リコの相棒ポケモンとして彼女の所へやって来たのはくさねこポケモンのニャオハだった。しかしニャオハはリコの側を離れて好き勝手にあちこち動き回ってしまいもう大変。そんな2人と出会ったトーマはリコとニャオハを追って草むらの中へと入っていった。
「もう何で!? 素敵な相棒を見つけてくれた筈じゃあ・・・・っ!?」
そうしてリコが辿り着いたのは夕日に輝く綺麗な湖だった。その美しさに見惚れたリコはその場に体育座りした。
「綺麗な所だな」
「あっ、さっきの!」
「トーマ。それが俺の名前だ。隣いいかな?」
「はっ、はい! どうぞ!」
そう言われてリコの隣にトーマが座る。
「(何で何で!? 何でこの人ここにいるの!? もしかして私何かやっちゃった!?)」
リコは何故トーマがここにいるのか分からず心の中ではパニック状態だった。
そんなトーマと反対側のリコの隣に今度はニャオハがやって来た。
「ニャオハ!? 良かったぁ!」
リコは喜びのあまりニャオハを抱き抱えると自身のほっぺをニャオハのほっぺにスリスリしていた。
「ス〜、いい香り・・・・アイタッ!」
抱き抱えたニャオハの匂いを嗅いだリコの鼻をニャオハは引っ掻くとそのまま学園の方へと一人で戻って行った。
「何で・・・・」
「もしかしたらニャオハは匂いを嗅がれるのが苦手なのかもしれないな」
「えっ?」
落ち込んでいたリコにトーマは声をかけた。
「ニャオハの苦手な事?」
「そう。ポケモンだって人間と同じ様に好きな事や苦手な事がある。それを知る為にもポケモンとトレーナーのコミュニケーションは必要不可欠なんだよ」
「ポケモンとトレーナーのコミュニケーション・・・・凄いね。トーマさんってベテランのトレーナーみたい・・・・ってちょっと待って!」
「ん? どうかしたか?」
「トーマって名前で・・・・オレンジアカデミーの生徒で・・・・それでいて相棒はゲッコウガって・・・・もしかして、チャンピオンランクのトーマさんですか!?」
リコはこれまでのトーマに関する情報からトーマがチャンピオンランクのトレーナーである事に気づいた。
「あれ? 俺の事知ってるの?」
「知ってるも何も私、チャンピオンランクのトーマさんとネモさんのバトルを両親と一緒にテーブルシティまで見に行ったんですよ!」
「そうなのか!?」
「はい! あの時のバトルは2人も2人のポケモン達もホントに凄くて! それで私、両親に相談して学校に通いたいって話したら両親が許可をくれて2人が通ってたこのセキエイ学園に来たんです!」
「そうだったのか。何か照れるな・・・・」
トーマは自分達のバトルがきっかけで新しい目標を見つけたと言われると頭の後ろを引っ掻きながら照れていた。
「それより俺達も戻ろう。っとその前に折角だからお互いの連絡先交換しないか?」
「いいんですか!? 是非お願いします!」
こうしてこの日はトーマとリコは連絡先を交換した後にそれぞれの部屋へと戻って一日は終わった。
その翌日・・・・
リコはルームメイトのアンとバトルフィールドでポケモンバトルをしていた。
「ええっと・・・・ニャオハ! この、あっ!」
ニャオハはリコが指示を出すより先に飛び出して勝手にひっかくで攻撃しようとしていた。
「ミジュマル! みずでっぽう!」
「ミジュ!」
「ニャーーッ!」
「わあっ! ごめんニャオハ!」
「ニャー・・・・」
ミジュマルのみずでっぽうが直撃したニャオハは後方へと吹き飛ばされた。
「それじゃあバトルにならないよ」
「いつも無茶ばっかして何考えてるのか分かんない(わっ、ブーメラン。もしかして私とニャオハは似た物同志?)」
「あとさ、お互いのしたい事分かりあってぶつけなきゃ・・・・って聞いてる?」
「あっ、ごめん! うん。頑張る」
「その子の言ってる事も一理あるな」
「あっ、トーマさん!」
