書き上がった! やはりファイト話は長い! 今回はタイトルから予想してると思いますがナオとアレのファイト話です。
相変わらずアキナ×ミコトで付き合ってる設定。妄想と空想と幻想がオーバーレイネットワークを構築してカオスエクシーズチェンジを起こし、さらに惑星クレイやデザイン・フォース関連に独自の解釈と設定が加わってますので解釈違いを起こしそうな方は観覧注意です。
「独自設定と解釈の有無が、物語の面白さを分かつ絶対条件ではないさ」という方はスタンドアップしてどうぞ〜
「……わ……たし……?」
目の前に現れた自身と瓜二つの人物にナオは只々驚愕していた。
そんな彼女に構うでもなく
「驚くのも無理はないか。依代となるモノがなかったのでな。故に貴様の姿を模して顕現させてもらっている。なんとも最高にキモチワルイがな」
その人物は嗜虐的な笑みをナオに向けながらそう言った。
その言葉を聞き
「……その『最高にキモチワルイ』ってセリフ……アンタまさか……『シヴィルト』?」
「ようやく理解出来たか? そう、ワタシは『シヴィルト』だよ」
訝しむように問うと、目の前の存在──────シヴィルトは肯定の返事を返す。
『シヴィルト』
その正体は惑星クレイからこの地球にやってきたモノ。
他者の精神を汚染し、その者に巣食う欲望を歪んだ形で増幅させ、あらゆるモノを破滅へと導く邪竜。
かつて、この場所に訪れた明導ヒカリに憑依して10年間潜伏し、ガブエリウスが用いた術式を利用して宿命決戦を開催、その戦いにおいて集まった膨大な
先の宿命決戦にてアキナに敗北し、ナオから引き剥がされガブエリウスによって消滅させられた────はずだった。
だが何故かその邪竜は今、ナオの目の前に彼女の姿を模して現れている。
「……どういう事? アンタはアキくんとのファイトに負けた後、ガブっちに消滅されられたって聞いてるんだけど?」
最大の警戒をしながらナオが問うと、シヴィルトはニィっと嗜虐的な笑みをさらに歪め
「確かにあの時ワタシは明導アキナに敗北し、貴様から引き剥がされガブエリウスによって消滅させられた。だが、引き剥がされる際、偶然にも貴様の中に残滓を残す事が出来たのだ。貴様の手元に『羅刹』が残っていた時点で薄々勘付いていたのではないか?」
そう言って返した。
『羅刹』とはナオの分身である『無双の運命者 ヴァルガ・ドラグレス』が邪竜の力によって変貌した姿『無双の魔刃竜 ヴァルガ・ドラグレス 羅刹』の事を指している。
シヴィルトが消滅したと同時に消えるはずであったこのカードは未だ消えることなくナオの手元に残っており、この事を彼女はまだ誰にも話しておらず、アキナ達とファイトする際はデッキから抜いて使用せずにいた。
「……まぁね。けど、それなら今の今まで出て来なかったのはどういう訳? なんでアレから半年以上経った今、行動を起こしたのさ?」
警戒を解く事なくナオは少しでも多くの情報を引き出す為、続けて問いかけた。
するとシヴィルトは歪んだ笑みを消し
「本来ならばすぐにでも貴様の身体を乗っ取りたかったのだがな。忌々しい事に残す事が出来たチカラは先程言った通り残滓程度のモノ。貴様の中でしがみつくのがやっとの状態だったのだ。だが……貴様がこの地に足を踏み入れた事で状況が変わったのだ」
真っ直ぐにナオを見据えながらシヴィルトは言葉を続けていく。
「この地は惑星クレイとの繋がりが強い。故に、貴様の中に累積していた
そこまで訊いて、ナオは何故自分がキャンプ場からここに移動していたのかを理解した。
つまりは眠っている間にシヴィルトが彼女身体を勝手に操り、この因縁の場所に連れて来たという事。
さらにはキャンプ場に着いた時、頭に直接語りかけるような声が響いたのもシヴィルトの力が増大した影響だったというわけだ。
状況を呑み込んで整理する事が出来たナオは小さく息を吐き
「なるほどね。私の身体を勝手に操るとか勘弁して欲しいなぁ。それで、回り口説いのは好きじゃないから単刀直入に訊くけど─────私をここまで連れてきたその目的は何?」
核心を突く問いかけをシヴィルトに投げかけた。
その問いかけにシヴィルトは再び歪んだ笑みを浮かべながら
「なぁに、簡単な事だよ。ワタシとファイトをしてもらおうと思ってな」
問いかけに対してそう返す。
返ってきた答えにナオはどうも腑に落ちない様子だ。
邪竜の目的の意図が掴めない彼女は訝しみながら再びシヴィルトへと問いかける。
「ファイト? なんでまた?」
「決まっているだろう?
歪んだ笑みを浮かべたまま、シヴィルトは右手を翳して続けていく。
「貴様達ヴァンガードファイターはファイトする度に僅かながら
「その力を使って、また復活しようって魂胆な訳?」
「出来ればそうしたいが、生憎と今の私のチカラはかつての千分の一にも満たないほど弱い。今の霊体である状態でも物体に触れる事は出来るが、
言いながらシヴィルトはさらに笑みを歪め
「このファイトでワタシが勝ったら貴様の肉体を提供してもらう。肉体さえあればそれを通して
そう告げてくる。
シヴィルトの目的はやはり自身の復活、そしてその為にナオの身体を奪う事にあった。
しかし以前のような力のない邪竜は強大な力による抑え込みを実行する事が出来ない。
故にファイトの勝敗という取引によって肉体を得ようと画策したのである。
負ければ自身は再びこの邪竜に利用され、仲間達やその他の人間達に危害を及ぼす事になる。
さらに以前シヴィルトはナオのデッキをそのまま乗っ取って使用していたが、今回もそうとは限らない。
戦力は完全な未知数。
ナオは数秒思考を巡らせた後
「シヴィルト、確認したいんだけどさ。そんな悪巧みを堂々と訊かされた私がアンタとのファイトを素直に受けると本気で思ってる?」
そう訊ねると
「思っているとも。挑まれたファイトを無碍に断る事など有り得ない。貴様達ヴァンガードファイターとはそういうモノなのだろう?」
シヴィルトはそう返してきた。
それを聞いたナオは不敵な笑みを浮かべ
「わかってるじゃん。いいよ。そのファイト、受けて立つ!」
デッキケースを取り出し、シヴィルト突きつける形で翳して見せた。
ナオからの返答にシヴィルトもニヤリと笑い
「成立だな。では早速始めよう─────と言いたいところだが、員弁ナオ。貴様のデッキの中身を確認してみるがいい」
「? 中身を?」
言われたナオは訝しみながら自身のデッキをケースから取り出し、中身を確認する。
何枚か確認したところで彼女の手が止まった。
現れたのは白紙のカード。
そこから彼女は素早く残りのカードを確認すると他に3枚、計4枚のカードが白紙になっている事に気が付いた。
「これは……羅刹のカードが消えてる……?」
「当然だ。羅刹はワタシのチカラによって
白紙となっていたのは『無双の魔刃竜 ヴァルガ・ドラグレス 羅刹』のカード。
邪竜の言う通り、その力がナオの中に残っていたからこそ羅刹は消えずに残っている。
だが、そのシヴィルトは今現在彼女から離れてしまっている。
故に羅刹は白紙の状態になってしまっているというわけだ。
「予備のカードも持ってきてある。それで中身の調整でもするがいい」
「……親切なんだか小賢しいんだか……」
嘲るように言い放つシヴィルトにナオは苦虫を噛み潰したような表情でケースの中に残っている数枚のカードを取り出して確認する。
デッキから白紙の4枚を抜き、内3枚は自身の分身たる『無双の運命者 ヴァルガ・ドラグレス』を選択してデッキに差し込んだ。
残りの枠は1枚。
予備カードを眺め、ナオはある1枚のカードに目を止めた。
数秒思考した後、そのカードを手にとってデッキの中に差し込んでシャッフルする。
「準備出来たよ」
「いいだろう。それでは─────」
そう言いシヴィルトが手を翳すと、ナオとシヴィルトの間の地面が盛り上がり、たちまち台座として形成されていく。
「へー。そんな事も出来るんだね。便利じゃない」
「御託はいい。始めるぞ」
ナオの言葉に対し、シヴィルトは淡々と返すと翳した手から紫炎が現れる。
その炎の中からデッキが出現、それをシャッフルしてから台座にセットし、ナオも同じようにデッキをセットすると互いに5枚カードを引いて確認し、任意の枚数を山札の下に戻して引き直す。
手札交換を終え、両者共に裏返っているファーストヴァンガードに手を添えて
『スタンドアップ! ヴァンガード!」
掛け声と共にファーストヴァンガードが表返された。
「『熱気の刃 アルダート』!』
「『共心竜 シヴィルト』」
現れたシヴィルトのファーストヴァンガードを見たナオは少々面食らったような表情をして
「……それ、まさかアンタ自身?」
「そうだ。遥か彼方……遠い昔の、な」
問いかけるとシヴィルトは表情を変える事なくそう返す。
だがその目は此処ではない何処か遠くを見ているようにナオには感じられた。
「ふーん。アンタにもかわいい時期があったんだねぇ」
「くだらんな。ワタシの先攻、ドロー」
ナオの軽口を軽く流し、シヴィルトはターンを開始する。
一枚引いて手札に加え
「『魔竜戦鬼 バッキ』をドロップに捨て、スペロドにライド」
手札から『魔竜戦鬼 バッキ』をドロップゾーンに捨て、ライドデッキから『守護団を目指す少年 スペロド』へとライドする。
「スペロド……聞いたことないカードだね」
「かつて、ワタシと共にあった存在だ。コレも遥か過去、気が遠くなる程の過去の話だがな」
またしてもシヴィルトは何処か遠くを見るような目でスペロドのカードを一瞥した後
