運命者達の軌跡   作:藤崎葵

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やっと書けたよ新しいの。

今回はファイト話。相変わらずアキナ×ミコトで付き合ってる設定。妄想と空想と幻想がメレンゲのように膨らんでるので解釈違いしそうな方は観覧注意

望むところだと言う人はスタンドアップしてどうぞ〜


京都温泉編
京都旅行編第1話 双翼は天を舞い獅子は灼光を纏う


 

 

カードショップ『ストレイキャット』

毎日ヴァンガードファイター達で賑わうこの店だが、今日はいつも以上に人が集まり賑わいを見せていた。

その理由は─────

 

「さぁ! 本日のストレイキャット主催ショップ大会、『ランダムデッキファイト』もいよいよ大詰めの決勝戦! 16人の出場者の中から見事激戦を勝ち抜き上がってきたのはこの2人!」

 

この店のバイト店員であり、チーム『ブラックアウト』の5代目リーダーである大倉メグミがまずは右手を上げて

 

「みんなご存知、加賀を誇るアイドル西塔ミコト選手!」

 

少女─────西塔ミコトを紹介すると、集まっているギャラリーからの歓声が店内に響き渡り、当の彼女は苦笑いを溢した後、笑顔を使って軽く手を振りファンサービスをする。

絶賛活躍中のアイドルによる間近でのファンサービスにギャラリーの興奮はさらに高まったようだ。

そんなギャラリーをメグミはどうどうと宥める仕草を取り、歓声が収まると同時に左手を上げて

 

「もう1人はストレイキャットの常連客、明導アキナ選手!」

 

もう1人の決勝進出者である少年─────明導アキナを紹介する。

当然の事ながらミコトほどの歓声は上がりはしないものの

 

「アキくん、ファイト!」

 

「がんばれ、お兄ちゃん!」

 

彼のバイト先の先輩であり、ヴァンガードの師匠である員弁ナオと妹の明導ヒカリの声援が彼の耳に届き、アキナはニッ笑ってから目の前のミコトに向かい合った。

声援を送るナオとヒカリのすぐ側には

 

「すまん、アキナ……俺は推しを、ミコト様を応援させてもらうからな!」

 

「みーたん、ガンバです!」

 

「オレも出たかった。ファイトファイト」

 

「スオウ、後で相手になるから、今はアキナ達のファイトを観戦しよう」

 

彼らの友人である呼続スオウ、藍川クオン、西園寺ユナ、そして竹松ケントが口々に言いながらファイト台で向かい合う2人に目を向けていた。

 

「ミコトさんと決勝で当たるなんてな」

 

「ですね。そう言えば、フリー以外でアキナ先輩とファイトするのって何気に初めてですよね?」

 

そう問われたアキナは僅かに思考を巡らせる。

確かにこの2人はフリーファイト以外で対戦した事が全くない。

己の願いを賭けた『運命大戦』でも2人が当たる前にミコトが標の運命者カード所有者の清蔵タイゾウに敗北した為対戦する事がなかったのに加え、ミコトはアイドルとしての仕事があり、ネットヴァンガードを主にしている為かこういった紙媒体(リアルカード)での大会に出る事は基本的にない。

そしてアキナもまたスオウ達友人とファイトする機会は多いものの、バイトで休日が埋まっていることもあるのでショップ大会などに出る機会が少なかったりしている。

それ故に大会等の勝利を賭けたファイトでは初めての対戦となるのである。

 

「確かに。でも、やるなら全力の真剣勝負。それはフリーでもショップ大会でも変わらない。勝つのは俺だよ、ミコトさん」

 

「私だって負ける気はないですよ? 悪いけど、勝たせてもらいますからね、アキナ先輩」

 

そう言うと2人は互いに不敵な笑みを浮かべ、メインデッキをシャッフルして互いにカット。

ライドデッキとメインデッキをセットし、互いに5枚引いて手札交換をしてから再びデッキをカット&シャッフル。

裏返しているファーストヴァンガードに手を添えて

 

「よし! それじゃぁショップ大会決勝戦、アキナVSミコト、ファイト開始ぃ!!」

 

『スタンドアップ! ヴァンガード!』

 

メグミの掛け声と共に、アキナとミコトはファーストヴァンガードを表返した。

 

 

 

 

 

時は遡り少し前、今日は皆に触発されてヴァンガードを始める事に決めたケントのデッキビルドを行う為、いつものメンバーでストレイキャットを訪れる事にしていたアキナ達。

始めるのにどの国家が自分に合うかわからないという事で、それぞれの国家の特徴をケントに説明するにあたりショップでカードを見ながら説明した方がいいとクオンから提案され、アキナとミコトが共にオフである日に当たりをつけていつもの高校生組で集まりストレイキャットへと赴いたのだが、いざ着いてみると店内はいつもより人が多く賑わっている状態だった。

不思議に思ったアキナ達は理由を探ろうとレジカウンターにいるメグミの元に赴くとそこにはメグミと、何かを交渉しているのか手を合わせて頼み込んでいる員弁ナオの姿。

アキナ達の来店に気付いたメグミとナオに挨拶し、改めて今日の来店客が多い事情を聞いてみると、本日は丁度ショップ大会を開催する日だったらしく、その為店内がこれだけ賑わっているという事だった。

事情は理解したが、店内に人がごった返している状態では落ち着いてカードの説明など出来はしない。

日を改めるか、別の店に行ってみるかアキナ達が思案しようとしたが、その時メグミが思いついたように手を叩き

 

『そうだ、アキナくん達も『ランダムデッキファイト』に参加してみない?』

 

と持ちかけてきた。

聞き慣れない言葉にアキナ達は首を傾げていると

 

『くじ引きで選んだ国家からさらにくじ引きで選んだデッキを使ってファイトするんだよ。運が良ければいつも自分が使ってる国家になるだろうけど、同じ国家でも軸によっては挙動も違ってくるから如何に自身がどれだけカード知識を持ってるかが試されるってわけ』

 

メグミが懇切丁寧に説明してくる。

つまりいつも自身が使い慣れているデッキではなく、店側が用意した様々なデッキの中からランダムに選ばれたデッキでファイトする大会であり、彼女の言う通り、ファイター達の持ち得るカードの知識量とカードプレイングセンスが問われるファイトになるという事だ。

メグミの説明にアキナ達が感心していると

 

『面白そうでしょ? だからさメグちゃん。私も参加させて欲しいんだよぉ〜』

 

『流石にプロファイターが参加するのは許可出来ないですよ。アマチュアとは経験値が違いすぎるので』

 

ナオが猫撫で声でそう願い出るも、メグミは少々困ったような表情をしながらそう返す。

メグミの言う通りプロとアマチュアでは知識及び経験値の差が大きい。

特に今回のような普段とは違うデッキでファイトするのならその差は確実にファイトに現れてしまうだろう。

もちろん、メグミとしても常連客であるナオの参加を許可したい気持ちがないわけではないが、運営側として公平性を保つ為にもプロである彼女の参加に対して不許可を出しているという次第だ。

 

『ナオ先輩、メグミさん困ってますよ?』

 

『ぶぅ〜。しょーがないかぁ……無茶言ってごめんね、メグちゃん』

 

見かねたアキナがそう嗜めるとナオは少々不満そうな表情をするも、流石にお店側に迷惑はかけられないので諦める事にしたようだ。

ナオが引き下がってくれた事にメグミは安堵の息を吐いて、アシストしてくれたアキナに感謝の意を込めて手を合わせた。

 

『でも面白そう。私出てみたい!』

 

『ユナもです!』

 

メグミの説明を受けて興味が出たのかヒカリとユナが参加したいと名乗り出ると、クオンとスオウも頷いてみせる。

 

『俺はまだ始めてもないから見学だなぁ』

 

まだ自身のデッキを持たず、ルールも朧げな状態のケントは当然の事ながら不参加を宣言。

 

『私も出てみようかな。アキナ先輩はどうします?』

 

『そうだなぁ。他のカードに触れるいい機会だし、出てみるのもいいかも』

 

アキナとミコトも興味を示して参加する事を名乗り出た──────のだが、ここでメグミが少し困ったような表情をして

 

『あー、誘っといてアレなんだけど……枠が後4人分しかないんだよね』

 

そう告げてきた。

出場人数の上限は16人。

そのうちの12枠はすでに埋まっている状態だ。

そうなると彼ら6人のうち2人は参加出来ないという事になる。

スオウは当然の事ながら、アキナ達も筋金入りのヴァンガードファイターである為、出場すると決めた以上は他の人に枠を譲りたくはない様子。

6人の中からどうやって4人を選出するか悩んでいると

 

『ここは公平にジャンケンでよくない?』

 

と、ナオが提案してきたのでアキナ達は頷き

 

『最初はぐー! ジャンケン──────』

 

ショップ大会出場を賭けたジャンケンを行った結果

 

『やったぁ! 頑張ろうね、みーたん!』

 

『そうだね、ヒカリちゃん。当たっても手加減しないよ?』

 

『さて、不慣れなデッキで何処までやれるかな。当たったらいいファイトにしよう、アキナ』

 

『ああ。望むところだ、クオン』

 

見事勝ったのはアキナとクオン、そしてミコトとヒカリの4人。

 

『オレも出たかった……』

 

『仕方ないだろ? とりあえずアキナ達を応援しようぜ呼続』

 

『そ、そうですよ! みーたん、ヒカリちゃん、がんばれです!』

 

