機動戦士ガンダムSEED SOLID   作:赤バンブル

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モラシム隊はいなかった。


PHASE:13『三人の戦争?』

ザフトの攻撃に警戒しながらもアークエンジェルの航海が順調に進んでいる一方、オペレーション・スピット・ブレイクに備えて地上に降下したアスランたちは、ジブラルタル基地で久々の合流をしようとしていた。

 

「お願いです、隊長!奴らを追わせてください!!」

 

アフリカでの失敗もあってイザークは、再会して早々クルーゼにアークエンジェル追撃の許可を求める。

 

「イザーク、今の君は感情的になり過ぎだ。」

 

「しかし」

 

「失礼します。」

 

そこへ降下したばかりのアスランと二コルが第2ブリーフィングルームへと入ってくる。二人は、彼の顔の傷に驚きながらも相変わらずの様子に少しばかり安心した。

 

「確かに足つきがデータを持ってアラスカに入るのは何としても阻止しなくてはならない。しかし、その任務は既にカーペンタリアの方に任されている。」

 

「これは本来我々の仕事です、隊長!アイツは最後まで我々の手で!!」

 

「ディアッカ、君の意見はどうかな?」

 

「イザークと同じ気持ちです。俺も奴らには散々屈辱を味あわされているので。」

 

「その気持ちは私も同じだ。しかし、スピット・ブレイク開始までの準備をしなければならない以上、私は基地から動くことはできん。そこまで言うのなら君たちだけでやってみるかね?」

 

「はい!」

 

クルーゼの提案にイザークの表情が緩む。

 

「では、イザーク、ディアッカ、ニコル、アスランで隊を結成し、指揮はそうだな・・・・アスラン、君にやってもらおう。」

 

「えっ?自分が!?」

 

まさかの指名にアスランは、動揺する。その反面イザークは、自分が選ばれなかったことに屈辱を感じていた。

 

「カーペンタリアの方で母艦を受領できるよう手配する。直ちに移動準備にかかれ。色々因縁のある艦だ。難しいと思うが君に期待するよ、アスラン。」

 

クルーゼは、彼にそう言うと部屋を出ようとする。

 

「っと、一つ注意しておくことがあった。実は先日足つきと接触したモラシム隊がやられたらしい。」

 

その一言に4人は、クルーゼの方を見る。

 

「まさか、全滅!?」

 

「いや、隊長であるモラシムとモンロー艦長たちクストーのクルーたちは、3日前ゴムボートで漂流していたところを救助された。しかし、問題なのは彼らが漂流することになった原因だ。」

 

「足つきの攻撃で沈められたのではないのですか?」

 

クルーたちが生存していたことに安堵しつつも二コルは、漂流していたことについて疑問を感じた。アークエンジェルとの戦闘で船が大破したのなら潜水母艦である以上、全員が脱出できるほどの時間があったのか怪しい。

 

「モラシム本人の話では足つきの襲撃に失敗後、クストーに帰投して早々、どこからともなく侵入してきた謎の男に襲撃されて艦を掌握されたらしい。その後、仲間が合流してきて武器を取り上げられた上に水と食料を与えられ、我が軍の領海に放流されたと・・・悔し泣きをしながら語っていたよ。」

 

「おいおい・・・男一人に艦を掌握されるなんて悪い冗談だろ?」

 

クルーゼの話を聞いてディアッカは、苦笑いする。しかし、彼は真顔で否定する。

 

「それだけではない。ここ最近地上軍の間では妙な噂が多い。前線に向かったモビルスーツ隊が消息を絶ったやら、気球で吊るされた兵士たちが上空へ飛んで行くのを見たと言う証言もある。現にこのジブラルタルでも盗難・消息事件が相次いでいる。脱走も疑われているがね。」

 

「えぇ・・・」

 

「時期が時期だ。大事な作戦を前にそんなことで騒いでいるわけにもいかない。君たちも注意してくれたまえ。」

 

