運命者達の軌跡   作:藤崎葵

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みーたんの誕生日から1週間。大遅刻の投稿ですわ

相変わらずアキナ×ミコトで付き合ってる設定。妄想と空想と幻想がクアンタムバーストしてるので解釈違い起こしそうな方は観覧注意。

IFからしか得られない栄養素を求められてる方はスタンドアップしてどうぞ〜。


再臨酔いどれマーメイド

 

「あきなせんぱ〜い」

 

少年の視界に映る少女は覇気のない声で彼──────明導アキナを呼びながら細い腕を彼の背に回し擦り寄っていた。

いや、正確にはしがみついていると言った方が正しいだろう。

アキナはどう引き剥がそうか思案しているものの、相手は女の子ゆえに乱暴に引き剥がすのも気が引けているようで中々行動に移せていない。

そんな右往左往している彼を他所に

 

「知らなかった……みーたんがこんなにお酒に弱かったなんて……」

 

「いやー、またこの状態を見ることになるとは思わなかったよ」

 

「ユナちゃん? 生きてる?」

 

「……我が人生に……一片の悔い……無し……」

 

「これはダメみたいだね」

 

明星エリカが申し訳なささげに言うその隣で員弁ナオが苦笑いを浮かべており、その側で何故か鼻血を流して倒れている西園寺ユナと問いかける明導ヒカリ。

何処かの拳王のようなセリフを宣うユナに対して苦笑いをしながら言う藍川クオンと、少し離れたダイニングの方で苦笑いしている清蔵タイゾウと無言の呼続スオウ、そして目の前の光景に絶句している黒崎キョウマの姿があった。

彼らの傍には小平皿が置かれており、その上には切り分けられたケーキが乗せられている。

本日はアキナに現在進行形でしがみついている少女────西塔ミコトの誕生日。

彼女を祝う為、親しい者達でアキナの家に集まり誕生パーティを開いていた。

事の発端は祝福の言葉と皆からの共同のプレゼントを送った後、アキナとナオの手料理を楽しみんでからエリカとユナが用意した誕生日ケーキを切り分けて配膳し終わったところまで遡る。

彼女達が手配したケーキは最近出来たばかりのケーキ屋の商品らしく、そこでも特に人気のあるケーキを予約注文したモノだ。

煮沸してアルコールを完全に飛ばした漬け込み酒にフルーツをたっぷりと漬けたフルーツピクルスのケーキで、上品で芳醇な香りにクリームとフルーツのまろやかな甘さが人気の商品であり、予約なしでは買えないほどのモノらしい。

それを1週間前に予約、本日購入し持ってきて切り分けた後、今日の主役であるミコトから食べるように促して、ユナとエリカがケーキについて説明すると、アキナとヒカリ、ナオとタイゾウが目を見開いて

 

『漬け込み酒のピクルス?!』

 

と、声を揃えて驚いた。

その様子にユナとエリカは疑問符を浮かべ

 

「え? え? ど、どうしたんですか?」

 

訊ねるとアキナ達は一年程前に、洋酒入りのチョコレートを食べたミコトが盛大に酔っ払ってしまった珍事を説明すると

 

「大丈夫よ。アルコールを完全に飛ばしてあるから未成年でも食べられるわ」

 

エリカがそう返し、アキナ達は安堵の息を吐くが

 

「アキナ、箱の中にコレが入っていた」

 

いつの間にかスオウがケーキの箱の中に入っていた1枚の用紙を取り出し、アキナへその紙を渡してくる。

渡された用紙はケーキの原材料表だ。

そこに表示されている原材料を確認せていくと、最後の方に書かれている表記を見てアキナはヒュッと喉を詰まらせる。

その様子が気になりヒカリとナオも覗き込んで確認すると、そこには『アルコール煮沸無し』という表記。

どうやらこのケーキはアルコールを完全に煮沸で飛ばしたモノと、煮沸せずそのまま使ったモノの2種類が存在していたようだ。

商品名が同じ故に購入の際に店員が間違えて渡してしまったのか、それとも注文の段階で間違えられてしまっていたのかは定かではないが、兎にも角にも今彼らの目の前にあるケーキはアルコールが抜けてない漬け込み酒のフルーツピクルスが使われたケーキであるという事に変わりはない。

