ワタシは、ボンバー……   作:無記名 to 稿

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062:交渉

 

三回目。

また来ている。

呆れが先に来る。

 

先日の国防総省のハッキング。

ボンバーマンとして行ったソレは、中々有意義なものだった。

何せ、国家最高レベルの防衛レベルを体感出来たのだ。

 

それが現段階で、どの程度かを把握することが出来たのだから。

ただ、そう言う意味では失望もあった。

正直な話、ストーンマンから聞いていたことで多少の覚悟はしていた。

 

だが、ワタシの所の防衛設備。

それを大きく下回っていたと言うのは、落胆の一言である。

もう少し気合の入った防御網を期待していたのだが。

そしてあわよくばそれを、ワタシの方に還元したかったのだが。

 

無駄。

無意味。

無駄骨様。

という具合。

 

お陰で、緊張しながら挑んだ前半とは裏腹。

後半は殆んどタイムアタックに挑む気分で突き進み、幾らか攻撃を受けてしまうと言った失敗もあった。

カーネルからも軽く注意されてしまった。

まあ、我々四体が組む等と言う機会が今後、訪れるとも思えない。

そう言った意味では、良い思い出作りにはなったと思う。

 

「……………………」

 

閑話休題。

それらのハッキングを終わらせて幾日か。

パインとしては変わらず動き回って、ワタシに対する対応。

その情報収集を進めていたある日の事。

あまり会いたくない相手が、ゼフラム社にあるオフィスに現れたのだ。

 

例の基地。

そこのケツアゴ軍人である。

頭の方は何やら反省の証なのか剃っていたが。

だからどうしたと言うのが正直な話。

 

貴重な情報源には成り得たが。

ワタシに関わって欲しくない。

そう言うことで、無視を決め込んだ。

 

ネットナビの利点。

その一つは、そこに居るか居ないかはモニターに映りでもしない限り存在を確認出来ないこともあるだろう。

ゼフラム社の誰彼に連れられてやって来たその軍人に、ワタシは無視を決め込んだ。

 

居ると思っていたのか気にしている様子だったゼフラム社の人間も、一切の反応がないことを気にはしていたようだが。

必ずしもワタシがそこに居る訳ではないと言うのは知っている。

何せ、それなりに忙しく動き回っているので。

あくまでも顧問。

居るかも知れないとは言っても、居ないこともまた多い。

 

ましてやアポイントの一つも取られていない訪問。

会う必要性を感じない。

だから、無視。

 

「……………………」

 

正直な話、既にパインとしてやりたかった最低限の役目は済んでいる。

『OS計画』。

そのデータを粗方、ワイリー様にお送り出来ているので概要は掴めてある。

予想通りの、ネットナビ製造計画。

 

そして、『OS』。

『O』が意味する所。

それが予想した通り『オフィシャル』だった。

 

『オフィシャル』。

ロックマンエグゼにおける、組織の一つ。

どんな存在かと言えば、何かしらの創作等に出て来る超法的な治安維持組織だ。

そしてその『オフィシャル』に所属するネットバトラー。

『オフィシャルネットバトラー』の有する力は凄まじい。

 

本来ならば立ち入り禁止の場所に平気で入り込み、警察でもないのに犯罪者を現行犯逮捕出来る等々。

その権限。

創作の中の国際警察機構なんかが一番近い所だろうか。

 

記録では、資格を得るためには市民ネットバトラーの最高峰に近しい証明。

Sランクのライセンスが必要だったか。

あるいは別の方法でも成れるのかも分からないが。

 

そのための、ナビ製造計画。

『オフィシャル』に所属すれば、優秀なネットナビが手に入る。

そう言った構図にすれば、ある程度の優秀なネットバトラーならば誘引出来るだろう。

 

あるいは、順序が逆か。

優秀なネットバトラーを揃えたいがために、優秀なネットナビを予め用意するのか。

どちらにせよ、囲い込みの一環だろう。

優秀なネットバトラーの。

 

ともかくとして『オフィシャル』という組織。

あまりにも強権的な、国を跨いだ組織。

そうである以上、大国がその設立に関わっているだろうと想像が出来た。

 