「「「「・・・・ハッ!」」」」

 

アスランたちは、何とも言えない顔で敬礼をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『流石だな、ボス!仕事の途中とは言え、ボズゴロフ級をモビルスーツ数機セットで奪うとはな!!これは予想外の収穫だ。』

 

「運よく、母艦が浮上してくれたからな。ハッチから侵入してクルーを全員無力化できた。」

 

『今のダイアモンドドッグズの規模でモビルスーツの生産は厳しいからな。今後、規模がデカくなれば独自開発も可能になるだろうがそれもまだまだ先だ。ザフトには悪いが母艦諸共大事に使わせてもらおう。家のスタッフも大喜びだ。』

 

「だが、やはり連中もオセロットの報告にあった作戦についての詳細は知らなかったようだ。」

 

ヴェノムは、無人島でマザーベースとの通信を行っていた。近くではモラシム隊から奪ったクストーと搭載されていたディン、ゾノを点検するスタッフたちが動き回っている。

 

『「オペレーション・スピット・ブレイク」だったか。表向きは連合側で唯一宇宙港が残されているパナマを墜とすという話だがどうもキナ臭い。』

 

「あぁ、元ザフトのスタッフも『戦争を終わらせる大規模作戦』だとしか聞いていない。パナマを墜としたところで連中が満足するとは思えん。」

 

『地球軍もアークエンジェルが来るまでの間じっとしているわけでもないからな。恐らく不完全な状態でもモビルスーツの量産を始める筈だ。そうなれば本部のアラスカとパナマに重点的に配備されるだろ。』

 

「その辺は、あの男からの情報を待つしかないな。」

 

『俺たちもそれに合わせて今まで以上に力を蓄える必要があるな。今の規模じゃ、連合の総攻めであっという間に沈められる。』

 

「それにしてもこの通信機よく繋がるな。Nジャマーでほとんどの無線が使えないというのに。」

 

『家の技術班の総力の結晶だ!今は時々回線が乱れるが改良して行けば問題なく通信できるようになるだろう。ボス、強奪した潜水母艦をこちらに向かわせた後は、引き続き護衛を頼む。』

 

「はあ・・・正直、イシュメール(ボス)には見つかりたくないな。遠くから見たがあのストライクとかと言う機体・・・・動きがやばいぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを知る由もなく、アークエンジェルは航海を続けている。

 

海中戦に備えてOSの調整を終えたスネークは、食事を取りに食堂へと足を踏み込む。

 

席ではトールたちがカズイを囲んで話をしていた。

 

「どうした?みんな揃って。」

 

「あっ、キラ。聞いてくれよ。カズイの奴がさ、アラスカに向かう途中でオーブに寄ってくれねえかなって愚痴ってたんだ。」

 

「なんだ、お袋さんたちが恋しくなったのかカズイ?」

 

彼は、席を空けてもらうとカズイの横に座る。持っていたノートPCにはアラスカまでの航路が映されており、途中でオーブとの分かれ道があった。

 

「そんな訳じゃないよ!?でもさ、本当はこんな予定じゃなかったじゃないか。元は直接アラスカに降りるだけのはずだったのに。だったら、なって。」

 

「でも、寄ってどうするのさ?私たち、作戦中だから除隊もできないのよ?」

 

「そうだけど・・・・」

 

何気ない会話を聞いている間、スネークはトールから食事の盆を受け取って食べ始める。最初こそ、敵の襲撃で緊張感があったがここ数日、何もないことから世間話をしていられるほど今のアークエンジェルには余裕が感じられた。

 

「それはいいが・・・・カガリの奴はどうした?」

 

「あっ、あの子か。フラガ少佐と一緒にスカイグラスパーで付近の見回りに行ったぜ。マードック曹長は止めたんだけど他に乗せられそうなパイロットもいないし、少佐一人じゃ負担が大きいって言う理由で強引に許可を取り付けていたっけな。」

 

