたかったのはそれじゃあない。
パインの方の諸々なのだが。
謎のエリアに関心が寄っているリーガルは此方の内心に気付く様子もなく、軽く頷いていた。
「そう言ヤぁ」
『なんだ』
「ワイリー様は何時戻らレる? 普段通りなら、もウ戻って来ラれても良い頃だろウ?」
『――――――聞いてないのか?』
微かに。
しかし確かに。
声を少し上擦らせ、リーガルが問うてきていた。
思わず目を細め見返す。
画面越しながらもそこに垣間見えるのは、優越感か。
ワタシが何かを知らないことに、そしてその何かを自身は知っていることに、小さいながらも喜びを抱いている。
抑えようとし、しかし愉しそうに口元を小さくひくつかせる姿に気付いていないフリで首を傾げた。
「何をダ?」
『親父は今回、二週間……だからあと三日四日は帰って来ないぞ?』
「エぇ……? 嘘だロ…………」
『嘘を言う必要もないだろう?』
「ソりゃあ……そうダがなぁ…………」
そう答えれば嗜虐的にも見える笑みを隠そうともせず浮かべ、普段ワイリー様が座っている椅子にどっかりと腰を下ろした。
『なんだ、本当に聞いていなかった訳か?』
「いヤぁ……一言残しトいて欲シかった」
『フフフ――案外、信頼されていないらしいな』
「ン……そんなコト、とも言エねえわナ――ちナみに、何処ニ行ったんダ?」
脚さえも組んで。
嗤っていたリーガルから表情が瞬間、消えた。
露骨に不機嫌さを隠しもしない顔へと変貌し、不機嫌そうにワタシを見据える。
さながら良い気分だったのを台無しにでもされたような表情だ。
仕方なく、肩を竦めて誤魔化す。
ヨイショして色々と聞ければ程度だったんだが。
どうやら今の話は思ったよりもデリケートな部分でもあったらしい。
僅かな間。
不機嫌そうにしていたリーガルもその無意味さを悟ったようにため息を吐き、後ろを向いた。
そちらにあるのは壁掛け時計。
所謂、首長竜と呼ばれる恐竜型の盤をしたソレを見やると、
『――夕飯の準備をする』
それだけ言い残し、足早に消えて行った。
思い切りドアを閉められた音が響く中、若干の気まずさを覚えずには居れない。
一体ワイリー様は何をしたのやら。
リーガルがあれ程まで機嫌を見せるのは、交流が多い訳ではないワタシからしても妙だとは思える。
若気。
と言えば聞こえは良いかも知れないが、それにしたってだ。
わざわざ揶揄するためだけに顔を見せる、と言うのも些か過剰。
まあ要するに、
「――溜め込んデるみてえダな」
不満とか。
正直、最初から態度が何処か露骨だった。
だから息抜きぐらいには付き合おうと思ってはいたが。
食事しながら吐き出すつもりみたいだから、長くなりそうだ。
まあ、別に付き合うけども。
高性能ネットナビであるこのボンバーマン。
人間の愚痴を聞きつつ相槌対応をしながらでも、片手間にやりたいことを進められるだけの性能はある。
と言う訳で。
戻ってくる前にはとテーブル周りに整理したいデータやら資料を用意。
これで話を聞きながら素人プログラミングだとか進められる態勢を整えつつ、追加の資料も用意。
そうこうある程度の準備を進めていれば、扉が派手な音を立てて開かれた。
映像越しに見遣れば、リーガルが抱えるほどはありそうなピザのケースを二つも持って踏み入って来る所。
両手がそれで塞がっていれば、そりゃあ無理矢理開けるしかあるまい。
しかし。
それを一人で食べる気かと言うようなサイズの、油染みが出て来始めているケースを置いたかと思えば出て行って少し。
洒落っ気も何もないグラスと数本の瓶を持ってきたかと思えば漸く腰を下ろし、中身を注ぐ。
「オイオイ……」
『ん? ああ、そこまでは知らないのか。コッチはニホンと違って飲酒のボーダーラインが低いんだよ』
「身体に悪イぜ?」
『夜更かしよりマシだ』
「二つ併せテ最悪な訳カ」
『中々言うな』
鼻を鳴らし、しかし口角を僅かに吊り上げたまま注いだ赤い中身を一息に呷る。
苦そうに舌打ちし、また注いだ。
かと思えば、重ねていた上のピザのケースを開く。
