ニャオハを連れてブレイブアサギ号から離脱したアメジオ達を追ってトーマは近くの港に降り立った。
「ガブリアス。ご苦労さん。ゆっくり休んでてくれ」
「ガーブ」
「さてと、ルカリオ!」
トーマはガブリアスをモンスターボールに戻すと今度はルカリオをボールから出した。
「ニャオハの波動を感じられるか?」
「ワウッ!」
ルカリオはニャオハの波動を探し始めた。
「おーい!」
そこへフリードとキャプテンピカチュウを乗せたリザードンがやってきた。
「えっと確か・・・・フリード、さん?」
「フリードで構わない。しかしお前もあの子に負けないくらい無茶するな」
「いえ、これくらい慣れてますから」
「慣れてるって、それでニャオハは?」
「ちょっと待ってください。ルカリオ、どうだ?」
「ウウ・・・・・・・・ワウッ!」
「そうか見つけたか!」
「なるほどな。ルカリオの波動の力でニャオハを探させたのか」
「はい。これでニャオハを助けに行けます!」
フリードはルカリオの波動の力でニャオハを探させていた事をすぐに理解した。
「よし! そうと決まれば早速「待ってください!」 ん? どうした?」
「フリードさんは先に戻ってこの事をリコや他の人達に伝えてください」
「何っ? お前はどうする?」
「俺はこのままニャオハのいる場所まで行ってみます」
「待て待て!幾らお前がチャンピオンランクだからって一人で行くのは危険すぎる!」
「わかってます。でも救出するならどんな場所なのか事前調査は必要です!それに心配しなくても一人で全部解決するつもりなんてないですよ。それよりも今はニャオハがいなくなって心細い思いをしているリコが少しでも希望を持てる様にしてやりたいんです。お願いします!」
「・・・・本当に大丈夫なんだな?」
「はい。あと俺の事はゲッコウガに探させればすぐに追いつけると思うので大丈夫ですよ」
「ゲッコウガに? どうしてだ?」
「俺とゲッコウガの心は繋がってるんです。だからアイツなら俺がどこに居るのか分かるんですよ」
「何だそりゃ? そんな話聞いた事ねぇぞ」
「聞いた事なくても事実ですよ。だから俺の居場所が知りたかったらゲッコウガに探させてください。そうすれば俺の所に辿り着けますから。それまでにこっちも情報を集めておきます」
「・・・・わかった。けど念のため俺の連絡先を教えておくから何かあったらすぐに連絡しろよ」
「了解です」
トーマとフリードはスマホロトムで連絡先を交換した。
「よし、行くぞ! リザードン! キャップ!」
「リザーッ!」
「ピカッチュウ!」
そしてフリード達はブレイブアサギ号へと戻って行った。
「よしルカリオ。俺をニャオハの所へ案内してくれ」
「ワウッ!」
トーマもまたルカリオの案内でニャオハを捕らえたエクスプローラーズの所へ向かった。
その頃リコは祖母からペンダントをもらった時の夢を見ていた。
「わぁ綺麗!」
「これをつけていつかリコも冒険に出る日が来るんだろうねぇ」
「来るかな? 冒険って怖いよね」
「怖いのは最初の一歩だけ。踏み出せば見た事ない景色が広がって怖かった事なんて忘れてしまうのさ。ポケモンが一緒なら大丈夫!」
そんな出来事を思い出しながらリコは目を覚ました。最初はここが何処だか分からなかったが、それからすぐにここはブレイブアサギ号の中だと理解して、ニャオハが連れ去られた事も思い出した。
「(ニャオハを絶対に取り返します!)」
「コウ」
「ゲッコウガ?」
そこへ壁に寄りかかりながらリコの様子を見ていたゲッコウガがリコに声をかけた。
「トーマ、大丈夫かな?」
「コウ」
「えっ? 大丈夫って言ってるの?」
「コウガ」
ゲッコウガには分かっていた。トーマの事を感じて彼が無事である事を・・・・
「そっか、そうだよね。トーマならきっと大丈夫だよね」
「コウガ」
リコの言葉にゲッコウガは肯定の意味を込めて頷いた。
その後リコは学園の制服に着替えてゲッコウガと共に部屋の外へ出るとそこには船の損傷をチェックをしていたオリオに遭遇した。
「ん〜っ、旗がなくなってるな・・・・あっ! おはよう! ゆっくり寝られ・・・・るわけないよね」
「あの、ベッドと制服ありがとうございました」