ともなれば、その大国は自ずと絞られる。

即ち、アメロッパが発祥なのではないか、と。

あと名前も如何にもな感じだったし。

 

ともかく、それらの情報を手に入れた。

立案者達こそ、幾度の修正が加えられた後だったようで判然としなかったが。

それでも、最悪アメロッパからこれ以上の何かがあるようなら、ウラインターネットに潜ることも視野に入れても良い。

そう言った段階にはなった。

まあ、ワタシ自身の目標と言う意味では絶対に避けたいことではあるが。

 

「……………………」

 

ひっそりと。

カメラに映っている禿げたケツアゴを見やる。

既に二時間は経ったか。

ただひたすら、ワタシが居るかも分かっていないハズなのにカメラに頭を下げ続けている。

 

何を思って下げているのか。

ワタシに対する謝意か。

有り得ない。

それは断言出来る。

 

そんな殊勝な人間でないことは、身を以て知っている。

ならば、何が目的か。

それについてはある程度の察しは流石に付く。

 

『OS計画』にパインの、というかネットナビ『W2』の技術を使いたいのだろう。

ソレが出来れば恐らく、向こう十年はアメロッパの天下。

頭を下げてそれが手に入るのならば、非常に安い。

 

全く。

舐められたものではないか。

と。

本来ならば言いたい所なのだが。

 

生憎ながら、あのケツアゴは言ってしまうと共犯者。

殆んど有り得ないとは思っているが、万が一にも暴露されるとワタシは非常に困ってしまう。

先にも述べたが、ウラインターネットにて独自勢力を造るのは最悪の想定。

それを避けるのならば、ある程度の協力は止む無しと言える。

 

特にいやらしいのが、このケツアゴ。

表向きに見れば、ワタシはその要請に従って協力したことになっている点。

そう言った面がある以上、下手に冷たい対応をするのは明らかに不自然。

 

アメロッパは決して無能の集まりではない。

その前提がある限り、この男を送り込んで来ているのをどう考えるべきか。

それに悩む一面もある。

 

果たして。

知らずに送り込んで来ているのか。

知っていてなお送り込んで来ているのか。

 

知らずに送り込んで来ているのなら分かり易い。

知っていて送り込んで来ているなら中々に悪辣。

どちらにしても、ワタシが顔を見せてしまえば選択肢は協力する以外ないに等しい。

故の、無視。

それを決め込んでいた訳だが。

 

「……………………」

 

三日。

三回目。

そうなれば、流石に不自然さが勝る。

 

どの訪問の時にも居ないとあっては、ゼフラム社に対しても悪影響が出て来かねない。

それは、ワタシとしては避けたい所。

後ろ盾になってくれている義理がある。

内心のため息を表に出さないように堪えながら一度、プラグアウトを敢行する。

 

戻った先は当然の、ワイリー様のPET。

そこから出て、身を隠しながらでも、ゼフラム社にまで急げば辿り着くのには十分と掛からない。

憂鬱な気分のまま、ゆっくりと外套を羽織り外へと出る。

 

ゆっくりと、

わざと見掛けたウイルスを積極的に退治しながら殊更に時間を掛けて。

たっぷりの時間を掛けながらゼフラム社の電脳へと戻った。

時間にして一時間といった所。

普段と変わらない笑顔を作りながら表口より入り込めば、いつも通りに居る受付のナビ。

 

「はーいにゃ!」

「おや? パイン様、外に出ておられましたか」

「そうにゃけど、どうかしましたか?」

「パイン様に、お客様がお越しです。随分前から居られるようですが……」

「ん~…………? 特にアポがあった記録はにゃいんだけど、ちょっと見てみるにゃ。ありがとうございます」

「いえ。お気になさらず」

 

まだ居るのか。

当然、そうだろうとは思うが。

ないハズの苦さを覚えながらも、笑顔を作っておく。

少なくともこれで、外から戻ったと言う証拠は作った。

あとは様子を見てどうするか、と言った所だが。

 

「ただいま戻りました。お客様はどちら様ですかにゃ?」

『――――っ――』

 

