続・小説みつめてナイト 紅玉の双騎士【完結】   作:ケルティック☆タイチ

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【93】深淵の鏡

 五月の爽やかな朝靄の空気を切り裂いて、その艦隊はドルファン港の沖合を猛然と進んでいた。

印象的なグレイッシュブルーに塗られた船体が波を切り裂くその鼻先を、わずかにかすめた大砲の玉が激しい水柱を上げた。

轟音と共に激しく揺れる船上で、舵輪を勢いよく回しながらルシルが叫ぶ。

 

「うろたえるな!ボンクラ揃いのハンガリアやアルビアの弾なんぞ当たりゃしねえ! 全艦全速で続けぇ!!」

 

全部で八十隻を数えるドルファン海軍の艦隊は、ルシルのブルー・セレンディバイト号を先頭に数キロ先のドルファン港を目指していた。

 

 対するハンガリア・アルビアの合同艦隊は主戦力である軍艦のほぼ全て、そして艦隊の全艦を以てそれを待ち構えていた。

なぜなら狭いドルファン港に船を置いておく事は得策ではなく、また、ドルファン港には港湾防御の要、ズィーガー砲が控えているという背景があった。

要するにハンガリア・アルビア連合艦隊の全戦力を、ドルファン側はその半数にも満たない船で相手にしなければならないという事だ。

それだけの戦力差を前に、ルシルの取った作戦は大胆なものだった。

 

機動力で勝るブルー・セレンディバイト号を先行させて敵艦隊をかき乱し、それに続く海賊船たちで特攻をかける。

必然的に乱戦になるのは間違いないので、海賊得意の白兵戦を仕掛けて相手の船を潰し、すぐに次の艦へ攻撃を仕掛ける。

艦隊の隊列や陣形などまるでない。海賊たちの最も得意とする戦法をそのまま持ち込んだような作戦であった。

 

 もちろんそれが通用するような楽な相手ではない事は間違いないが、射程距離で有利なカノン砲を搭載した“白鷲”の船が敵の射程圏外から援護射撃をしている事と、足は遅いものの刻々と近づいてくる圧倒的火力と大きさを誇るシレーナ・ケ・カンタ号が与えるプレッシャーは確実に影響を与えていた。

 

「赤色燃料投入! 一気に抜いたらカノン砲発射! 敵船のどてっ腹に大穴開けてやれ!!」

 

メネシスの開発した爆発的な加速を実現する燃料をボイラーに叩き込み、おおよそハンガリア・アルビア艦隊の人間が想像も出来ないような超機動で海域を駆け回るブルー・セレンディバイト号もまた脅威であった。

蒸気機関の力で風に頼らずとも圧倒的な速度を出し、常識はずれの旋回を繰り返すその美しい船にハンガリア・アルビア合同艦隊はいい様に手玉に取られていた。

 

 

 後部デッキからカノン砲の連続斉射を繰り出したブルー・セレンは、砲身の冷却の為に銃身に海水をぶちまけながら、大きく旋回をして正面を敵船に向けようとしていた。

絶え間なく響く大砲の音と、周辺一帯を包み込む煙に一瞬顔をしかめたルシルは、口の中の渇きを癒すためにラム酒の瓶を呷った。

焼けるようなアルコールが喉を流れ下る感触を感じつつ、ルシルは戦況を見渡した。

ここまでは作戦通り。順調に戦えている所だった。

 

『ブリッジ!』

 

舵輪の脇に床から生えている伝声管から、天才船大工であるコーミン・キャプスタンの声が響いた。

 

「なんだぁ?」

 

ルシルがぶっきらぼうに答えると、コーミンは激しい怒鳴り声でまくしたてた。

 

『赤色燃料の連続投下でエンジンが焼き切れる寸前だ! ちょっと休ませないと船ごと爆発するよ! 無茶すんじゃないよ!!』

 

負けじとルシルも伝声管に向かって吠える。

 

「今無茶しなくていつするってんだ! 泣き言なんぞ言ってる暇があったら復旧急げ!」

『あんたの可愛いブルー・セレンが海の藻屑になってもいいの!?』

「そうさせない為にあんたらがいるんだろう! あの陰険眼鏡と一緒に天才なら頭ひねってなんとかしやがれ!」

『まったく、年上への敬意ってもんはないのかね!?』

「この戦いが終わったら肩でも揉んでやるよ!」

 

そう叫ぶと伝声管のふたを叩きつけるように閉める。

だが、実際に少しインターバルを取らなければいけない事は、煙突から昇る白煙の量からも明らかだ。

 

 ルシルは舌打ちを一つしながら再び戦闘海域へと目を向けた。

その瞬間、まっすぐ正面の先に浮かぶ一艘の軍艦が目に留まった。

メインマストの帆は赤一色に塗られ、荒ぶる猛牛が描かれたその旗はハンガリア海軍のものに間違いない。

そして、その船橋からこちらを睨みつけている一人の男と確かに目が合った。

 

