つよつよドラゴンアカデミア   作:[ゆーや]

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感想に神はいた。
ハーメルンの機能って便利。


殴ってダメなら切り裂けばいい

 

 さて、前から数日後の話だ。

 え? その間の話はどうしたって? そんなこと言われても…学級委員長が決まったりマスコミが侵入してきたことなんて、皆知っているでしょう? 

 まあ強いて私から特筆することと言えば……委員長投票をメガネの飯田に投票したけど特に意味がなかった事と、マスコミが侵入した時に嫌なものを感じたくらいかな。

 

 無重力状態での足からの噴射だけで錐揉み回転する飯田は面白かったけどね、あれは流石に実用は不可能だね。

 

 

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった」

 

 ふーん? 今日はレスキューって聞いていたけど、昨日の騒ぎの関係で人数を増やしたのかな? やっぱり嫌なものを感じたのは間違いじゃないかも。

 

「ハーイ! なにするんですか!?」

「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!」

 

「レスキュー…今回も大変そうだな」

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

「ってことは鏡花ちゃんも一緒かな?」

 

「おいまだ途中」

 

 相澤先生のひと睨みで静かになるクラス。教育が行き届いていると笑えばいいのかな? 

 

 コスチュームの着用は自由。といってもコスチュームを着ない子なんていないんじゃない? コスチュームが活動を限定するって言っても、皆の物は前の訓練で見た感じみんなシンプルなものばっかりだったし。

 

 訓練場までバスで行くのね。私なら飛べばすぐだけど、流石にそう言う訳にもいかないか。入試の時の試験会場もバスで移動だったし、雄英ってどれだけ広いんだろう。

 

 

 

 早速飯田が張り切っていたけど、バスの席的には意味がなくて落ち込んでる。

 クラスでバスに乗るっていう状況が遠足とか修学旅行っぽいからみんなテンション高め。レスキュー訓練への期待も関係しているかな? そんな状況だからみんな雑談し始める。

 

 なになに、緑谷とオールマイトの個性が似てると。確かにパワーという面では中々、切島が言っているような怪我に関しては単純に反動に体が耐えられてないだけだろうからそこは問題じゃない。

 ふむ、あまり良くみていなかったけど……。いや、今の私の目の悪さだとそこまでは見えないか。

 

「派手で強ぇっつったらやっぱ爆豪と轟だな! 後は竜胆のオーラみたいなのもかっけぇ!」

 

 私のオーラ……ああ、魔力放出のことかな。

 

「アレ、別に私の個性専用じゃないからやろうと思えば誰でも…ではないけど使えるよ? まあ私と同じ出力を普通の人間が出したら数秒で干からびて死ぬと思うけど」

「「「干からびて死ぬ」」」

「今度教えてあげようか?」

「「「いえ結構です」」」

 

 みんな怖がりすぎ、ちょっとした冗談なのに。教えたところで使えるようになるものじゃないし、もし使えたとしても私と同じ出力で出せはしない。個性によっては似たような使い方は出来るかもしれないけどA組の個性だとそういうのは無理そうだからね。

 

「もう着くぞ、いい加減にしとけよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その名も、ウソの災害や事故ルーム(USJ)!!」

 

 バスを降りて訓練場に入る。中央に広場、そこから6種類くらいのゾーンに分かれているのはUSJみたいというのが皆の感想。というか待っていた宇宙服の先生…13号先生によれば本当に名前はUSJらしい。いいのそれ? 

 

 先生方が話してるのは…周りを見てもオールマイトがいないことと関係してるのかな。とりあえず2人体制で始めるらしい。

 

「えー、始める前にお小言を1つ2つ……3つ4つ」

 

 うーん多い。けど大事なことでもあるか。

 簡単に人を殺せる力か。それこそ、今ここにいるのはヒーローを目指し強い個性を持っている者ばかりだ、控えめに言っても半分くらいは簡単に人を殺せるだろうね。

 私だって勿論そう。いえ、どちらかと言えば私の力は殺せてしまうのではなく────

 

「この授業では心機一転、人命の為に”個性”をどう活用するかを学んでいきましょう」

 

 ───そうだ、今はレスキューの時間なんだからね。

 いい事を言うね、13号先生。憧れちゃうかも。

 

「そんじゃあまずは…」

 

 13号先生の話も終わり相澤先生が改めて授業を進めようとした時

 

 空気が、少し変わった。

 それを感じたのと同時にUSJ内の電気が止まる。

 原因は…広場の中央のアレか! 