何でもないかのように振舞いながら、モニターに姿を映す。

未だに頭を下げ続けていた尻顎。

カメラから読み取れる限り、出る前と後とで姿勢に変化は見られない。

場所のズレもないようで、本当にずっと頭を下げ続けていたのだろう。

 

殊勝な心掛けだこと。

それが許す理由になりはしないが。

微かに息を飲んだ音を耳にしながら、軽く驚いたような声を口にしつつ、生み出した回転するチェアに腰掛ける。

音程を低く変え、声を発す。

 

「――よくお越し頂きました。どうぞ、お座りになって下さい」

『いや、そう言う訳にはいきません』

「そうですか? では、お好きにどうぞ。それで、この度はどのようなご用件でお越しになられたのですか?」

『…………先日は、要求を呑んで頂きありがとうございました』

「要求だなんて。ただの善意です。それで?」

 

先を促す。

ただ、それだけ。

しかし軽く身震いした様子で、頭を下げたまま口を開いた。

 

『『OS計画』について』

「ああ。勿論ご協力致しますが、ゼフラム社を通じてさせて頂きます。信頼を欠きますので。それで?」

『……是非とも、中核を担って頂きたい。これは』

「信頼に欠きます。それで?」

『これはアメロッパのためになることなのです!』

「信頼に欠きます。まさか、信頼の大切さをご存知ないハズもないでしょう?」

 

信頼。

最早、ない。

アポもなく。

謝罪もない。

 

剃った頭を下げている。

それだけの相手に、何を信頼しようと言うのだ。

殊更、何でもないようにさらりと口にする。

 

笑みを張り付け。

ただ下げられているだけの頭を見詰める。

とても反省しているように見える。

それだけでしかないその頭を。

 

歯を噛み締めている音がマイク越しに聞こえる。

拳を握り締めている姿がよく見える。

僅かに見上げて来ている視線に、怒りの念すら見え透いている。

だから貼り付けている笑みを返す。

 

沈黙。

それがどれだけ続いたか。

さっさと帰ってくれないか。

ワタシは別に暇ではないのに。

 

最終的には手伝うことになるとしても、だ。

そんな考えが過ぎる中、ゆっくりとその頭が上がった。

引き攣った笑みを浮かべながら。

無理矢理微笑みを浮かべながら。

 

『……………………何をお望みか?』

「何も」

 

表情を変える必要性も感じない。

既にコレから手に入れられそうな情報は根こそぎ、基地から引き抜いてある。

既に用済み。

役立たず。

 

とまでは言えないのが悩みどころか。

まだ、だが。

ワタシとしては電脳世界で得られる情報は粗方、引っこ抜けた認識である。

つまり残すは、現実世界。

 

現実世界にしかない、国家や軍事機密と言われるような情報。

紙。

噂。

口頭命令。

 

それ等を得る最も手っ取り早い手段がコレから情報を引き抜くか、引き抜かせることであろう。

仮にも基地の一つの長を勤めている人間だ。

あるいはわざわざこんな所にまで訪れる暇があるのだから、長を勤めていた、に変わっているのかも知れないが。

それでもそれなりの権威権勢はあるだろう。

 

幸いにしてアチラは、ワタシの口にしている信頼を毛ほども有してはいないので罪悪感も何も感じない。

堂々とワタシをデリートしようとして、あっさりと基地を乗っ取られ、説得に乗って差し上げたに過ぎないのだ。

どこまで差し出してこれるのか。

どれだけ差し出してこれるのか。

何処まで行ってもワタシの胸三寸。

 

とは言っても、だ。

ここまで梨の礫では、気が長い方とは見えない。

そろそろ。

と言わず疾うの昔に、逆ギレして来ているハズ。

妙。

 

『――――まだ、計画段階に過ぎませんが』

「はい」

『アメロッパの総力を結集して、最高峰のナビを製造する計画があります』

「ワイリー博士に持って行くべきでは?」

 

答えつつ、微かに訝しむ。

気が長い。

想定を遥かに超えて。

 