 距離で言えば優に八〇〇メートル以上離れているにも関わらず、ルシルはその男の顔を確かに見えた気がした。

漆黒の鎧を身に纏い、金色の髪に青い瞳。ゲルタニア人らしい鷲鼻の若い男だった。

海賊として様々な海戦を経験してきたルシルは、過去にも似たような経験をしていた。

その時は敵対勢力の海賊団の船団長が相手だったのだが、同じようにかなりの距離が離れていたにも関わらず確かに相手を認識できた。

 

「面白れぇ。ここの頭はあいつか」

 

あの時はまさに死と隣り合わせの死闘を演じる羽目になった。

ルシルの猫のような瞳孔が細くきらめいた。

 

 

 

 ドルファン海軍の船の中で明らかに異様な雰囲気を持ち、常識では考えられない機動を見せるその船の登場に“猛る雷”エルヴィン・ハーンは思わず舌なめずりをした。

一か月あまり前にドルファンからプリシラ女王を乗せ、確実に逃げ道を潰したと思った矢先に目の前から驚異的な機動力で逃げられてしまったその船を、彼は片時も忘れた事はなかった。

シュバルツデスアプグルント騎士団の中でも五人しかいない隊長にまで上り詰めた彼が、前回の失敗で味わった屈辱はとても言葉では言い表せない。

その憎き船が今再び目の前に姿をあらわし、エルヴィンは言い知れない喜びを感じていた。

 

「ようやく会えたな、かわい子ちゃん。この前の雪辱、晴らさせてもらうぜ」

 

一人呟きながらその船影を追っていた時、その相手の船の船橋で舵輪を握る船長らしき女と目が合った気がした。

銀色の長く波打った髪と、日に焼けた褐色の肌。白に近い灰色の目がこちらをみつめている。

その射殺してきそうな眼力に思わず口笛を吹く。

 

「おいおい、想像以上のかわい子ちゃんだな。裏切り者の子猫ちゃんと瓜二つの騎士様はいないのか?」

 

隣に立つ船長が訝し気な視線をエルヴィンに向けたが、エルヴィンは一向に気にする様子も見せずに不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 同刻。ドルファン首都城塞の外れに位置する遺跡群。

その一番奥に位置する遺跡は場所的にも広大な遺跡群の一番奥にあり、さりとて取り立てて立派な神殿というわけでもないので、観光客やマイナーな遺跡の愛好家であっても訪れる者はほぼいない。

だからというわけではないのだろうが、この場所は古くから人目を避けるような事を行う際には人気があった。

 

最近で言えばティア・スリザーがフィオナを誘拐し忠正達を呼びつけたのもここだったし、遡ればロリィ・コールウェルが中等部の頃に誘拐された事もあったし、ヴァルファバラハリアン八騎将の一人がある東洋人傭兵と決闘を行ったのもこの場所だった。

そして、忠正の母ライズ・ハイマーがその東洋人傭兵と戦ったのもこの場所だ。

 

 そんな過去の事はつゆ知らず、その遺跡の一角の石造りのタイルを力ずくで動かしながら、忠正、ロゼッタ、パトリツィアの三人はドルファン首都城塞の城壁の下を抜ける秘密のトンネルを抜け出そうとしていた。

出入口を完全にカモフラージュしていたタイルをどけると、パトリツィアが周りを警戒しながら慎重に這い出てきて、それに続いて忠正、ロゼッタも姿をあらわした。

案の定、早朝の遺跡には人の影などまったくなく、木々が少ない為に鳥の鳴き声すらせずに風の音だけが不気味に響くだけであった。

 

「ここまでは順調ね」

 

シュバルツデスアプグルント騎士団の象徴である漆黒の鎧ではなく、動きやすさを優先して最低限の鋼で守られたライトメイル姿のロゼッタが言うと、ドルファン海軍の制服姿の忠正は小さく頷いてみせた。

 

「まあ想定通りではあるな。ここから銀月の塔まではそれほど距離もないし、途中の道は警備もほぼないはずだ。だが」

 

言いながら忠正は銀月の塔がある方向を眺めた。

 

「今夜は満月。もしかしたらすでにシュバルツの手駒が銀月の塔を警戒しているかもしれない」

「ヴァルデマールは銀月の塔の最上階……つまり屋上の展望台までは上ってくるのでしょう?」

「十中八九、そうだろう。あの塔は本来、月神信仰の儀式の為に月に近い位置として作られた特別な塔だ。月に一番近い塔の屋上で戴冠の儀を行うのはまず間違いない」

「じゃあ屋上に先行して、待ち伏せをするって事ね。屋上までの階段は狭いから、沢山の兵を上らせるわけにはいかないものね」

「逆にこの作戦を予測されていて、オレ達が待ち伏せをされている可能性だってある」

 