「スペロドのスキル発動。このユニットがシヴィルトを含むユニットからライドした時、ライドデッキからシヴィルトを含むグレード3を公開することで山札から『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を公開して手札に加える」
スペロドのスキルを発動させ、ライドデッキにある『シヴィルト』を含むカードを手に取って公開した。
写し出されているモノはとてつもなく禍々しい姿をしている。
「コレが本来のワタシだ。コレにライドした時、そのチカラをとくと見せてやるから楽しみにしているがいい」
先程とは打って変わり、ニィッと嗤った後グレード3の『シヴィルト』カードをライドデッキに裏で戻し、デッキから『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を公開。
手札に加えてデッキをシャッフルした。
「エネルギージェネレーターをセット。先攻最初ターンは攻撃出来なかったな。ターンエンドだ」
エネルギージェネレーターをセットし、続けてメインフェイズに移行するも、特に行動する事なくシヴィルトはターンを終了する。
「私のターン。ドロー」
ナオのターンに移り1枚ドロー。
手札から『猛炎の武僧 ロクセイ』手に取り
「ロクセイをドロップに捨てて、『ブレイズザンバー・ドラゴン』にライド!」
ライドデッキから『ブレイズザンバー・ドラゴン』にライドする。
「エネルギージェネレーターをセットして
エネルギージェネレーターがセットされ、後攻なのでエネルギーが3枚チャージされる。
さらにアルダートのスキルによって1枚引き、手札に加えメインフェイズへと移行。
「メインフェイズ! なんだけど、なにもする事はないからこのままバトルフェイズへ!」
特にリアガードを展開する事なく、ナオはバトルフェイズへの移行を宣言。
「ブレイズザンバーで、スペロドにアタック」
「ノーガードだ」
ブレイズザンバーに手を添えてレストし攻撃を宣言。
この攻撃に対し、シヴィルトはノーガードを宣言する。
「ドライブチェック─────ノートリガー」
行われたヴァンガードの特権、ドライブチェックによって捲られたのはノーマルユニットの『ボルダーアクス・ドラゴン』。
トリガーではない為、特に効果は発動しなかった。
「ダメージチェック─────ゲット、ドロートリガー。パワーをスペロドに与えて1枚ドロー」
対するシヴィルトのダメージチェックはドローアイコンを待つトリガーユニットの『フレアヴェイル・ドラゴン』だ。
効果によってスペロドのパワーが+10000され、さらにシヴィルトは1枚引いて手札に加える。
「ターンエンド」
攻撃出来るユニットがいない為、ナオはターンエンドを宣言してシヴィルトへとターンを返す。
「ワタシのターン、ドロー。ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。ライド、『歪められた精神 スペロド』」
1枚ドローし、手札から『愕焔竜 アルムディアス』をドロップに捨て、ライドデッキから『歪められた精神 スペロド』へとライドする。
現れたグレード2の少年ユニットは先程とは違い、名の通りその目に狂気を孕ませ剣を握っていた。
「メインフェイズ。オーダーカード、『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を発動。このカードはスペロドかシヴィルトを含むヴァンガードがいるなら発動出来る。このカードをソウルに置き、ヴァンガードを選んでこのターン中『メインフェイズ以外に守護者を持たない自分のユニットが退却した時、そのカードを手札に加える』スキルを付与する」
発動したオーダーカード、『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』をソウルに置き、スペロドに能力が付与される。
続けてシヴィルトは手札から2枚のカードを手に取り
「左前列に『ドラグリッター シャウク』を、ヴァンガードの後列に『水鱗の武僧 リュウトウ』をコール」
『ドラグリッター シャウク』、『水鱗の武僧 リュウトウ』がコールされた。
「バトルフェイズ。シャウクでブレイズザンバーにアタック」
「インペイルホーンでガード!」
開始されたバトルフェイズ。
レストされたシャウクの攻撃に対し、ナオは手札から『インペイルホーン・ドラゴン』をガーディアンサークルにコールしてガードした。
シャウクのパワー8000に対し、ブレイズザンバーのパワーはシールド値5000が加算され、13000となってガードが成立する。
「リュウトウのブースト、スペロドでブレイズザンバーにアタック。スペロドのスキル発動。このユニットがアタックした時、ライドデッキからグレード3の『シヴィルト』を含むカードを公開し、リアガードを1枚退却させる事で1枚ドロー、さらにスペロドのパワー+5000。コストでシャウクは退却するが、スペロドに付与したスキルによってシャウクを手札に加える」
続けてリュウトウのブーストを受けたスペロドの攻撃がブレイズザンバーに行われる。
スキルによってライドデッキからグレード3の『シヴィルト』カードを公開してシャウクを退却して1枚引き、さらにスペロドのパワーに5000加算され、さらにコストで退却したシャウクはオーダーよって与えられた効果によってシヴィルトの手札へと返っていった。
スペロドの合計パワーは23000。
この攻撃に対してナオは
「ノーガード」
攻撃を通す事を宣言する。
「ドライブチェック────ノートリガー」
行われたドライブチェックで捲れたのはノーマルユニットのリュウトウ。
トリガーではない為パワー等の増加はない。
「ダメージチェック─────ノートリガー」
対するナオのダメージチェック。
こちらも捲れたのはノーマルユニットの『フレアサミット・ドラゴン』。
トリガーではない為、特に効果も無くダメージゾーンへと送られる。
「ターンエンドだ」
「私のターン。スタンド&ドロー」
シヴィルトがターン終了を宣言してナオのターンへ。
「ジェネレーターの効果でEC3。ライド! 『ボルダーアクス・ドラゴン』!」
ジェネレーターゾーンにエネルギーを3枚追加し、手札から『ツインパルシヴ・ドラゴン』をドロップに送り、ライドデッキから『ボルダーアクス・ドラゴン』へとライドする。
「ブレイズザンバーのスキル! このユニットがボルダーアクスにライドされた時、自身をリアガードにコールして
ボルダーアクスにライドされたブレイズザンバーのスキルが発動。
右前列に自身をコールし、デッキの上から1枚をソウルへと送る。
ソウルに置かれたカードは『ドラグリッター ファルハート』だ。
「続けてメインフェイズ! インペイルホーンをヴァンガードの後列にコール! このままバトルフェイズへ!」
手札からインペイルホーンをヴァンガードの後列にコールし、ナオはバトルフェイズへの移行を宣言する。
「インペイルホーンのブースト、ボルダーアクスでスペロドにアタック!」
インペイルホーンをレストしてブースト、ボルダーアクスの戦斧がスペロドへと振るわれた。
合計パワー18000の攻撃に対し
「ノーガード」
シヴィルトは攻撃を通す事を選択する。
「ドライブチェック────ゲット! フロントトリガー! 前列のパワー+10000!」
行われたナオのドライブチェック。
現れたのはトリガーユニットの『焔の巫女 パラマ』。
フロントアイコンを待つこのトリガーは前列全てのパワーを10000加算する事が出来る。
効果が前列にいるボルダーアクスとブレイズザンバーに与えられ、パワーが10000加算された。
これによりブレイズザンバーは18000にパワーが上昇した為、スペロドへの攻撃が可能となる。
「ダメージチェック─────ノートリガー」
捲られたノーマルユニットの『ドラグリッター カウスコーザ』がダメージゾーンへと送られ、シヴィルトのダメージは2となる。
「ブレイズザンバーで、スパロドにアタック!」
「ソウギョウでガード」
次いで行われたブレイズザンバーの攻撃。
シヴィルトは手札から『焔の闘僧 ソウギョウ』をガーディアンとしてコール。
シールド値15000がスペロドに加算され、合計パワーは25000となった為ガードが成立した。
「これでターンエンドだよ」
「ワタシのターン。スタンド&ドロー」
ナオがターン終了を宣言してシヴィルトへターンを返す。
「ジェネレーターの効果でEC3。さぁ、刮目するがいい。紫炎を纏い、奈落より出でて世界を欲望で満たすがいい! ライド! 『邪竜 シヴィルト』!」
手札からバッキをドロップゾーンに捨て、ライドデッキからグレード3『邪竜 シヴィルト』へとライド。
巨大な両の爪には禍々しい紫炎を纏わせ、この世の全てを汚染するかのような叫びを上げるイメージがナオに襲いかかってくる。
「メインフェイズ。ディソレイトフレアを左前列にコール。スキル発動。このユニットが登場した時、
続けてコールされた『ディソレイトフレア・ドラゴン』のスキルが発動する。
コストが支払われ、山札から7枚を確認したシヴィルトは『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を公開して自らの手札に加えると、残りのカードを戻して山札をシャッフルする。
「続けてオーダー発動。『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』をソウルに置いてヴァンガードにスキルを与える。さらに、ドロップゾーンからバッキのスキル発動。ノーマルオーダーをプレイした時、ヴァンガードが『共心竜』ならCB1でこのユニットをリアガードにコールする。右前列にスペリオルコール」