結果枠を勝ち取れなかったスオウがしょんぼりした様子でそう言うと、ケントが苦笑いしつつアキナ達の応援を促し、それに対して同様に枠を勝ち取れなかったユナが同意する。

こうして『ランダムデッキファイト』の出場枠16人が埋まり、くじ引きの結果アキナとミコトは自分がメインとしている国家、『ケテルサンクチュアリ』と『リリカルモナステリオ』が当たり、クオンは『ブラントゲート』、ヒカリは『ドラゴンエンパイア』のデッキを使う事になった。

さらに店側が用意した国家毎のデッキをくじ引きで選び、AとBのブロックに別れてショップ大会を開催。

アキナとヒカリはAブロック、ミコトとクオンはBブロックと綺麗に別れ、4人とも慣れないデッキに戸惑いながらも着々と勝ち進み、ヒカリとクオンは一歩及ばずアキナとミコトに敗北し、2人の決勝進出が決まったのである。

 

 

 

 

「『白黒の個性 アレスティエル』!」

 

「『紅の小獅子 キルフ』!」

 

掛け声と同時に表返された互いのファーストヴァンガード。

現れたのは白と黒の翼を持つ天使と紅の甲冑を身に纏う少年騎士。

 

「みーたんのデッキ、アレスティエルだったんだ」

 

「アキナは邂逅デッキ。アレは『ゴールドパラディン』のデッキだね」

 

2人のファーストヴァンガードを見てヒカリとクオンが言う。

その言葉に反応したのはケントだ。

 

「ごーるどぱらでぃん? なんだそれ?」

 

「かつて惑星クレイにクランが存在していた時代に設立されていた『ロイヤルパラティン』と『シャドウパラディン』に並ぶ黄金の騎士団の事だよ」

 

ケントの疑問に答えたのはナオだった。

彼女はケントがアキナの友人であり、コレからヴァンガードを始めようとしている初心者であると知るや、大会中の様々なファイトを観戦しながら彼に其々の国家の特徴やルール等をわかりやすく説明していっている。

面倒見の良いナオだからこそだろうが、『初心者には優しくして沼に落とそう』を間近で見ているヒカリ達は苦笑い状態だ。

 

「私の先攻。ドロー!」

 

そうこうしているうちにファイトはミコトの先攻で進行を開始。

カードを引いて手札に加え、そのうちの1枚を手に取り

 

「ライド! 『逡巡の空 アレスティエル』!」

 

グレード1の『逡巡の空 アレスティエル』へとライドする。

コストとして捨てられたのは『双翼の大天使 アレスティエル』。

ユニット名からしてミコトが使っているライドラインのグレード3である事は明白だろう。

 

「エネルギージェネレーターをセット。続けてアレスティエルのライド時スキル発動。このユニットがヴァンガードサークルに登場した時、デッキの上から1枚をバインドする。バインドするのは『天声の代弁者 ヘリュエル』」

 

続けて行われたアレスティエルのライド時スキルにより、ミコトはデッキの1番上のカードをアキナに見せてバインドゾーンに置いた。

 

「バインドゾーンのカードのグレードは現在奇数のみ。なので、アレスティエルは『白翼』になります」

 

「はくよく???」

 

「あれはアレスティエルとそのサポートカードが持つ固有の能力だよ。バインドゾーンにあるカードのグレードが奇数のみなら白翼となり、偶数のみなら黒翼となる。ちなみにグレード0は偶数として扱われるよ」

 

またしても疑問符を大量に浮かべているケントにナオが能力の説明を行った。

それを捕捉するように

 

「バインドゾーンのグレードを奇数か偶数のどちらかに合わせないと駄目なのに加えて、『白翼』と『黒翼』ではスキルの内容も違うので割とテクニカルな軸なんですよ」

 

「ほえー。色々あるんだなぁ」

 

ユナがそう付け足すとケントは感心した声を漏らした。

 

「先攻最初のターンは攻撃出来ないので、これでターンエンドです」

 

「俺のターン。ドロー!」

 

ミコトがターン終了を宣言してアキナへとターンを返し、彼は1枚ドロー。

 

「ライド! 『美技の騎士 ガレス』!」

 

手札から『真実の聴き手 ディンドラン』をドロップゾーンに捨てて、『美技の騎士 ガレス』へとライド。

 

「エネルギージェネレーターをセットしてEC3。キルフのスキル! このユニットがライドされた時、後攻なら1枚ドローする」

 

続けてジェネレーターカードをセットしてエネルギーカードを3枚セットし、キルフのスキルによってアキナはさらにカードをドローする。

 

「メインフェイズは特に出すカードがないからスキップするよ。なのでバトルフェイズ! ガレスでアレスティエルにアタック!」

 

メインフェイズに移行するも、特に出せるカードが無い為アキナはそのままバトルフェイズに移行を宣言。

ガレスをレストしてアレスティエルにアタックする。

パワーは表記通りの8000。

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック─────ノートリガー」

 

ミコトはこの攻撃を通すことを宣言し、アキナのドライブチェックが行われた。

捲られたのはノーマルユニットのディンドランだ。

 

「ダメージチェック────ノートリガー」

 

次いで攻撃を受けた事で行われるミコトのダメージチェック。

捲れたのは『秘めたる宝 フェナエル』、トリガーではなくノーマルユニットだ。

ダメージゾーンへと置かれ、ミコトのダメージは1に。

 

「ターンエンド」

 

トリガーゾーンのディンドランを手札に加えてアキナはターン終了を宣言し、ミコトへとターンを返した。

 

「私のターン、ドロー。ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。そして、アレスティエルの『白翼』スキル発動! ライドデッキからライドする際、手札から1枚選び捨てるではなくSB1してもよい! 私はライドコストをSB1で支払い、『ありのままで輝く アレスティエル』にライド!」

 

「SB1でライド?!」

 

スキル使用によって現れたグレード2のヴァンガード『ありのまま輝く アレスティエル』にアキナは驚きの声を上げた。

通常、ライドデッキからライドする際は手札から1枚選んで捨てる事がコストとなっているのだが、先程発動したアレスティエルの『白翼』スキルはその条件をSBでも可能にする。

このスキルによって本来なら減るはずだった手札が温存された事になる。

 

「アレスティエルのライド時スキル発動! バインドゾーンのカードをデッキの下に置き、置いたら上から1枚をバインドする」

 

次いで発動したグレード2のアレスティエルのスキル。

バインドゾーンに置かれていたヘリュエルをデッキの下に置いて1番上のカードがバインドゾーンへ置かれた。

置かれたカードは『柔らかな光 プルエル』、治アイコンを持つグレード0のトリガーユニットだ。

 

「バインドゾーンのカードのグレードが偶数のみなのでアレスティエルは『黒翼』状態に。メインフェイズ。左前列にエマエルをコール! 続けてバトルフェイズへ!」

 

スキル処理を終えてメインフェイズには移行したミコトは手札から『天上リサイタル エマエル』を左前列へとコール。

そのままバトルフェイズへの移行を宣言。

 

「エマエルでガレスにアタック!」

 

「プロロビでガード!」

 

最初の攻撃はリアガードのエマエルから行われた。

この攻撃に対してアキナは手札から『加護の魔法 プロロビ』をガーディアンサークルにコールして対応。

シールドパワー5000が加算され、ガレスのパワーは13000となりガードが成立する。

 

「アレスティエルでガレスにアタック! アレスティエルの『黒翼』スキル発動! このユニットがアタックしたバトル中、相手は手札からトリガーユニットをガーディアンとしてコール出来ません!」

 

次いでアレスティエルがレストされ、ガレスに攻撃を開始。

さらに『黒翼』スキルが発動。

アキナはこの攻撃に対して手札からトリガーユニットをガーディアンとして使用する事が出来なくなった。

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック────ゲット! ドロートリガー! 1枚ドローしてアレスティエルにパワー+10000!」

 

行われたドライブチェックで捲れたのはドローアイコンを持つトリガーユニット『澄み渡る雪夜 ベレトア』だ。

トリガー効果によってミコトは1枚ドローし、アレスティエルのパワーが上昇する。

 

「ダメージチェック────ノートリガー」

 

攻撃を通し、行ったダメージチェック。

捲れたのはノーマルユニットの『炯眼の騎士 アザルタス』だ。

ダメージゾーンに置かれてアキナのダメージは1となってミコトと並ぶ。

 

「ターンエンド」

 

「俺のターン。スタンド&ドロー」

 

攻撃を全て終えたミコトがターン終了宣言してアキナへとターンが回ってくる。

レストしているガレスをスタンドさせて1枚ドローし

 

「ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。ライド! 『神技の騎士 ボーマン』!」

 

手札から『プラチナメイン・スタリオン』がドロップゾーンに置かれ、ライドデッキから『神技の騎士 ボーマン』にライドする。

 

「ガレスのスキル発動! このユニットがボーマンにライドされた時、デッキから『君臨せよ、百獣の王!』を手札に加えてデッキをシャッフルする!」

 

ガレスがボーマンにライドされた時発動するスキルによって、アキナはデッキからノーマルオーダーの『君臨せよ、百獣の王!』を探して手札に加えデッキをシャッフル。

 

「メインフェイズ! ボーマンのスキル発動! ソウルに『美技の騎士 ガレス』と『紅の小獅子 キルフ』があるなら、手札から1枚捨てる事で、ライドデッキから『灼熱の獅子 ブロンドエイゼル』にスタンドでライドする!」

 

メインフェイズに移行したアキナはボーマンの起動効果の発動を宣言。

ソウルにガレスとキルフがある事を示し、手札から先程加えた『君臨せよ、百獣の王!』をドロップに捨てて、ライドデッキ最後の1枚を手に取り

 

「灼熱を纏う騎士よ。その爆炎で、絶望の民を希望に導け! スペリオルライド! 『灼熱の獅子 ブロンドエイゼル』!」

 

