機動戦士ガンダムSEED SOLID   作:赤バンブル

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今回は賛否別れそうだな。


PHASE:16『さだめの禊』

アスランたちザラ隊が領海の外で網を張っている間にアークエンジェルの修理は着々と進んで4日後、再びアラスカ本部へ目指すことになった。

 

M1アストレイのOSを開発している傍ら、修理が施されたストライクとアストレイはアークエンジェルに戻され、ムウでも操作できるようナチュラル用OSに切り替えられるようにしておいた。

 

その一方でシミュレーションをやり続けたのかトールがスカイグラスパー2号機のパイロットに志願していた。

 

「大丈夫ですってばっ!シミュレーションだってもうバッチリだし、やれますよ!!」

 

自信満々に語る彼に対して、スネークはマードックたちと共に不安そうにしていた。

 

「確かにコイツも出られれば戦力的に助かるでしょうがね。あっちの緑とストライクだけじゃ地上は大変ですから。」

 

「トール、悪いことは言わない。今すぐバジルール中尉のところへ行って志願を取り下げてもらえ。」

 

「そんなこと言わないでくれよ、キラや少佐が頑張ってんだ。俺だって上空監視と支援ぐらいできるさ。」

 

「戦場では一瞬の判断ミスが命取りになるんだ。お前に万が一のことがあれば取り残されたミリィがどう思うんだ?」

 

彼は、出港するギリギリまでパイロットをやめる様に説得したがトールの意志は固く引き下がらなかった。

 

とは言っても、ムウ自身モビルスーツの訓練をあまりしていないこともあってしばらくはアストレイではなく、1号機に搭乗し続けることから自分の指示で動くことを条件に認めることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発が刻一刻と近づいている頃、カガリは屋敷で外着に着替えて乗艦する準備をしていた。

 

あの日、スネークとアスランが接触しているところを目撃したことで恐らく彼が領海の外で罠を張っていると感じ、アークエンジェルの力になろうと思ったからだ。

 

新しく調達した拳銃をホルスターに収め、カバンにある程度必要なものを入れているとウズミがドアをノックした後に部屋に入ってきた。

 

「カガリ、あの艦と共に行くつもりか?」

 

「はい。」

 

また、いつものように説教に来たのかと思い、彼女は父親に対して素気なく答える。

 

「では、地球軍の兵士としてプラントと戦うのか。お前はそれほどまでに戦うことを求めているのか?」

 

「違います!戦いたい訳ではない。彼らを助けたいのです!そして、こんな戦争を早く終わらせたい!!」

 

自分はただアークエンジェルの力になりたいだけだとカガリは、言うがウズミは険しい表情をしたまま言葉を続ける。

 

「お前が出れば戦いは終わるのか?」

 

「そ、それは・・・」

 

「お前が誰かの夫を撃てば、その妻がお前を恨むことになるだろう。お前が誰かの息子を撃てば、その母親がお前を憎むだろう。そして、お前が誰かに撃たれれば、恐らく私はそいつを憎むだろう。戦争はこの報復の連鎖であると何故解らんのだ!」

 

「分かってます!しかし、自分だけこの国でのうのうと」

 

「そんな安っぽい独り善がりの正義感で何ができるか!!」

 

「っ!?」

 

父の鬼気迫る表情に彼女は、思わず言葉を失う。ウズミは、真剣な眼差しで強張った娘の肩に手を置くと強くありつつも正すように言う。

 

「銃を持つことだけが戦いではない。戦争の根を学べ、カガリ。撃ち合ってばかりでは何も変わらんのだ。」

 

「・・・・お父様。」

 

カガリは、ベッドの上に置いた銃を見つつも自分の役割が戦場に行くことではないと静かに悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーブ艦隊の協力の元、ついにアークエンジェルの発進しようとする中でスネークは、突如上部デッキに出るよう命令が出た。

 

何事かと出てみると港の方からオーブ軍の制服を身に付けたカガリが慌ただしく駆け付け、自分の両親が来ていることを知らせてくれた。マリューに確認を入れると10分だけ会いに行っていいという許可が下り、彼は両親の元へと向かう。

 

「キラ・・・」

 

目の前に来た息子に対し、カリダは近づいて顔を見るが眼帯を付けている右目を見るや泣き出してしまう。そんな彼女にスネークは、抱きしめながら詫びを入れる。

 

「すまない、母さん。こんな姿で会うことになって。友達を守るためには仕方がなかったんだ。だから、艦長たちのことは恨まないでくれ。」

 

「違うの・・・・悪いのは私たち。私とお父さんがもっとしっかりしていれば貴方が軍人になるなんてことには・・・」

 

「これは、俺の意思なんだ。友達や仲間を守るために決めた俺自身の選択だ。無理に行っているんじゃない。必ず帰ってくる。」

 

「キラ。」

 

「だから、父さんと一緒に待っててくれ。アラスカに辿り着ければ、除隊して帰ってこれるんだ。帰ってきたら・・・その・・・俺の好きな物作ってくれ。久しぶりに出汁巻き卵食べたいからさ。」

