つよつよドラゴンアカデミア   作:[ゆーや]

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祭りの屋台って美味しいよね

 

 雄英体育祭本番当日。

 

 控え室で眠気を堪える、といっても最近は暖かくなってきたから前よりは少しはマシではあるんだけどね。そもそも朝が辛いこと自体は変わらないから微妙なところ。

 まあ障害物競走が終われば私は暫く休めるからその時に仮眠しようかな。

 

 さて、そろそろ入場かぁ。

 おや、轟が緑谷に宣戦布告してる。皆も見てるね。なになに。

 オールマイトに目をかけられてる緑谷には負けたくないと。たしか轟はエンデヴァーの子供だっけ、そういうので思うところあるのかな。

 でも緑谷の方もやる気は十分あんなに正面から言い返すなんて、いつもの緑谷とは違うねぇ。

 

 少し疎外感を感じる。轟も緑谷も青春しているけど、私はまあ手加減しても負けることはないだろうし…。うーん、ちょっと気まずい。

 

「それに、竜胆。……USJの時、土砂ゾーンにいたからお前が戦ってるの、少しだが遠目から見えた。正直言うとお前に勝てるとは思わねぇ。けど、それでも負ける訳にはいかねぇんだ」

 

 へぇ。轟だけじゃない。爆豪も、緑谷も、梅雨もお茶子も皆私を見る目に諦めなんかが無い。これがPlus ultraってことかな。羨ましい。

 

「皆察しの通り、今回も私は色々特別ではあるんだけど…まあ、私に挑むというなら叩きのめしてあげる。待ってるよ」

 

 だからこちらも笑顔で答えよう。

 

 

 

 入場の時間。ある程度整列してスタジアムにはいる。解説はマイク先生か、まだ通路なのに聞こえてくる。

 しかしやっぱりこのスタジアムも広いなぁ。観客何人入ってるのか。これが1、2、3年で3つあるんだから雄英の凄さがわかるというもの。

 私はどれだけ見られていても気にならないけど、そうか、緊張とかもあるんだね。

 

 

 

選手宣誓!

 

 ああ、ミッドナイト先生。ということは前の話の時に居たのは今年の1年主審だったからかな。18禁ヒーローなのもあってガヤが多い。

 

「静かにしなさい!選手代表!1─A、竜胆鏡花!」

 

 呼ばれて台に上がる。めんどくさいけど入試1位がやるものらしく断れなかった。

 

「宣誓。……といっても、うーん…」

 

 正直、シードとかそういうのもあって何を言えばいいのかわからない。第1種目とかも知ってるし、正々堂々とかその辺の定型文も使えないんだよね。

 ミッドナイト先生もその辺を理解してるからか苦笑いはしているけど待ってくれているし。そうだね、えーっと。

 

「私はまあ色々特別で、君たちでは相手にならないし順位を付ける体育祭の仕様上、1位は私になる。これは宣誓でもなければ自信とかでもない、事実を述べているだけ」

 

 聞いていた普通科や他のクラスからブーイングが飛んでくる。観客席も困惑しているみたいだね。A組と、1部のB組は黙ってこちらを見てる。いや、その中の更に1部は睨んでいるかな?

 

「天と地の差、手の届かない遥か空の上に私はいる。だからこそ、そんな私を相手に届かないと見上げるだけで終わるのか、それでも手を伸ばして進むのか、自分で選ぶといい」

 

 炉心を燃やし、少し圧をかける。それはカリスマのようなものではく、強いて言うならば威嚇のようなもの。

 場は静寂に包まれ、けれど少しだけ音が聞こえる。無意識に下がった足を前に出そうと戻した足音が。

 

「私に言えるのはこれだけ。選手宣誓とは少し違うかもしれないけどね」

 

 纏っていた雰囲気を飛ばし、敢えてお茶目な感じを出しながら台から降りる。うーん、A組を見ると問題は無さそうなんだけど、ヒーロー科以外を見る感じ少しやりすぎたかな?