高らかに叫んでヴァンガードサークルのボーマンの上にカードを重ねた。

現れたソレは紅に染まる獅子の鎧を身に纏い、灼熱の炎を両手に持つ剣から放なたれている。

美しく揺れる金色の髪は立髪を連想させ、その姿はまさに百獣の王たる獅子そのものである。

姿を見せたブロンドエイゼルに

 

「マジかよ?! まだ後攻の2ターン目だよな?! ありなの?! アレありなの?!!」

 

ケントが興奮気味に叫んでいる。

 

「ありなんだなぁ。これでアキくんはミコトちゃんより早くグレード3になったからこのターンの攻撃力と次のターンでの防御力も格段に上がった事になる。けど、もちろんデメリットもあるんだよね」

 

「デメリットっすか?」

 

「見てればわかるよ」

 

ナオの言葉にまたしても疑問符を浮かべるケントに彼女はファイトを引き続き見るように促した。

 

「この効果でライドした際、このターン中ブロンドエイゼルのドライブは−1される」

 

そう、ボーマンの効果によって本来先攻であるミコトよりも早くグレード3にライドする事が出来たアキナは俄然有利に見えるが当然デメリットも存在する。

先程アキナが宣言した通り、ボーマンの効果でライドした場合、ブロンドエイゼルはドライブチェックの回数をターン中1減らされてしまうのだ。

 

「さらに言うと、ブロンドエイゼルの効果はライドフェイズ開始時のものとアタック時のものがあるんだけど、アタック効果は相手のグレードが3以上じゃないと発動しないんだ」

 

「つまりこのターン、アキナは全力出したくても出せないって事なのか? なるほどなぁ。スキルもいい事ばっかじゃないんだな」

 

補足するように言ってきたクオンの言葉にケントはコレまた感心したように言う。

 

「手札からオーダーカード、『君臨せよ、百獣の王!』を発動! デッキの上から7枚を見て、1枚選んでスペリオルコール! 俺はプラチナメイン・スタリオンをヴァンガード後列にスペリオルコール! さらにプラチナメインのスキル発動!」

 

アキナは手札から先程ボーマンのスキルコストで捨てたものと同じ『君臨せよ、百獣の王!』を発動させる。

どうやらもう一枚手札に持っていたらしい。

デッキ上から確認した7枚からプラチナメインをヴァンガードの後列にコールしデッキをシャッフルした後、プラチナメインのスキルを発動。

 

「このユニットが登場した時、EB3する事でデッキの上から3枚見てこのユニットとは別名のユニットを1枚まで選んでスペリオルコールする! 『スラッシュフェザー・ドラゴン』を左前列にスペリオルコール!」

 

コストとしてエネルギーを3消費し、アキナのエネルギーは6から3へと減少。

デッキの上から確認した3枚の内から『スラッシュフェザー・ドラゴン』を選択して左前列にコールし、残りのカードをデッキの下に置く。

 

「スラッシュフェザーの登場時効果発動! CB1で『1枚引く』か『このターン中、『灼熱の獅子 ブロンドエイゼル』のドライブを2にする』のどちらかを行う! 俺はブロンドエイゼルのドライブを2にする効果を発動!」

 

さらにスペリオルコールされたスラッシュフェザーの登場時スキルが発動。

ダメージの1枚を裏返し、『1枚引く』か『ブロンドエイゼルのドライブを2にする』という2つの効果の中からアキナは後者を選択。

これでボーマンの効果でのスペリオルライドによるドライブー1というディスアドバンテージは無くなり、ブロンドエイゼルはツインドライブが可能となった。

スキルよって生じたデメリットをスキルの連携によって穴埋めしたアキナのプレイングを観戦しているナオ達は感心した様子で見ている。

同様に対面しているミコトもまた、慣れないデッキを使っているとは思えないほどのプレイングを見せているアキナに、何処か楽しそうな笑みを浮かべていた。

 

「バトルフェイズ! スラッシュフェザーでアレスティエルにアタック!」

 

「エマエルでインターセプト!」

 

メインフェイズからバトルフェイズに移行し、アキナはまずスラッシュフェザーから攻撃を開始。

その攻撃に対してミコトはエマエルをインターセプトでガーディアンサークルに移動させる。

シールドパワー5000が加算されたアレスティエルのパワーは15000となり、スラッシュフェザーのパワー10000を上回ったのでガードが成立した。

 

「プラチナメインでブースト、ブロンドエイゼルでアレスティエルにアタック! 合計パワーは21000!」

 

「ノーガード!」

 

次いで行われるブロンドエイゼルの攻撃。

プラチナメインのパワー8000が加算され合計パワー21000となり、両の手に持つ二刃は灼炎を散らしている。

この攻撃をミコトはノーガード宣言して通す事を選択する。

 

「ツインドライブ! ファーストチェック────ゲット! ドロートリガー! パワーをブロンドエイゼルに与えて一枚ドロー! セカンドチェック──────ノートリガー」

 

ツインドライブ最初の1枚はドローアイコンを持つトリガーユニットのプロロビだ。

パワーをブロンドエイゼルに与えて1枚ドローし、次いで行われた2回目のドライブチェックはノーマルユニットのスラッシュフェザー。

 

「ダメージチェック────ノートリガー」

 

攻撃を通した事で行われるダメージチェックで捲れたのはノーマルユニットの『降り注ぐ歌声 エルケエル』。

ダメージゾーンに置かれミコトのダメージは2となる。

 

「エンドフェイズ時、ターン中プラチナメインの効果でユニットをコールしているなら、プラチナメインをデッキの下に置く。これでターンエンドだ」

 

攻撃を全て終えたアキナはプラチナメインのスキルによって発生したエンドフェイズ時の効果を処理してターンを終了する。

 

「私のターン、スタンド&ドロー!」

 

ミコトにターンが返り、レストしているアレスティエルをスタンドさせて1枚ドローし

 

「ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。白と黒の翼。双翼を羽ばたかせ天へと舞い上がれ! ライド! 『祝福の聖天使 アレスティエル』!」

 

手札から『包み擁く愛心 エリリエル』をドロップゾーンに置き、ライドデッキから『祝福の聖天使 アレスティエル』が白と黒の翼を羽ばたかせて舞い降りてきた。

 

「このカードはドレスアップ能力によってファイト中『双翼の大天使 アレスティエル』としても扱われます。メインフェイズ! アレスティエルのスキル発動! メインフェイズ開始時、バインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、デッキの上から1枚をバインド! 新たにバインドゾーンに置かれるのはグレード0のアンティア。偶数のままなのでアレスティエルは『黒翼』を維持します」

 

メインフェイズへと移行すると同時にアレスティエルのスキルが発動。

バインドゾーンのプルエルが手札に加えられ、新たにデッキの上から『青空を舞う翼と アンティア』が置かれた。

バインドゾーンのグレードは以前偶数のままなのでアレスティエルは『黒翼』の状態を継続する事になる。

 

「ど、どれすあっぷ?? またわからない単語ががががが」

 

「『ドレスアップ』っていうのはリリカルモナステリオの特定のユニットが持つ能力で、ファイト中はテキストで指定されてるユニットと同名として扱われるんだよ。あのアレスティエルはミコトちゃんが1ターン目でライドコストとして捨てたアレスティエルとこのファイト中は同名になるって事だね

 

またしても聞き慣れない単語に脳がショート仕掛けているケントにナオが能力の詳細を説明。

 

「それってどんなメリットがあんの??」

 

「本来同名はライドデッキ含めて4枚までなのでペルソナライドは発動出来ても3回なんですけど、同名として扱うって事は『祝福の聖天使 アレスティエル』に『双翼の大天使 アレスティエル』がライドしてもペルソナライドが発動するし、その逆でも発動するので、ペルソナライドのチャンスが増えるって事です。けど、その分ガード値のないグレード3を入れる事になるから防御が薄くなるデメリットもあります」

 

さらなる質問にヒカリが懇切丁寧に説明すると、ケントは納得したように再び向き合いファイトを続けているアキナとミコトに視線を戻す。

 

「左前列にエルケエルを、右前列にエリリエル、ヴァンガード後列と右後列にセラフィエルをコール! セラフィエルのスキル! このユニットが登場した時、ドロップゾーンのアレスティエルを1枚選んでデッキの下に置く。さらにエリリエルのスキル発動! このユニットが登場した時、CB1でバインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、デッキの上から1枚をバインドゾーンに置きます。フェナエルをバインドゾーンに」

 

次いでミコトは手札からエルケエル、エリリエル、そして『キミとふたりで セラフィエル』をコールしそれぞれのスキルが発動。

まずはセラフィエルの効果でドロップゾーンにある『双翼の大天使 アレスティエル』がデッキの下に置かれ、次いでエリリエルのスキルによってバインドゾーンのアンティアが手札に加わり、デッキ上からフェナエルが新たにバインドゾーンへと置かれた。

バインドゾーンのグレードはまたしても変わらず偶数なので『黒翼』の状態が維持されている。

 

「バトルフェイズ! エルケエルでブロンドエイゼルにアタック!」

 

「スラッシュフェザーでインターセプト!」

 

態勢が整い移行したバトルフェイズ。

最初の攻撃は左前列のエルケエルによるアタックだ。

パワー13000のアタックに対し、アキナはスラッシュフェザーをインターセプトでガーディアンサークルに移動。

シールドパワー5000が加算された事でブロンドエイゼルのパワーは18000に上昇したのでガードが成立する。

 

「セラフィエルのブースト、アレスティエルでブロンドエイゼルにアタック! 合計パワーは21000です!」

 

「ノーガード!」

 