次いで行われたのはディソレイトフレアの効果で回収したオーダーの発動。
『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』がソウルに置かれ、ヴァンガードの邪竜にスキルが付与され、続けてドロップゾーンからバッキのスキルが発動し、コストが支払われ自身を右前列へとスペリオルコールする。
「シャウクを右後列にコール。さらに
さらにシャウクをコールし、シヴィルトは邪竜のスキルを発動させた。
コストとしてソウルから『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』がドロップゾーンに送られ、選ばれた2体のユニット、ディソレイトフレアとバッキは禍々しい紫炎に包まれてその力が増大し、パワーがそれぞれ5000加算される。
目の前に光景に、ナオは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ
「酷い……」
呟いた。
その呟きをシヴィルトは嘲笑いながら
「何を言う? これこそが、欲望を解放する事こそが生き物の本懐だろう? さぁ、バトルフェイズに移らせてもらうぞ」
言うとバトルフェイズへの移行を宣言し、まずはディソレイトフレアに手を添えた。
「ディソレイトフレアでボルダーアクスにアタック。スキル発動。このユニットがアタックした時、そのバトル中パワー+5000。さらに|EB3する事で、リアガードを1枚選び『このユニットが退却した時、このカードを手札に加える』スキルを付与する。ワタシはリュウトウを選択する。合計パワーは20000だ」
レストしてボルダーアクスに攻撃を開始しスキルが発動。
自身のパワーが5000され、さらにコストとしてエネルギーを3枚消費しリュウトウを選択してスキルが付与された。
シヴィルトのエネルギーは6から3に減少。
パワーは精神汚染の分も含めて20000となった。
「コンダクトスパークでガード!」
この攻撃に対してナオは手札からトリガーユニットの『コンダクトスパーク・ドラゴン』をガーディアンサークルにコール。
シールド値15000が加算され、ボルダーアクスのパワーは25000となりガードが成功する。
「リュウトウのブースト、
続けてヴァンガードの邪竜がリュウトウのブーストを得てボルダーアクスに襲いかかって来た。
パワーは13000に8000が加算された計21000。
「ノーガード」
邪竜の攻撃に対してナオは攻撃を通す事を選択する。
「ツインドライブ。ファーストチェック────ノートリガー」
グレード3ユニットのスキルアイコン『ツインドライブ』による2度のドライブチェック。
最初の1枚はノーマルユニットのシャウク。
「セカンドチェック─────ゲット、クリティカルトリガー。
2回目のドライブチェック。
捲られたのはクリティカルアイコンを持つトリガーユニットのソウギョウ。
ダメージを与えるクリティカルを邪竜に付与し、パワーはバッキへと与えられ、シヴィルトはクリティカル2となりバッキのパワーは25000へと上昇する。
紫炎を纏いし巨爪がボルダーアクスへ襲い掛かり、その体躯を切り裂く。
「ダメージチェック、1点目────ノートリガー。2点目─────ノートリガー」
クリティカルが2に増加した攻撃を受けた事により、ナオは2回のダメージチェックを行う。
捲られたのはどちらもノーマルユニット。
1枚目の『ドラグリッター シュウラ』、2枚目の『スパークルリジェクター・ドラゴン』がダメージゾーンに置かれ、ナオのダメージは3となる。
「リュウトウのスキル発動。このユニットがブーストしたバトル終了時、アタックがヒットしているならこのユニットを退却させて
ダメージチェックが終わると、シヴィルトはバトル終了時スキルの処理を開始。
リュウトウをドロップに送りダメージゾーンで裏返されている1枚を表返し、さらにドロップに送られたリュウトウはディソレイトフレアに与えられたスキルによってシヴィルトの手札に返っていく。
「
続けてシヴィルトは邪竜のスキルを発動する。
先程表替えされたダメージカードを裏返し、レストされているディソレイトフレアを選択してスタンドさせた。
ドライブは0になったがリアガードはドライブチェックを行わない為ディスアドバンテージにはならず、さらにはパワーが10000加算された事により単体で25000のパワーに膨れ上がった。
「ディソレイトフレアでボルダーアクスにアタック。スキル発動。パワーを+5000してEB3し、スキルをバッキに与える。合計パワーは30000だ」
「ノーガード。ダメージチェック────ゲット、ヒールトリガー! ダメージを1枚回復してボルダーアクスにパワー+10000!」
再び立ち上がったディソレイトフレアの攻撃をナオはノーガードで通す。
捲られたダメージはヒールアイコンを持つトリガーユニットの『爽風竜 ディノブリーズ』だ。
相手のダメージよりナオのダメージの方が多いため、ダメージゾーンのサミットフレアをドロップに送ってダメージを回復し、ボルダーアクスのパワーは20000へと増加する。
ナオのダメージは3のままだ。
「シャウクでブースト、バッキでボルダーアクスにアタック。合計パワー33000」
「スネゴスリでガード!」
シャウクのブーストを受けたバッキの攻撃がボルダーアクスに迫るも、ナオは手札からトリガーユニットの『妖獣 スネゴスリ』をガーディアンとしてコール。
ボルダーアクスのパワーはトリガーの効果も加わり35000となったのでガードが成立した。
「エンドフェイズ。精神汚染となったユニットはターン終了時に退却する。だが、バッキはディソレイトフレアから与えられたスキルで手札に戻り、ディソレイトフレアもまたオーダーによって得た
攻撃が全て終了し、移行したエンドフェイズ。
精神汚染状態のディソレイトフレアとバッキはドロップゾーンへ送られるも、ディソレイトフレアとオーダーの付与スキルによってシヴィルトの手札に加わり、さらに精神汚染ユニットが退却した事で邪竜の効果が発動してカードを1枚ドローする。
「ターンエンドだ」
ターン終了を宣言してナオへとターンを返す。
「私のターン。スタンド&ドロー! ジェネレーターの効果でEC3。白き一閃、黒き残響。天下無敵の二刀流────いざ抜刀! ライド! 『無双の運命者 ヴァルガ・ドラグレス』!」
レストしているユニットをスタンドさせ、手札からボルダーアクスをドロップに送り、彼女の分身である『無双の運命者 ヴァルガ・ドラグレス』が姿を現した。
その手に待つ白と黒の二刀はギラリと鋭い輝きを放ち、因縁の相手である邪竜にその刃を食い込ませようと疼いているかのように見える。
「ボルダーアクスのスキル! ヴァルガにライドされた時、このユニットをリアガードにコールする! 右後列にスペリオルコール! さらにブレイズザンバーの永続効果! ヴァンガードが『ヴァルガ』を含むグレード3なら、ターン中パワー+2000!」
ヴァルガ・ドラグレスにライドされた事で、ボルダーアクスがスキルによってリアガードへコールされ、ブレイズザンバーはスキルによって自身のターン中パワーが2000加算された。
「メインフェイズ! ボルダーアクスを前列に、ブレイズザンバーを後列に移動。ツインパルシヴをコールしてスキル発動! このユニットが登場した時、ヴァンガードが『ヴァルガ』を含むグレード3ならEB3する事でデッキの上から5枚確認し、グレード2以下のユニットを選んでコールする! ロクセイをスペリオルコール!」
ボルダーアクスとブレイズザンバーの位置を入れ替え、左前列にツインパルシヴをコールしてスキルを発動。
エネルギーが9から6に減少し、デッキの上から5枚を確認したナオはロクセイを選択して左後列にコールした。
「ロクセイはコールされたターン、相手のインターセプトを封じる事が出来る。しかし残念だったな? ワタシの前列にユニットはいないぞ?」
コールされたロクセイを一瞥したシヴィルトは嘲るようにそう言うと
「そんな事は百も承知だよ。バトルフェイズ! ロクセイのブースト、ツインパルシヴでシヴィルトにアタック! 合計パワー21000!」
ナオはそう返してメインフェイズからバトルフェイズへと移行して攻撃を開始。
最初の攻撃は左前列のツインパルシヴだ。
ロクセイのブーストを受けてパワーは21000に上昇、迸る雷光の刃がシヴィルトへ振るわれた。
「コンダクトスパークでガード」
その攻撃をシヴィルトはコンダクトスパークをガーディアンサークルにコールする事でガード。
シールド値15000が加算され、パワー28000となりツインパルシヴの攻撃は阻まれる。
「ブレイズザンバーのブースト、ボルダーアクスでシヴィルトにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、『ヴァルガ』を含むヴァンガードがいるならパワー+5000! 合計パワー25000!」
「ソウギョウでガード」
続けて行われたボルダーアクスの攻撃。
唸る戦斧はソウギョウがガーディアンとしてコールされた事でまたしても阻まれてしまった。
「バトル終了時、ボルダーアクスを退却させて1枚ドロー!」
効果によってボルダーアクスはドロップに送られ、ナオは1枚ドロー。
