お久しぶりです。
更新が出来ず申し訳ございません。
諸々の事情で思う様に執筆できなくなっておりました。
不定期ではありますが必ず更新しますのでよろしくお願いします。
そしてお気に入り数100到達ありがとうございます。
面白いと思って頂ければ嬉しいです。
「うおおおおっ!!!?」
現在、
突然の事態に混乱しながらも、自身が水中にいると理解した少年こと葵 龍也は直ぐ様個性を発動し体制を整える。
(落ちてくる時に一瞬だが船が見えた。恐らく水難ゾーンか)
龍也は状況を整理しつつ周囲を見る。個性によって水中でも問題なく呼吸を行える分、ゆっくり見渡すことができるのだ。
(・・・・・・?)
すると、何かの気配を感じた龍也は再び周りを見る。
水難ゾーンの池に魚がいる筈はないので十中八九奴らだろうとアタリをつけ、龍也は水中を見回しながら進む。
気配がした方へ近づくと、龍也の視界に紫の影が映った。峰田が口を押さえてジタバタ藻掻いていたのだ。
(マズい!)
それを見るや龍也は勢い良く飛び出した。何故なら峰田の奥にもう一つ気配があったからだ。
気配の正体は案の定
ピラニア
(まずは一人ィ!)
心の中でそう呟き、ニタニタしつつ口を勢い良く閉じるが、ピラニア
(・・・・・・何だ!? ガキは何処へいった? )
見ると峰田の姿はなくなっていた。
あのガキは息を止めるだけで精一杯だった筈なのにどうやって、とピラニア
「ふごぉっ!?」
「ふうっ、ギリギリセーフだったな」
そのまま力なく水中に浮かぶピラニア敵の頭上には峰田を抱えた龍也がいた。
実は
(早く水面に・・・・・・!)
その頃、息の限界が近づきつつある峰田は意識が朦朧としていた。その為大急ぎで龍也は水面に浮上。峰田が呼吸出来るように抱える位置をずらし、顔を上げさせた。
───その時だった。
「蛙の癖に、どうして中々おっp・・・・・・は?」
不意に峰田が龍也の胸へ顔を押しつけたのだ。
どうやら龍也を蛙吹と勘違いしたようで、峰田は脳内で思い描いていた乳房の柔らかな感触ではなく、鍛え上げられた大胸筋の硬さに絶句していた。
「・・・・・・悪かったな、俺で」
「ウワァァァァァァァァァ!!!!」
先程までの静けさをぶち壊すような峰田の悲痛な絶叫が響き渡る。だがこのままでいると
そのまま船室前の通路部分へ転がる様に隠れた龍也へ、男女の声が。
「葵ちゃん(くん)!」
声の主は蛙吹と緑谷だった。合流を果たした龍也達は現状を把握するべく話し合う。
「良かったわ。無事だったのね」
「ああ、何とかな。二人の方こそ怪我はないか?」
「私達なら大丈夫よ」
「っ、梅雨ちゃんのお陰で助かったんだ」
どうやら蛙吹達も同じ様な流れでここに籠城していたらしい。無事を確認した事で、龍也は一先ず胸を撫で下ろしてみせた。
「ところで、峰田くんは何を・・・?」
そう言う緑谷の視線の先では、峰田が床に手をつき何やらブツブツと呟いている。内容を聞き取れない程にか細い声だが、見るからに不穏な雰囲気を纏っているので何となく想像はつくだろう。
それを目の当たりにした龍也は顔を引き攣らせ、視線を向けてくる蛙吹と緑谷に事の次第を説明した。
「峰田くん、何て執念なんだ・・・・・・」
欲望丸出しの行動に緑谷は引き気味になり、蛙吹からは表情が消える。するとゆらりと立ち上がった峰田が龍也へ詰め寄った。
「クソ、クソッ!何で、何で邪魔すんだよぉ・・・オイラのラッキースケベをよぉ!?」
「いやいや、自業自得だろ」
「峰田ちゃん・・・・・・」
「そんな目でオイラを見るなぁ!!!」
「と、とにかく話し合おう!まずはこの状況を切り抜けないと!」
◇
敵の襲撃などなかったかのようなテンションの峰田だったが、緑谷の一声がきっかけで徐々に落ち着きを取り戻した。そしてようやく本題となる話し合いが始まる。
「まさかこんな事態になるなんて」
「・・・あの
「どこかから漏れたのか?」
「単純に考えれば、怪しいのはこの前のマスコミが侵入した時かな。おそらく、奴らが情報を盗むためにマスコミを手引きしたんだと思う」
「なるほど、辻褄は合うわね」
実際の所、この緑谷の推察は当たっていた。龍也と蛙吹も納得した様子であるが、ただ一人峰田だけは引き攣った笑みを浮かべて問いかけた。
「でっ、でもよ、オールマイトを殺すなんて出来っこねえさ! あんな奴らオールマイトなら一瞬で倒しちまうぜ!」