続けてセラフィエルのブーストを受けたアレスティエルの攻撃。

パワー8000が加算されて21000となった攻撃をアキナはノーガード宣言して通す事を選択する。

 

「ツインドライブ! ファーストチェック─────ゲット! クリティカルトリガー! クリティカルはアレスティエルに! パワーはエリリエルに!」

 

ドライブチェック最初の1枚はクリティカルアイコンを持つトリガーユニットの『サリーアルボイス ヒルベスタ』だ。

ノーガードの為クリティカルをアレスティエルに与え、パワーはエリリエルに振り分ける。

 

「セカンドチェック────ノートリガー」

 

次いで捲れたのはノーマルユニットであり守護者のカード『プライベートは塩対応 デシエル』だ。

 

「ダメージチェック。1点目─────ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てブロンドエイゼルに! 2点目────ノートリガー」

 

攻撃がヒットした事により、アキナは2ダメージを受けた事で2回のダメージチェックを行う。

1点目はトリガーユニットの『天搥の騎士 グルカント』。

トリガー効果は全てブロンドエイゼルに与えられ、パワーが23000にまで上昇する。

2点目はノーマルユニットであるブロンドエイゼル。

2枚のカードがダメージに置かれてアキナのダメージは3となった。

 

「セラフィエルでブースト、エリリエルでブロンドエイゼルにアタック! 合計パワーは28000!」

 

「プロロビでガード! プロロビのスキル! 相手のヴァンガードがグレード3以上ならシールドパワー+5000!」

 

続けてもう1体のセラフィエルのブーストを受けたエリリエルによる攻撃。

パワーはブーストとトリガー効果を合わせて28000へと上昇するも、アキナはプロロビをガーディアンとしてコール。

ダメージトリガー効果の+10000とプロロビのスキル込みのシールドパワー10000が加算されブロンドエイゼルのパワーは33000に上昇した事でガードが成立する。

 

「ターンエンド」

 

全ての攻撃を終えたミコトはターン終了を宣言してアキナへとターンを返す。

 

「俺のターン。スタンド&ドロー! ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。さらにブロンドエイゼルのスキル!自身のユニットが3枚以下なら、SB1する事でデッキの上から3枚見て、グレード3以下のユニットを1枚選びユニットのいないリアガードサークルにコールする! 俺はアザルタスを左前列にスペリオルコール!」

 

レストしていたブロンドエイゼルをスタンドさせて1枚ドローし、ジェネレーターの効果でEC3を行った後、さらにアキナはブロンドエイゼルのスキルを発動。

デッキ上から3枚を確認し、アザルタスを選択して左前列にスペリオルコールして残りをデッキの下に戻した。

そして手札の1枚を手に取り

 

「灼光を纏いし獅子の王。その気高き魂の輝きで、闇を打ち払え! ライド! 『光輝の獅子 プラチナエイゼル』!」

 

ヴァンガードサークルのブロンドエイゼルに重ねたのは獅子の新たなる姿。

白銀の鎧を纏い、眩い灼光を放つ獅子の王『光輝の獅子 プラチナエイゼル』がその姿を現した。

 

「プラチナエイゼルの永続スキル! ソウルに『灼熱の獅子 ブロンドエイゼル』があるなら、このユニットはそれらが持つ効果を全て獲得し、自身相手ターン問わずパワー+2000!」

 

「ここでクロスライドとか、アキくんってばやるじゃん」

 

「クロスライド? 普通のライドやペルソナライド?とかとは違うんすか?」

 

ナオの言葉にケントが疑問符を浮かべて問いかける。

 

「クロスライドっていうのはヴィンテージファイトの用語でね。今では使われてないんだけど、特定のユニットの上にそのユニットの進化体を重ねてライドする事をクロスライドっていうんだよ。プラチナエイゼルはブロンドエイゼルの進化体。だからソウルあるブロンドエイゼルを力を受け継いだ形になってるんだよね」

 

ヴィンテージファイトとは現在のスタンダードルールのカードではなく、その前のルールで作られているカードによるヴァンガードファイトの事を指している。

基本の流れは変わらないが、ライドデッキが存在せず、現ルールにはないルールも存在しており、このルールを好んでファイトする一部のヴァンガードファイター達も存在している。

ヴィンテージファイトに関してはヒカリやクオン達も詳しくは知らない為か、ナオの説明に感心したような表情をしながら聞いていた。

 

「メインフェイズ! プラチナエイゼルのスキル発動! CB1でドロップゾーンから『君臨せよ、百獣の王!』を手札に加え、このユニットのパワーを+5000し、さらに相手のヴァンガードのグレードが3以上ならこのターン中『自身の前列のリアガードのパワー+5000』の能力をこのユニットに与える!」

 

ライドフェイズからメインフェイズに移行したアキナはプラチナエイゼルの起動効果を発動させる。

CB1支払う事でドロップゾーンの『君臨せよ、百獣の王!』を手札に加え、プラチナエイゼルのパワーを+5000し、さらにミコトのヴァンガードはすでにグレード3以上なのでパワーパンプ効果を付与させた。

 

「オーダー発動! デッキの上から7枚を見て、グレード3以下のユニットを選んでスペリオルコール! ディンドランを左後列にコール! さらに手札からアザルタスとディンドランを右列にコール!」

 

続けてアキナは先程ドロップゾーンから手札に加えたオーダーをそのまま発動。

デッキ上から7枚を見てディンドランを選択してコール。

さらに手札からアザルタスとディンドランを右列に並べてコールした。

 

「バトルフェイズ! ディンドランでブースト、アザルタスでアレスティエルにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、エイゼルを含むヴァンガードがいるなら2つの効果の内、1つを行う! 俺は『自身のヴァンガードを選択し、このターン中前列のリアガード全てのパワー+5000』の能力を与える! 与えたならバトル終了時にこのユニットを山札の下に置く! 合計パワー28000!」

 

攻撃態勢が整ったアキナはメインフェイズからバトルフェイズへ移行し、まずは右列のアザルタスで攻撃を仕掛ける。

ディンドランのブーストパワー8000とプラチナエイゼルが自身のスキルで得ているパンプパワー+5000。

さらにアザルタスのアタック時スキルによってプラチナエイゼルがパワーパンプスキルを得た事でアザルタスのパワーは合計28000に膨れ上がった。

 

「ベレトアでガード! ベレトアはスキルでシールドパワー+5000! さらにエリリエルでインターセプト! エリリエルの『黒翼』スキル! このユニットがガーディアンサークルに登場した時、アタックしている相手ユニットのパワーを−5000!」

 

この攻撃に対してミコトは手札からベレトアをガーディアンとしてコールし、右前列にいるエリリエルをインターセプトでガーディアンサークルに移動。

ベレトアは相手ヴァンガードがグレード3以上なのでシールドパワーが5000加算されてシールド値10000となり、エリリエルのシールドパワー5000も加算されてアレスティエルのパワーは28000に上昇。

さらにエリリエルの『黒翼』スキルが発動し、アザルタスのパワーはー5000され28000から23000に落とされた事でアレスティエルのパワーが上回りガードが成立する。

 

「ディンドランのスキル発動! このユニットがブーストしたバトル終了時、このユニットと同じ縦列の他のリアガードをデッキの下に戻す事で、このユニットをスタンドさせる! アザルタスをデッキの下に置いてディンドランをスタンド!」

 

バトルが終了したと同時にアキナはディンドランのスキルを発動させ、コストとして同じ縦列にあるアザルタスをデッキの下に戻す事でレストしているディンドランをスタンドさせた。

この一連の流れを見て

 

「んん? あれ? そういやさっき攻撃してたアザルタスってユニット、スキル使ったからバトル終了時にデッキの下に戻るんだよな? 今のはその効果で戻ったのか? でもそれならなんで後列のユニットがスタンドしてるんだ?」

 

「本来ならアザルタスは自身のスキルで山札に戻る。だが、アキナは先にディンドランのバトル終了時スキルを発動させてアザルタスをスキルコストとして使用した」

 

ケントはまたしても疑問符を浮かべながら言うと、今度はスオウが淡々と説明してくる。

 

「ど、どういう事?」

 

「ヴァンガードではね、同じタイミングで二つ以上のスキルが発動した時は好きな順番で処理する事が出来るんだよ。この場合だと、アザルタスとディンドランが同じタイミングでスキルが誘発したんだけど、先にアザルタスのスキル処理をしてしまうとディンドランと同じ縦列のユニットは消えてしまうからスキル誘発条件を満たす事が出来なくなる。だからアキナはディンドランのスキル処理を先に行ない、本来なら自身の効果でデッキの下に戻るはずだったアザルタスをスキルコストにする事でアドバンテージを稼いだんだよ」

 

「なるほどぉ。スキルも発動順で有利にも不利にもなるのか。無闇に使えばいいってもんでもないんだな」

 

混乱しているケントに、クオンが補足として説明をすると彼はようやく理解したようだ。

 

「左列のディンドランでブースト、アザルタスでアレスティエルにアタック! アザルタスのスキル発動! ヴァンガードを選択して『このターン中前列のリアガード全てのパワー+5000』の能力を与える! 合計パワー33000!」

 

「アンティアとヒルベスタでガード!」

 

続けて左列のアザルタスがディンドランのブーストを受けてアレスティエルへ攻撃を仕掛けてくる。

前列のリアガードのパワー+5000の効果3つ分、すなわち15000のパワーとディンドランのブーストパワー8000が加算され、アザルタスのパワーは33000まで上昇する。

この攻撃に対してミコトは手札からトリガーユニットのアンティアとヒルベスタをガーディアンサークルにコールして対抗。

シールドパワー15000、2体分が加算されアレスティエルのパワーは43000に上昇したのでガードが成立する。

 