「インペイルホーンのブースト、ヴァルガ・ドラグレスでシヴィルトにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、CB1で全ての前列を退却してヴァルガのパワー+10000し、バトル終了時にスタンドさせてドライブを−2する! インペイルホーンのスキル! このユニットがブーストした時、『ヴァルガ』を含むヴァンガードがいるならパワー+5000! さらにもう一つのスキル発動! 『ヴァルガ』を含むヴァンガードをブース出した時、パワー+2000してバトル終了時に自身を退却しSB1する事で1枚ドロー出来る!」
次いで行われるナオの分身、ヴァルガ・ドラグレスの攻撃。
スキルによって互いの前列は全て退却するが、先程言った通りシヴィルトの前列はすでになく、退却するのはナオのツインパルシヴのみ。
ツインパルシヴをドロップゾーンに置き、さらにインペイルホーンのスキルを2つ発動させてパワーを増加させていく。
しかしまだ終わらない。
「ツインパルシヴのスキル! このユニットがヴァルガの能力で退却した時、自身のヴァンガードのパワーを+5000! そしてロクセイのスキル! このユニットと同じ縦列の前列から退却した時、『ヴァルガ』を含むグレード3がいるなら自身を退却させて1枚ドロー! 合計パワー43000!」
ヴァルガ・ドラグレスのスキルで退却したツインパルシヴの効果によってヴァルガ・ドラグレスはさらにパワーが5000加算され、さらにロクセイのスキルにより1枚ドローしてさらに手札を増やしていく。
スキル連鎖によるパワー増加によってヴァルガ・ドラグレスのパワーは43000に膨れ上がる。
「ノーガード」
この攻撃に対してシヴィルトはノーガードを宣言。
「ツインドライブ! ファーストチェック────ノートリガー。セカンドチェック─────ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てヴァルガ・ドラグレスに!」
ツインドライブ最初の1枚はノーマルユニットのシュウラ。
次いで捲られた2枚目はトリガーユニットのスネゴスリ、クリティカルトリガーだ。
効果は全てヴァルガ・ドラグレスに与えられ、単騎パワー38000、クリティカルは2に増加する。
「ダメージチェック。1点目──────ノートリガー。2点目─────ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て
攻撃が通り、行ったダメージチェックの1枚目はノーマルユニットのリュウトウだったが、2点目はトリガーユニットのコンダクトスパーク。
パワーとクリティカルが邪竜に加算されて23000に増加し、2枚のカードはダメージゾーンへと置かれ、シヴィルトのダメージは4となる。
「インパイルホーンのスキル! SB1と自身を退却させる事で1枚ドロー! そしてヴァルガ・ドラグレスはスタンドしてドライブを−2する! もう一度、ヴァルガ・ドラグレスでアタック! パワー38000! クリティカル2!」
「レオニー、アルムディアスでガード。アルムディアスはスキルによってシールドパワー+5000。合計パワーは43000。ヴァルガ・ドラグレスのドライブは0。よってパワー増加はない。ガード成立だな」
再び行われたヴァルガ・ドラグレスの攻撃はガーディアンとしてコールされた『焔の巫女 レオニー』とアルムディアスによって阻まれた。
本来グレード3のユニットはシールドパワーを持ち合わせてないが、アルムディアスは永続スキルによってインターセプトとシールドパワー5000を得る事が出来る。
さらにダメージトリガーの効果も加わりヴァルガ・ドラグレスの刃は通る事なく弾かれてしまった。
「……ターンエンド」
「ほう? ディヴァインスキルは使わないのか? 使えば攻め切れるかも知れんぞ?」
「挑発には乗らないからね。さぁ、アンタのターンだよ」
ターン終了を宣言するナオに、シヴィルトが嘲るように問いかけるも彼女は構う事なくターンを進めるように促した。
「ワタシのターン。スタンド&ドロー。ジェネレーターの効果でEC3。燃え盛る紫炎よ、再び世界を欲望で満たし堕とすがいい! ペルソナライド! 『邪竜 シヴィルト』!!」
レストしているユニットをスタンドさせて1枚引き、シヴィルトは高らかに叫びながら同名ユニットである『邪竜 シヴィルト』を手札からヴァンガードに重ね、ペルソナライドを発動させた。
「ペルソナライドの効果発動! 1枚ドローしてこのターン中、前列のパワー常に+10000! メインフェイズ! ディソレイトフレアを左前列にコールしスキル発動! CB1する事でデッキの上から7枚確認し、『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を公開して手札に加える。続けてオーダー発動! 『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』をソウルに置いて
続けて移ったメインフェイズにてシヴィルトは再び手札からディソレイトフレアをコールしてスキルを発動し、『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』を手札に加えてそのまま効果を発動する。
『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』がソウルに置かれ、邪竜にスキルを付与、次いでリュウトウ、シャウク、バッキがコールされ、邪竜のスキルが発動された。
ソウルから『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』をドロップゾーンに置き、バッキと2体のシャウクが選択され禍々しい紫炎がユニットを包み精神汚染状態へと堕としていく。
ユニットが展開されて盤面が完全に埋まった事でシヴィルトはニィっと笑って
「さぁ、バトルフェイズだ。シャウクでブースト、バッキでヴァルガ・ドラグレスにアタック! バッキの永続スキル! 自身のターン中、相手のヴァンガードがグレード3以上ならワタシの『共心竜』ユニットのパワーを+5000し、自身が精神汚染状態ならこのユニットにパワー+5000! 合計パワー43000!」
右前列のバッキから攻撃を開始。
シャウクのブーストと自身のスキル、そして精神汚染の効果2体分によりパワーは43000まで上昇。
「スネゴスリとパラマでガード! パラマの永続スキル! 相手のヴァンガードがグレード3以上ならシールドパワー+5000! 合計パワー48000!」
この攻撃に対してナオはトリガーユニットのパラマとスネゴスリをガーディアンサークルにコールする。
パラマは永続スキルによってシールドパワーが5000加算され、シールド値20000となり、スネゴスリのシールド値15000も加わり計35000が加算され合計48000となり、バッキのパワー43000を上回ったのでガードが成立した。
「シャウクのブースト、
次いで行われる邪竜の攻撃。
バッキのスキルによって得たパワー5000と精神汚染状態のシャウクのブーストパワー13000が加わり合計パワーは41000まで増加する。
ナオは自身の手札を見て数秒思案し
「……ノーガード」
攻撃を通す事を選択した。
「ツインドライブ! ファーストチェック────ノートリガー。セカンドチェック─────ゲット! クリティカルトリガー! クリティカルは
行われたツインドライブの1枚目はノーマルユニットの『スパークルリジェクター・ドラゴン』。
2枚目はクリティカルアイコンを待つソウギョウだ。
クリティカルは邪竜に与えられ、パワーはレストしているバッキに付与された事で、バッキの単体パワーは諸々のスキル込みで40000まで上昇、邪竜のクリティカルは2となった。
『ダメージチェック。1点目─────ノートリガー。2点目────ゲット! ヒールトリガー! ダメージを1回復してヴァルガのパワー+10000!」
紫炎を纏った巨爪がヴァルガ・ドラグレスを切り裂き、行われるダメージチェック。
1点目はノーマルユニットのファルハート。
2点目はヒールアイコンを待つトリガーユニットのディノブリーズ。
ダメージが互いに並んでいた為、ナオは裏返っているダメージカードを選択してドロップゾーンへと置いてダメージを回復し、4点でなんとか持ち堪える。
「
「なっ?! どんなインチキ?!」
「ワタシが選ぶのはバッキ、そして
バトル終了時に発動した邪竜のスキルによりコストが支払われ、選択されたバッキと邪竜自身が再び立ち上がる。
ドライブは0となりそれぞれにパワー10000が加算され、邪竜は単体38000、バッキは単騎50000まで上昇。
とてつもないパワー増加が行われたが、まだスキルの連鎖は終わらない。
「シャウクのスキル! このユニットと同じ縦列のユニットがスタンドした時、自身が精神汚染状態ならばスタンド出来る! ヴァンガード後列と右後列のシャウクはどちらも精神汚染状態。よってどちらもスタンドする! さらにドロップゾーンの『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』の効果発動!
邪竜とバッキがスタンドした事により、その後列にいる2体のシャウクがスキルを発動させて再び立ち上がった。
攻撃とブーストを終えたはずのユニットが大幅なパワーアップをしつつ立ち上がり再び攻撃態勢に入り、さらにドライブが0になっていた邪竜もドロップゾーンの『スペロドとシヴィルト 在りし日の姿』をバインドし、コストとして手札からリュウトウを捨てた事でドライブ回数が1に増加。
スキル連携による完全なら再攻撃態勢にナオは苦い表情を浮かべる。
「再びシャウクでブースト!