忠正の神妙な口調にロゼッタがごくりと唾を飲み込む。

だが、二人のやり取りを聞いていたパトリツィアが醒めた口調で口を挟んだ。

 

「とりあえず現地に行ってみませんか。行ってみない事には状況もわかりませんし、状況がわからなければ対処のしようもありません。それに、我々の目的が銀月の塔だという事をカモフラージュする為に海軍が暴れているのでしょう」

 

徹底したリアリストであるパトリツィアらしい意見だった。

忠正とロゼッタは顔を見合わせると、お互いバツが悪そうに苦笑した。

 

「重要な作戦だけに、少しナイーブになっていたかもしれないな。パトリツィアの言う通り、まずは銀月の塔まで行ってみよう」

 

忠正の言葉に、今度はパトリツィアが意外そうな顔をした。

 

「名前で呼ばれたのは初めてだわ。私がパトリツィアでいいと言っても、頑なにラストネームで呼んでいたのに」

 

そう言われた忠正は鼻の頭を指で掻いた。

 

「それは……まあ、最近までキミは素性がよくわからなかったし、なんというか、他人行儀だった事は認めるよ」

 

弟のそんな様子を見て、ロゼッタがわずかに意地悪な微笑を浮かべた。

 

「じゃあ、今はどう思っているの?」

「む……」

 

言葉に詰まった忠正にパトリツィアは不思議そうな顔をした。

こうやって感情を表情に出すというだけでパトリツィアがドルファンに来たばかりの頃からだいぶ変化している事に忠正は気づいていたが、逆にその無自覚な純粋さに思わず目を逸らしながらも小さな声で言った。

 

「その……、少なくとも、信頼できる仲間、だとは思っている」

「パティは最初から誰よりも信頼できる仲間よ」

 

ロゼッタがにやにやと笑いながら言うのに忠正が照れくさそうに苦笑するのを見て、パトリツィアは思わず声を出して笑ってしまった。

その年頃の女性らしい明るい笑い声に、忠正もロゼッタも思わず目を丸くしてパトリツィアの方を見た。

こんな風に笑うパトリツィアを見たのはロゼッタですら初めての事だった。

 

「さあ、行きましょう。銀月の塔へ」

 

いつも通りの無表情に戻ったパトリツィアが歩き出したのに、二人は慌てて後を追った。

 

 

 

 銀月の塔までの道のりは、不気味なほどに静かだった。

もともと閑散とした場所ではあるのだが、これから重要な儀式が行われる銀月の塔への道ならば多少の警備は出ていると思っていた忠正達は肩透かしをくらったような気分だった。

まるで嵐の前の静けさのような言いようのない不安を胸に三人は、やがてまるで眠っているかのように沈黙して空に向けてそびえる銀月の塔を視界に捉えた。

 

「いよいよ本丸だ。ここまで何もなかったからって、油断するなよ」

 

そう言いながら忠正は何かを発見して木の影へと身をひそめた。

それに倣ってロゼッタとパトリツィアも身を隠しながら、銀月の塔の一つしかない入口をのぞき見た。

 

 そこにいたのは、その巨体で入り口を塞ぐように立ち尽くす漆黒の鎧の騎士。

長さ二メートル近い両手持ち用の巨大剣ツヴァイヘンダーを背中に背負い、壁のようにそびえたつ“帝王の門番”ゴットフリート・ファン・デン・ブルクだった。

その漆黒の鉄仮面で表情をうかがい知る事は出来ないが、その兜の下の目が忠正達の方を確実に捉えていた。

 

「感づかれているな」

 

忠正の言葉にロゼッタが頷く。

 

「まさかあいつがヴァルデマールから離れるとは思わなかった。シュバルツの中で単純な武力で言えば、一番の脅威は間違いなくあの男よ」

 

わずかに張り詰めたロゼッタの声音からも、その脅威がよくわかる。

忠正はあえて不敵な笑みを浮かべてみせた。

 

「一番の脅威が出てきてくれて逆に良かったじゃないか。今のところこちらは三人。三対一ならこっちの方が有利だろう」

「一理あるわね」

 

すでに気づかれている以上、隠れていても無意味だと判断したロゼッタは、身を隠すのを止めて堂々とゴットフリートに向けて姿を見せた。

そして良く通る声を上げた。

 

「いつでも飼い主にベッタリの“帝王の門番”が主の元を離れるなんて、ようやく一人でお出かけできるようになったのかしら」

 

明らかな挑発だったがゴットフリートは意にも介さず、低くくぐもった声で答える。

 

「儀式前に妨害があるであろう事を陛下はわかっていらっしゃった。それがサリシュアンとその犬である事も、的確に予想されていた」

 