「・・・それはどうかな」
「連中に殺せる算段があるから、こんな無茶とも思える襲撃をしてきたんじゃないの。峰田ちゃん」
「そ、そんな・・・・・・冗談だよな? なぁ?」
蛙吹の一言で峰田は再び青くなる。龍也と緑谷も落ち着いた様子に見えるが、内心では現状がいかに深刻な状況であるかを改めて認識していたのだった。
◇
「マズいな、囲まれてる」
ふと龍也がそう呟く。その言葉に峰田が恐る恐る船外を見ると、既に
「ったたた大漁じゃねぇか!やべえって!」
「・・・・・・待て、突破口ならある」
慌てふためく峰田を制止し、龍也は水面の方を見つめながら言う。すると蛙吹と緑谷も目を見開きながらその視線を龍也へと向ける。
「なあ緑谷、この状況をどう見る?」
「危険であることに変わりはないけど、確かに妙だ。現状
「俺も同感だ。それと、連中は俺達の個性を知らない可能性が高い」
龍也の発言を受けた緑谷は大きく頷いた。そもそも水中戦を想定している時点で、
「
「確かに、もし私の個性を知ってたなら火災ゾーン辺りに飛ばすと思うわ」
「つまり俺たちの手の内はまだ知られていない。だからこそ多勢に無勢、且つ連中に有利な状況で確実に潰しに来てる訳だが・・・」
「それなら私の個性について改めて説明するわ」
こうして、四人は蛙吹から順に個性の詳細を話していった。
まず蛙吹は「蛙」。
高い跳躍力や壁に張り付いて移動ができるなど、蛙っぽいことは大体できる。
次に龍也は言わずもがな「水龍*1」。
緑谷は「超パワー」(便宜上の呼称)。
オールマイト並みのパワーを出せるが使えば手足が自壊する、まさに諸刃の剣。
峰田は「もぎもぎ」。
頭髪に当たるボール状の物体をもぎる事ができる。もぎった後はあらゆるものにくっつくが、峰田自身にはくっつかずブニブニと跳ねる。またくっついた状態は峰田の体調次第で維持される時間が変わる。(体調が良ければ一日くっついたままの事も)
そして説明が終わると、緑谷がなにやらブツブツと独り言をし始めた。
緑谷はブツブツと言いながら舷墻の前まで来ると、龍也達の方へ振り返り口を開く。
「三人共、僕に考えが────」
そう緑谷が言いかけた時、突如として船が前後に割れた。
「うわあああ!!! 船がぁ!?」
「っ! 何だ!?」
「へっへっへ・・・・・・。これであの船は一分と持たねぇだろうよ」
「
龍也は驚きながらも水面の方を見る。するとそこではエイリアンのような
加えて周囲の
「マジかよ・・・・・・このままじゃ沈没するぞ!」
その言葉通り、真っ二つに切り裂かれた船は徐々に逆ハの字に沈みつつあり、もう間もなく完全に沈没してしまうことが伺える。
「・・・・・・やるしかない」
「お、おい緑谷・・・まさか戦うとか言うんじゃねぇだろうな・・・?」
怯え切った表情の峰田が聞くと、緑谷は握り拳にした右手を見つめて頷く。
「僕に、考えがあるんだ」
「待て待て待て!オールマイトを殺せるかもしれない連中なんだろ?オイラたちが敵うわけねえって!考え直せよ緑谷ぁ!?」
「そうは言っても、考えてる間に船が沈んだらそれこそお終いよ。峰田ちゃん」
「兎に角考えとやらを聞かせてくれ、緑谷」
龍也が言うと、緑谷は小さく頷き自身の“考え”を話し始める。そして状況が状況である為、駆け足気味に緑谷が話し終えると、龍也が待ったをかける。
「ちょっと待った。その作戦なんだが・・・・・・」
そう言いながら龍也が緑谷へ耳打ちすると、途端に緑谷の顔が驚愕に染まる。
「い、良いの?かなり負担を強いることになるけど・・・」
「水中に強い俺が、ここで体張らないでいつ張るんだよ。覚悟は出来てるぜ」
「わかった。ならそれでいこう」
かくして、作戦会議を終えた龍也は
「うおおおおおお!!」
と、龍也が雄叫びを上げながら飛び出した。強化された脚力で空高く飛び上がると、体を丸めて回転する。
「ハハッ、所詮はガキだな! 突っ込んで来やがった!」
「任せろ、撃ち落としてやる」
「ふっ、はあッ!」
空中ならば避けられない、と勝利を確信したエイリアン
「何ッ!?」
「セェヤッ!!」
自信満々の一撃が外れ、驚く
セルキー直伝の、全体重を片足に乗せて放つ得意技だ。
「ぐほぁっ!」
そして龍也は蹴りを入れた
「おい!一人やられた、急いで探せ!」
まさかの反撃に動揺する
「チッ、何処にいやがる・・・・・・おごおッ!?」
(隙あり!)