まだまだ温かいのかほんのりとした湯気が解放され、隠されていたピザを露わにした。
黄金に輝きながらも所々が焦げ付いたチーズに、赤と白のコントラストを描く丸いサラミ。
ピーマンの緑色が欠片もない、その二つだけ。
画面越しにその匂いが漂ってきそうなその一つを掴み、糸引くチーズをもう片方の手指で無造作に断ち切りそのまま半分ほどを大口で頬張った。
「………………」
『む……ん…………フフフ……いやぁ、旨いものだ』
「ケッ! パインのヤツにピザ作るヨう頼むさ」
『パイン――パイン。アレと知り合いか?』
「あァ。ヤツも例の――謎のエリアの調査に駆り出されテる! ソコで遭ウのはヤツ以外、片手で数えルほど居ネぇ」
『ふぅん…………』
何処か意味ありげに頷くと、手に付いた油を気にする様子もなくグラスを軽く仰いだ。
何を。
それを察するには流石に情報不足だ。
ワイリー様直々にお褒め頂いた食事データか。
パインの素体に利用されたと噂されてるワタシのことか。
あるいはもっと、別の事柄か。
まあ、聞いたところで答えを返してくれると思えない。
訝しんでいるようにだけは見せ、鼻を鳴らしておく。
食べ終え、もう一切れ。
無言のまま食べ進めていたリーガルがさも、
『そう言えば』
と思い出したかのように口を開いた。
『親父の予定を知らなかったんだな、ボンバーマン?』
「ァあ?」
『いや、なに。少し意外でな……親父の持ちナビと言えば、お前だと思ってたんだが』
「ワイリー様に持ちナビなンぞ必要ねェだろ」
『…………そうかも知れないが』
当然。
そう口にしているようでその実、何処か何か詰まっているような表情。
誤魔化すようにピザを口にするリーガルを眺めつつ少し突くかとも考え。
辞める。
ワイリー様の持ちナビ。
話を深堀した所で、大して意味の出て来ることじゃあなさそうだ。
それよりも、
「しカし、ワイリー様は何処に行っタんだ?」
『アメロッパの北――スカット地方と言えば、心当たりはないか?』
「北のスカット? 北……北ダぁ? ネットワーク整備の依頼でもあっタか?」
『本当に知らないのか……ドンブラー湖の辺りに行っているらしい』
「ドンブラー湖?」
なんだ、その。
桃でも流れて来そうだけど川じゃない妙な地名。
いや、本気で何処だよ。
真面目に分かってないワタシを恐らく演技でも何でもなく心底意外そうに見詰めて来たリーガルだったが、持っていたピザを口に詰め込み「まっふぇお」と言い残して部屋から出て行く。
その隙に整理し終えたデータを端に寄せて少し。
タオルで手を拭きながら戻って来たリーガルが、その足で扉を蹴り閉めたかと思えばそのまま棚の方へと向かった。
綺麗に整理された棚だが、その中のどうやら雑誌の詰め込まれている箇所を探しているらしい。
時折引っ張り出し、悩まし気な声を出し入れを繰り返すこと数冊。
目的の物を見い出したのか、一冊の雑誌を持って椅子に戻った。
中身を確認している合間に表紙を確認すれば、
「月間バミューダ?」
アメロッパの公用語で書かれている辺り、アメロッパの雑誌何だろう。
だが、なんだこの。
絶妙に怪しい感じの雑誌名と表紙。
バミューダトライアングル的サムシングなんだろうが、表紙にわざわざ三角形をあしらってる所為で記録にあるオカルト雑誌を思い起こすデザインをしている。
と言うか、古い。
発刊された時期が表紙にあるが、おおよそ四十年以上前だ。
ワイリー様が何歳の時の雑誌だよ。
メモリの中で色々と突っ込みどころに突っ込んでいると、「これだ」と開かれたページを向けられた。
既に表紙のお陰で察しは付いていはしたが、
「ドンブラー湖の怪物、ドッシー?」
『そうだ』
ネッシーのパクリでは。
と、言いたい所なのだが。
ワタシの知ってる世界とはまた違う訳だし。
いやそもそもネッシーってそんなに古い噂話だったのか。
そもそものそもそも、アメロッパ方面の話だったのか。
知らなかった。
いや、ドッシーだけども。
「エ、まサか」
