ホロウ居座り放題のホロウレイダーは邪兎屋のファン   作:邪兎屋が好き

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素顔

「ヤベェ!アイツ滅茶苦茶しぶてぇぞ親分!?」

「一緒に戦ってるんだからそれくらいわかるわよ!前見なさい、前!」

 

何度攻撃しようとも一歩も下がらないデッドエンドブッチャーに焦る邪兎屋の面々。

 

『類似事例を検索……、ヒット。〝スカーフェイス〟大きな傷を負ったライオンが凶暴化し、強力な個体となった事例があります』

 

Fairyが場違いに類似例を話した次の瞬間、何処からかバイクのエンジン音が響いた。

 

「……ホロウにバイク?この音、どこから──」

「親分!前!前!」

「──え?」

 

他所を向いたニコへと自身の武器を振り上げたデッドエンドブッチャー。

しかし次の瞬間、デッドエンドブッチャーを眩しいヘッドライトが照らす。

 

「出血大サービスだ!」

 

爆弾が取り付けられたバイクから飛び降りたのはネム。

そのバイクはそのままデッドエンドブッチャーへと突っ込んで大爆発を起こした。

 

「──、─────!!!!」

 

後ろへとよろめいたデッドエンドブッチャーは、自らに強力な一撃を加えた相手を視認すると、先ほどまでとは比べ物にならないほど大きな叫び声を上げた。

それは、怨嗟に満ちた雄叫びのようでもあった。

 

「左腕壊されたのがそんなに憎いか?来いよ、お前の仇はここだぞ」

 

「─────!!!!!!」

 

耳をつんざくほどの大音声と共に、デットエンドブッチャーはネムへとその武器を振り下ろした。

先ほどとは比にならないスピードと威力。

あたりに凄まじい量の土埃が舞った。

 

「ネム!?」

「……っ軽い!」

 

デッドエンドブッチャーの一撃を右腕一本で抑え切ったネムは、それを大きく弾き返すと、改造された古式の回転式拳銃の激鉄を起こし、全弾を撃ち込む。

先ほどの一撃を防いだ余波でボロボロになったコートを脱ぎ捨てたその右腕は、月の光を反射してメタリックに輝いていた。

 

「高かったコートがお釈迦だな……。おい、ニコ!後どれくらい時間を稼げばいい?」

「後30秒!」

「了解だ」

 

スピードローダーを嵌め込み銃をリロードすると同時にデッドエンドブッチャーが起き上がる。

デッドエンドブッチャーの一撃を上体を逸らして避けると同時に、その胴体へ再び全弾を叩き込む。

 

10秒。

 

よろめいたデッドエンドブッチャーが起き上がり、武器を地面に叩きつけて瓦礫を撒き散らす。

ネムは後ろへと下がって避けるが、飛び立った瓦礫の一欠片がネムのマスクに直撃した。

マスクの液晶が砕けて光が消える。

完全に機能を失ったそれを()()は脱ぎ捨て、その素顔が顕になる。

 

20秒。

 

デッドエンドブッチャーへグレネードを投擲したネム。

それは、デットエンドブッチャーの体ではなく足元で炸裂し、デッドエンドブッチャーを転ばせた。

 

「……そろそろか、パエトーン?!」

 

〝まもなく 列車が到着いたします!線の内側までお下がりください〟

 

「うん、バッチリ!」

 

やってきた列車の上で腕を組むボンプ──パエトーンがネムの言葉に答えた。

転んだ姿勢からなんとか立て直して、再びネムを見据えたデッドエンドブッチャー。

しかし、それが動き出すよりも前に、高速の列車が壊れた線路を飛び出し、デッドエンドブッチャーに激突した。

 

「Fairy!仕事だよ!」

『はい、空気中の電荷を測定します──』

「ビリー!アンビー!」

「任せろ!」

「俺からも、オマケだ」

 

ビリーの銃弾とアンビーの剣が列車に乗せられたエーテル爆薬へと突き刺さる。いつのまにかリロードを済ませていたネムも回転式拳銃の銃弾を叩き込む。

 

『臨界電位差到達まで、残り4秒。3、2、1、0!』

「え?何も起きない?」

 

Fairyのカウントダウンが終了したにも関わらず、何も起こらないことに驚く一行。

 

「いつも通り何とかならないの!?」

 

デッドエンドブッチャーが列車を持ち上げ始め、咄嗟にネムを揺さぶるニコ。

 

『やり直します4.3.2.1.0!』

 

Fairyの高速カウントダウンと共にエーテル爆薬へと突き刺さったアンビーの剣に雷が落ちる。

大爆発の後、デッドエンドブッチャーは跡形もなく消えたのであった。

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