「あー良いの良いの! 気にしないで!」
「おう起きたか? 飯できてるぞ!」
そこへ朝食の準備を終えたマードックが出てきた。
「えっ?」
「マードックの料理は一流なんだ!」
「ん〜っ、良い匂い」
「ホゲーッ!」
そこへホゲータと共にモリーもやって来た。
「アタシの好きなスープだ」
「正解!」
みんなの朝から元気な姿を見てリコはどうしたら良い分からず戸惑っていた。
「あの、私・・・・」
「ニャオハを取り返しに行くんだろ?」
「えっ?」
「ホゲーッ!」
「いまフリードが、トーマとエクスプローラーズを追ってる」
「そういう事だ。気持ちだけ焦っても碌な事はない」
「(やっぱりこの人達、悪い人達じゃないのかも)」
リコは励ましてもらった事で少しずつこの人達の事を信じてみようと思い始めていた。
「きっとフリードが手掛かりを見つけてきてくれるから!」
「おっ! 噂をすれば!」
そこへリザードンに乗ったフリードとキャプテンピカチュウが船に戻って来た。
「よう! 起きたか?」
「ニャオハとトーマは?」
「すまない。トーマはこの先の港で見つけたんだが、エクスプローラーズの方は見失っちまった」
「そう、ですか」
リコはニャオハを見失ったと聞いて気を落としてしまった。
「そんなに落ち込むな。奴らの居場所なら多分もうわかってる」
「っ!? それ、どういう事ですか!?」
フリードの言った言葉にリコは食いついた。
「トーマが持ってるポケモンの中にルカリオがいる事は知ってるか?」
「はい。知ってます」
「ルカリオは波動ポケモンって言われていてな波動と呼ばれる目に見えない力を感じ取る事が出来るんだ」
「はぁ・・・・」
リコはフリードの言いたい事がイマイチ理解出来ていなかった。
「あぁつまりだな。その波動を使えばニャオハの居場所がわかるって事だよ」
「本当ですか!?」
「あぁ、だからトーマは今頃ニャオハが捕まってる所へ向かってる筈だぜ」
「そっか、トーマが・・・・」
「けどよぉ、一人で行かせて大丈夫なのか」
トーマが一人で向かっている事をマードックが心配していた。
「それなんだが、トーマの話によればゲッコウガとトーマの心は繋がってるからゲッコウガならトーマを見つけられるんだとさ」
「何それ。そんな事あり得るの?」
「俺もそう思ったんだが、ゲッコウガはどうなんだ? トーマの居場所わかるのか?」
フリードの言葉をオリオが疑うとフリードはゲッコウガにその事を質問するとゲッコウガは何も言わずに目を閉じた。
『・・・・ルカリオ。ここで間違いないんだな』
『ワウッ!』
「・・・・コウガ」
ゲッコウガはトーマの存在を感じ取り、居場所が分かるという意味を込めて頷いた。
「マジかよ・・・・」
「アンタ達、一体何者?」
それにフリードとモリーは驚きを隠せずにいた。
「ゲッコウガ! 私をトーマの所に連れてって!」
『えっ?』
リコはゲッコウガにトーマの所へ連れて行く様に頼んだ事にその場にいた全員が驚いた。
「私とトーマでニャオハを助けに行きます!」
「そう寂しい事を言うな。相手はエクスプローラーズ。ポケモンのいない今の君じゃ危険だ」
「フリードを信じてやってよ」
リコがゲッコウガと2人でトーマの所へ行こうとするのをフリードが止めるとオリオがフリードを信じる様に言ってきた。
「それに、君のお母さんにボディガードを頼まれた以上、君を危険な目にあわせる訳にはいかないだろ?」
「えっ? 初耳です」
「あれ?」
『なっ!?』
「言ってなかったか?」
「アンタまた・・・・」
リコはフリード達がリコを守る為に来た事をいま初めて知った。フリードが大切な事を伝え忘れるのは良くあるらしく他のメンバーは呆れていた。
「それは置いといて」
「(置いとかれた)」
「まずは飯食おう。良い匂いだ」
「いま持ってく」
そうして一同はまず朝食を食べる事にしたのであった。
そうしてる間に船は港に到着した。
「んじゃ、とりあえずトーマに連絡を取ってみるか・・・・」
ロトロトロト・・・・
『はい。トーマです』
「フリードだ。どうだ? 連中のアジトは見つかったか?」
『えぇ見つけましたよ。見た目は工場っぽいですけど、どうやら船に来たあの3人しかいないみたいです』