「バトル終了時、ディンドランのスキル発動! アザルタスをデッキの下に戻してディンドランをスタンド!」

 

バトル終了と同時にディンドランのスキルを発動させ、コストとしてアザルタスをデッキの下に戻し左後列のディンドランもスタンドする。

 

「プラチナエイゼルでアレスティエルにアタック! プラチナエイゼルが得た、ブロンドエイゼルのスキル発動! このユニットがグレード3以上のヴァンガードにアタックした時、CB1でデッキの上から7枚を見て、グレード3以下のユニットを2枚まで選び、ユニットのいないリアガードサークルにコールしてこのユニットのパワー+10000! スラッシュフェザー左前列に、プラチナメインをヴァンガード後列にスペリオルコール! プラチナエイゼルの合計パワー30000!」

 

次いで行われるプラチナエイゼルのアタック。

アタックと同時にプラチナエイゼルが得ているブロンドエイゼルのアタック時スキルが発動。

デッキの上から7枚を確認し、アキナはスラッシュフェザーを左前列に、プラチナメインをヴァンガード後列にそれぞれスペリオルコールし、自身にパワー10000を加算。

プラチナエイゼルのパワーは永続効果で自身相手ターン問わず+2000、起動効果でさらに+5000されている為、合計パワーは30000にまで上昇する。

 

「プラチナメインの登場時スキル発動! EB3する事で、デッキの上から3枚を確認して1枚をユニットのいないリアガードサークルにスペリオルコール! ブロンドエイゼルを右前列にスペリオルコール!」

 

さらにスペリオルコールされたプラチナメインのスキルが発動。

エネルギーを6から3に減らし、デッキの上から3枚を確認したアキナはブロンドエイゼルを選択して右前列にスペリオルコールする。

これでディンドランのスキルによって空いていた前列の盤面が再び埋まり、アキナはさらに2回の攻撃回数を得ることに成功した。

 

「ノーガード!」

 

ミコトはこの攻撃をノーガードで通す事を選択。

 

「ツインドライブ! ファーストチェック─────ゲット! クリティカルトリガー! クリティカルはプラチナエイゼルへ! パワーはスラッシュフェザーへ!」

 

ツインドライブ最初の1枚はトリガーユニットのグルカント。

クリティカルアイコンのトリガー効果の内、アキナはクリティカルをプラチナエイゼルに与え、パワーはスラッシュフェザーへと加算させる。

 

「セカンドチェック─────ノートリガー」

 

続けて捲れた2枚目はノーマルユニットのスラッシュフェザーだ。

トリガー効果が加わったことでミコトは2ダメージを受ける事になり

 

「ダメージチェック、1点目──────ノートリガー。2点目──────ゲット! ヒールトリガー! ダメージ1枚回復してアレスティエルのパワー+10000!」

 

行われたダメージチェック1点目はノーマルユニットの『儚き憧れ バルエル』。

2点目はヒールアイコンを持つトリガーユニットのプルエルだ。

一回目のダメージでアキナとミコトのダメージは並んでいる為ヒール効果が発動し、ミコトは裏返っているダメージカードをドロップに置いてアレスティエルにパワー10000を加算する。

これで互いのダメージは3で並び、アレスティエルのパワーは23000にまで上昇する。

だが、アキナの攻撃はまだ続いている。

 

「ディンドランでブースト、ブロンドエイゼルでアレスティエルにアタック! ブロンドエイゼルに与えられたパンプ効果3つ分、15000加算で合計パワーは36000!」

 

「プルエルでガード!」

 

ディンドランのブーストを受けたブロンドエイゼルの攻撃。

ブーストと重複したパンプスキルの効果を受けた合計36000の攻撃に対してミコトは手札からプルエルをガーディアンサークルにコールして対抗する。

シールドパワー15000が加算されアレスティエルのパワーは38000に上昇しガードが成立。

 

「ディンドランでブースト、スラッシュフェザーでアレスティエルにアタック! スキル発動! このユニットがグレード3にアタックした時、バトル中このユニットのパワー+5000! +5000したならバトル終了時、このユニットをデッキの下に置いてEB3することで1枚ドロー出来る! 合計パワーは48000!」

 

「ノーガード!」

 

続けて左後列のディンドランにブーストされたスラッシュフェザーによる攻撃。

重複パワーパンプ効果とブースト、更に自身のスキルとブーストを受けたパワー48000のスラッシュフェザーの攻撃をミコトはノーガードして通した。

 

「ダメージチェック──────ノートリガー」

 

行われたダメージチェックで捲れたのはノーマルユニットのエマエル。

ダメージゾーンに置かれミコトのダメージは3から4に。

 

「スラッシュフェザーのスキル! バトル終了時、このユニットをデッキの下に置いてEB3することで1枚ドロー! プラチナメインもスキルでデッキの下へ! これでターンエンド」

 

攻撃を終えたアキナはスラッシュフェザーの効果を発動し、コストを支払い1枚ドロー。

更にプラチナメインも効果を使って他のユニットをコールしている為デッキの下に戻してターンを終了。

 

「私のターン。スタンド&ドロー!」

 

ミコトへとターンが回り、1枚ドローしてレストしているユニットをスタンドさせ

 

「ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。白と黒の翼。双翼を羽ばたかせ再び(そら)へ! ペルソナライド! 『祝福の聖天使 アレスティエル』!」

 

手札から『祝福の聖天使 アレスティエル』にライドしペルソナライドの効果が発動。

 

「ペルソナライドの効果! 1枚ドローしてこのターン中、前列のパワー+10000! エルケエルのスキル発動! 私のヴァンガードが登場した時、このユニットをバインドして1枚ドロー!」

 

次に発動したのは左前列に置かれているエルケエルのスキルが発動。

自身がバインドゾーンに置かれ、ミコトは1枚ドローする。

 

「さらにエルケエルのスキル! このユニットがバインドされた時、次の相手ターン終了時まで『白翼』と『黒翼』は両方有効になる!」

 

「は?! どっちも有効?!」

 

「ふふ。そう、これで次のアキナ先輩のターン終了まで、私はバインドゾーンのグレード関係なしにスキルが使えます」

 

またしても驚きの声を上げるアキナにミコトは悪戯っぽい笑みを浮かべながら言い、発動させたエルケエルのスキル。

その効果は自身がバインドゾーンに置かれた時、『白翼』と『黒翼』を次の相手ターン終了時までバインドゾーンのグレードと関係なく有効にするというものだ。

現在ミコトのバインドゾーンのカードのグレードは3と2。

奇数か偶数で統一されていない為本来なら『白翼』と『黒翼』はどちらも発動できないが、エルケエルのスキルによってそれは覆されたことになる。

 

「続けてメインフェイズ! アレスティエルのスキル発動! バインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、デッキの上から1枚をバインド! バインドするのはアンティアです」

 

続いてメインフェイズに移り、アレスティエルのスキルが発動。

バインドゾーンのフェナエルを手札に加え、デッキの上のカードを捲って確認しバインドゾーンに置く。

これでバインドゾーンのカードのグレードは3と0になったがエルケエルの効果によって奇数か偶数かを気にする事なくミコトはターンを進めていく。

 

「アレスティエルの『黒翼』スキル発動! 手札を1枚捨てて、デッキから『黒翼』スキルを持つユニットをコールする! ヘリュエルを捨てて右前列にエリリエルをスペリオルコール! 続けてエリリエルのスキル発動! CB1でバインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、デッキの上から1枚をバインド! アンティアを手札に加えて、デッキの上からは──────ヒルベスタをバインド!」

 

次いでミコトはアレスティエルが持つ『黒翼』スキルを発動させ、手札からヘリュエルをドロップに送ってデッキからエリリエルを右前列にコールしてデッキをシャッフル。

そしてエリリエルの登場時スキルを発動してコストを支払い、バインドゾーンのアンティアを手札に加えてデッキの上から1枚をバインドする。

置かれたのはグレード0のヒルベスタだ。

 

「さらに左前列にフェナエルをコールしてスキル発動! このユニットが登場した時、バインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、手札から1枚をバインド! 私はヒルベスタを手札に加えて手札からウルズオーレをインドゾーンへ! さらにエネルギージェネレーターの効果発動! EB7する事で1枚ドロー!」

 

さらにミコトは左前列にフェナエルをコールしスキルを発動させる。

手札から『清福の詠歌 ウルズオーレ』をバインドゾーンに置き、バインドゾーンからヒルベスタを選択して手札に加え、次いでエネルギージェネレーターの効果を発動。

エネルギーを7消費して1枚ドローし、ミコトのエネルギーは9から2減少する。

 

「バトルフェイズ! セラフィエルでブースト、アレスティエルでプラチナエイゼルにアタック! 合計パワーは31000!」

 

「パラディウムジール! 完全ガード!」

 

態勢が整ったミコトはバトルフェイズへ移行し、まずはアレスティエルから攻撃を仕掛ける。

セラフィエルのブーストとペルソナライドの効果でそのパワーは31000。

アキナは手札をから完全ガードのスキルを持つ守護者のユニット『パラディウムジール・ドラゴン』をガーディアンサークルにコールし、コストとしてスラッシュフェザードラゴンをドロップゾーンに置き、スキルが発動してガードが成立する。

 

「ツインドライブ! ファーストチェック──────ノートリガー。セカンドチェック──────ゲット! ヒールトリガー! ダメージを1枚回復してエリリエルにパワー+10000!」

 