直後、龍也は水中に潜った
(前に二人、後ろにもいやがるな)
続いて前方から、銛と鋭利なヒレをそれぞれ構えて迫る
そして銛の先端を掴むと自身に引き寄せ顔面に膝蹴りを当てて撃破。
もう一人の
そして右ボディブローからアッパーのコンビネーションでKO。
(よし、これで四人目・・・・・・っ!?)
四人の
「がっ!?」
ソレは瞬く間に現れた。ピラニア
幸いにも龍也は個性を発動していたため、鱗によって浅く済んだ。だがピラニア特有の牙が鱗に引っかかってしまい離れにくくなってもいた。
「このっ、クソ! 離れろ!」
龍也がピラニア
「ぐっ、あぁっ!」
やがて、突き刺す痛みとともに龍也の腕から血が流れ始めた。真っ青な水に紅い霧がゆっくりと広がっていく。
(マズい! 早くコイツを振り解かねえと・・・!)
龍也の表情に焦りが見え始めた、その時だった。
(ヒヒッ、このまま噛み殺してや──ブフォッ!?)
「サイナラ」
突如、上から現れた蛙吹がピラニア
「梅雨ちゃん!?何で・・・・・・いや兎に角助かった!」
「急に音がしなくなったから急いで来たの。間に合って良かった」
そう言って蛙吹は微笑み、龍也も釣られて口元が緩む。
「そういや緑谷と峰田は?」
「作戦通り、広場の手前にいるわ。」
「うっし、じゃあ始めるか」
「あまり激しく動いちゃ駄目よ。既に出血してるんだから」
「肝に銘じておくよ」
そうして二人は頷き合うと、同時に船へと向かう。
直ぐ側まで到達すると、周囲に
(よーし・・・・・・ふんッ!)
全身にグッと力を込めると、龍也の体が先程より少し大きくなる。そして沈んでいた
「ケロォッ!!」
蛙吹は
「これぞ即席カエルハンマー、だな」
「急ぎましょ。早くここから出なくちゃ」
「そうだな。行こう!」
◇
「二人共!無事だったんだね!」
「いや無事じゃないだろ!? 腕見てみろよ!?」
「ちょっと噛まれただけだ。血ももう止まってる」
「・・・つーかよく立ち向かえるよな・・・・・・。オイラなんて怖くて動けなかったってのに」
「俺だって怖いさ。でも、救けるって約束した人がいるんだ。こんな所で死ぬ訳にはいかないだろ?」
そんな龍也の言葉に峰田のみならず緑谷も何か思う所がある様な表情になる。ただ蛙吹はじっと龍也を見つめていた。
「その人が誰なのか気になるけど、それは無事に戻ってからね」
「お、おう」
「葵に気を取られちまって触れなかったけど、蛙吹も何であんなに冷静でいられるんだ・・・?」
「その話は後。行きましょ峰田ちゃん」
そして広場に到達した四人を待ち受けていたのは、想像を絶する光景だった。
「ふぃ〜っ。ようやく着いたぜ」
「意外と浅瀬が長かったな」
「相澤先生は・・・・・・なっ!?」
「そ、そんな・・・まさか」
それは、脳ミソが剥き出しの大男に組伏せられる、血まみれの相澤の姿だった。
出血以外に片腕は折られ、左肘は筋繊維が露出しているなど、見るも無惨な状態である。
「ハッハッハッハ! お前じゃ脳無には勝てないぜ! なんてったってオールマイト並のパワーなんだから」
「それじゃ、終わらせてやるか。・・・・・・やれ。脳無!」
すると脳無と呼ばれる脳ミソ
そしてそのまま相澤の頭がコンクリートの地面へ叩きつけられようとした時だった。
「・・・・・・なっ!?」
咄嗟に相澤を救わんと飛び出そうとした龍也の視界が、黒く染まる。
「うぐおっ!?」
突然脳無が相澤を離し、何故か龍也へ急接近。そのまま圧倒的なパワーで殴り飛ばしたのだ。
「・・・・・・葵ちゃん!?」
余りの速さに蛙吹達は遅れて振り返る。相澤もまた倒れた姿勢のまま吹っ飛んだ龍也の方を見つめる。
そんな視線の先では砂埃が巻き上がり視界を遮っていた。
「・・・・・・オイ。オイオイオイ」
すると、何故か敵である筈の死柄木も酷く動揺していた。
死柄木は顔に貼り付いた手のような物を片手で抑えながら、こう漏らした。
「嘘だろ、何で・・・・・・何で脳無が勝手に動いてる!?」
USJ編はあと2話あります。
次回の後書きで事前に作っていたリクエストBOXとアンケートを実施しますのでご協力頂ければ幸いです。