評価の上方修正を一旦止めながら、わざと表情を少し変える。

興味を引いたかのように。

実際、気になる部分ではあった。

そのような計画、ワタシの記録にもない。

 

『……ワイリー博士は既に老いておられる。そもそもアメロッパに対して協力的でもない! あくまでもアメロッパの集められる全ての力! それを結集して作るからこそ価値がある!』

「なるほど」

 

ワタシの興味を引いた。

そう、確信したような笑みを隠せずに居るソレの言葉に頷いて見せる。

ワイリー様の口にしていたお言葉。

確かに、アメロッパ側の思惑の一部を読み解いておられたか。

 

「しかし。ワタシも別に、純然たるアメロッパ国民とは言えないのではないでしょうか?」

『っいいえ! 貴方はアメロッパ国民だ!』

「ふぅん……」

 

気のない風に、口にする。

その言葉をソレが否定する。

自ら否定したその言葉を、もう一度、自ら。

 

脚を組み替えながら、僅かに目を細めて見据える。

その顔には、苦痛が見え隠れしている。

自己否定。

自意識の強いソレにとっては、さぞかし効き目のあることだろう。

 

愉悦。

自らが味わっていただろうコトをやり返されるのは、さぞかし自尊心を傷付けるハズ。

愉快。

ではあるが、

 

「……」

 

不審。

引き揚げていた上方修正を一旦、元に引き戻す。

おかしい。

ワタシの試算では既にキレて物の一つや二つ、破壊して脅し掛けて来そうなモノを。

ましてやこれだけ露骨に甚振ってみせているのに、何がこの男に制止を掛けている。

 

アメロッパ最高のネットナビ製造。

なるほどそれは素晴らしいモノになるだろう。

それで。

それで、何になる。

 

それが成功して、この男にとってどんな得がある。

特にない。

特にないのだ。

 

仮にワタシを引き込めたとして。

それでアメロッパ最高峰のネットナビの製造が叶ったとして。

この男の手に入る栄光等、ワタシを引き込んだと言うソレだけだ。

 

紹介した。

紹介された。

で、何一つ、直接的な関与をしていない。

 

得がない。

功績がない。

栄光もまた。

にも拘らず、何故。

 

『『Σ計画』! それが成功した暁には、貴方の名はアメロッパ史に残ることとなる!』

「なるほど。それは中々、魅力的ですにゃあ」

『!』

 

視線を逸らして考え込むような素振りを見せ。

硬く強いていた口調をパインのモノに戻す。

気が完全に『Σ計画』とやらに向いているように見せ掛けながら。

一瞬、笑みを深めた姿を目端で捉えながら。

 

Σ。

シグマ。

数学における、総和を意味するその用語。

全ての数字を足した合計を表すのだから、アメロッパの総力を結集すると言う意味では確かに妥当な名称ではあるか。

 

しかも、音楽用語ではない。

コレが案外、重要だ。

ロックマンエグゼでは、強者やその関係者の多くに音楽用語が存在する。

ロック、ロール、ブルース、フォルテ、ゴスペル、パンク、セレナード等々。

挙げて行けばキリがないか。

 

とは言っても、残念ながら例外は存在する。

プロト、グレイガ、ファルザー、その他のネットナビ達等だ。

なので絶対ではないが、一つの指標には成る。

つまり、元々の物語に関与関連がないか、薄い。

あるいは裏設定程度の存在であろうと、目星が付く。

 

そういう意味では、社会実験だか何だか知らないけれども、アメロッパの一部に換算されるだろうワタシを入れようとするのも分からないではない。

分からないではないが、そこまでだ。

ワタシにある程度の価値があるのは認めよう。

しかし、絶対的に代替の利かないパーツではないだろうに。

 

ゼフラム社。

そこを経由してでも、それなりの成果は得られよう。

何せ、ワタシはそうなるようワイリー様に働き掛け、仕組むつもりなのだから。

そこを知らないからこそ、と言う可能性はないではないが。

 

振り返るが、何故。

何が目的だ。

何がこの男をこうまで動かしている。

いや。

まさか。

 

