つよつよドラゴンアカデミア   作:[ゆーや]

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私が来たら?
メリュ子、完璧ー!

※ネタです


入試の最難関は遅刻回避

 夢を見る。

 

 黄昏の空を疾る黒き機体。空気を裂き、音を置き去りにして空を翔る竜。眼下に広がる國を燃やし、あらゆる妖精を滅ぼす厄災。愛を貫いたが故に終わりを迎えたモノ。

 しかしソレは堕ちた。白き艦に乗る者達の力によって、そして何よりも彼女の弟たる騎士の愛によって倒された。

 

 ───ああ、それでも。

 その残骸には既に彼女を構築していたものなど残っていなかったはずなのに。もう一度、その竜は飛んだ。

 翼を広げる。空気が機体を削る。喉を張り上げる。辛うじて形を保っていた肉塊が耐えきれずに崩れ落ちていく。それでも、目に灯る炎は消えることなく。

 ブリテンに救われたものとして、自らが愛したブリテンの敵を打ち倒す為に。

 

──私の名は、メリュジーヌ 妖精騎士、メリュジーヌ!──

──飛びなさい…!おまえは、たとえ残骸であろうとも…!──

 

 その咆哮を聞いた。その光を見た。その在り方を見た。

 私は、何よりも美しいものをみた。

 

 やがて、砕け散っていく竜骸とともに夢も終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋に鳴り響く目覚ましの音で一応意識は目覚めた。やっぱり朝は体が重い…というか瞼を開けるのすら億劫なんだけど、あまりにも目覚ましの音がうるさすぎる。やっぱり入試だからといって大きくしすぎたかな…。

 

「うぅ…。朝、ほんと辛い…。やっぱ入試試験の一番の問題は遅刻だよ…」

 

 なんとか体を動かして目覚ましを止めた。正直このまま二度寝したいけど、流石に今起きた意味が無いし昼間まで寝てたら入試も終わるよね。

 幸いなことに今朝見た夢のおかげで多少は活力も湧いてくる。

 

「でもこれからヒーローになろうっていう時なんだから、折角だしバカンスのほう見せてくれてもよかったのに…。アレ、一応レスキュー隊員としていたっぽいしね」

 

 自分の夢に文句をいいつつ、身支度を整える。

 といっても入試の為に前日入りしてホテルに泊まったから着替えて荷物をまとめるくらいしかないけどね。飛んでいいなら自宅から通うけど、そういう訳にもいかないから面倒くさい。

 やることも無いしさっさと受験会場行こうかな。

 

「しかし、移動はまた電車か…。ヒーロー免許取れば飛んで移動出来るようになるかな…」

 

 飛行や移動に優れた個性がストレス溜まりやすいのはやっぱりこういうのが原因だよね。走るなと言われているような、もっと極端にいえば車椅子での移動を強制されている感じかな。特に飛行系の中でも単純に個性で飛んだり、翼を生やす系じゃない異形系で鳥に変化している人はフラストレーションが溜まりやすい。よくネットやSNSで愚痴を見かけるけど同意しかないよね。

 私も近くの個性使用…というよりも飛行可能な施設にいって発散はしてるけど、やっぱりそこまで広くはないし、速度制限もある。そういう意味では雄英は色々自由で融通も効くらしいから楽しみかな。

 

 

 

 

 

 

 

『今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』

 

 うるさい…とはいえ聞き取りやすい。流石はマイクヒーローといったところ、たしかラジオもやっていたからか発声や喋り方が上手い。言葉使いが独特であるものの向いてはいる。

 そんな個性的な案内だけど、説明された試験のルールはシンプルなものね。0Pのロボットを避けて残りのロボットを倒すだけ。これなら見かける全てのロボットを倒していけばいい。

 0Pも特に問題はないでしょう。ドッスンのようなものとは説明されたけど、そもそもスターならばドッスンなんて関係ないのだから。

 

 私の会場はG、移動しましょう。

 あ、バスなのね。そしてその前に着替えと。

 

 

 

 

 

「それぞれの中学の体操服が半分、残りの半分は各自の服。私のように私服は少ないみたいだけどいない訳じゃないか」

 

 軽く同じ会場の受験者を眺め、すぐに会場に視線を移す。

 一辺250メートルほどの正方形、入口から見える限りでは二車線道路と歩道の道。建物は中の方はわからないけどビルが8個並ぶ程度で隙間はそれなりね。

 

「問題ない。いつでもいける」

 

 入口正面、1番前に陣取りそんな呟きをする私にむけて何人かが反応しているけど、気にはしない。心臓を燃やし、魔力を循環させる。大きすぎる魔力が漏れて少し雷や魔力そのものが体から迸ったが、それも周りには影響を与えなかったため無視。さて、あとはスタートを待つだけ───。

