オレンジアカデミーを離れたトーマは今、カントー地方のセキエイ学園に向かう為のバスに乗っていた。
「おぉ! これがカントー地方のポケモン達か!」
バスの窓越しにトーマは見た事がないカントー地方のポケモン達を見て感動していた。
そうしてポケモンを見ているとあっという間にセキエイ学園に到着して荷物を持って自身が通う寮へとやって来た。
「ごめんなさいね。突然だったから貴方の部屋は一人部屋なのよ」
「大丈夫です。元々向こうでも一人部屋だったので気にしないでください」
ここの寮母さんの話だとこのセキエイ学園は二人部屋のルームメイトがいるらしいがトーマの場合はいきなりの留学という事で一緒に住むルームメイトが確保出来なかったらしい。
「ふぅ〜っ、疲れた・・・・」
トーマは荷物を部屋に置くと自身の部屋のベッドの上で思いっきり仰向けで寝転がった。
「ここがセキエイ学園。なんかポケモン達がイキイキしてていい感じの所だなぁ」
トーマは寮に向かう途中で見かけた学園のポケモン達を見てみんな自由に暮らしている姿を見てそれが良かったなと感じていた。
「さてと、明日の入学式の準備をして今日は早めに休もう。ただ俺は制服がオレンジアカデミーの制服だからめちゃくちゃ目立つだろうなぁ・・・・ハァ・・・・」
そう。留学という事もあってトーマの制服はセキエイ学園の制服ではなくオレンジアカデミーで使っていた制服をそのまま使っているので一人だけ違う制服な事にトーマはめちゃくちゃ緊張していた。
その後トーマは寮の庭で自身のポケモン達にご飯をあげると明日の準備をしてこの日は早めに休む事にした。
翌日、入学式で校長先生の挨拶が終わるとクラスメイト達との自己紹介が始まり、トーマの順番が回ってきた。
「初めまして! トーマです! パルデア地方のオレンジアカデミーからの留学生としてこのセキエイ学園にやって来ました。といってもみんなと同じ様にわからない事だらけなので色々教えてもらえたら嬉しいです! よろしくお願いします!」
そう言ってトーマが頭を下げると周りから拍手が送られてきてトーマはこのクラスの一員になれたと思いそれを嬉しく思った。
それからはクラスメイト達が次々と自身の相棒となるポケモン達とのご対面にみんな喜びやら興奮やらでやたら騒がしかった。
「えぇと。最後にトーマ君ですが、貴方はオレンジアカデミーからの留学生という事でポケモンは既に持っているんですよね?」
「あっ、はい! 俺にはもう大切なポケモン達がいます!」
「へぇスゲェ!」
「どんなポケモン持ってるの?」
「見せて見せて!」
「えと、あの・・・・ちょっと・・・・」
トーマはグイグイくるクラスメイト達に圧倒されてどうしようかと考えていると一人の女子生徒が慌てて廊下を通り過ぎる姿を見て、トーマはそれが気になった。
「ごめんみんな! 急用を思い出したからその辺についてはまた明日って事で! それじゃあ!」
そう言って他のクラスメイト達を振り切ったトーマはさっきの女子生徒を追って学園中を探し回った。
「たく、何処に行ったんだ?」
トーマはどんなに探しても見つからない女子生徒の事を考えていた。さっきは一瞬しか見えなかったが、あれは明らかに慌てている顔だった。入学初日からそんな事があるなんて何かしらのトラブルが起こったに違いないとトーマは考えていた。
そうしてトーマは学園中を探し続けている時だった。
「そんなとこ、危ないよ!」
「ん?」
トーマは上の方から聞こえてきた声に耳を傾けるとそこには先程の女子生徒が何かに呼びかけている場面を目撃した。
「いた! けど何してるんだ?」
「あっ! 待って! そんな・・・・ダメダメダメ!」
「ニャーッ!」
「嘘っ!?」
するとニャオハが女子生徒のいる別の建物の方へとジャンプして女子生徒はニャオハを受け止めようとするがニャオハは女子生徒の顔に着地する。しかしそれによってバランスを崩してそのまま地面に落下してしまった。
「うわーーーーっ!」
「ニャーーーーっ!」
「っ!? ゲッコウガ! 頼む!」
「コウガ!」
トーマがモンスターボールを投げると中から彼の相棒のゲッコウガが飛び出してきて落ちてきた女子生徒とニャオハをゲッコウガが地面に激突する前に受け止めるとトーマとは反対方向の所に着地したゲッコウガは女子生徒達を抱えたままトーマの所へ戻って来た。
「サンキューゲッコウガ。おかげで助かったよ」
「コウガ」
ゲッコウガは女子生徒とニャオハを下ろすと目を瞑って両腕を組んだ。
「あっ、あの・・・・」
「ん? あぁごめんごめん。大丈夫? 怪我はない?」
「あっ! はい! 大丈夫です! 助けてくれてありがとうございます! ってその制服!? オレンジアカデミーの!?」
「あぁそういえば自己紹介がまだだったな。俺はオレンジアカデミーからの留学生で名前はトーマ。それでこっちが相棒のゲッコウガだ。よろしくな」
「コウガ」
「あっ、私リコっていいます。それでこの子が私の相棒のニャオハ・・・・ってあれ?」
リコはニャオハは紹介しようとするとニャオハが近くにいない事に気づいた。
「ニャオハならほらあそこに・・・・」
「ええっ!? あぁもう何で!?」
トーマが草むらに入って行くニャオハを指で示すとリコは慌ててニャオハの事を追いかけた。
「おいリコ!? 戻れゲッコウガ!」
それを見ていたトーマはゲッコウガをモンスターボールに戻してリコの後を追いかけた。
こうしてトーマとリコは出会い、物語が動き始めました!