瞬間、ナオとヒカリも喉が詰まるような感覚を捉え、アキナと共にミコトの方へと目を向けると、すでに彼女はケーキを3分の1ほど食べてしまっている状態だった。

当の彼女は少々俯き気味で沈黙している。

 

「み、みーたん?」

 

「あ、ダメ、ユナちゃ────」

 

その様子を心配したユナが彼女に声をかけながら近付くのをヒカリが止めようとした─────次の瞬間。

 

「ゆなちゃんだぁ〜」

 

ミコトは顔を上げ、ふにゃりと笑ったかと思えばユナの腕を掴み、一瞬で引き寄せガッチリとその両腕の中に彼女を包み込んだのである。

いや、どちらかと言えばガッシリと拘束したと言った方が正しいのかもしれないが。

何が起こったのか解らず数秒程思考が停止して宇宙猫ならぬ宇宙ユナ状態に陥ってしまう。

だが、すぐに自分がミコトに抱きしめられていることを認識した彼女はみるみる顔を茹蛸のように真っ赤にして

 

「み、みみみみみみ、みーたん??!?!」

 

「えへへぇ。ゆなちゃんかぁわいいぃぃぃ。ほっぺもちもちしてる〜」

 

叫びを上げるユナを他所にミコトは覇気のない声で言いながら彼女の頬に自身のソレを擦り付けてきた。

 

「あ゛っ?! み゜っ!?!! ア゛あ゛ァ゛あ゛ぁ゛っ゛??!?!」

 

推しの唐突な行為に、状況を整理しきれなかったユナの頭はパンクしたようで、絶叫を上げながらミコトの腕の中で悶絶し始めた。

その様子を見てこれは流石にマズイと判断したナオは

 

「仕方ない! タイゾウさん! 呼続くん!」

 

「了解!」

 

「ああ」

 

2人の名を呼ぶと彼らは頷き、空かさずアキナの元へ移動して左右から彼の腕を掴んで来た。

当然、いきなり自分が拘束されると思ってなかったアキナは驚いて抗議の声を上げようとするも、あれよあれよという間にユナをホールドしているミコトの元まで連行され

 

「ミコトちゃん! あっち向いて!」

 

「んな?!」

 

そう叫んで驚きの声を上げているアキナを指差した。

ナオに呼ばれたミコトが視線を向けると、トロンとした翡翠の瞳にアキナの姿を捉え

 

「あきなせんぱぁい!」

 

「またこのパターン?!」

 

虫の息となっているユナを放り捨ててアキナへとダイブ。

そのままガッチリとしがみついて擦り付き、話は冒頭のやり取りへと戻るのである。

推しからの過剰なスキンシップを受けて昇天しているユナをヒカリとクオンがリビングのソファに座らせる中、まさかこんな事になるとは思ってなかったエリカは

 

「ごめんなさい! 何も問題ないと思ってて、まさかこんな事になるなんて……」

 

「いやいや、どう考えてもお店側の不手際だからエリカちゃんは気にしなくても大丈夫だよ。そんな大した被害は出てないし」

 

申し訳なさげに言うエリカにナオがケラケラ笑いながらそう言うと

 

「その為の人柱ですか俺は?!」

 

未だミコトにしがみつかれているアキナから抗議の声が上がる。

するとナオはニヤリと笑いながら

 

「当然。君はミコトちゃんの彼氏なんだからちゃんと面倒見てあげないと。ね?」

 

そう言うとユナを介抱しているヒカリとクオン、そしてダイニングテーブルの席に座っているタイゾウがうんうんと頷いてみせる。

そう言われてしまったアキナは流石に何も反論することが出来ず言葉を詰まらせる。

そんな彼の様子などお構いなしに

 

「せんぱいせんぱい。どうしてぎゅーってしてくれないんですか?」

 

ミコトは可愛らしく頬を膨らませてアキナに問いかけてくる。

 

「え、いや、その、ほら! 今は皆がいるから─────」

 