 

 けど、普通科やサポート科にもやる気があるのは何人かいたから問題は無いでしょう。

 

 

 

「さて、気を取り直して早速第1種目行きましょう!いわゆる予選よ!毎年多くの者が涙を飲むわ(ティアドリンク)!」

 

 現れたルーレットが回る。といっても私は知ってるから周りと同じような緊張はないけど。

 

「運命の第1種目!今年は……コレ!」

 

 種目が発表されると同時に私に集まるA組の視線。でも、これで終わりじゃないんだよね。

 

「計11クラスでの総当りレースよ!コースはこのスタジアムの外周4km!我が校は自由さが売り文句!コースを守れば何をしたって構わないわ!」

 

 詳しい中身は聞いていなかったけど、4キロか。私に飛べと言ったのだから基本的に空に障害物は無さそうかな。最高速までいけるか、5秒程度か……いや、他の子に配慮しないといけないから最初は加速を抑えないといけないか。

 

「更に!今年は特別ルールよ!今回1位の子はシード!その時点で第2種目をスキップして第3種目…最終種目にシード参加になるわ!」

 

 その説明を聞いて私を見ていたA組は悟ったね。みんな視線を外してスタート地点に進んでいく。

 

 

 入口が狭い……私の出番は少し待ってからだね。1番後ろで待機していようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

『さてイレイザー、他の奴らは先頭がロボインフェルノに入った辺りだが、スタートから一切動いてないアイツはどうしたんだぁ!?』

『竜胆か。大方スタート兼ゴール前が空くのを待ってるんだろ。なら今のうちに説明しておくか』

 

『想像の通り、今回のシードはあいつの為にある。とはいえ勘違いはするな。これはあくまで竜胆のためではなく、むしろ他の奴らの為を考えての特別措置だ』

 

『本来なら1位になれる実力があるならそれこそシードなんて邪魔なだけだ。なにせ自分をアピールする出番が減るんだからな。ただしアイツに関しては余りに実力が離れすぎてて他のやつが割を食う。オールマイトが学生に混ざって参加してたらオールマイトだけが目立って学生なんざ見ないだろう?それと同じことになる』

 

『だがそれではシードになる竜胆がこちらの都合で割を食う。だからこそこの障害物競走はあいつの得意なものを見せる為の種目でもある。理由は……見ればわかるだろう』

 

『説明なげぇー!でもサンキュー!おっと、そろそろ動くっぽいな!頼まれてたカウントとストップウォッチカモーン!』

 

 入口周辺は人が居なくなったから、手を振って合図をだす。

 よしよし、問題はないね。じゃあ、征こう。

 

『カウントするぜ!3、2、1───GO!』

 

 地面を離脱し、空へ。

 狭い入口を抜け、鋭角で左に曲がる。団子状態の人混みの上を抜け、巨大ロボの間をすり抜ける。

 もういいかな、一応配慮して音速ギリギリ前で止めておいた速度を解放、全力の加速。

 

 一瞬でロボゾーンを抜け、次の崖ゾーン?も抜ける。いや今のどうなってたの?どうやって地形作ったのかな。

 そんな事を考えてるうちに最後の…上から見たら何も無いゾーンも通過、慣性を無視して曲がりゴールを通る。

 

『ってもうゴールしてる!速ええぇぇぇ!タイムは、5秒ちょい!どんだけ速度出てんだよ!』

『最初は他の奴らの為に抑えてたな。本来ならもっと速いだろう』

『マジでオールマイトみたいじゃねぇか!』

 

 まあこんなものかな。とりあえず手を振ってアピールしておこう。

 さっきあんな事を言った分、歓声が凄い。ちゃんと結果も見せたことだし悪印象は取り除けたかな。

 

 カメラを見る限りまだまだ先頭はロボゾーンか、まだまだかかりそう。

 先にA組の席に戻って座ってようかな、第2種目もやらないことだし。

 

『おい、竜胆、勝手に……いや、邪魔になるよりかはいいか』

 

 相澤先生の許可も図らずとも出たことだし、うん、休憩しよっと。

 さっきは仮眠しようかと思ってたけど、全力で飛んだから結構頭がスッキリしてる。大人しく観戦しよう。

 

 

 先頭は変わらず轟、ついで爆豪か。競走なら飯田辺りが出てくるかと思ったけど、崖ゾーンで少し遅れたようだね。

 それに対し自分で氷で足場を補強して進んだ轟と短距離なら爆破で飛べる爆豪はあまりロス無く進んでる。瀬呂なんかの立体機動に優れたのも順調に進んでる感じだね。

 

 最後のところは…結局さっきは何も見えなかったけど、地雷原なのか。それは私には何も関係ないな。それに、同じくずっとでは無いけど飛べる爆豪が速い。

 

 緑谷…!あのボード、ロボットの装甲か。役に立つかもわからないのに崖ゾーンで捨てずに持ってきたのか!