 

『はいスタートー!』

 

 聞こえてきた合図と共に全力で踏み込む。他の受験生から少し離れた辺りで魔力放出を開始し加速。飛行状態に移り、更に加速を重ねる。

 加速の一瞬にすれ違った3体ほどのロボットは通りすがりの一撃で粉砕している。この分なら一々足を止める必要もなさそうね。既に速度は空気の壁を超えているし、人が来る前に回ってしまいましょう。

 

「大通りとそこから見えるビルの中や隙間にいるロボットは全て終わったわね。一度上から俯瞰して、あとはさっきは見えなかった建物の中に残るものを倒して終わりかしら。0Pの大きいロボットは見えなかったけど…」

 

 ビルの上よりも高く飛び上がり下を俯瞰、大通りから見えていなかった隙間に残るロボットを確認、殲滅。その頃には流石に他の受験生も入り戦っている。多少の数はいるわね。それに近くの建物の壁が壊れていることからやっぱり建物の中に待機していたのでしょう。私の速度ではセンサーが反応出来なくて飛び出してこなったのね…。

 

「おっと、きみ、大丈夫かい?」

 

 ロボットを探すついでに2Pのロボットと戦っている最中に後ろから別のロボットに襲われそうになった女の子を助ける。受験生よりもロボットの方が少ないこの状況で2体に、しかも挟み撃ちで襲われるのは運がいいのか悪いのか迷うところね。

 

「ケ、ケロッ?あっ、後ろからも!?ありがとう」

「気にしなくていいよ。それより、前に集中しないと。動きも単純で装甲も柔らかい。落ち着いて対処すればすぐに終わる相手だよ」

「わ、わかったわ。…ケロッ!!」

 

 へぇ、舌を鞭のようにしならせて威力を出してるのね。それに脚力も中々もの、もしかしたら助ける必要も無かったかもしれない。

 もう問題はないでしょう。ロボット探しに戻らないと。

 

「ケロケロ…、ありがとう。改めてお礼を言わせてちょうだい…って、もういない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう何処を探しても見つからない、戦闘音も聞こえてこない状況だったけど、放送で残り2分ほどと聞こえてきた時に地面が揺れた。といっても私は空を飛んでいたから少し気づくのが遅れたけどね。

 原因はすぐに分かった。というよりも隠す気がないのだろう。ビルより大きいロボットが地面から出てきたのね。

 

「大きさだけは一級品ね。暇だったし、折角ならアレも倒そうか」

 

 別に倒さなくてもいい相手だけど、呟いた通り暇なのだ。いえ、実際のところはこうして高速飛行を出来ているだけで気持ちいいけれど、それはそれ。正直折角の戦闘なのに不完全燃焼どころか燃えることすら出来てない。

 

「折角の試験なんだ、観客も多い。全力でやろうか」

 

 想像するは最強の騎士。星の聖剣。湖面を映すもの。

 自らの外皮からアロンダイトを精製。すぐに霧散してしまうものではあるが、なんの問題にもならない。敵は大きく、遅い。

 

「敵、稼働境界、捕捉。一瞬で終わらせる──!」

 

 空を疾る。慣性を初めとした物理法則を無視した動きで往復、まずは両腕の付け根を貫き切り落とす。更にもう一往復。両足…両キャタピラを切り落とし完全に無力化を。

 

「『今は知らず、無垢なる湖光(イノセンス・アロンダイト)』!!」

 

 最後に頭部…カメラや思考機能を持つであろう場所を貫き止め。予想はしていたけど所詮は試験用のロボット、呆気ないものだった。アロンダイトも使ったが、正直殴るだけでも壊せただろう。まあ、恐らく試験官や教師に力を示すことは出来ただろうから無駄ではないか。それにしても…

 

「連続で斬るときに毎回アロンダイトを精製するのは効率が悪い。やっぱり鞘はヒーロースーツに付けるべきか…。

おっと、あの勢いで貫いたら後ろ向きに倒れるか。一応、ゆっくり落ちるように支えておくかな」

 

 倒れてきた胴体を支え、魔力放出を緩めて少しずつ下ろす。私はこの程度なら潰されても問題はないが、普通の人には危険だろう。それにこの質量が落下したなら相応の土煙が立つ。それで汚れるのは嫌だからね。

 

 とはいえ、下ろしたところでまだ1分ほど試験時間は残っている。けどもうロボットも残っていないし、時間まではストレス発散に空を行こうかな。

 

 

 

 

 

 帰っていいって言われたから帰っているけど、他の子達と一緒に集まらなくてよかったのかな…?なにか重要そうだったけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雄英が一室、そこに教師が集まりモニターを見ながら意見を交わしている。

 

