ぐでんぐでん な異世界記   作:銭湯妖精 島風

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4話 ギルド登録

 

 

 

転生して2ヶ月、つまりババアの元で擬似祖母孫生活が2ヶ月を経過した今日この頃、真夏に死んで転生した筈なのだが、季節は早春になり始めている

 

どうも季節がズレてしまった様で、少し調子が狂いそうだ

 

 

そんな訳で相変わらず口の悪いババアに連れられて、俺はギルドへやってきた、来たのだが 俺はギルドの女子トイレで嘔吐している

 

「オロロロ」

 

「まさか転移酔いするタイプとはねぇ、大丈夫かい?」

 

「・・・なんとか」

 

 

いつも口の悪い優しいババアは珍しく口が悪くない状態で俺の背中を摩り、声を掛けてくるので空元気で返す

 

俺だって転移酔いするとは知らなかったし、ババアも悪くない

 

内容物を全てリバースして胃液まで吐き出した頃には、転生者の超回復能力で転移酔いが治り、漸く洗面所から顔を上げる事ができて、鏡に映る目付きが通常時の3倍悪い黒髪金眼の少女が写っている

 

まぁ俺なんだけども

 

 

「なんとか回復したみたいだね、行くとしようか」

 

「あぁ、すまねぇ ばーさん」

 

「ガキがいちいち気にするモンじゃないよ」

 

俺の謝罪に、いつもの様に口悪くさとして女子トイレから出てギルドの受付カウンターへ向かう

 

ギルドは食事スペースらしき区画やら壁一面が掲示板みたいになっていて、色々な紙が貼られている

 

まぁ流石に距離が離れすぎてて内容までは分からないが、多分 依頼とかだろう

 

 

「ハンナ、ギルド長は居るかい?」

 

「あ、ジョゼさん。ギルド長なら執務室にいますよ、呼集ですか?」

 

「いんや、ちょいと用があってね」

 

「そうですか? こちらへ」

 

「行くよ」

 

「あ、あぁ・・・」

 

 

受付の女性にババアは話しかけて、ギルド長の所在を確認していたが、ババアの名前はジョゼと言うらしい、今の今まで教えてくれなかったのは何の意地なんだババア?

 

そういや、俺の名前も呼ばないな、このババアは・・・なんでだ?

 

 

そんなこんな受付のお姉さんの後に続きババアとギルド長の執務室へ到着するや否やババアは無遠慮に扉を開け、受付のお姉さんは 自分の仕事は終わった とばかりに踵を返して来た道を引き返して行き 早々に姿を消した

 

 

「邪魔するよ、ギルド長」

 

「邪魔をするなら帰ってもらえますか? ジョーゼットさん」

 

「硬い事を言うんじゃないよ マルチナ、アンタにとっては朗報だろうよ」

 

「・・・・はぁ、なんです? どうせ厄介事でしょう?」

 

 

ギルド長と呼ばれた金髪碧眼の女性は、書類仕事をしていた様でババアを見るなり眉間に皺を寄せで、溜め息をつく

 

おい、ババア・・・あんた この美人に何したんだ?

 

 

「そう邪険にするもんじゃないよ、この娘をアタシの後任にする」

 

「あぁ、後任を見つけて引退するって前々から言ってましたもんね? 見た所、相当若い・・・いえ、幼く見えますが、大丈夫ですか? 試験は受けてもらいますよ?」

 

「問題は無いはずだよ、何せアタシの技術を1月(ひとつき)足らずで殆ど習得したからね」

 

「それはそれは・・・そんか逸材をどこで? 孫でも無いでしょう?」

 

「家の裏山で拾ったのさ」

 

 

眉間に皺を寄せていたギルド長は、俺を品定めする様に見てきて そんな事を言ってくるが、ババアが説明すると 少し驚いた表情をしてギルド長は ババアに更に質問し、ババアは事実を言う

 

いや、確かに裏山で拾われたけどさ? 今の流れじゃギルド長は 誤魔化されたって思うぞ?

 

 

「その子はキノコか何かですか?」

 

「この子は転生者だよ、裏山に生えたからアタシが拾って色々と仕込んだのさ、だから さっさと登録しておくれ」

 

「おい、ばーさん? もう少し丁寧に事は進めた方が良いんじゃないか?」

 

「アタシに任せておきな」

 

「あーもう、聞きやしねぇ」

 

 

相変わらず俺の話を聞かずに強行していくババアに呆れてつつ、もう身を任せる他無い状況に軽く脱力すると

 

「転生者、ね? それが本当ならギルドにはプラスですね、戦力は多いに越した事はないですし」

 

「うちのババアが、申し訳ない」

 

「いえいえ、慣れてるから大丈夫ですよ。と言う訳で ぱぱっと登録を済ませましょう」

 

「あ、はい」

 

ギルド長は机の引き出しから1枚の用紙を取り出して、万年筆と共に俺に差し出してくる

 

紙を惜しげもなく使える辺り、紙の量産が安定している様だ

 

そんな事を考えつつ、上から順番に記入していく

 

氏名、年齢、魔力ランク、適性属性、その他色々と少し大雑把に記入し、最後に書かれている注意書きに了承と書いて、ギルド長へ返す

 

 

「名前はカナメ カヅキ、年齢は15? あら、もっと幼いと思っていました。来春には高等部に入学ですね」

 

「高等部?」

 

「知りませんか? オーシアでは小・中・高の12年間が義務教育なのですよ?」

 

「マジっすか?」

 

「マジですね」

 

ギルド長が俺の書いた用紙に目を通して、そんな事を言ってくる

 

オーシア、ヤベー国だな 12年間 義務教育とか子供に金を掛けてる訳か

 

この国は良い意味でヤベー国みたいだ、ちょっと興味が湧いてきたな

 

とはいえ、目の前の事を先に片付けないとな?

 

どうせ、この後にババアの後任になる為の試験を受けないといけないのだろうしな?

 

 

 

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