「マジか? 流石だな。今からそっちに向かうから合流するまで勝手な事するなよ」
『了解です』
「んじゃ、俺とマードックとゲッコウガでトーマの所に向かう」
「アタシは船の修理」
「それじゃあ貴女には私の手伝いをお願いしようかな。ポケモンセンターにキズぐすりを取りに行くんだ」
「ええっと・・・・」
「ニャオハを助けに行きたい気持ちはわかるが、ここは俺達に任せてくれないか?」
「・・・・わかりました。ニャオハの事、お願いします! トーマにも無理しない様に伝えてください」
「わかった。必ず伝える。それじゃあみんな・・・・」
するとフリード達はみんなそれぞれ右手の拳を合わせると何らかのサインを交わしてそれぞれ行動を開始した。
「あそこがポケモンセンター。もう注文は済んでるし、あとはコレを渡せば分かるから行ってきて」
「って、一緒に行かないんですか?」
リコが一緒に来ないのか聞くとモリーは手を振るだけだったのでリコは仕方なく一人でポケモンセンターに向かった。
「ポケモンセンターにようこそ!」
「あの、注文した物を受け取りに・・・・」
「はい。確認しますので座ってお待ちください」
そう言われてリコは待合室の席に座って大好きなグルミンの動画を見ながら待っていると・・・・
「ジョーイさん!」
「どうしました?」
「この子を助けてください!」
するとそこへ怪我をしたロコンを連れたその子のトレーナーと思われし女の子がポケモンセンターに駆け込んできた。
「大丈夫。心配しないで。すみません! 先に良いかしら?」
「えっ? あっ、はい!」
リコも最初は自分に言われている事に気づかなかったが状況をすぐに理解してジョーイさんに返事をした。
「すぐに良くなるわ。待ってて」
その間にもジョーイさんのパートナーのラッキーがロコンをストレッチャーに乗せて奥の治療室へと運んでいた。
「大丈夫?」
落ち込んでいる女の子にリコは声をかけた。
「初めてゲットした子だったの。上手く指示が出来なくて、それで怪我させちゃった。私の所為・・・・」
「(私だけじゃないんだ。どうしよう。ニャオハが今頃怪我してたら・・・・)」
その子の話を聞いてリコもまたずっと我慢していたが急に不安になってしまっていた。
その頃トーマはトーマはエクスプローラーズの拠点から少し離れた場所で待機していた。
「あまりに無防備すぎる。もしかして誘ってるのか?」
トーマはアメジオ達はこちらに仕掛けてくるのではなくこっちから仕掛けてくるのを待っているのではと考えていた。
「おーい! トーマ!」
「っ!?」
そこへゲッコウガに案内されてフリードとキャップ(キャプテンピカチュウの略)、マードックとイワンコがやって来た。
「フリードさん」
「遅くなってすまない」
「まさか本当に辿り着けるとはなぁ」
マードックは本当にゲッコウガがトーマの居場所を分かっていても辿り着けるとは思っていなかったから驚いていた。
「ゲッコウガ。ありがとな」
「コウガ」
トーマはゲッコウガをモンスターボールに戻した。
「ここに奴らがいるのか」
「はい。でもどんな仕掛けがあるのか分からないので迂闊に行動出来なくて・・・・」
「そうか。でも良くやった。後は俺達が・・・・」
「あの! 俺にも最後までやらせてください!」
「トーマ・・・・」
「今こうしてる間にも本当はリコも不安に思っていると思うんです! 初めてのポケモン! 初めての相棒! それが突然目の前からいなくなったんですよ! 俺は少しでも早くニャオハを助けてリコを安心させてあげたい。だからお願いです! 俺にも協力させてください!」
トーマは必死に自身の考えを訴えかけて頭を下げてフリード達に頼み込んだ。
「けどなぁ「わかった」フリード!?」
マードックは反対しようとしたがフリードは了承してしまった。
「ただし、俺の言う事をちゃんと聞く事。それが条件だ。それにリコからお前に無理しないでって伝言も預かってるしな」
「リコが俺に・・・・」
「そう言うわけだ。やるなら俺達みんなでやるぞ! いいな?」
「はい!」
それからトーマ達はニャオハを救出する為の作戦を考え始めるのであった。
次回もお楽しみ!