「実技総合…やはり問題は彼女だな」

「開始僅か1分もせずに8割以上の敵を殲滅、というよりも建物の中に隠れていなかった分は全滅。さらにその後も他の子とは比べ物にならない速度で残りを倒していますね」

「敵P、3桁どころか見たことない数字なんだけど…」

「それでいながら救助Pも低くは無い。むしろ全体の戦闘時間を考えると高すぎるくらいだ」

「移動速度が早すぎてあまりカメラに捉えられてない…」

「0Pの対処も完璧ね。出現から対応の速さは勿論、両手はビルの上にある時に切り落として落下を防ぎ、胴体の落下は自分で支えて下ろす事で被害を防いでいます」

「それどころじゃないよ。胴体の倒す向きを大通りに調整することでビルへの接触、倒壊を阻止している」

「一撃でぶっ飛ばした8位の子の力も凄かったけど、こっちは色んな意味でぶっ飛んでるな!」

「0Pの後も高速飛行を続けているけど、カメラで判断できる限りでは速度も落ちてないし息も乱れていませんね」

「彼女のせいでG会場は試験のやり直しが必要になったのよね…。対応疲れたわ…」

 

 先程までに比べてもなお騒がしい。いや、それも仕方ないだろう。

 あまりにも一般的な生徒とかけ離れ過ぎているのだから、それだけ彼女の対応には考え、相談する必要があるだろう。

 

「ふむ、相澤君の意見を聞いてもいいかな?」

 

 そんな中、片隅で騒がしいのは嫌いだとばかりに1人考えてる人物に話しかける者がいた。根津校長である。

 

「俺の意見ですか」

「ああ、1年のヒーロー科の担任は君とブラド君だからね。重要な意見さ」

「なるほど…。俺の考えを話すならば、まず彼女と他の生徒を同等に扱うのは非合理的すぎる」

「君らしい意見だね。詳しく聞いても?」

「まず、強すぎ、そして速すぎます。もはやオールマイトに近い。戦闘力だけで見るなら並のプロヒーローどころかトップヒーローすら及ぶかどうか。これでは基本的な戦闘訓練は時間の無駄、チームでの訓練も実力差がありすぎてどちらの為にもならない。最低でも3年ほどの実力が相方には必要でしょう」

「それは確かに。ならどうする?」

「戦闘訓練や基礎訓練などの時間を個人授業か他の所に混ぜるなりで救助の訓練やヒーローとしての知識を詰め込み、1年夏で仮免取得、インターンで経験を積ます」

「1年から仮免とインターン…。悪くないね、それを元に考えていこうか」

「…本気ですか?自分で言っておいてなんですが」

「ふふふ、知っているだろう?雄英は自由が売りの校風なのさ」

 

 そういって相澤から離れていった根津は方針が決まったよ!と他の教師たちに声を掛けていく。暫くはそれを眺めていた相澤だったが、手招きされたことで渋々話に入っていくのだった。

 

 

 




メリュ子さいきょー!と叫びたい

しかし、この世界ではある問題が立ちはだかります。
そう、皆さんご存知オールマイト、彼が強すぎるのです。

メリュジーヌは速度形なのでオールマイトの超パワーには流石に敵いません。火力だけなら全力の速度を乗せるのでまあ?しかし持ち上げたり何なりは出来ません。
これだけならまあ問題はないですが、問題はここからです。
全盛期オールマイトは色々と逸話が残っていたりヴィジランテで描写されたりしています。
まず、銃弾を追い抜く。これはまあマッハ2〜4程度なのでオールマイトなら出来るでしょう。
次に、3秒で数十体の敵を倒す。この時点で中々おかしいですが、まあどいつもワンパンで終わるレベルなのでオールマイトなら出来るでしょう。
オールマイトという基準はいったい…。

そして、最大の問題は、東京大阪間約550kmを14秒で移動しています。
これは秒速約40km、マッハにして約110超です。
因みに第三宇宙速度は16.7km/s、マッハ30程です。
つまりボイジャーより遥かに早いです。余裕で太陽圏から脱出できます。
…アキレウスとボイジャー呼んでこい。
更に言うとオールマイトはアキレウスのように走るのではなく跳躍の繰り返しで移動しているので、その性質状態最高速度はもっと速いと考えられます。
つまり何が言いたいのかと言うと馬鹿がよ。
まあ、オールマイトが移動して周りに被害が出てないことや、270kgのオールマイトをマッハ100以上で打ち出しても足場が崩れていないので、流石にこれは誇張という事にします。

なので、この作品では大体全盛期マイト、メリュ、アキレウスが同じくらいの速度で最高速度マッハ15~20くらいだという設定で行きます。
つまり実際は物理法則無効翼メリュ≧全盛期マイト>翼無しメリュ>弱マイトみたいに思ってください。





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