行われたツインドライブ最初の1枚はノーマルユニット『双翼の大天使 アレスティエル』。

そして2枚目はヒールアイコンを持つトリガーユニットのプルエル。

現在ミコトのダメージは4で、アキナのダメージを上回っている為トリガー効果が発動してダメージを1枚回復し、パワーをエリリエルに与えた。

ヴァンガードの攻撃を凌いだと思い、アキナは僅かに安堵の息を吐く。

しかし

 

「アレスティエルの『白翼』スキル発動!」

 

「な?!」

 

息を吐かせる間も与えないと言わんばかりにミコトはアレスティエルの『白翼』スキルの発動を宣言した。

 

「このユニットがアタックしたバトル終了時、CB1と手札を1枚捨てる事で、デッキまたは手札から『双翼の大天使 アレスティエル』を1枚選んでスタンドでライドしてドライブ-1! さらにセラフィエルの『白翼』スキル発動! 私のバトルフェイズにアレスティエルを含むユニットが登場した時、このユニットをスタンドさせる!」

 

発動したアレスティエルの『白翼』スキルによって、ミコトはコストとしてCB1を支払い手札から先程のツインドライブで引いた『双翼の大天使 アレスティエル』を捨ててデッキから『双翼の大天使 アレスティエル』を手に取り『祝福の聖天使 アレスティエル』の上に重ねてライドする。

さらにアレスティエルが登場した事で後列のセラフィエルの『白翼』スキルが発動し自身をスタンド。

再びヴァンガードが攻撃資格を得たうえに、後方のブースターも再び立ち上がった。

 

「アレスティエルの『白翼』スキル! ターン中、このユニットのパワー+5000、クリティカル+1! さらに『黒翼』スキル! ターン中、相手ヴァンガードのパワー-5000!」

 

「パワーとクリティカル上昇だけじゃなくてこっちのパワーを減少?!」

 

それだけではない。

新たに姿を見せたアレスティエルの『白翼』と『黒翼』スキルが発動。

『白翼』スキルによって自身のパワーとクリティカルを上昇し合計パワーは28000、クリティカルは2となり、さらに『黒翼』スキルでプラチナエイゼルのパワーは15000から-5000された事で10000となってしまう。

 

「セラフィエルのブースト、アレスティエルでプラチナエイゼルにアタック! 合計パワー36000! クリティカル2!」

 

「……ノーガードだ」

 

再びセラフィエルのブーストを受けたアレスティエルによる攻撃がプラチナエイゼルに行われる。

現在アキナのダメージは3。

対するアレスティエルのクリティカルは『白翼』で2に上昇しているので本来ならガードしたいところだが、『黒翼』スキルによってプラチナエイゼルのパワーは下げられている。

無理にガードしてこの攻撃を凌いだとしてもそれでは残りのリアガードの攻撃を対処出来ない可能性が高い。

そう判断したアキナはクリティカルが出ない事に賭けてノーガードを宣言する。

 

「ドライブチェック─────ゲット! ドロートリガー! 1枚ドローしてパワーをフェナエルに!」

 

捲られたカードはドロートリガーのベレトアだ。

ミコトは1枚ドローしてパワーをフェナエルに与える。

これでフェナエルはペルソナライドの効果も合わせて単騎パワー30000まで上昇。

 

「ダメージチェック、1点目─────ノートリガー。2点目─────ノートリガー」

 

2ダメージ受けた事によるアキナのダメージチェック。

1点目、2点目共にノーマルユニットのパラティウムジールとディンドラン。

2枚共ダメージゾーンに置かれアキナのダメージは5となり後がなくなってしまう。

しかしミコトは追撃の手を決して緩める事なく

 

「フェナエル単騎でプラチナエイゼルにアタック! 『黒翼』スキル発動! このユニットがアタックした時、CB1で相手ヴァンガードを選んでこのターン中パワー-5000! 合計パワー30000!」

 

「またパワーダウン?!  グルカント、サウェルでガード!」

 

次いでアタックしてきたフェナエルの『黒翼』スキルが発動し、プラチナエイゼルのパワーはさらに5000減少して10000から5000にまで下げられてしまう。

これに対抗してアキナは手札からトリガーユニットのグルカントと『豪胆の騎士 サウェル』をガーディアンサークルにコール。

シールドパワー15000を2枚分、計30000が加算され35000となりフェナエルの攻撃は防がれる。

 

「セラフィエルでブースト、エリリエルでプラチナエイゼルにアタック! 合計パワー38000!」

 

「グルカント、アーシェス、さらにスラッシュフェザーでガード!」

 

右後列のセラフィエルのブーストを受けたエリリエルの攻撃。

合計38000のアタックに対して、アキナはトリガーユニットのグルカントと『天杖の癒し手 アーシェス』、としてスラッシュフェザーの残りの手札3枚全てをガーディアンサークルにコールして対抗する。

15000のシールド2枚と5000のシールド1枚でプラチナエイゼルのパワーは合計40000まで上昇した事でガードが成立する。

 

「ターンエンド」

 

全ての攻撃を終えたミコトはターン終了を宣言してアキナへとターンを返した。

現在ミコトのダメージは3で手札は8枚。

対するアキナは先程の猛攻によってダメージは5となり手札も全て使わされてしまった為に完全に首の皮1枚の状態である。

誰がどう見ても絶望的な盤面。

しかし、そんな状態であるにも関わらずアキナは笑っていた。

そう、楽しそうに笑っているのだ。

そんな彼を仲間であるナオ達は呆れたように見ているのだが、やはり観客達は誰もが不思議そうにアキナを見ている。

すると、対面しているミコトがクスリと笑みを零して

 

「楽しいですね、アキナ先輩」

 

そう言葉をかける。

アキナは一瞬だけ呆けた表情をするも、すぐに笑みを浮かべて

 

「ああ、めちゃくちゃ楽しい。互いの手札や盤面の動きの読み合い。勝つか負けるかわからないギリギリのクロスゲーム。いつものフリーも楽しいけどやっぱり、強い相手との譲れない勝利を賭けた戦いは最高に熱くてヒリヒリする!」

 

そう返すと彼はレストしているカードに手を添え

 

「こんな楽しくて熱いファイトだからこそ、俺は君に、ミコトさんに勝ちたい。いや─────俺が勝つ! スタンド&ドロー!」

 

ユニットをスタンドさせて1枚ドローし、引いたカードを確認して不敵に笑ってみせた。

 

「ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。灼光を纏う獅子の王。その気高き魂の輝きで─────再び世界を照らし出せ! ペルソナライド! 『光輝の獅子 プラチナエイゼル』!」

 

同名カードであるプラチナエイゼルにライドし、ペルソナライドを発動させた。

 

「ペルソナライドの効果! 1枚ドローし、このターン中前列のパワーを常に+10000! メインフェイズ! プラチナエイゼルのスキル発動! ドロップゾーンから『君臨せよ、百獣の王!』を手札に加え、このユニットのパワーを+5000! このスキルのコストはCB1ではなくリアガードサークルからエイゼルを含むグレード3をソウルに置く事でも発動出来る! 右前列のブロンドエイゼルをソウルに!」

 

メインフェイズに移行し、アキナはプラチナエイゼルのスキル発動のコストとして彼はCB1ではなく右前列にコールされていたブロンドエイゼルをソウルに置く事を選択する。

ドロップゾーンから『君臨せよ、百獣の王!』を手札に加えてプラチナエイゼルに5000のパワーが加算される。

 

「そして相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットは『自身の前列のリアガード全てのパワー+5000』のスキルを得て、自身のダメージが4以上ならクリティカル+1!」

 

追加の効果によってプラチナエイゼルは前列リアガードのパワーパンプ効果を獲得。

さらに彼のダメージは5の為、プラチナエイゼルのクリティカルは+1され、プラチナエイゼルは単体でパワー30000、クリティカル2に上昇。

だが彼のメインフェイズはまだ終わらない。

 

「オーダーカード、『君臨せよ、百獣の王!』を発動! デッキの上から7枚を見て1枚選んでスペリオルコール! アザルタスを右前列にスペリオルコール!。そして手札からアザルタスを左前列にコール!」

 

続けてアキナはプラチナエイゼルの効果でドロップゾーンから回収したオーダーを発動。

デッキの上から7枚を確認してアザルタスを選択し、右前列ににスペリオルコールして残りのカードをデッキに戻してシャッフルし、ペルソナライドの効果でドローした残り1枚の手札であるアザルタスを左前列にコールし、全ての手札を使った彼の全力の布陣が完成した。

 

「バトルフェイズ! ディンドランでブースト、アザルタスでアレスティエルにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、ヴァンガードを選択して『このターン中前列のリアガード全てのパワー+5000』の能力を与える! 合計パワー38000!」

 

「ノーガード!」

 

移行したバトルフェイズ。

1回目の攻撃は右前列のアザルタスだ。

スキルによってプラチナエイゼルに前列リアガードのパワーパンプ効果を与え、ペルソナライドとディンドランのブーストも加えて38000まで上昇した攻撃をミコトはノーガード宣言して通す。

 

「ダメージチェック─────ノートリガー」

 

捲れたのはノーマルユニットのセラフィエル。

ダメージゾーンへと置かれてミコトのダメージは3から4へ。

 

「ディンドランのスキル発動! 同じ縦列のアザルタスをデッキの下に戻してこのユニットをスタンドさせる! 左後列のディンドランでブースト、アザルタスでアレスティエルにアタック! アザルタスのスキル発動! このユニットがアタックした時、ヴァンガードを選択して『このターン中前列のリアガード全てのパワー+5000』の能力を与える! 合計パワーは43000!」

 

次いで行われたのは左列のアザルタスの攻撃。

先程の右列と同様にディンドランのブーストを受け、さらには自身のスキルと重複しているプラチナエイゼルの前列リアガードパンプ効果が加算され、アザルタスの合計パワーは43000に膨れ上がった。