 

「一かたまりになって動くな! 13号! 生徒を守れ!」

 

 同じく気づいた相澤先生が声を上げる。

 黒い霧から出てくる敵を睨みながら戦闘準備を整え、まだ事態を把握していない生徒達に指示を出す。

 敵の数は…10を超え、20を超えまだ出てくる。それに広いから少し分かりにくいけど、別の場所にも出てきている。

 ボスっぽいのは……黒い霧の傍から離れてない、2体の黒い巨漢を傍に置いてるやつかな。

 

「13号避難開始! 学校に連絡試せ! 竜胆、お前も避難しろ!」

「相澤先生、けど」

「いくらお前が強いといっても生徒で、俺は教師だ。お前たちを守る義務と責任がある! 早く行け!」

 

 正論すぎて流石に反論出来ない。

 なら、私が出来ることをしましょう。

 

「13号先生、通信は?」

「ダメです、繋がりません。やはり妨害されている!」

「なら、私が飛んで本校舎まで伝えに…」

 

「させませんよ」

 

 しまった、13号先生と話していたせいで私も先生も反応が遅れた! それに密集しているせいで飛び出せない、爆豪と切島が飛び出したのも邪魔! 

 油断した…。

 

 

 地面の感覚が無くなったから、トンファーを回転させて滞空する。ぶっつけ本番だけどちゃんと飛行出来てよかった。ワープさせられて即高速で飛ぶのは地形が分からない以上危ない。

 

 状況は…、USJの中か。これがどこか全く別の場所に飛ばされていたなら最悪だったけれど、これなら大丈夫そう。これは相手の油断か、それともワープの個性の限界か。

 話は途中で止めてしまったけど、13号先生なら途中までの言葉で把握してくれているはず。なら私は学校に知らせに行く! 

 

 トンファーでのプロペラ飛行をやめ、魔力を噴射しジェット飛行を開始。USJのドームの天井を突き破り、本校舎に向けて加速。この距離なら説明の時間を入れても往復30秒はかからない! 

 

 悠長に玄関から入る時間は惜しい。職員室の場所…確かあの辺だね、着弾する。結構な衝撃だったけれど強化ガラスなのかギリギリ割れはしなかったからトンファーで切り裂いて中へ。

 

「うおっ!? 何事だ! 敵か!?」

「あなたは…1年の竜胆さん!?」

「USJで敵の襲撃アリ! ワープの個性と電波系の妨害あり、数は大量! オールマイトは!?」

「オールマイトは仮眠室だ! 今伝える!」

「了解です! 私は先に戻ります!」

 

 流石プロヒーロー、対応が早い。オールマイトが仮眠室で休んでいるというのが気になるけど、それはあと。少し制止の声が聞こえた気がするけど振り切ってUSJに戻る。

 

 

 先程突き破った天井の穴に止まり、状況を確認。

 入口では13号が数人生徒を守りながらさっきまではいなかった敵を拘束してる。水難ゾーンのほうで大きい水柱が見えたけど、梅雨が緑谷と…峰田を抱えて離れているのが見えたから問題なし。

 黒い霧のワープは中央に戻ってる。13号の所にいた雑魚は身代わりとしてワープさせたか。ボスっぽいのと話してる。相澤先生はその前でデカイ奴と……あれは不味いかな。加勢する! 

 

 天井の壁を蹴った勢いを乗せ、魔力放出と重力に従い加速、相澤先生の腕を掴んでいる…握り潰そうとしている腕を殴りつける! 

 ……変な感覚、何か仕掛けがあるか。けど先生の腕は離れた。

 相澤先生を抱えて距離をとる。

 

「ぐうっ…! 竜胆か、悪い助かった」

「大丈夫です。それよりもあいつら…」

 

 さっきの手応えといい、潰されかけている先生の腕を見る限りといい、強い。けど追撃はしてこないし、あまりそういうモノも感じない。それに2体ともそう。なんだ? 

