ぐでんぐでん な異世界記   作:銭湯妖精 島風

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6話 適性試験 2

 

 

意を決した俺は、転生特典の1つインベントリの中から、転生特典その2の槍・・・パルチザンとランスの合いの子な西洋槍に似た俺の背丈を超える長さがある それを召喚して握る

 

 

「我が眼前の敵を貫けよ、リコル」

 

「なるほど、体躯の差をカバーするには長物を使うのも手だもんね」

 

「そう言う事です先輩、うっかり死なないで下さいよ?」

 

「はは、善処するよ」

 

 

俺は深呼吸してリコルを握り締めて切先をエドワードへ向けて言うと、影犬に襲われながらも、まだ余裕がある様で軽口を返してくる

 

 

絡めてが通用するかも試してみる事にしよう、エドワードは炎系統の魔法使いみたいだし

 

俺はエドワードに気付かれない様に、障壁を展開して俺とエドワードの居る戦闘区域と観覧席を隔てる

 

 

あとは、野となれ山となれだな

 

 

影犬による物量押しをしつつエドワードへ リコルで突きを放つがロングソードで軌道を逸らされ、リコルの矛先は影犬を貫く、流石に上手いな

 

 

「まだまだ」

 

「槍の扱いが上手い、ただの素人ではない、か」

 

 

リコルの間合いのお陰で、エドワードの炎鎧の影響を最小限に止められている事が、俺に味方している

 

そんな俺を知ってか知らずか、エドワードは 俺の槍捌きを褒めてくる、当たり前だ 物心ついた頃には仕込み槍の扱いを叩き込まれていた

 

俺はあくまでも護衛だったから、無手の技術を優先させられていたが、俺の適性が1番高いのは槍だったのだ、だから槍には自信と自負がある

 

 

「その槍、突きに特化している様に見せて薙ぎにも使える、合理的だ」

 

「この短時間で、そこまで? 先輩凄いですね」

 

「これでも炎帝を冠しているからね」

 

 

エドワードに指摘されてしまったので、俺は突き主体からリコルを回転させて遠心力を使う斬撃主体へ移行する

 

 

「長物特有の技術か、相当の修練を積んできた様だね」

 

「箸を上手く使える様になるより先に、身に付けた技術なもんで」

 

「箸、箸か・・・」

 

 

クルクルと回して質量を乗せた斬撃を浴びせ、エドワードのロングソードを封じるが、回転させてる都合で柄の中央あたりが起点となり、突き主体の時より間合いが狭くなっているので、炎に炙られて少し熱い

 

だが、これでいい

 

「厄介だね、槍は」

 

「おやおや先輩、泣き言ですか? 心なしか息が上がっている様子」

 

「いやいや、まだまだ行けるよ」

 

 

エドワードは俺の軽口に対して余裕のある表情を見せてくるが、やはり炎鎧の維持には体力を消耗する様で、軽く肩で息をし始めている

 

それプラス、俺の仕掛けた二の矢が原因だろうけどな?

 

 

それから影犬をけしかけ続け、リコルで攻め立て続けるとエドワードの息は更に荒くなり顔色が悪くなってゆき、訝しみ始めた様で余裕な表情が消えていく

 

しかし、今更気付いても遅い、エドワードはあくまでも炎系統の魔法使い、仮に複数の属性に適性があったとして、俺の様に自前で酸素を作り出し体内を循環させる事は出来ない筈だ

 

 

「どうしました先輩? 動きが鈍くなってきましたよ?」

 

「おかしい、俺が こんな短時間、尚且つ この程度の運動量で息が上がって動きが鈍る筈がない・・・カヅキ君、君が何かしているんだね?」

 

「くはは、それはどうでしょうね? まだまだ行きますよ!」

 

「まずい・・・意識が朦朧と・・・」

 

 

今まで一定の火力と形状を保っていた炎鎧が揺らめき形が不安定になって、炎に覆われていない部分が現れ始め、膝をついたので影犬で攻撃するのを辞めて、ギルド長の方へ目線を向ける

 

正直に言うと、そろそろエドワードが酸欠で失神するレベルで酸素が薄くなってるからだ

 

 

「・・・そこまで、勝者 カヅキさん」

 

「先輩、炎鎧解除して下さいよ、このままじゃバックドラフトします」

 

「うん、悔しいけど君の勝ちだ。従おう」

 

エドワードは素直に炎鎧を解除したので、障壁を解除してから風魔法で空気を循環させて酸素濃度を通常の濃度へ戻す

 

 

「ふぅ、ゴリ押しでも どうにかなるもんだな」

 

「いやはや、実力を見ていたつもりだったけど、まさか負けてしまうとはね? 良い経験になったよ」

 

「先輩、閉所での戦闘では、その炎は自分にも噛み付いてくる事を覚えておくと良いでしょう。酸欠はヤバいんで」

 

「覚えておくよ、ありがとうカヅキ君」

 

「いえいえ」

 

 

リコルをインベントリに収納してエドワードに言うと、握手を求めてきたので応じる、気のいいやつだなエドワード

 

 

「炎帝 相手に勝利するとは、想定外でした。ですが、ジョーゼットさんの後任と認められるぐらいの実力を示しました、故に貴女には闇帝を受け継いでもらいます」

 

「謹んで引き受けさせていただきます」

 

「では、ローブとかの採寸がありますが、今日は疲れたでしょう? 日を改めましょう。今日は帰宅して後日 諸々の手続きをする事にしましょう」

 

「なら帰るよ、ガキ」

 

「あ、ちょっっババア、強引だぞ? おい、聞けって」

 

 

ギルド長の話を半分ぐらいしか聞いていないんじゃないか?と思える速度で、ババアは俺の背中を押して出口へ歩いていく

 

まぁさっきの戦闘のせいで、少し空気が良くないのは認めるが、少し強引過ぎる

 

 

ん? 待てよ? 帰りも転移するよな? これ?

 

 

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