「スパークルリジェクター! 完全ガード!!」
再び襲いかかる邪竜の攻撃に、ナオは手札から守護者のカードであるスパークルリジェクターをガーディアンサークルにコールした。
このカードは相手の攻撃を完全に無効化する能力を待つ守護者のカード。
手札からスネゴスリを捨てて効果を発動させる。
「ドライブチェック────ゲット! クリティカルトリガー! クリティカルはバッキに! パワーはディソレイトフレアに!」
ドライブチェックによって捲られたのはクリティカルトリガーのソウギョウ。
完全ガードによって攻撃は届かない為、パワーはディソレイトフレアに、クリティカルはバッキに与えられた。
「リュウトウでブースト! ディソレイトフレアでヴァルガ・ドラグレスにアタック! スキル発動! EB3する事で自身にパワー+5000! さらにバッキにスキルを与える! 合計パワーは48000!」
「2枚のパラマでガード!! スキル発動! 共にシールドパワー+5000! 合計パワー63000!!」
続けて行われたディソレイトフレアの攻撃。
自身のスキルとブースト、さらにトリガーの効果も加わり48000までパワーを上げるも、ナオのコールした2体のパラマがそれを阻む。
スキルによって2枚ともシールド値が5000加算され、合計63000までパワーが上昇したのでガードが成立。
「シャウクのブースト! バッキでヴァルガ・ドラグレスにアタック! 合計パワー63000! クリティカル2だ!!」
「ガード! ドラグヴェーダ!!」
再びシャウクのブーストを受けたバッキの攻撃。
合計63000という高パワーに対し、ナオが手札からガーディアンとしてコールしたのは
50000という破格のシールド値が加算され、ヴァルガ・ドラグレスのパワーはトリガー効果も加わり73000まで上昇。
バッキの63000を上回った為ガード成功となる。
「まさか防ぎ切るとはな。エンドフェイズ、精神汚染状態のユニットは全て退却する。が、バッキはディソレイトフレアに与えられたスキルで、右後列のシャウクはオーダーによって得た
全ての攻撃を終えたシヴィルトはエンドフェイズに移行しそれぞれの効果処理を開始。
精神汚染状態のバッキと2体のシャウクをドロップに置き、ディソレイトフレアとオーダーに与えられた邪竜の効果でバッキとシャウクを1枚ずつ手札に戻し、さらに邪竜の効果で1枚ドローする。
これでシヴィルトの手札は9枚、ダメージは4となった。
ターン終了が宣言され、ナオにターンが返される。
彼女の手札は1枚、ダメージは4で抑えたがそれでも首の皮一枚で繋がっている状態だ。
盤面も自身の分身と右後列にブレイズザンバーのみ。
次のドローで何か引かなければ確実に凌がれる事は想像に難くないだろう。
ターンを進める為、ナオがレストしている分身に手を伸ばそうとした────その時だった。
「貴様の手札は残り1枚。ダメージは辛うじて4で抑えたもののフィールドにユニットは皆無。もはや万策尽きたといったところかな、員弁ナオ?」
シヴィルトが彼女に語りかけてきた為、ナオはその手を止める。
「何言ってるかな? 勝負は最後の6点目を引くまでわからないよ?」
ナオはそう返すも、表情には僅かな焦りがあるように見えたシヴィルトは歪んだ笑みを浮かべ
「強がる事はない。以前よりは劣るがそれでも貴様達人間を遥かに凌ぐワタシのチカラに成す術がないではないか?」
「……アンタのチカラがとんでもないのは認めるけど、それでも私は勝負を簡単に投げ出す気はないよ」
問いかけに対しナオはそう返す。
するとシヴィルトは小さくかぶりを振り
「流石は師弟なだけあって諦めの悪さは
そう言うと一度目を伏せ
「敗北し屈辱に塗れて肉体を奪われるよりも、自らワタシに身を委ねる気はないか? そうすれば、貴様の願いを叶えてやれるぞ?」
歪んだ笑みを浮かべながらナオに問いかけた。
それを聞いたナオは目を見開くもすぐに
「冗談はやめてくれない? そんな提案に乗るわけないじゃん。それに、私の願いは、『プロファイターになる』って願いは自力で叶えてる。だから─────」
「それではない。もう一つの─────貴様が心の奥底で燻らせている、もっと人間らしい欲望の事だよ、員弁ナオ」
返ってくるナオの言葉を遮り、シヴィルトはさらに浮かべている笑みを歪めながら
「貴様はあの男────明導アキナに特別な感情を抱いているのだろう?」
放たれた言葉にナオは目を見開いた。
が、すぐに小さくかぶりを振り
「……何を言い出すかと思えば……残念だけど、アキくんはすでに
そう返すが、声は何処か震えていた。
それを狡猾な邪竜が見逃すはずもなく
「知っているとも。貴様に憑依して同化した時、それまでの貴様の記憶を見ているからな。だからこそわかるぞ。貴様が
放たれるシヴィルトの言葉にナオは動揺したように息を呑んだ。
この邪竜は先の宿命決戦でナオの身体に憑依し、同化するのに乗じて彼女の記憶を覗き見ている。
ヴァンガードファイトに関する知識もその記憶から得たものである以上、それ以外の記憶も覗かれていても不思議ではないだろう。
記憶を覗き見て得た情報からのシヴィルトの推測によって、ナオは大きく揺さぶりをかけられている。
「貴様達は常に互いの側にあり、互いを認め尊敬し、互いに憧れていた。貴様は奴に想われることに心地良さを抱き、また奴も自分と同じ感情を抱いているだろうと貴様は考えていた。だが────」
「……やめて」
嗜虐的な笑みを浮かべながら語り出すシヴィルトに、ナオは俯きながら小さく呟くも邪竜はお構いなしに続けていく。
「あろう事か、奴は貴様ではなく別の者、貴様達と同じく運命者カードを所有するあの女─────西塔ミコトを選んだ。長く時を共に過ごした自分ではなく、同じ時をそれ程多く過ごしてもいない、
「……うるさい」
ナオから出てくる怒りを孕んだ小さな呟き。
しかし意に介する事なくシヴィルトは耳障りな言葉を吐き続けていく。
「奴等の事を知った時、貴様にはあらゆる感情が生まれたはずだ。自分ではなく
「黙れっ……!」
ついに堪えきれなくなったナオは顔を上げ、怒りを孕んだ声を上げてシヴィルトを睨みつけた。
だが、当の邪竜は悪びれる事もなく
「だが、そんな貴様にもチャンスがあると知ればどうする?」
未だ睨み付けてくるナオを一瞥し
「ワタシにその身を委ねて受け入れれば、ワタシのチカラは貴様のモノとなる。貴様も感じただろう? 衰えているとはいえ人間を遥かに凌駕するワタシのチカラを! このチカラがあれば、
ニィっと歪んだ笑みを浮かべそう言った。
その言葉にナオは目を見開いて半歩後退る。
怒りと戸惑いがナオに極度のストレスを齎したのか、心臓を脈打つ鼓動はだんだんと速くなり、息も荒くなっていく。
顔を俯かせ、呼吸を荒くしているナオを見ながらシヴィルトは続けて誘惑の言葉を口にする。
「貴様の望むモノが手に入るのだ。何も迷う必要などなかろう? さぁ、ワタシの手を取り全てを委ねろ。その内なる欲望を解放するのだ! 員弁ナオ!!」
言いながら手を差し出してくるシヴィルト。
当のナオは未だに俯きながら荒い呼吸を繰り返している。
そんな彼女の脳裏を過ったのは
────ナオ先輩!
────ナオさん!
彼等の─────────アキナとミコトの笑いかけてくる姿。
やがて落ち着いてきたのか荒かった呼吸が治っていく。
数回大きく深呼吸した後、ナオはその顔を俯かせたまま
「……確かにアンタの言う通り……私はアキくんの事─────好きだよ」
力無い声でそう口にする。
「私の事、いつでも尊敬してくれて、認めてくれて、笑顔を向けてくれる……そんなアキくんが好きだったし、彼もそう思ってくれてたらいいなって思ってた……だから、アキくんがミコトちゃんを選んだとわかった時は凄くショックだったよ……」
ナオは俯いたまま、ゆっくりと自身が抱いているのであろう心情を語っていく。
「2人がそういう関係になったって気付いた日は、一晩中泣いて枕をグチャグチャにしたよ……アンタは知らないだろうけどさ、宿命決戦の後、あの2人、すれ違って拗れちゃったんだよね……その時、『もしかしたら、まだ私にもチャンスがあるかも』って、そう思わなかったと言えば─────嘘になるよ……」
ポロポロと語られていくアキナとミコトに対するナオの心情。
そこまで訊いたシヴィルトは歪んだ笑みを浮かべたまま
「なればこそ、迷う必要などない。ワタシにその身を委ねれば、貴様の欲望は─────」
「だけど、そんな馬鹿みたいな考えは─────もう消えてなくなってるよ」
さらなる誘惑の言葉を発するシヴィルトを遮るようにナオはハッキリと口にする。
「何?」
誘惑に対し、確実にナオは揺れているとシヴィルトは感じていた。
だが、目の前の彼女からは先程見せていた動揺も憤りも消え失せている。
ナオは俯かせていた顔を上げると、真っ直ぐにシヴィルトを見据え
「確かに私はアキくんが好きで大切だと思ってる。けどね、それと同じくらい、私はミコトちゃんの事も大好きで大切なんだ」
迷いのない声で
「2人が笑いあって幸せそうにしてると、私も心が暖かくなる。2人がすれ違ってたあの時は、そんな2人を見てられなくてなんとかしてあげたい気持ちの方が強くなってた。大切で大好きな2人が互いに想い合って笑ってるのは、私にとって何よりも換えの効かない『奇跡』と同じなんだ。だから、そんな2人の幸せを壊してまで、アンタの誘いに乗ったりなんてしないよ!」
ハッキリと狡猾な誘惑を拒絶する。
ナオが示した意思に、シヴィルトは有り得ないモノを見るような目で彼女を見ながら
「……馬鹿な……どちらも大切? そんな理由で貴様はワタシの誘いを拒絶するというのか? 貴様は抱いていたはずだ!