 

「ノーガード! ダメージチェック─────ノートリガー」

 

この攻撃もミコトはノーガード宣言をして通す事を選択。

行われたダメージチェックで捲れたのはデシエル。

またしてもノーマルユニットだ。

これでミコトのダメージは5となってアキナと並び後が無くなったことになる。

 

「ディンドランのスキル! 同じ縦列のアザルタスをデッキの下に戻してこのユニットをスタンドする!」

 

バトル終了時のディンドランのスキルが発動し、左列のアザルタスもデッキの下に戻りディンドランはスタンドする。

続けてアキナはプラチナエイゼルに手を添えて

 

「プラチナエイゼルで、アレスティエルにアタック! プラチナエイゼルが得た、ブロンドエイゼルのスキル発動! このユニットがグレード3以上にアタックした時、CB1でデッキの上から7枚を見て、グレード3以下のユニットを2枚まで選んでユニットのいないリアガードサークルにコール! 左前列にスラッシュフェザー、右前列にアザルタスをスペリオルコール! 合計パワー40000! クリティカル2!」

 

レストしてアレスティエルにアタック宣言し、さらにスキルを発動。

CB1を支払い、デッキから7枚を確認してその中からアザルタスとスラッシュフェザーを選択してそれぞれをスペリオルコール。

空いた前列が埋まり、あと2回の追加攻撃を得る事に成功する。

 

「デシエルで完全ガード!!」

 

この攻撃に対してミコトは手札から守護者のデシエルをガーディアンサークルにコール。

コストとしてセラフィエルをドロップに送った事で、完全防御が成立した。

 

「ツインドライブ! ファーストチェック──────ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てスラッシュフェザーに! セカンドチェック────────ゲット! ヒールトリガー! ダメージを1枚回復してパワーをスラッシュフェザーに!!」

 

行われたツインドライブ最初の1回目で捲れたのはクリティカルアイコンを持つトリガーユニットのグルカント。

その効果は全て左前列のスラッシュフェザーに与えられ、次いで行われた2回目のチェックで捲れたのはヒールアイコンを持つトリガーユニットのアーシェスだ。

共にダメージが5点の為、ヒール効果が発動してアキナのダメージは 1回復して5から4へ減少する。

 

「ディンドランでブースト! アザルタスでアレスティエルにアタック! スキル発動! このユニットがアタックした時、ヴァンガードに『前列の全てのリアガードのパワー+5000』の能力を与える! 合計パワーは48000!」

 

続けて右前列のアザルタスがディンドランのブースト受けてアレスティエルに攻撃を開始。

アタック時スキルによってプラチナエイゼルに前列リアガードのパワーパンプ効果を与え、その合計パワーは48000まで上昇する。

 

「ベレトア! ヒルベスタ! プルエルでガード! ベレトアはスキルでシールドパワー+5000! アレスティエルの合計パワー53000!」

 

この攻撃に対してミコトは手札からトリガーユニットのプルエル、ヒルベスタ、ベレトアをガーディアンサークルにコール。

15000のシールドパワー二枚と、スキルによってシールドパワーが10000に上昇したベレトアと合わせてアレスティエルの合計パワーは53000となり、アザルタスのパワーを上回ったのでガードが成立する。

 

「バトル終了時、アザルタスは自身のスキルで山札の下へ。続けてディンドランでブースト、スラッシュフェザーでアレスティエルにアタック! スラッシュフェザーのスキル発動! このユニットがグレード3以上にアタックした時、そのバトル中パワー+5000! 合計パワー73000! クリティカル2!!」

 

アザルタスのバトル終了時の効果を処理し、次いでアキナはスラッシュフェザーをレストしてアレスティエルにアタック。

自身のスキルによってパワーが5000加算され、プラチナエイゼルが重複して得ている前列リアガードのパワーパンプ効果4回分と先のトリガー二枚分、そしてディンドランのブーストが加わりそのパワーは73000まで上昇、そしてトリガー効果によってクリティカルは2となりアレスティエルへと迫ってくる。

 

「エリリエルでインターセプト! エリリエルの『黒翼』スキルによってスラッシュフェザーのパワー-5000! さらに手札からアンティア二枚とヒルベスタ、ウルズオーレでガード! ウルズオーレのスキル発動! このユニットがガーディアンサークルに置かれた時、ユニットのいないリアガードサークルが2つ以上あるならこのユニットのシールドパワー+5000!」

 

この強大なパワーによる攻撃に対し、ミコトはまず右前列のエリリエルをインターセプトでガーディアンサークルに移動させて黒翼スキルを発動。

スラッシュフェザーのパワーを5000下げて73000から68000に減少させ、更に残りの手札のすべてであるアンティア2枚とヒルベスタ、更にウルズオーレをガーディアンサークルにコール。

元々左後列は空いており、手札からガーディアンサークルにコールする前にインターセプトでもう一つ場を空けたことでウルズオーレのスキル誘発条件が満たされ効果が発動し、シールドパワーが5000加算されアレスティエルの合計パワーは73000となり、エリリエルの黒翼スキルによって68000にパワーダウンしたスラッシュフェザーの攻撃は阻まれガードが成立する。

怒涛の5回攻撃を見事に耐えきった事で周りの観客から驚愕の歓声が上がり店内に響き渡った。

 

「……スラッシュフェザーのスキル。バトル終了時、このユニットをデッキの下に戻し、EB3する事で1枚ドロー。これでターンエンドだ」

 

全ての攻撃を凌がれたアキナはスラッシュフェザーのスキル効果を処理してターン終了を宣言しミコトへとターンを返す。

 

「まさか防ぎ切られるなんて……やっぱりミコトさんは強いな」

 

「結構ギリギリでしたけどね。でも、私だってアキナ先輩と同じ気持ちなんですよ?」

 

アキナの言葉にミコトは笑顔を向け、左手を自身の胸部に当てながらそう言い

 

「こんなにも楽しくて熱い、ワクワクする全力の真剣勝負。だからこそ、私はアキナ先輩に勝ちたい。ううん、絶対に私が勝つ! スタンド&ドロー!」

 

そう言い放つとミコトはレストしているユニットをスタンドさせてカードをドローする。

引いたカードを確認して不敵に笑い

 

「ライドフェイズ開始時、ジェネレーターの効果でEC3。白と黒の翼。双翼を羽ばたかせ、ありのままの自分で(そら)へと舞い上がれ! ペルソナライド! 『双翼の大天使 アレスティエル』!」

 

同名カードである『双翼の大天使 アレスティエル』にライドしてペルソナライドを発動させた。

 

「ペルソナライドの効果! 1枚ドローし、このターン中前列のパワー+10000! 続けてメインフェイズ開始時、アレスティエルのスキル発動! バインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、デッキの上から1枚をバインド! 私はエルケエルを手札に加え、デッキの上から─────バルエルをバインド!」

 

発動したペルソナライドの効果によってミコトは1枚ドローし、さらに前列のパワーがターン中常に+10000される。

引いたカードを確認してまたしても不敵な笑みを浮かべてメインフェイズに移行と同時にアレスティエルのスキルが発動する。

バインドゾーンにあるエルケエルを選択して手札に加え、確認したデッキの上のカード『儚き憧れ バルエル』をバインドゾーンへと置いた。

現在ミコトのバインドゾーンはグレード1のウルズオーレとグレード2のバルエル。

奇数、もしくは偶数で統一されていないため『白翼』、『黒翼』共にスキル発動は不可能な状態だ。

 

「右前列にフェナエルをコールしてスキル発動! SB1する事で、バインドゾーンのカードを1枚選んで手札に加え、手札から1枚をバインド!」

 

「な?! まさか!」

 

「そのまさかですよ! ウルズオーレを手札に加え、手札からエルケエルをバインド! エルケエルのスキル発動! このカードがバインドされた時、次の相手ターン終了時まで『白翼』と『黒翼』どちらも有効となる!」

 

ミコトがコールしたのはフェナエル。

先程ペルソナライドの効果でドローしたのはこのカードだったのだ。

それゆえ彼女はアレスティエルの効果でエルケエルを手札に加え、フェナエルの効果で再びエルケエルをバインドする事で双翼状態に持ち込む事が出来たのである。

 

「アレスティエルの『白翼』スキル! このターン中、アレスティエルのパワー+5000! クリティカル+1! さらに『黒翼』スキルで、このターン中プラチナエイゼルのパワー−5000!」

 

これにより無効となっていたアレスティエルの『白翼』と『黒翼』スキルが発動し、アレスティエルはペルソナライドの効果も含めてパワー28000、クリティカル2となり、逆にプラチナエイゼルは『黒翼』スキルの効果によってパワーが5000減算され10000に下がってしまった。

 

「ウルズオーレを左後列にコール! 続けてバトルフェイズ!」

 

ダメ押しと言わんばかりにミコトは最後の手札であるウルズオーレを左後列にコールしてメインフェイズからバトルフェイズに移行。

 

「セラフィエルでブースト! アレスティエルでプラチナエイゼルにアタック! 合計パワー36000! クリティカル2!!」

 

セラフィエルのブーストを受けたアレスティエルが白と黒の双翼を羽ばたかせてプラチナエイゼルに攻撃を開始。

アキナは自身の手札を見ながら

 

(ダメージは4で残り手札は3枚……うち一枚はプラチナエイゼルだからガード値はない……ここで攻撃を通して6点ヒールしたとしても、残り2体のフェナエルの『黒翼』スキルでプラチナエイゼルのパワーはまた減らされてしまうから彼女のトリガー次第では凌ぎきれなくなる……それなら!)

