トーマとアンのバトルが行われてから数日が経過したある日・・・・
「よし! 今日はここまでにしておこう!」
最近のトーマは夜になるとポケモン達と軽くトレーニングをする様になった。その帰りでの事だった。
「このは!」
「ん?」
トーマは以前リコと一緒に来た湖の近くを通りかかるとリコとニャオハが技の練習をしているのを目撃した。
「リコ達も頑張ってるんだな。俺達も負けてやれないな」
そう言ってトーマはリコ達の邪魔にならない様に部屋へ帰った。
それから数日が経過したある日、アンとリコがベンチで話をしている横でトーマがニンフィアにブラッシングしている時の事だった。
「ミジュマルご機嫌だね」
「ニャオハは?」
「う〜ん。多分昼寝」
「あっ、見て2人とも飛行船! 珍しいよ!」
「へぇ〜そうなのか・・・・ん? どうしたリコ?」
「何か心配事?」
「良いよねミジュマルもニンフィアも」
「ニャオハの事? 自由でイイじゃん」
「そうかな?」
「そうだよ。ポケモンの中には色々考えすぎて戸惑っちゃう奴とかもいるし、そういうポケモンと比べたら全然良いと思うよ」
「だね。自分の事知ってもらうのって難しいじゃん。ニャオハも同じかも。もっと自分の事伝えなきゃ」
「そうなんだ・・・・」
しかし自分の事を表現するのが難しいと考えているリコにとってそれはとても厳しい課題となっていた。
数日後・・・・
「・・・・何やってんだ? アレ?」
トーマが見かけたのはニャオハの行動を細かくメモに取って観察するリコの姿だった。
「まぁあれだ。コミュニケーションの取り方は人それぞれだからな。うん」
という感じでトーマは無理矢理納得した。
それから日は沈み夜になるとリコとニャオハはここ数日の日課で湖の側での特訓を初めていた。
「よし! ニャオハ! このは! ってあれ?」
リコがニャオハに指示を出すがニャオハはその場で丸くなってしまう。
「ホント、気まぐれなんだから」
「やってるな」
「あっ! トーマ!」
しかし変化もあった。数日一緒に過ごす内にリコはトーマの事をさん付けも敬語も使わなくなっていたのだ。
「んじゃ、今日も始めるか!」
「うん! お願い!(トーマには最近ニャオハとの特訓に付き合ってもらっている。トーマのアドバイスは的確で私としてもとても助かっています)」
「頼んだぞ! リーフィア!」
「フィア!」
「今日もよろしくね。リーフィア」
「フィーアッ!」
トーマはモンスターボールからしんりょくポケモンのリーフィアを出してニャオハのお手本をお願いしているのだ。
「それじゃあ良く見てろよニャオハ。リーフィア! マジカルリーフ!」
「フィーーアーーッ!」
「ニャオハ・・・・」
リーフィアが草の吹雪いっぱいのマジカルリーフを湖に向かって放つとニャオハはそれに見惚れていた。
「こんな感じだ」
「うん。ニャオハ! このは!」
「ニャオハーーッ!」
ニャオハもそれに鼓舞されたかの様に一生懸命このはの練習をする様になった。
そして一息入れる為に休憩している時の話は次の大型連休についての話になった。
「トーマは今度の大型連休はどうするの?」
「う〜ん。実家のあるカロス地方に帰っても良いけど折角カントーに来たんだし、少し旅に出てみよう思ってるんだ」
「旅?」
「あぁ、カントーの見た事ないポケモン達をゲットしたり、バトルしたり、まだ見た事ない色々な所に行ってみたりしようと思ってるんだ」
「素敵だね」
「リコもどうだ?」
「えっ? 私も!?」
「あぁ、リコのニャオハへの向き合い方を見てれば分かるよ。リコってホントはポケモンが大好きだろ? だから俺やニャオハと一緒にちょっとした冒険してみないか?」
「冒険。私が? 出来るかな・・・・」
「大丈夫だって。俺はカロス地方とパルデア地方を旅してきたし、何よりリコも知っての通り俺はチャンピオンランクだからな。だから大抵の事は何とかなるって。後はリコがどうしたいかだけど・・・・どうする?」
「私は・・・・」
「ニャ?」
リコはニャオハを見ながらどうするか考えていると決断を下した。
「私、行きたい! トーマやニャオハと一緒に冒険したい!」
「決まりだな。そうと決まれば色々準備しないと・・・・っとその前に」
「ん?」
「リコにはまだ紹介してなかった仲間達がいるからな。この機会に紹介するよ。みんな出てこい!」
そう言ってトーマは既に出ているリーフィア以外の残りのモンスターボールを投げると中からポケモン達が出てきた。
「コウガ!」
「フィア!」
「アーロー!」
「ワウッ!」
「ガーブ!」
トーマはゲッコウガ、ニンフィア 、ファイアロー、ルカリオ、ガブリアスをモンスターボールから出してリコに紹介した。
「わぁ! この子達がトーマのポケモンなんだね!」
「あぁ! みんな! 改めて紹介するよ。俺の新しい友達のリコとニャオハだ。みんな仲良くしてくれよな!」
「初めまして! リコです! こっちはニャオハ。まだまだ未熟者だけど、よろしくね!」
「ニャオハ!」
トーマの掛け声とリコ達の挨拶に合わせてポケモン達もそれぞれ声をあげてよろしくと言ってくれた。
そうしてリコとニャオハがトーマのポケモン達と触れ合っている中でトーマは手に取った一つのモンスターボールに目を向けていた。
「ごめんな。お前とのご対面はまた今度な」
そう言ってトーマはミライドンが入ったモンスターボールをポケットにしまった。
次回、物語が動き出しますのでお楽しみ!