だと言うのに、ただ奴等が大切などというくだらない理由で、己が願いを消し去ったとでも言うつもりか?! そんな事は有り得ん!! 貴様らような愚かで、脆弱で、低俗な人間が! 惚れた腫れたの感情を超越し、醜悪な欲望を消し去る事など出来るはずが無い!!!」
表情を醜く歪めて喚き散らす。
そんなシヴィルトを見据えたまま、ナオは言葉を続けていった。
「確かにアンタの言う通り、人間は弱くて愚かだと思う。些細な事で取り返しの付かない諍いを起こしたり、自分の利益の為に他人を踏み付けて蹴落としたり、さ。でもね、そんな弱い人間だからこそ、温もりを求めて人と人は繋がっていくんだよ。相手と繋がり慈しんで支え合う、それは何も悪い事じゃない。人の数だけ、繋がり方っていうものがある。それが当たり前なんだよ」
言いながら視界に写すシヴィルトの表情はまるで不愉快と言わんばかりに益々歪んでいく。
だが、そんな事はお構い無しに
「けどアンタはそんな人と人との深い繋がり方に、惚れた腫れたの恋愛論を持ち出し自論を喚き散らして侮辱を重ねてる。私から見れば、そんなアンタの方がよっぽど低俗に見えるよ!」
「き、さまぁっ!」
言い放たれた言葉に、シヴィルトはさらに表情を醜く歪めてナオを睨み付けるが彼女は動じる事なく
「誰がなんと言おうと、私はアキくんの事もミコトちゃんの事も大好きで大切だ。2人だけじゃない。ヒカリちゃんにエリカちゃん、呼続くんに藍川くん、タイゾウさん、黒崎さん、ユナちゃん、センカ、メグちゃん。みんな私にとって、大切でかけがえのない人達。みんなが私を必要としてくれるのなら、喜びも悼みも共に分かち合う! それが私の、員弁ナオの人との繋がり方──────絆のあり方だ!!」
迷いも、揺らぎも感じさせない目で、シヴィルトを見据えたまま力強い声で言い放つ。
精神的に追い詰めていたと思っていたはずが、完全に立場が逆転している事にシヴィルトは怒りを抑える事が出来ず
「繋がり……? 絆……? 巫山戯るな! そんなモノは詭弁だ! 戯言だ! 幻想だ!! 目的の為に他者を踏みつけ、裏切り、利用し、醜悪な欲望に塗れた姿こそが人間だ!! ワタシは認めない……断じて認めんぞ! 員弁ナオ!!!」
彼女のあり方の全てを否定する言葉を吐き出していく。
だが、ナオは動じる事なく
「これ以上は何処までいっても平行線。なら、問答はここまで。そろそろ決着を着けようか、シヴィルト。私のターン! スタンド&ドロー!」
止まっていたファイトを再開する為、レストしているヴァルガ・ドラグレスとブレイズザンバーをスタンドしてドローする。
引いたカードを確認すると、彼女は不敵に笑い
「ジェネレーターの効果でEC3。白き一閃、黒き残響。絆を嗤いし悪しき魂──────斬り払う為いざ抜刀!! ペルソナライド! 『無双の運命者 ヴァルガ・ドラグレス』!!」
自らの分身、ヴァルガ・ドラグレスへとライド。
同名にライドしたことにより、ペルソナライドの効果が発動する。
「ペルソナライドの効果! 1枚ドローし、このターン中前列のパワーを常に+10000!」
「ペルソナライドしたからなんだというのだ?! たった2枚の手札とガラ空きの盤面でワタシの防御を超えられるものか!!」
効果によって1枚引いたナオに向かい、シヴィルトは怒声を張り上げる。
確かにシヴィルトの言う通り、ナオの手札は2枚。
そして盤面もリアガードがブレイズザンバーのみ。
前列のパワーを上げたとはいえ、ブーストが無ければ火力は途端に不足するだろう。
加えてシヴィルトの手札は9枚、さらにはダメージも4である為一度は攻撃を通す事が出来る状態であり、受けたダメージがトリガーならばさらに攻撃は通り難くなる。
形勢は未だナオが圧倒的に不利。
しかし
「慌てないでよね。まだ私のメインフェイズは始まったばかりだよ」
ナオは不敵な笑みを浮かべたまま、先程ペルソナライドの効果で引いたカードを手に取り
「オーダーカード! レガリスピース─────『
オーダーカードの発動を宣言した。
「オーダーだと?!」
「レガリスピースはデッキに1枚しか入れられず、ファイト中に1度しか発動出来ない特殊なオーダーカード。そしてこの『
『
1つは『このカードをソウルに置きCC1』のコスト回復の効果。
もう1つは『2枚引く』という追加ドローの効果。
ナオが選んだのは追加ドロー出来る『2枚引く』の効果だ。
『
引いたカードを確認したナオはニッと笑い
「ロクセイを左後列にコール! スキル発動! このユニットがコールされた時、『ヴァルガ』を含むヴァンガードがいるならこのターン中、インターセプトを封じる!」
ドローした2枚のうちの1枚、ロクセイをコールしてスキルを発動。
「ロクセイがないと踏んで、ディソレイトフレアを残してたんだろうけど、それが仇になったね?」
「おのれぇ……っ」
ナオの指摘通り、シヴィルトはこのターンでインターセプトを封じるロクセイは無いと踏んでいた。
その為に敢えてディソレイトフレアを精神汚染状態にせずガード値として残していたが、『
「左前列にシュウラをコール! そして、右前列にオブドラスグレイブをコール!! オブドラスグレイブの永続スキル! 自分のターン中、このユニットと同名のリアガードがいないなら、このユニットは効果では退却せずパワー+10000!」
続けて左前列にシャウラをコールして最後に残った1枚、『オブドラスグレイブ・ドラゴン』が右前列にコールされる。
このユニットは前列に同名が居なければカード効果で退却しない永続効果を持っている。
故にヴァルガ・ドラグレスのスキルを使用しても退却せずにフィールドに残す事が可能なユニットだ。
左右のリアガードがブーストを含めて並び立ち、攻撃の布陣が完成。
「準備は整った。行くよシヴィルト。アンタのその歪んだ
叫び、バトルフェイズへと移行したナオはまずロクセイに手を添え
「ロクセイのブースト、シュウラでシヴィルトにアタック! シュウラのスキル! このユニットがアタックした時、EB2する事でパワー+5000し、ロクセイを選択して『このユニットが退却した時、このカードを手札に加える』効果を与える! 合計パワー33000!」
レストして攻撃を宣言。
同時にシュウラのスキルが発動。
コストとしてエネルギーが2を支払い9から7へと減少し、パワーが5000加算され、ロクセイにスキルを与えた。
合計パワーは33000。
「バッキとシャウク、ソウギョウでガード!」
この攻撃に対してシヴィルトは手札からバッキとシャウク、そしてソウギョウの3枚をガーディアンとしてコールする。
シールド値5000が2枚と15000、計25000がシヴィルトに加算され、38000となりガードが成立する。
「ヴァルガ・ドラグレスで、シヴィルトにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、CB1で自身と相手の前列のリアガードを退却させてパワー+10000! そしてバトル終了時にこのユニットをスタンドさせドライブ−2する! シュウラは退却するけど、オブドラスグレイブは効果によって退却せずフィールドに残るよ!」
続けてヴァルガ・ドラグレスをレストしてシヴィルトへアタックを宣言。
スキルにより互いの前列リアガードが退却してドロップに送られるが、オブドラスグレイブはカード効果による退却を無効にする永続効果によってフィールドに残り続け、ヴァルガ・ドラグレスはパワーが10000加算され合計パワーは33000となった。
「シュウラのスキル発動! このユニットが『ヴァルガ』を含むヴァンガードの能力によって退却した時、CB1でこのカードをリアガードにコールしてパワー+10000! ロクセイのスキル! このユニットと同じ縦列のユニットが退却した時、自身を退却させて1枚ドロー! さらにロクセイはシャウラに与えられたスキルで退却時に手札に戻る!」
さらに効果で退却してシュウラのスキルが発動。
ダメージゾーンの表カードの一枚が裏返され、ドロップに送られたシュウラはパワーを10000増加させて再び左前列へ現れる。
そしてシュウラが退却した事でロクセイもスキルが発動。
自身を退却させて1枚ドローし、さらにシュウラに与えられたスキルによってドロップゾーンから手札に返っていく。
スキルの処理が終了し、シヴィルトのガードステップに移行すると
「ドラグヴェーダでガード!!」
手札から
先のターン、ツインドライブで引き当てている完全ガードのスパークルリジェクターを温存する為だろう。
シールドパワー50000が加算された邪竜はパワー63000に膨れ上がり、ヴァルガ・ドラグレスのパワーを大きく凌駕する。
ナオも先のターンで
「ツインドライブ! ファーストチェック─────ゲット! クリティカルトリガー!」
行われるナオのツインドライブ。
最初の1枚はトリガーユニットのスネゴスリ、クリティカルトリガーだ。
ナオは一瞬だけ思考すると
「効果は全てシュウラに!」
パワー、クリティカル共にシュウラへと振り分ける。
この振り分けにシヴィルトは僅かに訝しげな表情をし
(何故全てリアガードに振った?
そう思考を巡らせた。
ナオの記憶を覗き見て得たヴァンガードの知識からそう考えるシヴィルト。
確かにスタンドする能力があるのなら、自身にクリティカルを与えておけば相手にかなりの圧力をかけられる。
だがナオはそうせずに効果を全てシュウラに振り分けた。
疑問を抱くシヴィルトを他所に、ナオは2度目のドライブチェックへと入っていた。
「セカンドチェック──────ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てオブドラスグレイブに!」
現れたのはまたしてもトリガーユニット。
クリティカルアイコンを待つコンダクトスパークだ。
そして効果の全ては右前列のオブドラスグレイブに与えられ、シャウラは単体40000、オブドラスグレイブは43000、クリティカルは共に2へと増加する。
(また全てリアガードにだと? コイツはいったい何を狙っているのだ?)
「バトル終了後、ヴァルガ・ドラグレスはスタンドしてドライブをー2する!」
思考するシヴィルトを他所に処理を進めていくナオ。
(まぁいい。どのみち奴は先に
「シュウラでシヴィルトにアタック! スキル発動! EB2する事でパワー+5000、ブレイズザンバーにスキルを与える! 合計パワー45000、クリティカル2!」
「なんだとっ?!」
続けてナオがレストしたのは左前列のシュウラ。
スキルを発動させパワーを増加し、シヴィルトへ攻撃を仕掛けてくる。
予測とは違うユニットからの攻撃にシヴィルトは驚きつつも
「コンダクトスパーク! ソウギョウ! レオニーでガード! 合計パワー58000!」
手札から3枚のトリガーユニット、コンダクトスパークとソウギョウ、レオニーをガーディアンサークルにコールする。
シールドパワー45000が加算された事で邪竜のパワーは58000に膨れ上がりシュウラの攻撃を防ぎ切る。
「ブレイズザンバーのブースト! オブドラスグレイブで、シヴィルトにアタック! 合計パワー53000! クリティカル2!」
次いで攻撃を仕掛けたのはブレイズザンバーのブーストを受けたオブドラスグレイブ。
自身の効果とトリガー、そしてブレイズザンバーのバーストパワーが加算され合計パワーは53000。
炎を纏った長得槍が唸りを上げてシヴィルトへ襲いかかる。
シヴィルトは苦虫を噛み潰したような表情で
「
手札から守護者のカード、スパークルリジェクターがガーディアンサークルにコールされた。
本来なら手札を1枚捨てなければならないが、手札が1枚以下の場合は捨てなくても効果が発動する。
よってオブドラスグレイブの攻撃は完全に防がれガードが成立した。
「ヴァルガ・ドラグレスで、シヴィルトにアタック! パワー33000!」
「ノーガードだ……っ」
残ったヴァルガ・ドラグレスがレストされ、再びシヴィルトに刃を向ける。
シヴィルトは忌々しいと言わんばかりの表情で攻撃を通す事宣言した。
「ダメージチェック─────ゲット! ドロートリガー! 1枚ドローし、
行われたダメージチェックで捲られたのはドローアイコンを待つトリガーユニットのフレアヴェイル。
効果によってシヴィルトは1枚引いてパワーを邪竜へと与える。
これで邪竜のパワーは23000となった。
シヴィルトは引いたカードを確認すると、再び忌々しげな表情をしてそのカードを手札に加える。
これでシヴィルトの手札は2枚、ダメージは5。
しかし、ナオのバトルフェイズはまだ終了ではない。
「ヴァルガ・ドラグレスの刃は三度閃く──────無双開眼! ディヴァインスキル発動!!」
運命者が有する、ファイト中に一度しか使えない強力なスキルが発動。
「バトル終了時、このユニットが2回以上アタックしていて相手のダメージが4以上なら、CB1する事で、このユニットをスタンドしてドライブ+2!!」
コストが支払われ、ヴァルガ・ドラグレスは三度立ち上がり、さらに0になっていたドライブが2加算されて再びツインドライブが可能となった。
(何故だ?! 何故こんな状況になっている?! どうして奴はセオリー通りの攻撃をしてこない?! リアガードからの高火力攻撃など無ければ手札がここまで消費する事も……いや、待て……まさか……?!)