 着地も爆破によって勢いの方向を変えつつ妨害。これは爆豪をずっと見てたからの発想か咄嗟の判断か。

 

 轟と爆豪を抑えての2位!…うん、2位。やっぱりちょっと気まずい。マイク先生も実質1位みたいなもんって言ってるからそう考えよう、うん。

 

 大番狂わせ、見てる分には面白くなってきたね…。

 折角だし次は何か食べながら見ようかな。さっき経営科が色々売ってたよね。ちょっと外行けば屋台も色々あるし。

 

 

 

 

 

 もぐもぐ。第2種目は2位〜43位で騎馬戦と。順位にポイントをつけてそれを争奪戦ね。2位…実質1位は1000万ポイント。それでもって今回も騎馬戦という形の中ならかなり自由ね。チーム戦かつ対抗戦…そりゃあ私は出られない訳だ。このたこ焼き美味しい。

 

 チーム分けはまあ基本的にA組B組で別れたね。緑谷のところにサポート科の子が入って、普通科の子は…あまりわからない。

 B組は知らないけど、轟のところが順当に強いね。というか推薦2人だし。

 

 あ、経営科、コーラ頂戴。

 

 試合内容はまあ緑谷チームが狙われるところから。へぇ、お茶子が浮かせてるとはいえ結構な機動力、私には必要ないけどそれなりに使えそう。

 

 って、爆豪飛んでるけどいいの?騎馬戦じゃなくない?

 いいんだ。それなら尚更私が出たらダメなやつだね。いや、私が出ないからこそ飛んでもOKなのかな?爆豪は短期的なものだし他の子も今見ている限り飛べる子はいない。

 

 たこ焼き無くなった。フランクフルト食べよ。

 

 あ、B組のチームが爆豪チームに不意打ちしかけたけど逆に爆破された。点数こそ奪われてはないけど、驚いてる。奪えるつもりだったのか。

 ……爆豪、私が何回か遊んであげたから周囲の空間把握というか警戒が結構研ぎ澄まされてるんだよね。それでも私を捉えるには遥かに足りないけど、あの程度ならいけるか。

 って、なんか滅茶苦茶キレてる。不意打ち失敗したのに煽ったの?

 

 焼きそばも買ってくればよかったかな…。いや流石に食べ過ぎかな?

 

 緑谷チームと轟チームがぶつかる。流石に範囲攻撃を2つ持ってる轟チームは強いか。防御面でも強い、速度面でも強い。これは緑谷チームは流石に辛いと思うけど…避けるね。

 

 あ、コーラも無くなっちゃった。どうしよ。

 

 ふーん、ずっと左側に位置取ることで氷の阻害してるのか。炎を使われたら終わるけど使う様子は見せないし…これは緑谷の分析勝ちか。

 爆豪もB組の片方下したし、最後までどうなるか。

 

 

 へえ、飯田速い。…!緑谷、避けた!A組は私の速度を見慣れているといっても、飯田も十分な速度が出ていた。感覚で動く爆豪ならともかく思考型の緑谷が避けれたのはそれだけ成長してるのか…!

 それに、緑谷は相手が高速で動くのには慣れていたけど、轟の方は自分が高速で動くのにはあまり適応出来ていなかった。これが飯田が手を伸ばしていれば別だったかもしれないけどそうじゃない。

 

 それと同時に爆豪が氷を破って突っ込んでくる。B組を下したか。

 初撃はダークシャドウが防いで瀬呂が回収していたけど、あと1分どうなるか。

 

 上手い。さっきの反動か動けていない轟チームを挟むことで爆豪が直接突っ込んでくるのを防いでる。

 

 これは終わりかな。緑谷はこのまま轟チームを挟んで爆豪チームから逃げればいい。

 轟チームは動けないけど範囲攻撃で爆豪チームを対処。

 爆豪チームは轟チームには範囲攻撃、特に雷のせいで近づけず緑谷チームは轟チームを盾にされてるせいでこちらも近づけない。

 

 試合終了、緑谷チームが見事に1000万ポイントを保って1位。

 見事な試合だったね。

 

 

 休憩は1時間ほど…。ご飯はさっき食べたから今回は改めて仮眠しよう。

 おやすみ。

 

 

 

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