「あのじゃじゃ馬娘にも困ったもんだ。そのぐらいなら俺が行けばいい話だろう。どこかで撃ち落とされてなければいいが・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定、スネークの心配は的中し、カガリはムウと別れて早々ザフトの輸送機を発見していた。

 

「なんだ!?こんなところに地球軍の戦闘機が!?」

 

しかも運悪く輸送機のパイロットたちからも発見されてしまったため、引き上げてムウを呼ぶ暇もなくなってしまう。もし、援軍ならただでさえ戦闘を避けたいアークエンジェルにとって厄介な敵を増やすことになりかねない。

 

「クソ、こんな状況じゃ戻ると艦の居場所を教えるようなもんだ。やるしかない!」

 

意を決した彼女は、輸送機の銃撃を避けながら攻撃をしようとする。

 

「機長、何が?」

 

「地球軍の襲撃だよ!君はモビルスーツのコックピットに。最悪、機体をパージさせる!」

 

「しかし」

 

「輸送隊である俺たちにとって積み荷が壊されるのは恥なんだよ!早く行くんだ!!」

 

「は、はい!」

 

予想外の襲撃に対して驚きつつ、アスランは急いでイージスの方へと向かう。

 

輸送機はお情け程度に積まれている機関銃でスカイグラスパーを被弾させることに成功したものの、ビーム砲が右翼に直撃して機体が大きく偏る。

 

「クッ!これだから、ディンを護衛に付けてくれとあれほど申請したって言うのに上層部の連中は・・・・ダメだ、持たない!高度を下げて機体をパージする!!」

 

『貴方がたは?』

 

「そのあと脱出するさ!気遣いはいらん!」

 

『了解。』

 

機長たちとの通信を終えるとアスランは、後部ハッチからイージスを降下させる。

 

カガリの方も何とか機体を制御しようとするがスカイグラスパーは、火を吹きながら近くの無人島へと墜落していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん?カズ、島に何か落ちてきたぞ?」

 

その様子を離れたところからヴェノムが目撃していた。

 

『ザフトの戦闘ヘリか?』

 

「いや、見たところアークエンジェルに載っていた戦闘機だ。島の反対側にはモビルスーツが降下していくのを見た。」

 

『戦闘で撃ち落とされたか・・・先に輸送隊を引き上げさせたのが幸いだったな。しかし、パイロットが生存していたら俺たちの存在を見られる可能性がある。ボス、母艦に戻るのは一旦中止だ。彼らの様子を見て場合によっては・・・・』

 

「分かってる。」

 

通信を切ると彼は、悟られないように密林の中へと入り、最初にモビルスーツが落ちた方角へと向かって行く。近くまで行くと銃声が聞こえ、海岸の岩陰から双眼鏡で覗き込むとカガリがアスランと対峙しているところだった。

 

「若いな・・・二人とも10代と言ったところか。」

 

一瞬の隙をついてアスランは近くの崖を駆け登り、彼女の隙をついて銃を取り上げて背負い投げをした。

 

「クッ!」

 

自分から奪った銃も撃てないように押さえ、彼はナイフを突き刺そうと振り上げる。

 

「動くな。」

 

「!?」

 

カガリが悲鳴を上げている中、背後から声にアスランは、背筋をゾッとさせる。そこには銃を持った屈強な体格の男が立っていた。

 

ヴェノムは、二人から武器を取り上げると身元品を確認した後に一時的な措置として手錠をかけた。

 

「良い歳した若いもんが銃を撃ち合うもんじゃない。」

 

彼は、銃撃で負傷したアスランの手当てをしながら呆れたように言う。近くではカガリがギャアギャアと騒いでいる。

 

「貴方は何者なんだ?そこの彼女と同じように地球軍でもなさそうだが・・・傭兵?」

 

「俺は誰でもない。呼びたければエイハブとでも呼んでくれ。」

 

「エイハブ?」

 

「さて、これでいいだろう。応急処置でもいいがそれだと傷が残る。プラントでの治療なら綺麗に治せるが地上だと施設が限られている。」

 