「さん付けはいいよ。普通にトーマで」
そこへトーマもやって来た。
「あれ? リコの知り合い? ってうちの学園と制服違うけど・・・・誰?」
「失礼だよアン! この人はトーマさんっていってチャンピオンランクの凄い人なんだから!」
「えぇマジ!? それってチャンピオンと同じくらい強いって事!?」
「まぁ、一応・・・・」
「スッゴーーイ!」
アンは目をキラキラさせながらトーマにグイグイ近づいていった。
「私、リコのルームメイトのアンっていいます! 気軽にアンって言ってください!」
「わかった。よろしくアン。俺の事もトーマで良いから」
「OKトーマ! ここで会ったのも何かの縁! 折角だから私とバトルしない?」
「ええっ!? そんなの悪いよアン! いきなりバトルなんて「別に良いぞ」って良いんですか!?」
こうしてアンとトーマのバトルが始まろうとしていた。
「使用ポケモンは1体、どちらかのポケモンが戦闘不能になったらバトル終了。それで良いか?」
「OK! 私はこの子で行くよ!」
「ミジュ!」
アンはミジュマルを送り出してきた。
「なら俺はコイツだ!」
そう言ってトーマはモンスターボールを投げた。
「フィア!」
「可愛い!」
「ロトム! あのポケモンは?」
『ニンフィア、むすびつきポケモン。フェアリータイプ。大好きなトレーナーの腕にリボンの様な触覚を巻きつけて一緒に歩く』
アンはボールから出てきたニンフィアを可愛いと思い、リコはロトムにニンフィアの事を聞いた。
「ニンフィアって確かイーブイの進化系でしょ? 私初めて見た!」
「へぇ、良く知ってるな。コイツは俺が小さい頃から一緒にいる大切な友達なんだ」
「フィア」
アンもニンフィアというポケモンの存在は知っていたらしくその実物を初めて見て興奮していて、トーマがニンフィアの頭を撫でるとニンフィアも嬉しそうにしていた。
「それじゃあバトルを始めようか! 先手はそっちからどうぞ!」
「それじゃあ遠慮なく! ミジュマル! みずでっぽう!」
「ミーージューーッ!」
「かわせ!」
ニンフィアはミジュマルの技を軽々回避する。
「もう一回みずでっぽう!」
「ひかりのかべだ!」
「ミッジューーッ!」
「フィーーアッ!」
ミジュマルのみずでっぼうはニンフィアのひかりのかべによって防がれてしまった。
「何で!?」
「ひかりのかべはみずでっぽうの様な特殊な攻撃を弱める効果があるのさ」
「そっか! だったらたいあたり!」
「ジャンプしてかわせ!」
ミジュマルのたいあたりをニンフィアはジャンプしてかわした。
「スピードスター!」
「フィーーアッ!」
ニンフィアは尻尾からスピードスターを放つと下にいたミジュマルに直撃した。
「ミジュマル!?」
「トドメのムーンフォース!」
ニンフィアの頭上に月の様なものが現れるとニンフィアの正面から光の球が放たれてそれがミジュマルに直撃して爆発が起こった。
「ミ〜ジュ〜〜」
「ミジュマル!?」
「勝負ありだな」
「やっぱり強い」
ミジュマルが戦闘不能になるとアンは慌ててミジュマルに駆け寄り、そのバトルを見ていたリコは改めてトーマがどれだけ凄いトレーナーなのかを実感した。
「大丈夫ミジュマル?」
「ミジュ・・・・」
「ありがとう。ゆっくり休んでて」
アンは抱き抱えていたミジュマルをモンスターボールに戻すとそんなアンにトーマはゆっくりと近づいた。
「トーマ、ありがとう! 本当に強いんだね!」
「いやいや、俺だって今の実力に満足してる訳じゃないし。でもいいバトルだった。またやろう!」
「うん! 次は絶対負けないから!」
トーマとアンは再戦を約束して握手をした。
「(いいなぁ・・・・私もあんな風に誰かとバトルして仲良くなりたいなぁ・・・・)」
リコはそんなトーマとアンの姿を羨ましそうに見ていたのであった。
次回もお楽しみに!