 

「お前、さっき飛んで逃げたガキだろ。助けを呼ばれたらゲームオーバーかと思ったけど、逃げた割にこうも早く戻ってくるなんて典型的な考えのないガキだな」

「現実逃避してるところ悪いけど、学校には既に連絡した。もうすぐにでも駆けつけてくるよ」

「は? はぁー…。最悪だよ。あぁーほんとウザイ。脳無、帰る前にせめてそいつらだけでも殺せ」

 

 敵が勝手に希望を持とうとしてたからとりあえず事実をぶつけておいたけど、子供みたい。勝手に逆ギレしてくるあたりとかね。

 けどそのせいで身体中に手を付けた男の命令を聞いたのか黒くてデカイのが襲ってくる。しかも今回は2体とも。

 

 パワー的に想像はしていたけど速い、それに片方は目線的に相澤先生を狙っている。後手に回るのは不味い。魔力を回し、飛び出す。

 

「はぁぁ…でやっ! そっちも、正面から砕く!」

 

 相澤先生に進んできたほうを殴る。やっぱり手応えはあまりないけど、仰け反った。勢いも消えてる。それを確認してから私を殴りにきた方を対応、何発か殴ってトンファーで殴り飛ばす。

 相澤先生も後ろから捕縛布で援護をしようとしてくれてはいるけど、片腕しか使えてないのと敵の力が強すぎて意味を成してない。ワープの奴を見てる上に周りの雑魚にも対応しているからかあまり集中も出来てないし。

 ただ相手もそれが分かったのか2体とも目標を私に変えたからやりやすくはなった。

 

 敵の攻撃を避け、あるいは防いで殴る。この程度ならまだ魔力放出した私の硬さなら問題にはならないけど、こちらの攻撃もあまり効いてはいない。カラクリがわかればいいけど……。

 

「なんなんだよお前。なんでオールマイト用に調整したパワーとショック吸収の脳無相手に押してるんだよ……! ああ、そうか、生徒で入ったプロよりとんでもないやつ…チートかよ…予備の脳無まで持ってきたのに……」

 

 なんかまた逆ギレして体かきむしってるけど、いい事を聞いた。ショック吸収……殴りだと効かないわけだ、仰け反ってたのは杭打ちのように出している魔力放出でのダメージだけだったわけだ。

 

 けれどそれだけならやりようは幾らでもある。

 トンファーを回転、魔力を通して振るう。

 狙うのは手首、足首、膝肘肩! 

 

「冷たく、鋭く……切り裂け!」

 

 予想通り、単に肉体が硬くはあるけど斬撃には耐性の個性は無し。1体を無力化、2体目も切り裂いてワープと手の男に迫、ろうとしたところで無力化したはずの1体目から攻撃された。見ると切り裂いたところがくっついている。再生まで持ってるのか! 

 

「はははは! 所詮そんなもんかよ! 超再生を持ってる脳無には無駄だ! さっさとやっちまえ!」

「またペラペラと話す…本当に子供みたい。それに、私だけを相手してていいの?」

 

 伝えてから既にそれなりの時間は立っている。仮眠室にいたらしいから少し遅れることも考えてももう、来るよ。

 

 ほら、轟音と共に入口の扉が吹き飛んだ。

 

───もう大丈夫。私が来た!

 

 

 

 

 そのまま跳躍で広場の手前に跳んだオールマイトは相澤先生が牽制していた雑魚を一息で全員気絶させ、丁度岸にたどり着いていた梅雨達を階段の方に運び、私の隣に立った。

 

「竜胆少女、よくやった。あとは任せて離れたまえ」

「オールマイト…。いえ、相手はショック吸収と再生持ち、パワーも今のオールマイトに近い。私なら再生を阻害して無力化出来るので、少し引き付けてください」

「しかし……いや、君を信じよう。頼んだぞ!」

 

 その言葉と共にデカいのに突っ込むオールマイト。私は機会を伺う。

 手足を切っても再生されるなら、再生出来ない様にすればいい。片方を無力化出来たらもう片方も同じことをするだけ。アロンダイトを抜刀する───!

 

「一撃、一瞬で終わらせる。切開剣技、開始。繋げ──!」

 

 オールマイトがモロに何発か喰らいながらも片方と組み合った。もう片方に攻撃されそうではあるけど、抑えてくれている方の無力化を優先! 