「むぅ〜。いつもならぎゅーってしてくれたあと、いっぱいやさしくちゅーしてくれるのにぃ……」

 

問いかけに対してアキナは当たり障りのない返答を返そうとするも、ミコトは不満げな表情をしながら彼の言葉を遮るようにそう言ってくる。

 

「ちょ?! ミコトさん?!!」

 

とんでもない爆弾を投下されてしまったアキナは顔面蒼白になった後、視線を感じたのでそちらに目を向けて見ると

 

「アキくん、いつの間にか濃いスキンシップするようになったんだねぇー」

 

「アキナのケダモノ」

 

ナオがニヨニヨ笑いながら茶化し、隣のエリカはジト目で彼を見ながら辛辣なコメントをアキナに投げてくる。

 

「揶揄わないでくださいナオ先輩! っていうかエリカは酷くない?! あとクオンも何笑い堪えてんの?! タイゾウさんまで!」

 

2人の対応にそう返した後、笑いを堪えているクオンとタイゾウに対しても抗議の絶叫を上げるアキナ。

そんな彼に対し

 

「おいタイゾウ、それに藍川も流石に失礼が過ぎるぞ。すまないな、明導くん。とりあえず彼女を別の場所で休ませたらどうだ?」

 

未だ笑いを堪えているタイゾウとクオンにキョウマが溜め息を吐いて苦言を呈し、次いでアキナに視線を向けながらそう提案してくる。

彼は未だ自身にしがみついているミコトに目を向け、少し思案した後

 

「わかりました、そうさせてもらいます。ほらミコトさん、別の部屋に行って休もう? 立てる?」

 

「は〜い」

 

キョウマの提案を受け入れ、ミコトに問いかけると彼女はゆるい返事をしてアキナから離れてゆっくりと立ち上がった。

しかし、酔っているせいか足元が覚束ないようでふらふらと揺れている。

 

「ほら、しっかり掴まって?」

 

同じように立ち上がったアキナが手を差し出すと、ミコトはふにゃりと笑ってその手を取った。

転ばないよう、アキナは優しくミコトの手を引きながらリビングダイニングを後にし、足音が遠かっていくのを確認すると

 

「しかし、不可抗力とはいえ未成年にアルコール類を採らせてしまうとはな」

 

「うっ、ご、ごめんなさい……」

 

キョウマが僅かにズレたメガネを指で上げながら言うと、エリカが再び申し訳なさげに謝ってくる。

 

「ちょっとちょっと黒崎さん。その言い方だとエリカちゃんが悪いみたいになっちゃうんじゃないですか?」

 

「今回のはどう考えても店側の過失だよ。まぁ、俺達成人組がしっかり確認すべきだったって言いたいんだろうけど、ちょっと言葉が足りないぜ、キョウマ」

 

「む。そうだな、失言だった。すまない」

 

ジト目で言うナオと苦笑いのタイゾウの言葉に対しキョウマは素直に非を認めてエリカに謝罪すると、彼女は少し困ったような表情しながら

 

「あ、いえ、大丈夫です」

 

そう返した。

 

「でも、主役のみーたんが退場しちゃって……どうしましょうか?」

 

未だユナの様子を見ていたヒカリがそう問いかけると

 

「とりあえず、ミコトちゃんの事はアキくんに任せとけば大丈夫でしょ。それに最近また2人だけの時間を取れてなかったみたいだし、いい機会だからしばらく2人っきりにしといてあげればいいんじゃないかな」

 

ナオがリビングダイニングの入り口の方に目を向けながらそう言うとヒカリは納得したような表情を浮かべて同じようにリビングダイニングの入り口の方に目を向ける。

ナオの言う通り、2人はここ1ヶ月ほど互いに仕事やバイト等で時間を合わせる事が出来ず、2人だけの時間を過ごせずにいた。

芸能活動を再開してからミコトの人気は上昇していきそれに伴い、この一年で仕事の量もかなり増えたようである。

さらにはアキナもバイトが忙しく、昼休みなどもいつものメンバーで昼食を採ったりするので基本的に2人きりになれるチャンスはかなり減ってしまっており、互いに寂しさを感じている状態だった。