『十中八九、探しに行ったんだろう……色々と曰く付きの場所でもある』
「……曰く?」
『そうだ。このドッシーの写真が発表されて何年だったか? まあ兎に角、起こるハズのない津波がドンブラー湖で起き、周辺に壊滅的な被害を齎したと言う話だ』
「湖デ、津波?」
『地震は地質学的に発生する可能性は殆んどない上に観測もされておらず、地滑りの形跡もなし。調査の結果も原因は分からない尽くし――――友人曰くアメロッパ七不思議の一つに数えられているとか何とかだったか』
「怖イ」
『……ふっ』
一瞬だけリーガルが棚に目を向けたが、どうやらその事件の雑誌まで探す気が起きなかったのか、見せて来ていた雑誌を数ページ捲ったかと思えば飽きたように放った。
顔は赤らんでいるとは言え理性はあるようで、キチンと閉じてから。
そうしてピザを食べるのを再開。
最早、ほんのり温かい程度の冷めているらしい物を。
『ふぉん……とりあえず以降、人の寄り付かなくなった場所だ。訓練に丁度良いと思ったんだろうよ』
「成程。マ、その分だト趣味の割合が大キそうダな」
『おいおい』
等と。
口では言いつつちょっと嬉しそうに口元が吊り上がっている。
飲み進めるスピードも先程より早い。
「だっタら、おめえ連れてっテも良かったろウに」
『学生の本分を全うしろ、だとさ』
「あー……マ、落ち着ケ」
『落ち着いている』
落ち着いていない人間は大体そう言う。
実際、グラスに注いだかと思えばその中身を一息に呷った。
明日は大丈夫なのか。
そんな心配を他所に更に注ぎ直し、また飲む。
止めようかと口にするより前にリーガルの瞳がワタシを射抜いた。
『ボンバーマン』
「おウ」
『なぜ親父はオレに構わないと思う?』
「エ? よ、良く出来タ息子だからじゃネぇかな……?」
反射的にそう返す。
口にこそされていないが、ワイリー様はリーガルのことをそう思っているだろう。
それは記録の諸々を読み解かなくとも分かる話だ。
だがどうやら、その解答。
ご本人的には気に入らなかったらしい。
皮肉気に口元を歪め、鼻で笑った。
『良く出来た息子――良く出来た息子か…………ならバレルは出来の悪い息子か?』
「イヤ、血は繋がっテ」
『血の繋がり? ……血縁か。それはどれほど重要な物か? オレは然程思わない。少なくとも、今回のドンブラー湖には連れて行くに値しないぐらいには思われてたんじゃあないのか? どう思う?』
「ド、どうと」
『バレルも確かにまあ、何だ。直接言えば否定するだろうが些か以上に憐れ……可哀想……とでも言うべきなのか? 同情――そう、同情だ。母さんも随分前には死んで、その上で親父が居なくなるのはオレとしてもあまり考えたくない』
「まァ確か」
『お前と違って! お前と違ってオレはバレルと直接接しているから人となりもモチロン良く分かっている。アイツに悪気はないだろうし、親父にもモチロン悪気はないんだろうが家に一人で居るのは思いのほか寂しいモノなんだぞ? 分かるか、この気持ちが?』
「ソれ」
『すまん……別にレーザーマンやお前のことをどうこう言うつもりはない。こうして話し相手になるぐらいの付き合いをしてくれているのは分かっちゃあいるが、それはそれとして寂しさがあると言うのを伝えたかったんだ……』
「マあ! ワイリー様も」
『旅行じゃあないと言うのは分かっている。分かっているが、納得出来ない部分もある。別にドッシー探しぐらいオレも付き合い位はする。わざわざ色々機械まで持ち込んで調べる訳だ――居ないモノは見付かる訳ないが勉強になりそうだと思う部分はある』
遮られて何も喋れない。
いかん。
絡み酒だ。
現実世界に体があれば肩ぐらい組まれそうだ。
体がないのは幸いだが滅茶苦茶飲み食いしながら喋るぞ、コイツ。
『そう言えばお前、ドッシーすら知らなかったんだったな。親父はアレで恐竜が好きでな? お前も少しぐらい恐竜について勉強しておいても悪くはないと思うぞ? オレは別にわざわざ探しに行くほど熱心じゃあないが、熱意は評価に値すると思ってもいるさ』