目の前の光景にシヴィルトは思考を巡らせていると、ふとある可能性に行き当たる。
忌々しいと言わんばかりの表情でナオを睨みながら
「貴様、わざとトリガーを振ったリアガードから攻撃を仕掛けてきたのか?! ドライブチェック以外で見えていなかったワタシの手札を探る為に!!」
そう怒声を上げて問うと、ナオは不敵に笑いながら
「やっと気付いた? その通りだよ。アンタはさっきのターンで完全ガードをドライブチェックで引いていた。けど、ターン開始時のドローとアンタの効果で引いたカードは非公開情報だからね。その中にも完全ガードがある可能性が否めなかった。だから敢えて私はクリティカルトリガーが出たら振り分けず全部リアガードに振るって決めてたんだよ。ま、ダブルクリティカルだったのは嬉しい誤算だったけどね」
問いに対して返してくる。
そう、彼女はシヴィルトの見えていなかった分の手札を確実に削る為のプレイングを行ったのだ。
ターン開始時、シヴィルトのダメージは4だった。
ならば2ダメージを受けるかもしれない攻撃は確実にガードしてくるだろうとナオは考え、引き当てたクリティカルトリガーの効果を全てリアガードに振ったのである。
そして上手い具合いにクリティカルを引き当てる事に成功し、シヴィルトの手札にある非公開情報を炙り出す事に成功したのだ。
もっとも、クリティカルを引かなければ出来ないプレイングである為、かなり運任せなものではあるが『運も実力の内』と言えばそうなのだろう。
「シュウラの攻撃をトリガーユニット3枚でガードした時点で完全ガードは1枚しかないって確信したよ。2枚持ってるならアンタは確実にどっちも完全ガードを切ってただろうからね。そして、さっきのドロートリガーもハズレってとこでしょ? アンタ滅茶苦茶顔に出てるし」
「お……のれぇ……っ!」
先程まで煽られていた仕返しも兼ねてなのか、ナオは不敵に且つ悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言った。
確かに邪竜の力は以前より衰えているものの、とてつもないモノである事は間違いない。
だが、それはあくまでも力だけの話。
いくら力が強大であり、知識もナオの記憶から得ていたとしても、ヴァンガードファイターとしての経験値は彼女の方が圧倒的に上なのだ。
その場の手札と状況を見て臨機応変に対応してみせたナオの経験からくる直感によって完全に形勢は逆転し、シヴィルトは追い詰める側から追い詰められる側へと追い込まれたのである。
「力押しでなんとかなるほどファイトは甘くないよ、シヴィルト。まぁ、このターンのプレイングはアンタの手札の非公開情報を暴き出す事だけが目的じゃないんだけどね」
「なんだと?」
「私の攻撃はあと1回。
言いながら不敵に笑うナオを見て、シヴィルトは彼女のもう一つの意図に気が付いた。
彼女はシヴィルトの手札の非公開情報を曝け出すためだけでなく、この状況を作り出す事も目的としていたのだ。
宿命決戦の折に、自身に憑依して野望の為に利用しようとした因縁の相手との真なる一騎打ち。
そうする事で彼女はかつて邪竜の野望の片棒を担がされそうになった自身の不甲斐なさを払拭しようとしているのである。
ナオの真意に気が付いたシヴィルトは
「ふ……ふふふ……ハハハ……フハハハハハハ!!」
高らかに笑い声を上げ
「いいだろう、受けて立ってやる! 来るがいい! 員弁ナオ!!」
そう叫ぶ。
ナオは
「いくよシヴィルト!
勢いよくレスト、邪竜への攻撃を宣言した。
シヴィルトは2枚の手札のうち、1枚を手に取り
「レオニーでガード!! さぁ! 越えられるものなら越えてみろ!!」
レオニーをガーディアンサークルにコールする。
トリガー効果で23000まで上昇した邪竜のパワーに、レオニーのシールドパワー15000が加算されて38000に上昇。
対するヴァルガ・ドラグレスのパワーは33000。
このままでは届かないが、トリガーを1枚引き当てれば攻撃は貫通する。
全てはこの、2回のドライブチェックで決まる。
「ツインドライブ!! ファーストチェック─────ノートリガー」
1回目のドライブチェック。
現れたのは彼女の分身ヴァルガ・ドラグレス。
トリガーユニットではないのでパワーは変わらない。
トリガーゾーンに捲られたヴァルガ・ドラグレスを置き、2回目のドライブチェックを行う為にナオは再びデッキの上に手を添えた。
運命の2回目。
「セカンド─────チェック!!」
勢いよく捲り、ナオの目に映ったのは
「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、
クリティカルアイコンを待つトリガーユニットのスネゴスリ。
効果は全てヴァルガ・ドラグレスに与えられ、パワーは43000、クリティカルは2に上昇。
両の手に待つ二刀が纏う白炎と黒炎がトリガーの力を得て激しく燃え盛り、爆ぜて火の粉を散らしている。
「斬り捨て─────御免!!」
シヴィルトの合計パワー38000を上回り、無双の二刀が邪竜へと振り下ろされ、勢いよくその体躯を斬り裂いた。
「っ! ダメージ────チェック!」
行われるダメージチェック。
捲られたのは───────
「──────ノートリガー」
ノーマルユニットであり自身そのもの、『邪竜 シヴィルト』。
ダメージゾーンに置かれ、シヴィルトの6ダメージが確定しファイト終了。
ナオは見事、邪竜との一騎打ちに勝利した。
「よっしゃぁ!!」
因縁の相手との勝負を征した事に歓喜の声を上げるナオ。
敗北を喫したシヴィルトは数歩後退ると、その場に力無くしゃがみ込んでしまった。
それと同時に、ファイト台の真上に小さくも眩い光の塊が現れる。
このファイトによって生み出された
「……宿命決戦で見た時より全然小さいね、コレ」
「当然だろう……いくらこの地が惑星クレイとの繋がりが強いとは言え、ガブエリウスの術式は使ってないのだ。これでも通常よりは多い方だろうな……」
ナオの言葉に対してシヴィルトはそう返す。
宿命決戦ではシヴィルトがガブエリウスの術式を悪用し、さらには運命大戦よりも多くファイトさせた故に膨大な量の
それでも普通にファイトするよりは多い量であるとシヴィルトは語る。
「ふぅん……で、目論見通り
「最初に言っただろう。量が少なくとも
言いながらシヴィルトはゆっくりと立ち上がり
「もはや抵抗など無意味なもの。約束は守ろう。ワタシの事は煮るなり焼くなり好きにするといい」
そう言って目を閉じる。
ナオは考える仕草を取って数秒思考を巡らせると
「なら、好きにさせてもらうよ」
そう言ってゆっくりとシヴィルトへ近付いていった。
「ナオせんぱーい!」
「返事してください! ナオさーん!」
白み出した空の下、キャンプ場から少し離れた河原側を少年と少女──────明導アキナと西塔ミコトがナオの名を叫んでいた。
しかし返事はなく、2人の表情には焦燥の色が浮かんでいる。
少し前、目を覚ますと同じテントで寝ていたはずのナオがいなくなっている事に気付いたミコトは、テントから出てまず1人でキャンプ場の芝生サイト、そして炊事場等に赴いてナオの姿を探してみた。
しかし何処にも彼女の姿はなく、何かあったのではと不安に襲われ急いでアキナ達を起こして事情を説明。
とりあえず付近を探してみようとタイゾウが提案し、入れ違いになってはいけないとキャンプ場にはキョウマとエリカ、ヒカリ、ユナ、そしてミコトに残ってもらうようにしてキョウマ以外の男性陣で手分けして探す事にしたのだが、ミコトは「自分も行きます」と強く食い下がり、アキナと行動を共にする事を条件に、ナオの捜索に出ることとなり現在に至っている。
ナオを探し始めてすでに1時間近く経っているものの、彼女の姿は未だ何処にもなく、見つからない事にミコトは言い知れない不安感に駆られているがアキナには感じ取れていた。
「何処にもいない……どうしよう、アキナ先輩……ナオさんに何かあったら……」
「ナオ先輩ならきっと大丈夫だよ。とりあえずミコトはもうキャンプ場に戻った方がいいよ。後は俺が────」
同じテントで寝ていたにも拘らず、ナオがいなくなっていた事に気付かなかった事に責任を感じているのか、今にも泣きそうな表情をしているミコトを気遣いアキナがそう促すも
「いやです! アキナ先輩にとって、ナオさんが大切な先輩であるのと同じで、私にとってもナオさんは大切な、お姉さんみたいな人なんです! だから、だから……」
アキナにとってナオが特別な存在であるように、ミコトにとってもナオは特別な存在だ。
アキナとの事や、その他の他愛無い事にいつも笑顔で相談に乗ってくれるナオの事を、ミコトはまるで本当の姉のように感じている。
彼女の心情を察したアキナは少しだけ思考を巡らせ
「わかった。ならもう少し一緒に探そう」