アキナもミコトも言葉には出さないが、顔には出やすい方なのでやはりよく接するナオやヒカリには筒抜けだったようである。

 

「それで、結局僕達はどうしますか?」

 

クオンが再度ヒカリ同様の問いかけをすると

 

「決まっているだろう」

 

今まで黙っていたスオウが椅子から立ち上がり

 

「皆でファイトだ」

 

デッキを取り出し、最早お決まりと言っていいセリフを口にする。

その言葉にナオがうんうんと頷き

 

「じゃあ、2人が戻ってくるまでファイト大会と洒落込もう! というわけでヒカリちゃんとエリカちゃん、アキくん達の様子を探りにいっちゃダメだからねー?」

 

そう言うといつの間にかリビングダイニングの入り口付近まで移動していたエリカとヒカリがビクリとその身を震わせながら慌てて振り返り

 

「と、当然じゃないですか!」

 

「そ、そこまで非常識じゃないですよ!」

 

と捲し立ててくる。

そんな2人の様子を見て

 

(絶対探りに行く気だったな、これ)

 

と、未だダウンしているユナ以外が思考を巡らせる。

キャンプの時、2人の様子を覗いてバレた際にミコトからのお説教を受けただけではなく、アキナからも苦言を呈されているにも拘らずこの行動。

もはや肝がすわっているとしか思えないが、2人とも妹としてアキナ()ミコト(将来の義姉)の事を心配しているのも事実なのだろう。

とはいえ、せっかく2人きりになる機会を与える事が出来たのだから邪魔してしまう可能性は取り除かねばならないと考えたナオは念の為、スオウにヒカリの相手を任せて自身がエリカの相手をする事でアキナ達の様子を探りに行くのを牽制する事にし、彼らが戻って来るまでの間ファイトに興じる事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方。

 

「ミコトさん。ほら、ベットに座って?」

 

酔い覚ましの為にミコトを自身の部屋まで連れてきたアキナは彼女をベットに座るように促した。

そのまま寝てしまう可能性も考え椅子よりもベッドの方に誘導したのだろう。

ミコトは素直にベッドに座るとそのままコテンと横たわりトロンとした目でアキナに視線を送ってきた。

かけているメガネのレンズの向こうの翡翠の瞳は潤んで揺れており、アルコールで血の巡りが良くなっているためか薄らと頬を赤く染め、可愛らしい口から小さく漏れる吐息は妙に艶やかに感じてしまう。

アキナは小さくかぶりを振ると

 

「俺、水持ってくるよ」

 

そう言って一階に戻る為に部屋から出ようとすると

 

「せんぱいどこいくの? いっちゃやだぁ」

 

甘えるような声でそう言いアキナを引き止める。

振り返って彼女を視界に移すと、ミコトは起き上がってベッドに座り込みながらアキナに熱の籠った視線を送りながら

 

「ねぇ、ぎゅーってして?」

 

両腕を広げながらミコトは彼にそう要求する。

アキナは小さく息を吐くと、彼女からの求めに応じる為にベッドに座り込む彼女の元に赴いてベッドに座ると両腕をミコトの背に回して優しく抱き寄せる。

するとミコトはふにゃりと笑って同様に彼の背に自身の両腕を回してその身体を彼に密着させていく。

暫くの間、衣服越しに伝わる互いの体温と心音を堪能していたが、不意にミコトが身体を動かしてアキナをジッと見つめたかと思えば自身の顔を近づけ、その距離はあっという間に詰まり

 

「ん……」

 

互いの唇が触れ、その刹那、ピリッとした感覚が2人の身体を奔っていく。

僅かに唇を離して数秒ほど互いに見つめあった後、再び唇を重ね合った。

 

「んむ……ん……」

 

長めに重ね合わせた後、一度離して今度は啄むように短く互いの唇を擦り合わせリップ音を鳴らしていく。

唇が擦れる度に甘くて痺れるような感覚が2人の身体を奔っていき、さらに求め合うように深く重ねていった。

どのくらい経っただろうか、貪るように重ね合っていた唇を離すとミコトはアキナの頬に自身のそれを重ねて擦り付けてくる。

 

(酔ってるからなのか……)

 