「なら今度」
『しかし親父に規格外だとか言われているお前がまさかそんなことも知らないとは……驚きを隠せなくはあるがまあ仕方のない話だ。ドンブラー湖周辺は住民も居なければ当然通信設備もまるで揃っていない場所。確かにオレが行っても脚を引っ張るだけで役に立てるかと言えば役に立てそうにはないか――いや、親父が頼るに値しないと思ったのか。オレを?』
「ソんなコ」
『実力不足……そう思われているならばレーザーマンを更にカスタマイズしてお前を倒せるぐらいにしなければならないなぁボンバーマン! そう考えれば楽しくなってくるものだ。さて、どういう改造を加えるか……ボンバーマンを越えるナビともなれば伝え聞いて…………そう言えばパインとか言うナビが居たか。忌々しい……っ! あろうことか親父のデータを盗み出してコピー? 一度、例のエリアとやらで襲撃でも掛けてやるか……? ボンバーマン、レーザーマンの実力は謎のエリアとやらで通じると思うか?』
「え? マあ、通じルと思うガ?」
『……フン、そうか……なら何れの目標とするが。親父の目標は復讐だったか?』
「! 知っテんのカ?」
『知ってるさ。知らない筈がない。光博士も優秀な科学者だが、親父が蔑ろにされる謂れはない! ……アメロッパに親父が引っ張られた時、正直オレは安心したよ。親父のことを認める所は確りと認められているとな。光博士が優秀なのは、会えなかったがそれでも残しておられた部分で分かる所がある。親父も随分言っていたし。優秀だろうな。優秀だろうが、それは親父が蔑ろにされる理由になるものかよ。まあ光云々と口にこそしていたが、ニホン政府だろうな。大体全部ニホン政府が悪い。やはり親父に認められるとするなら、親父の目標を先に達成して見せてやるのが肝要』
「辞めトけ」
思わぬほど。
鋭い声音で言葉が飛び出した。
今まで殆んど独り言のように呟いていたリーガルの意識が此方を向いた。
『……何故?』
「ワイリー様の復讐はワイリー様のモノだからナ! ワイリー様のモノであるワタシ達ぐらいダ。関われルのは」
随分と赤らんだ顔。
その中の、濁った眼玉がワタシを捉える。
その目を見詰め返す。
数秒。
程度だろう。
経つと鼻を鳴らし、口を開いた。
『そう言えば、後ろのみたくバグデータを集めているんだったな?』
「オう」
『それだけあれば、グレイガとやらを再現出来るんじゃあないのか?』
「モノも全然足りネえし、多分ニホンのネットワークの状況が特殊だったんダろうな……サーバーの状況? 出力? 負荷? 何か分かラねえが、何かガ不足してんダ」
『ふぅん……逆に言えばそれらが足りればグレイガとやらを生み出す状況は整う訳か? しかし、仮に生み出せたとしてもバグから出来上がった存在に知性……いや理性か? そうした物を期待できまい。いや、なに少し研究内容として思っただけで別段、ニホンに対して何かしようと思った訳じゃあない。ただ、今後のコトを色々と考えていてな』
「今後のコ」
『これから先、ネットワークが発展するとすれば相応にウイルスも発生するだろう。そうなれば相応の戦闘能力を有する存在が必要となる訳だ。一般的にはネットナビで十分だろうが、それ以上の力も必要になる時が来るのではないか? 等と想像した時、お前が逃げ帰ったと言うグレイガとやらの存在を思い至ってな……人工的にそれを再現できるなら対ウイルス兵器として活用出来るんじゃあないかとも思ったが、そもそもがバグの塊。信用も信頼も出来ない以上は机上の空論と言うヤツでしかないと言う訳だ』
「なるほ」
『机上の空論で思い出したんだが、ボンバーマン。お前、ココロネットワークと言う代物を知っているか? いや、ドンブラー湖のことも知らなかったんだ。当然知らないだろうな。まあ、オレもまだ親父からどういった代物かと言えば概要位しか聞いていない。だが、親父が考えたモノとは思えない程に中々面白い代物でな――聞いているのかボンバーマン?!』
「聞いてマぁす!」
この後も滅茶苦茶長話した。