ロゼッタは小さく舌打ちをする。

 

「へえ。帝王様はなんでもお見通しってわけね。でも、あんた一人を現地に送るなんて戦力の配置は甘いんじゃないの? 私とパティの実力を知らないわけじゃないでしょう」

 

言いながら腰の刀に手をかけるロゼッタに対し、ゴットフリートは腕を組んで直立したままだった。

 

「陛下はお前の事も、その犬の力も、正しく評価している。どちらも十分に脅威になると認識しているし、そこの双子の片割れについても同等の脅威たり得ると感じている」

 

未だ木の影にいた忠正は、ゴットフリートの物言いに薄ら寒い重圧を感じていた。

この男には油断や慢心といったものも、戦いを前にした憤りや感情の高まりというものが一切ない。

あるのはヴァルデマールに対する絶対の信頼と忠誠だけ。

 

 忠正と同じプレッシャーを感じながら、それでもロゼッタは一歩前に出る。

 

「じゃあ帝王様のご高察通り、脅威は脅威らしくあんたを排除させてもらうわ。多対一で卑怯なんて言い訳しないでよ」

 

その言葉にそれまで事務的と言えるほどの無感情ぶりを発揮していたゴットフリートが、わずかに肩を揺らして低く笑った。

 

「多対一か。確かにそうであれば、私の方が圧倒的不利だろう。例え負けないにしても陛下の神聖な儀式の邪魔をしてしまうかもしれん」

 

その自信溢れる態度に忠正が警戒の声を上げる。

 

「気をつけろ、ローゼ。伏兵が隠れている可能性が高い」

 

だが忠正の言葉にゴットフリートは再び肩を揺らして笑った。

 

「安心したまえ。伏兵などおらんよ。ただ三対一では分が悪いので、二対二にしようというだけだ」

「二対二だと?」

 

忠正達が顔を見合わせる。

 

「パトリツィア・オーエンズ」

 

ゴットフリートに名前を呼ばれ、パトリツィアは怪訝な表情を浮かべた。

 

「ご苦労だった。本来の仕事に戻って構わん。誇り高きシュバルツデスアプグルント騎士団に戻ってきたまえ」

 

忠正とロゼッタが驚いたようにパトリツィアを振り返ったが、呼ばれたパトリツィアが一番驚いた顔をしていた。

 

「何を言っている! 私はシュバルツの一員なんかじゃない。私の魂はロゼッタ様と共にある!」

 

パトリツィアの怒りの反論にゴットフリートはまるで憐れむような声を出した。

 

「大変結構。だが、お前はシュバルツデスアプグルント騎士団の飼い犬であり、その魂はヴァルデマール陛下に捧げる為にあるのだ」

「戯言を……!」

 

心の底からの怒りを込めて顔を紅潮させるパトリツィアへ、ゴットフリートは言う。

 

「“漆黒の深淵を覗く時、深淵もまたお前を覗いている”。目覚めろ、ヴァルデマール様の犬よ」

「何を……!?」

 

その呪文のような言葉にロゼッタは眉根を寄せた。

シュバルツに潜入していたロゼッタでも初めて聞いた言葉だった。

戸惑うロゼッタの後ろから、突如パトリツィアが後頭部を狙った蹴りを放った。

 

「ローゼ!」

 

咄嗟に忠正がロゼッタを突き飛ばしパトリツィアの蹴りは空を切った。

だが、その蹴りは明らかに致命的なダメージを与えようとする全力の蹴りであり、人体の弱い部分を的確に狙った一撃だった。

 

 突き飛ばされたロゼッタは流石の反射神経で前転をしながら受け身を取り、着地と同時に声を上げた。

 

「パティ! 一体どうしたの!?」

 

パトリツィアはその声になんの反応も示さずに、拳にナックルダスターを握り込むと両手を上げて構えを取った。

その瞳は明らかに輝きを失っており、まるで焦点が定まっていないかのように虚ろだ。

 

「お前、何をした!」

 

ロゼッタが叫ぶが、ゴットフリートは先ほどと何も変わらない事務的な声で答えた。

 

「飼い犬に本当の飼い主を思い出させただけだ。首輪の綱を引いたに過ぎない」

 

その言葉が言い終わらないうちにパトリツィアがナックルダスターの一撃をロゼッタに放つ。

ロゼッタは必死に躱しながら距離を取る。

 

「パティ!!」

 

悲鳴に近いその声に忠正は昔読んだ文献を思い出していた。

 

「強力な暗示……一種の催眠のようなものかもしれない!」

「催眠!?」

 

ロゼッタの悲痛な叫びを楽しむかのように、ゴットフリートは再び低い笑い声を上げながら背中に担いだツヴァイヘンダーをゆっくりと前に構えた。

 

「さあ、五分五分の条件になったところで始めようか、二人の“サリシュアン”」

 

 

 

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