そう言って笑いかけ、微かに滲んでいた彼女の涙を指で拭うと、ミコトは小さく頷いた。
そしていざもう一度呼びかける為にナオの名を声に出そうとした─────その時だった。
「あれ? アキくん、ミコトちゃん?」
聞き覚えのある声がしたので目を向けてみると、木々が生い茂る森の中、その獣道から人影段々と近付いてくるのが確認出来た。
薄暗い森の中から現れたのは
「ナオ先輩!?」
「ナオさん?!」
員弁ナオその人。
獣道を歩いてきた為か、頭や衣服の其処彼処に葉っぱを付けている。
突如現れた探し人にアキナとミコトは一瞬だけ思考がフリーズするもすぐに
「ナオ先輩、何処行ってたんですか?!」
「ホントですよ! 目が覚めたらナオさん居なくて、近くを探しても何処にも居なくて……何かあったんじゃないかって……」
ナオに駆け寄ると、ミコトは彼女の両肩を掴んで捲し立てる。
最後の方は半分涙声になっており、そんな彼女に対して
「わわっ。ごめんごめん! 早く目が覚めちゃったから、ちょっと散歩に行ってたんだよ。ごめんね、ミコトちゃん? ちゃんとメッセージ残しとけばよかったね?」
ナオは慌てて再び涙を滲ませているミコトにそう言うと、先ほどのアキナのように指で優しく涙を拭う。
改めてナオの様子を確認したアキナは安堵の息を吐き
「無事でよかったです。とりあえずタイゾウさん達にメッセージ送りますね」
そう言ってポケットからスマートフォンを取り出し、タイゾウ達にナオが見つかった事をメッセージで知らせはじめた。
「ナオさん、ホントになにもないですか? 怪我とかしてないですよね?」
問いながらナオの身体のあちこちを確認しているミコトに対し、ナオは苦笑いを零して
「大丈夫大丈夫。心配かけてごめんね?」
「……本当に心配したんですよ……とにかく何もないならいいんですけど」
改めて謝罪を口にすると、ミコトは僅かに頬を膨らませながらそう返した。
それと同時に、タイゾウ達からメッセージの返信を受け取っらしいたアキナがスマートフォンを仕舞うと
「とりあえず、キャンプ場に戻りましょう」
「ですね。ほら、行きますよナオさん。他のみんなも心配してたんですから」
キャンプ場へ戻るよう促すと、ミコトも頷いてナオにそう言いながらアキナの元に歩み寄り、お互いにナオが見つかったことによる安堵の笑みを浮かべ、共にキャンプ場に向かって歩き出す。
ナオはそんな2人の背中を見つめながら
「……見てる、シヴィルト? これが私達の繋がり方だよ」
そう言うと1枚のカードをデッキケースから取り出した。
取り出したのは『無双の魔刃竜 ヴァルガ・ドラグレス 羅刹』のカード。
白紙になっていたはずのカードは再びその色彩を取り戻している。
事はナオとシヴィルトのファイトが決着した直後に遡る。
***********
「なら、好きにさせてもらうよ」
そう言ってナオはシヴィルトに向かいゆっくりと歩み寄っていく。
シヴィルトは特に抵抗することもなく、目を閉じてナオの次の行動を待っていた。
足音が止み、『ついに自分は完全に消されるのか』と思考した次の瞬間。
自身の額に何かが当たる感触を捉えたシヴィルトが目を開くと、目の前には白紙のカード。
そう、ナオが白紙となった羅刹のカードを手に持ってシヴィルトに突きつけていたのである。
理解出来ないナオの行動にシヴィルトは訝しげな表情を浮かべ
「なんのつもりだ?」
「確かにアンタを完全に消滅させる絶好のチャンスなんだろうけどさ、生憎と私は
問いかけるとナオは苦笑いを浮かべてそう返す。
ますます彼女の行動が不可解なシヴィルトは、僅かに苛立ちを含んだ声で
「ワタシを再び自らの身体に戻すと? 情けのつもりなら最高にキモチワルイぞ、員弁ナオ」
そう毒付いた。
するとナオはかぶりを振って
「そんなわけないでしょ。アンタのした事は決して赦される事じゃないし、赦す気もないよ。ただ─────前に夢の中で、
不敵な笑みを浮かべながらシヴィルトにそう返した。
それを聞いても未だシヴィルトは理解出来ないようで
「それだけの理由で? ただワタシのチカラを己が支配下に置くためだけに?」
再び問いかけると
「ま、これは一つ目の理由だよ。理由はもう一つ、アンタには見ていて欲しいんだ。私と、アキくん達との繋がり方、絆のあり方をね。人間はアンタの言うように弱くて愚かなだけじゃない。慈しんで支え合い、強い絆を育む事が出来るんだって事を。私の一生を賭けてでも、アンタに認めさせてやるつもりだよ」
先ほどの不敵な笑みとは違う、優しげな表情でナオはそう答えを返した。
するとシヴィルトは一瞬だけ呆気に取られるも
「くっ……くく……クハハハハ!! 実にクダラナイ! クダラナイが逆に面白くもあるぞ!」
高笑いを上げそう言うと
「いいだろう。貴様の口車に乗ってやる。だが、忘れるな? 貴様がヴァンガードファイターである限り、ファイトする度に僅かにだが
歪んだ笑みを向けながらナオにそう言い放つ。
それを聞いたナオは再び不敵な笑みを浮かべ
「上等! やれるものならやってみな!」
そう言って返すと、シヴィルトはニヤリと笑うとその体躯から不気味な光を放ち
「精々足掻いてワタシを楽しませてみせろ─────員弁ナオ」
光を弾かせその場から消え失せる。
瞬間、ナオ手に持っている白紙のカードが薄暗い光を放ち、それが収まると同時にカードは色彩を取り戻していった。
**********
先程までの事を思い出しながら、ナオが手に持つ『無双の魔刃竜 ヴァルガ・ドラグレス 羅刹』を眺めていると
「ナオせんぱーい! 何してるんですかー?!」
「早くキャンプ場に戻りましょー!」
彼女が着いて来ていない事に気付いたアキナとミコトが振り返って手を振りながらナオに呼びかけてきた。
ナオは手に持っているカードをデッキケースに仕舞うと、その場から勢いよく駆け出す。
そのまま一気にアキナ達と距離を詰めると
「うりゃ!」
両腕を伸ばして2人の腕を掴み、自身の方に引き寄せて思いっきり抱きしめた。
「な、ナオ先輩??!」
「な、なんなんですか急にぃ???!」
突然の抱擁に、アキナもミコトも顔を真っ赤にしてそう叫ぶと、ナオは力強く2人を抱きしめながら
「んーん。再確認したんだよ。私はアキくんの事もミコトちゃんの事も、大好きで大切なんだ、ってね!」
そう言うと2人を解放し、とびっきりの笑顔をアキナとミコトに向けて見せた。
当の2人はあまりにも突然の彼女の行動と言葉に大量の疑問符を浮かべている。
そんな2人を他所に
「さ、戻ろっか! 私お腹空いてきちゃった!」
そう言ってナオはキャンプ場に向かって歩き出した。
そんな彼女の背を少し見つめた後、アキナとミコトは互いに顔を見合わせて
「もう……訳わかんないですよぉ」
「でも、なんかナオ先輩らしいなぁ」
呆れつつも穏やかな声でそう言いながら微笑みあった。
「ほらほら2人ともー! 置いてっちゃうよー!」
すると今度はナオが立ち止まっている2人に呼びかけてくる。
アキナとミコトは軽く吹き出し
「待ってくださいよ、ナオ先輩!」
「戻ったらみんなにちゃんと謝ってくださいね!」
そう言って返し、ナオの後を追って駆け出した。
2人が追いつき、3人は笑いながら並んでキャンプ場に向かい歩いて行く。
(見てなよシヴィルト。人間は決して弱くて愚かなだけじゃない。それをきっと、私がアンタに証明してみせるから)
歩きながらそう思考を巡らせたナオと、並んで歩くアキナとミコトを昇ってくる朝陽が優しく照らしていった。
こうして
この選択が、先の未来に何を齎すかは誰にもわからない。
だが、ナオは思う。
自分を信じて必要としてくれる者がいる限り、決して悪しき力に自身が屈する事はないだろう、と。
やっぱりファイト話はカロリー使うぅぅぅぅ。
でもナオとシヴィのファイトはずっと前から書きたくて構想練りに練ってたから書けてよかった。
今回も魅せるファイトを意識したのでプレイング等は突っ込まないでくれると助かりんこなのです。
ちなみに余談ですが、ナオが白紙になった羅刹の補填に入れた4枚のうち、最後の1枚は最終ターンで活躍したオブドラスグレイブだったりします。個人的にあのカード好きなので活躍させたかったんですよ旦那ぁ
どんな話を書いてほしい?
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ほのぼのした話
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甘くイチャつく話
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アキミコ以外の話
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ファイト話