「ミコト、今日はいつもより甘えん坊だね?」

 

未だ頬を擦り付けながら甘えてくるミコトにアキナが思考を巡らせてから問いかけると

 

「だって、こうやってあきなせんぱいとふれあえるの、ひさしぶりだから」

 

そう返しながら彼の背に回している両の腕に僅かに力を込めて、まるで離れたくないと言わんばかりにミコトは身体を強く密着させてくる。

今日という日までの約1ヶ月間、彼女はアキナとまともに触れ合う時間を取れずにいた事で寂しさを感じていた。

アルコールによって感情の箍が外れ、その甘えっぷりはいつも以上に磨きがかかっている状態だ。

 

「わたしもせんぱいも、おしごとはしなきゃいけなかったから……でも、やっぱりさみしかったの……」

 

「うん」

 

「わたしね、もっとあきなとこうしてたい。いっぱいぎゅーってしてほしいし、きすもしてほしい。わがままだってわかってるけど……もっともっとあきなといっしょにいたい……」

 

寂しさの混じった声で言うミコト。

酔っているからこそ漏れ出たであろう彼女の本音を聞いたアキナは優しく、それでいて力強くミコトを抱きしめながら

 

「我儘だなんて思わないよ。俺だって寂しかった。もっと君に触れていたいし、一緒にいたいって思ってる。だからさ─────」

 

そこで一度区切り

 

「今度、君の都合のつく日を教えて? その日は俺の時間をミコトにあげるから」

 

優しい声と口調でそう言った。

 

「……いいの? ほんとに?」

 

「もちろん。君のしたい事やして欲しい事、全部一緒にやろう」

 

彼の言葉を聞いたミコトは僅かに身体を離し、アキナの顔を見ながら問いかけると、彼は優しく微笑みながらそう返す。

するとミコトは嬉しそうな表情を浮かべ

 

「じゃああきなと、おとまりでおうちでーとしたい」

 

そう告げてくる。

それに対してアキナは少々目を見開いて驚いたような表情を浮かべると

 

「……だめ?」

 

彼の反応にミコトは不安を感じたのかそう問うてくる。

アキナは小さくかぶりを振ると

 

「ううん。いいよ、約束する」

 

優しい微笑みと声で彼女にそう返した。

彼の言葉を聞いたミコトはふにゃりと微笑んで

 

「うん、やくそく。えへへ……あきな、だいすき」

 

甘く蕩けそうな声でそう言うと、再び彼にその身を寄せていく。

そんな彼女をアキナが優しく抱き返すと、安心したのかはたまた疲れてしまったのか、ミコトから規則正しい寝息が聞こえ始めてきた。

 

「ぅにゅ……すぅ……」

 

自身の腕の中で幸せそうな表情を浮かべながら寝息をたてるミコトの髪をアキナはそっと撫でて

 

「ミコト、誕生日おめでとう」

 

小さな声でそう呟く。

その呟きに反応したかのように、アキナの背に回されているミコトの手が彼の上着を握ってきた。

彼女が目覚めるまでここから動けないだろうと判断したアキナはなんとかポケットからスマートフォンを取り出し、ナオ宛に『戻るまでもう少しかかります』とメッセージを送信する。

送ったメッセージに既読が着いたのを確認すると、彼はスマートフォンをベット脇において、自分に抱きついたまま眠る愛しい少女の髪を、彼女が目覚めるまで優しく撫で続けた。

 

 

約2時間後、目が覚めて酔いも抜けたミコトはアキナと共にリビングダイニングに戻ると、自身の行動が原因で気絶させてしまったユナに然り謝ったのだが、ユナはとても満ち足りた表情をしながら

 

「大丈夫です。むしろご褒美でした」

 

と宣い、さらにその日から数日の間、ミコトに抱擁され頬擦りされる夢を見るようになったというのは別の話である。

 




ミコトちゃんハピバ! 当日に上げたかったのに忙しさにかまけて書き上がるの遅くなっちゃった。1週間の大遅刻だけど許して!

どんな話を書いてほしい?

  • ほのぼのした話
  • 甘くイチャつく話
  • アキミコ以外の話
  • ファイト話
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