本日のメニューはサンドイッチだよ
彼、明導アキナの朝は基本的に早い。
両親は離婚しており母はおらず、父は仕事に追われて滅多に家に帰らない。
さらには妹である明導ヒカリも身体が弱く入退院を繰り返していた為、家事のほとんどは彼が熟している。
今現在、ヒカリの身体は健康を取り戻しているがそのルーティンは変わっておらず、特に炊事はほぼ彼が行なっている状態だ。
AM5時30分にセットしておいたタイマーが鳴り、アキナは起き上がって背伸びを一つ。
「さて、支度するか」
ベッドから起き上がり制服に着替え、洗顔と歯磨きを済ませて向かうのはリビングダイニング。
キッチンへと足を向け、冷蔵庫の扉を開けて中身を確認するアキナ。
一通り見て目についたのは昨夜の夕食の残り物であるポテトサラダ。
そして棚にある10枚切りの食パンが二斤。
「今日はサンドイッチにするかな」
少し思案して作る料理を決めた彼はエプロンを身につけて冷蔵庫からポテトサラダと卵を6つにチューブ型のバターと粉チーズとスライスハム、そしてマヨネーズと粒マスタードに牛乳を取り出した。
次いで野菜室を開けてサニーレタスが入った袋を取り出し、それらをキッチン台の上に置いて並べる。
続けてスチール製のボウルに卵を割って落としていき、塩胡椒に粉チーズ、牛乳を少々加えて掻き混ぜた。
IHに電源を入れてフライパンに少量のサラダ油を落とし、しっかりと温まったところで出力を抑えてコレまた少量のバターをチューブから出してフライパンへと投入。
熱で完全にバターが溶けたのを確認すると、溶き卵を適量流し込んだ。
フツフツと卵が固まり始めたところで少しずつそぼろ状にならないよう形を整えた円形のスクランブルエッグを焼き上げていく。
弱火でじっくり焼いたので仕上がりはフワフワだ。
ソレを4枚ほど焼き上げ、キッチンペーパーの敷かれた平皿の上に乗せて
粗熱を取る為に暫く放置。
その間に食パンを並べ、マヨネーズと粒マスタードを適量出して混ぜ合わせながら塗ってその上にサニーレタスを千切って乗せていく。
「次はポテサラだな」
次に行ったのはポテトサラダの加工だ。
昨日の夕食時に出していたソレは蒸したジャガイモを軽く潰してスライスきゅうりと短冊切りにした蒸しニンジンを混ぜて塩胡椒した質素なモノ。
それをアキナは新しく出したスチール製のボウルに移し、次いでスライス
ハムを細かく切ってボウルの中へ。
さらにマヨネーズを加えて塩胡椒を振り、スプーンで押し潰しながら混ぜてペースト状へと変えていく。
ベタつき過ぎない程度にまで潰し、それをサニーレタスの上に乗せていき伸ばしていった。
もう一枚の食パンを乗せて挟み、取り出したサランラップで絡み、次いで粗熱の取れた円型スクランブルエッグをポテトサラダ同様に食パンは乗せて挟み、サランラップで包んだ。
こうする事で真空になりパンと具材がズレる事なく切ることが出来るのだ。
ラップに包んだままのサンドイッチを積み重ね、薄めのまな板で上から圧力をかけて空気抜きを行っている間に使った器具を片付け、次いで平皿2枚とマグカップを2つ、そしてランチボックスを用意。
まずポテトサラダと卵のサンドイッチを一つずつ4等分に切り分けてそれぞれの皿に半分ずつ乗せ、残りの分は2等分にしてランチボックスに均等に詰めていく。
それを保冷バックに入れ、ダイニングテーブルへ朝食用のサンドイッチが乗せられた皿を並べていると
「お兄ちゃん、おはよう〜」
妹のヒカリがダイニングルームに顔を出した。
「おはよう、ヒカリ。朝御飯出来てるから、顔洗って歯磨きして来な」
「はーい……」
まだ眠いのか目を擦りながらヒカリは洗面台へと向かい、それを見送ったアキナはキッチンに戻ってマグカップにコーヒーを淹れる。
ヒカリの分はミルクと砂糖を足してカフェオレにし、彼女用のサンドイッチが乗った皿のそばに置き、エプロンを外して席に着くと同時にヒカリがダイニングルームに戻ってきた。
アキナの向かいの席につき手を合わせて
「いただきまーす」
サンドイッチの一つを手に取った。
選んだのはポテトサラダのサンドイッチ。
口の中に頬張り、もぐもぐと咀嚼して呑み込んだ。
「美味しい〜。これ昨日のポテトサラダだよね? でも味付けが少し違うような?」
「スライスハムを細かく切ってマヨネーズと一緒に足したんだ。サンドイッチにするなら少し濃いめにした方がいいと思ってさ」
「なるほどぉ。卵の方もフワフワで美味しい〜」
美味しそうに食べる妹の姿に、アキナは表情を綻ばせながら自分もサンドイッチを口にし咀嚼して呑み込んだ後
「うん、こんなもんかな」
そう言って満足そうに頷いた。
昼休み。
いつものようにアキナは屋上に向かい、そこで待っていた呼続スオウとともに昼食を取っていた。
保冷バックから取り出したランチボックスを開け、今朝作ったサンドイッチの1つを手に取り
「ほら、スオウも」
ランチボックスを差し出して食べるように促した。
「いいのか?」
「ああ。その為に多めに作ったんだから、遠慮なく食べてくれ」
そう言ってアキナは笑う。
スオウは卵サンドを一つ取り
「いただきます」
一口頬張って咀嚼する。
しっかりと噛んで味わい呑み込むで
「美味いな」
「そっか。ありがとな」
短い感想を述べると、アキナも満足そうに手に取っているポテサラサンドを頬張った。
「アキナの作る料理は、いつも温かい味がする。好きな味だ」
「普通に作ってるだけなんだけどなぁ。スオウが気に入ったんならまた作ってくるよ」
「ありがとう。さぁ、早く食べてファイトだ、アキナ」
「まだ食べ始めたばっかだろ? ゆっくり食べさせてくれよー」
早くファイトがしたいのか、早く食事を済ませるように言ってくるスオウにアキナは言いながら苦笑いで返し
(明日は何を作ろうかなぁ)
と思考して、今度は卵サンドを一つ手に取り頬張った。
今回はカプ要素無し
ただアキナが料理して、それを誰か食べるだけのお話。料理ネタは思いついたらまた書きたいかな
どんな話を書いてほしい?
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ほのぼのした話
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甘くイチャつく話
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アキミコ以外の話
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ファイト話