そう言うと彼は、岩に腰を掛けて電子シガーを吸いながら鎮座しているイージスを眺める。

 

「俺は、拘束しなくていいんですか?」

 

「君は、今置かれている状況を理解しているだろう。もうすぐ日が暮れる。モビルスーツ1機で俺たちを始末したとてこんな無人島しかない場所だ。エネルギーの無駄になる。それなら仲間に救助要請をすればいい。捜索に時間がかかるだろうしな。」

 

「・・・・」

 

アスランは、ヴェノムの得体の知れなさを感じつつもイージスのコックピットに乗り込んで、チャンネルを回して通信を行おうと試みる。

 

「どの回線も繋がらない・・・」

 

「救難ビーコンはあるか?海にやれば信号を拾って迎えが来てくれるはずだ。」

 

「分かりました。」

 

天気も荒れ、雨が降り始める。二人を他所にカガリはどうにかしようと尺取り虫のように動き回っていたが、雷に驚いて磯に転げ落ちてずぶ濡れになる。

 

「何やってんだ、あのお嬢さんは。」

 

「揃って、なに眺めているんだ!?早く助けろ!動けないんだよ!!」

 

「自分の立場が分かっているのか?」

 

呆れながらアスランは、彼女を引き上げる。

 

ヴェノムは、雨を浴びながら感慨深そうな表情を浮かべていた。

 

「エイハブ、どうしたんですか?急に険しい顔をして。」

 

アスランに声をかけられて彼は、我に返る。

 

「うん?あぁ・・・・昔のことを思い出してな。あの日もこんな風に雨が降ってたなっと思ったんだ。」

 

そう言うとヴェノムは、カガリに付けていた手錠を外す。

 

「何のつもりだ?」

 

「この島にいるのは俺たち3人だけだからな。別に逃げようが長くは生きられん。お互い助けが来るまでは休戦だ。」

 

近くの手ごろな洞窟を見つけ、3人は火を起こして濡れた身体を乾かす。

 

「電波状態が悪い。最悪、今日はここで野宿か。」

 

「捜索隊に発見されるまでは断言できん。最悪、何週間、何か月もサバイバルする羽目になるぞ。」

 

「電波が悪いのはザフトのせいだろ!」

 

インスタントコーヒーを受け取りながらカガリは、不満そうに言う。アスランは何かを言おうとするがその前にヴェノムが口を開いた。

 

「その通りだ。だが、その前に地球軍は核を撃った。ユニウスセブンにな。あの一発で24万人以上の人間が死んだ。それも戦争とは無縁だった奴らに対してだ。ザフトからしてみればこのままプラントに核攻撃されるんじゃないかと溜まったもんじゃない。」

 

彼は、左腕の義手を動かしながら語る。その仕草にアスランは気になったことを聞いた。

 

「エイハブ、貴方はコーディネーターなのか?」

 

「あぁ。1年前、俺もそのユニウスセブンに住んでいた。その日は、コロニーの外壁メンテナンスの作業で出ていたところを衝撃で吹き飛ばされ、宇宙を彷徨う羽目になった。そのおかげか、この頭の破片と左腕だけで済んだ。一緒にいた奴らはそのまま流されて死んだか、或いは目の前で。」

 

ヴェノムは、コーヒーを飲むと携帯していた軍用レーションをカガリに手渡す。

 

「ほれ、どうせ荷物は流されたんだろう。味は良くないが栄養はある。こういうところではありがたい代物だ。」

 

「な、なんでそんなことわかるんだよ!?クソ・・・」

 

図星を突かれて彼女は、悔しそうな表情を浮かべながらもレーションのふたを開けて食べ始める。特に苦情を言わないことに驚きつつもヴェノムは、彼女の姿をかつて自分が助けられなかった少女(パス)と重ねていた。

 

「・・・・」

 

「意外に悪くないと思うぞこの飯・・・・ん?なんだよ、私の顔に何か付いているのか?」

 