「…………『Σ計画』」

『ええ!』

「洒落た名前に思いますけど、立案者はどなたにゃんでしょう?」

『私です! 私が立案し、大統領より近々正式に認定されます!』

 

ならば、確定か。

表と裏とで頷く。

気のない風に。

得心が行ったように。

 

この男。

強かな。

まさか。

このワタシを利用して、このワタシを殺せるナビを作ろうと考えているのではないか。

 

正鵠を得る、と言えるほど確かではなかろう。

しかし、的を射抜いてはいるだろう。

半ばの確信。

 

ワタシがこの男に、結果的に与えた屈辱は想像するに余りある。

相当に自尊心を傷付けたハズ。

であれば。

同程度の屈辱を与えたい。

そう、思うのではないか、この男は。

 

それを与えるにはどうすれば良いか。

最も、と言えるかは定かではない。

しかし、確かと言えるだろう手。

思い付くその手が、『Σ計画』。

 

ワタシ自身が協力し、産み出したナビによって殺させる。

優秀なネットナビに対してそれを超えるネットナビを仕向けデリートさせる。

そう仕向ける。

 

ただただ力によって屈服させられると言う単純故に屈辱的な方法ではないか。

あくまでも想像に過ぎないが、この男ならそれぐらいは考えそうではある。

それはまあ、何と言うか。

 

「…………良いですね」

『! 納得頂けましたか!』

 

実に。

良い。

アメロッパの技術。

その結晶がワタシを殺しに来る。

よかろうではないか。

 

ワイリー様の手によって創り出されたカーネル。

その手がワタシに向くよりも遥かに。

愉しくある。

危機感を覚えない。

 

そうではないか。

そうではないか。

高々が、超大国。

その技術の結晶。

その程度に敗れるようで、どうして運命を捻じ曲げられよう。

 

キャスケット様は死んだ。

フォルテもデリート出来ず。

物語を曲げることが微塵も叶っていないこの状況下。

 

カーネルを超えるアメロッパ最高のナビ。

計画だけ。

現実味はない。

居たのならば、宇宙に送り込まれるのはソイツだったろう。

 

つまり、失敗に終わっている。

本来ならば。

あるいは、成功とも言えぬ駄作で終わったか。

ただのヤラレ役程度として。

 

だが『Σ計画』。

それが真に成されようと言うのなら。

ワタシが手を差し出すことで成ると言うのであれば。

 

良いではないか。

良いではないか。

出来るモノなら。

ワタシはソレを凌駕しよう。

その先にこそ、望む未来を得られる可能性があるモノとして。

 

「ええ、はい――協力して良いと思いますにゃ」

『それは良かった!』

「ただ、一つ、お願いがありますにゃ」

 

まあ、それはそれとして。

貰えるモノは貰わないと。

指を一本立てて見せたワタシに、ケツアゴが表情を僅かに固くした。

それを察しつつもあえて解さずそのまま続ける。

 

「『OS計画』。その立案者をご存じですかにゃ?」

『…………寡聞にて』

「その方を、あるいはその方々を、教えて欲しいにゃ」

『……何故です?』

「ネットナビ推進の先鋒――つまりはワタシにとって味方も同然。知識としてでも、ちゃぁんとした味方に成り得る方は知っておきたいと言う気持ちにゃ」

『それが…………条件ですか?』

「最低条件にゃ。どうにか――」

 

ワタシの手に入れられた情報。

それ等には、その情報がない。

あったのは当たり障りない、野心的な政治家か矢面に立たされる軍人の名ばかり。

候補に挙がっている人物の名はなかった。

あるいは本当に関わっていない可能性も考慮に入れるべきかも知れないが。

 

『OS計画』。

アメロッパ最初と思しき、国家規模のネットナビ拡充計画。

ワイリー様を擁するが故。

ロボットの権威が居る故。

結果的に、キャスケット様が邪魔してしまっていたらしい計画。

 

その中枢に居る、あるいは居た。

実質の面子。

実際の中心。

最もキャスケット様の存在が邪魔だと認識していただろうソレ等の名を。

 

「――教えて下さいにゃ?」

 

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