 

思考した後、アキナは2枚のカードを手に取り

 

「アーシェスとグルカントでガード!! 合計パワー40000!!」

 

トリガーユニットのアーシェスとグルカントをガーディアンサークルにコールする。

宣言通りプラチナの合計パワーは40000。

ミコトがトリガーを一枚でも捲れば貫通してアキナはダメージを受けることになる。

 

「な、なんでアキナの奴ギリギリガードにしてるんだ? 残りの1枚も使えば……」

 

「あれはガード値のないカード、グレード3のユニットかノーマルオーダーのどっちかだろうね。多分アキくんはこの攻撃を通し、例え6点ヒールで凌いだとしても残ってるフェナエルが『黒翼』スキルでさらにプラチナエイゼルのパワーを削ってくるから凌ぎきれなくなるって判断したんだと思う」

 

「それなら一か八か、受けるダメージを最小限に抑えるためにこのツインドライブでトリガーがでない事に賭けたんだよ。もちろん、この攻撃を防いでも都合よく6点ヒール出来るとは限らないけど、この状況なら最善の選択だと僕も思う」

 

観戦するケントの言葉に応えたのはナオとクオンだ。

彼女達の言うように、アキナの残り1枚はガード値のないカードであり、さらには残り2体のフェナエルはパワーダウンのスキルを持ち、ミコトはそれを発動させる為のコストも維持している状態だ。

たとえ運良く6点ヒールして凌いだとしても、次の攻撃をで増加したパワー分をマイナスされれば彼女の引くトリガー次第ではとてもではないが防ぎきれなくなるだろう。

なればこそ、アキナは少しでも凌げる可能性がある選択肢に賭けたのである。

見守る観客達に緊張が奔る中、ミコトはデッキの上に手を添え

 

「ツインドライブ! ファーストチェック────ノートリガー!」

 

行われるツインドライブ。

最初の1枚はノーマルユニットのデシエル。

捲れたデシエルをトリガーゾーンに置いて、再びミコトはデッキの上に手を添える。

 

「セカンドチェック───────」

 

勢いよく捲られた2回目のチェックカード、それは──────

 

「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てアレスティエルに!!」

 

クリティカルアイコンを持つトリガーユニットのヒルベスタだ。

その効果は全てアレスティエルに与えられ、パワーは46000となりプラチナエイゼルのパワーを上回った事で見事に貫通し、さらにはクリティカルも3に上昇した事でアキナは合計で3ダメージを受けるとこになった。

 

「まだ諦めない! ダメージチェック! 1点目─────ノートリガー。2点目─────ゲット! ヒールトリガー! ダメージを1枚回復してプラチナエイゼルにパワー+10000!」

 

行われるダメージチェック。

1回目はノーマルオーダーの『君臨せよ、百獣の王!』。

トリガーではないのでそのままダメージゾーンに置かれ、続けて行われた2点目のダメージチェック。

捲られたのはヒールアイコンを持つアーシェス。

2人のダメージは5と並んでいるのでアキナは1点回復してパワー10000をプラチナエイゼルに加算する。

まさか本当に6点ヒールするとは思ってなかった観客達はこれまた驚愕の歓声を上げた。

だがしかし、まだ最後の3点目のダメージチェックが残っている。

アキナはデッキの上手を添え、小さく息を吐いて

 

「3点目─────!」

 

勢いよくカードを捲る。

 

「ノー……トリガー……」

 

現れたのはノーマルユニットの『灼熱の獅子 ブロンドエイゼル』。

ダメージゾーンに置かれ、アキナの6点目が確定した。

 

「それまで! この激戦を制したのは、西塔ミコトだぁ!!」

 

メグミの宣言と同時に観客達から盛大な歓声が巻き起こり、ミコトは軽く身震いしたのち

 

「やっ、たぁ!!」

 

とびきり嬉しそうな笑顔を浮かべてそう叫ぶ。

アキナは小さく息を吐くと

 

「俺の負けかぁ……けど、めちゃくちゃ楽しかったよ。またやろう、ミコトさん。次は俺が絶対に勝つ!」

 

僅かに悔しさを滲ませるも、笑いながらそう言ってミコトに右手を差し出すと

 

「私もめちゃくちゃ楽しかったです! もちろん、何度だってファイトしましょう。今度も私が勝ちますけどね?」

 

悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言ったあと、彼女は自身の右手を差し出して彼の手をしっかりと握る。

彼らの健闘を讃えるように観客達は拍手を送り、2人は互いに笑顔を向けあった。

こうしてストレイキャット主催のショップ大会『ランダムデッキファイト』はミコトの優勝という形で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショップ大会が終わり、優勝したミコトにはショップから現在商店街で行われている福引券5枚が、準優勝のアキナにはショップで使える50%割引券が贈られた。

その他参加者には参加賞である10%割引券が贈られ、参加者や観客達が帰った後、アキナ達は改めてストレイキャットに来た本来の目的であるケントのデッキビルド作業へと取り掛かる。

様々な試行錯誤の末、ケントはリリカルモナステリオを選び、メインヴァンガードに『満場一体(ラブコール) マリレーン』を選択してアキナ達のアドバイスの元でデッキを完成させた。

その後ルールに慣れる為に何度かフリーファイトを行い、日が落ちる手前で切りをつけてストレイキャットを後にした。

 

「ねぇねぇ、みーたん。今日は完全にお仕事ないんでしょ?」

 

「うん。夜も完全にフリーだよ」

 

店を出ると同時にヒカリがそう問いかけるとミコトは笑顔でそう応える。

それを聞いたヒカリは

 

「なら、せっかくだしみんなで晩御飯一緒に食べて帰ろうよ! いいよね、お兄ちゃん!?」

 

そう申し出ると、勢いよくアキナに視線を移してそう問いかけた。

唐突、かつ強引な妹の提案に彼は苦笑いを溢し

 

「また唐突だなぁ。まぁ、今日も父さんは仕事で帰れないみたいだし、たまには外食も悪くはないか。ミコトさんやナオ先輩達はどうします?」

 

そう皆に問いかけると

 

「私は大丈夫だよ、アキくん」

 

「私もです。家族には一報入れておきますし」

 

ナオとミコトからOKと返ってくると

 

「ユ、ユナも参加でお願いします!」

 

「僕も構わないよ。スオウはどうする?」

 

「オレも問題ない。叔父さんには連絡を入れておく」

 

「俺はパスかな。今日のところは帰ってカードの事もっと調べたいし」

 

ユナとクオン、スオウは参加。

ケントは不参加を宣言した。

どうやら今日1日でヴァンガードの魅力に嵌ったらしく、はやく帰宅して組んだデッキを研究したいようだ。

 

「そっか。じゃあケント、また学校でな」

 

「おう! またな!」

 

アキナの言葉に短く応えると、ケントは足早に帰路へとついていく。

その背中を見送りながら

 

「うんうん。こうしてまたヴァンガードの魅力に嵌る人が増えるのは嬉しい事だよねぇ」

 

ナオが満足そうにそう言うと、アキナ達は苦笑いを浮かべつつも心の中で彼女の言葉に共感する。

確かに自分達が好きな物に関心を持ち、さらにその魅力に気付いて共有してくれる人が増えるのは喜ばしい事だ。

 

「それじゃぁ、俺達も行こうか。どこに行く? やっぱり定番のコックミリオンかな?」

 

「それならつい最近出来たばっかりの中華飯店行ってみない? 結構美味しいらしいんだよね。ただ麻婆だけはめちゃくちゃ辛いらしいけど」

 

「中華かぁ。私行ってみたい!」

 

ナオの提案にヒカリが乗っかると、アキナ達はまたしても苦笑いを溢し

 

「なら、そこに行ってみるか」

 

「あ。でもその前に、先に福引やっていきませんか? 期限見てみたら後数日みたいなので」

 

ミコトが先程のショップ大会での賞品である福引券を見せながらそう提案してきた。

 

「確かに夕飯にはまだ時間も早いし、いいんじゃない?」

 

その提案にナオがそう応え、アキナ達に目を向けると彼らも同意するように頷気、そのまま彼らは商店街にある福引場に赴いた。

福引場に着くとミコトはナオとユナ、スオウに一枚ずつ福引券を渡す。

ショップ大会に参加させて出来なかった分、少しでも楽しんでもらおうと考えたのだろう。

彼女達の厚意を素直に受け取ったナオ達は福引に挑戦する。

最初に挑戦したユナは残念賞、景品はタワシだ。

次に挑戦したスオウは5等の洗剤セットが当選し、ナオは4等の食器セットが当選する。

そして残り2枚を使いミコトが福引を回す。

最初の1回はユナ同様、残念賞のタワシ。

そして最後、2回目の挑戦。

回転式抽選機を1回転させ、出てきた玉を確認すると

 

「で、出ました特賞ぉ! 京都温泉旅館二泊三日宿泊券! ペアチケット2枚組ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

スタッフが声高に叫んでハンドベルを勢いよく鳴らす。

 

『え?』

 

抽選機を回したミコトは当然のことながら、アキナ達も抽選機から出てきた黄金色の玉を見て間の抜けた声を出して顔を見合わせる。

数秒の沈黙の後、再び黄金色の玉に視線を移して

 

『嘘ぉぉぉぉぉぉぉ?!?!!!』

 

スオウ以外が驚愕の大絶叫。

彼らのその叫び声は商店街に木霊した。

 

 

 

to be continued




アキミコでファイト話はずっと書きたかったのです。そしてまさかの続きものだよ!

どんな話を書いてほしい?

  • ほのぼのした話
  • 甘くイチャつく話
  • アキミコ以外の話
  • ファイト話
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