「いや、良い食べっぷりだと思っただけだ。」

 

夜が更け、敵同士と言う事もあってしばらく寝付けなかったが、アスランが疲労で寝息を立て始めるとカガリはそっと拳銃を奪おうと手を伸ばす。

 

「やめておけ。銃を奪ったところで俺がお前を止めるだけだぞ。」

 

「お、起きてたのか!?」

 

彼女は、慌てて元の位置に戻る。ヴェノムは、自分の毛布をアスランにかけて代わりに焚火に薪をくべる。

 

「例え、機体を壊そうがコイツを撃とうが戦争が終わるわけでもない。」

 

「でも、あのモビルスーツは地球で・・・たくさんの人たちを殺すんだろ!?それを・・・・」

 

「それはどのモビルスーツも同じだ。軍人である以上、どちらも命令に従わなければならない。」

 

「じゃあ、お前はなんなんだよ!お前だって軍人だろ!?」

 

「俺はただの兵士だ。嬢ちゃん。昔、ある人(ビッグボス)が俺や仲間にこういうことを言った。『俺たちに明日はない。だが、未来を夢見ることはできる。』と。確かに戦争はどちらかが引かなければ終わらないだろう。もしかしたら、俺や君たちが生きているうちは、もう無理かもしれない。だからこそ、今すぐに始めなければならない。いつか、こんなモビルスーツや俺たちがいらなくなる。人を傷つける道具も自分の中の差別や報復心を捨てて今日より良い明日を作ることを。」

 

「今日よりも良い明日?」

 

「あぁ。それが俺や君たちの生きた証になる。君だって銃やモビルスーツを使わない方法だってあるはずだ。それができるならすぐに始めればいい。今の君やその先で生まれる子、孫へと繋げて。」

 

「・・・・そんなこと言われても私にはまだ分からない。」

 

「なら、探せばいいさ。」

 

そう言いながらヴェノムは、電子シガーを咥えて一服する。

 

「ところでもう服乾いたんじゃないか?そのままだと風邪ひくだろうから着とけ。」

 

「大きなお世話だ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜が明け、通信も回復した事でアスランは、捜索を開始した二コルと連絡を取ることができた。更に救難信号を拾って他に何かが近づいてくることが分かり、カガリは彼と共にヴェノムに別れを言おうとするがいつの間にかいなくなっていた。

 

「あの男・・・一体何だったんだ?」

 

「分からない。だが、俺の方は救援が来る。君の機体の方角にも何かが近づいてきている。」

 

「そっか、じゃあ私は戻るよ。お前も早くコイツを隠しとけよ。ここで戦闘なんてまっぴら御免だからな。」

 

「そうか。」

 

「じゃあ・・・あっ、そうだ。お前、名前は?」

 

別れようとした間際、カガリは今まで名前を聞いていなかったことを思い出す。

 

「アスランだ。」

 

「アスランか、私はカガリだ。じゃあ、またな!」

 

互いの名前を知った二人は、それぞれ反対の方角へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れだったな、ボス。二人の相手をするのは大変だっただろう?』

 

一足先に母艦に戻り、ヴェノムはカズと通信を行っていた。

 

「いや、久しぶりにキャンプが楽しめた。それより、このルートからどうやってオーブに行かせるんだ?」

 

『実は、昨日カーペンタリアに匿名でアークエンジェルの位置を漏らしておいた。グーンとゾノは出払っているから来てもディンだけだろう。奴ら利用してスネーク達をオーブ近海に誘導させる。』

 

その一言に彼は咥えていた電子シガーを落とす。

 

「大丈夫なのか?それ?」

 

『艦に多少のダメージを与えないと入港は難しいからな。スネークだと殆ど相手にならないし。数でやらないと。』

 

「·····これで依頼失敗にならなければいいが。」

 




『MISSION FAILED』

???「カズ、俺だ。助けに来た!カズ!カズー!!」

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