 

「『今は知らず、無垢なる湖光(イノセンス・アロンダイト)』!!」

 

 流石に貫くと殺しかねない。だから四肢を本来のアロンダイトの様に切り裂く! アロンダイトは傷口の内側から魔力を炸裂させるが故に再生を阻害、一瞬で霧散する剣で無理に4ヶ所切ったから足は少し浅いけれどそれでも無力化は完了した。

 

 オールマイトはもう一体に殴られてふらついていたけど、私が切ったデカいのが青い光によって倒れたまま動けないのを見たのだろう、すぐ様に体勢を建て直して次の目標に向かおうとしている。私ももう一度アロンダイトの精製を…。

 

「このクソチートがよぉぉお!!?? 脳ぉぉ無!! イレイザーヘッドを殺せぇぇぇ!!!???」

 

「何っ!」

「なあっ!?」

 

 その叫びに反応して敵が進路を変えた。即座に追いついて私が足を切り、オールマイトが地面に叩きつけたけど、そのせいで砂煙が舞う。相澤先生も咄嗟に視線を向けてしまった。

 不味い、相澤先生の視線が切れた! 

 

 手の男の方に視線を向けると案の定ワープで逃げようとしている。いや、もう逃げられた。即座に逃げられる様に予めワープ可能な部位に包まれていた。オールマイトが来た辺りから逃げる準備をしていたか…! 

 

「オールマイト! そっちは…って、その様子は…」

 

 逃げられた事を確認し、オールマイトと相澤先生の方を振り返ったら、見えたのはピクリとも動かないデカいのとオールマイトが蒸気のようなものを吹き出し初めている姿。それに姿こそ変わっていないけどエネルギーは少しずつ、けれど確実に萎んでいってる。ここまで顕著なら見える。

 

「何発か良いのを貰ってしまった。まだ他の生徒を助けねばならぬというのに…情けない」

「いいえ、もう他の先生方も来た。今は任せましょう」

 

 相澤先生の視線の先には入口から入ってくる他の先生方。確かスナイプ先生…がそれぞれの訓練ゾーンに向けて弾を撃ち、セメントス先生を初めとした何人かがこちらへ向かってくる。

 

 もう大丈夫そうかな。

 

「竜胆、ここはもういい。お前はゲート前に集合しろ」

「わかりました。…オールマイト、それは聞かない方がいいですか?」

「! …竜胆少女、すまない。そうしてくれると助かる…」

 

 こっちの事も任せてよさそう。私は大人しくゲート前に戻ろうかな。

 ふむ、コスチュームが所々破れてる。敵の攻撃の風圧か摩擦でやられたか…。それにトンファーの回転機構も少しイカれたかな。いきなりプロペラとして使った上にあいつらを殴ったせいか。あれ、ちょっと、回転機構壊れたせいで外れない…! あっ、外れた、良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかの場所のどこかのバー。

 黒霧によって逃げ延びた死柄木弔は物に当たり散らかしていた。

 

「クソ! クソ! あのガキがぁぁ! なんなんだよアイツ! なんなんだよアイツ!!! 対オールマイト用の脳無がやられた! それも2体!」

 

 そんな状態を見兼ねたのだろう、バーのモニターから声を掛けられる。

 

『すまないね、弔。流石に生徒に脳無を抑えられるのは想定外だった。少し、調べなければならないかな』

『ううむ、オールマイトに拘りすぎて斬撃への耐性を持たせなかったのが失敗だったか。ところで、2体とも回収は出来なかったのかい?』

 

 それに答えるのは黒霧。

 

「件の少女にオールマイト、更に私はイレイザーヘッドに常に見られていました。むしろ脳無を囮にすることでギリギリ私たちは逃げられた」

 

『ふむ、これは少しプランに修正を加えなければダメかな。ドクター、使える脳無はどのくらい作れそうだい?』

『無茶を言いますな先生。ですが、そうですな…』

 

 悪は、まだ闇に潜む。




このままだと少しずつA組の経験値が足りなくなる気がするから、どこかで強化クエ実装しないとだめかな…。
とりあえず放課後にメリュ相手に訓練させるか。
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