 

彼は、照れくさそうに笑いながら言う。この期に及んで自分の料理が食べたいという答えにカリダは、目を丸くしつつも相変わらず食欲旺盛なことに少し笑ってしまった。

 

「全く、貴方って子は・・・・・いいわ、いつでも作って待ってるから元気に戻ってきなさい。」

 

「あぁ、楽しみだ。」

 

「キラ、お前は私たちの大事な子供なんだ。お前が決めたことなら私も母さんも何も言わない。無事に戻ってくるんだぞ。」

 

時間が迫ってる中、まだ息子から離れたくないと思いつつもヤマト夫妻は、家族で互いに抱きしめ合ってからその場を離れて行く。

 

スネークは、そんな二人の後姿を敬礼して見送るとアークエンジェルの中へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「データに反応!数3、いや4!」

 

「機種特定、デュエル、バスター、イージス、ブリッツです!」

 

「潜んでいたというのか、網を張られていたというのか?」

 

 

オノゴロ島から発進し、オーブの領海線までは何事もなかったが領海を出るや網を張っていたザラ隊に感知され、迫りくるイージスたち4機に対して、アークエンジェルは戦闘配備へと切り替える。

 

「対モビルスーツ戦闘用意!逃げ切れればいい、厳しいと思われるが各員健闘を!」

 

「ECM、最大強度!スモークディスチャージャー投射!左右舷、煙幕放出!」

 

目暗ましのために煙幕が張られる中、ストライクは供給ケーブルをアグニ砲に直接接続させて、トールが搭乗しているアストレイに手渡す。

 

「トール、いいか?少佐が送ってきたデータを基に何発が撃てばいい。その後、俺が奴らに切り込む。」

 

「あ、あぁ。こっちに乗る予定なかったのになぁ。」

 

「贅沢言うな。スカイグラスパーじゃ奴らの射撃に撃ち落されるぞ。」

 

煙幕で完全に艦が隠れるとスカイグラスパーが順次に発進し、向かってきた4機に対してムウがビーム砲で撹乱しつつが位置を伝える。

 

『こちらスカイグラスパー。坊主たち、聞こえるか?敵の座標と射撃データを送るぞ!』

 

「りょ、了解!!これより砲撃を開始します!」

 

トールは、緊張しながらも受け取ったデータからコースを予測してアグニ砲を数発連射する。

 

飛んできた大出力ビーム砲に対し、アスランはすぐさま回避を指示するが判断が遅れたディアッカのグゥルに命中して墜とされる。

 

「ちっ、やっちまった!」

 

「ディアッカ!」

 

更に煙幕の中からエールストライカーに両肩に各オプションを装備したストライクが弾幕を張りながら向かってくる。ターゲットが向かってきたことでイザークは、レールガンとビームライフルで攻撃を始める。

 

「ストライク!!」

 

「悪いな、ここでお前たちの相手をしている暇はない!」

 

イーゲルシュテルンでグゥルを破損させ、バランスを崩したところでデュエルに向かってマイダスメッサーを投擲する。幸い直撃は免れたが左足を切断され、デュエルはそのまま海へと落ちて行った。

 

「クソ―!!」

 

短時間で2人墜とされたことでアスランは、ニコルと共に一旦距離を取りなおす。

 

煙幕の中からアークエンジェルが現れるとストライクは、甲板に着地してトールのアストレイと共にある程度ライフルを撃つとスラスターを吹かして今度はブリッツへと向かって行く。

 

「コイツ、やっぱり強い!」

 

ビームライフルを撃ちながらニコルは、向かってくる相手に向かってグレイプニールを飛ばすがサーベルで斬られてあっとういう間に間合いを取られる。透かさずトリケロスで防御しようするが飛行しているスカイグラスパーからパンツァーアイゼンで抑えられた上に対艦刀で右腕ごと切断され、バランスを崩して海中へと姿を消した。

 

「よっしゃ!俺もやればできるってね!!」

 

「わあああああ!」

 

墜ちて行く仲間を見ながらアスランは、またもやグゥルを奪ったストライクに向かってライフルを撃とうとする。

 

「キラ!」

 

そこへ居ても立っても居られなくなったトールのアストレイがジャンプしてビームライフルを撃ったことでグゥルは爆発。

 

苛立ったアスランは瞬時にモビルアーマー形態へ変形して、大出力ビーム砲『スキュラ』を発射しようとするがアークエンジェルのゴットフリートに阻まれ、下がっていく。

 

「よくやった、トール。後は俺に任せろ!」

 

近くの陸地に着地したイージスは、イーゲルシュテルンの弾丸を防御しつつも徐々に活動限界時間が迫っていることに焦り始める。

 

「クッ・・・・ここまでとは」

 

そこへ更にソードストライカーに換装してきたストライクが容赦なく斬りかかってくる。バックステップでライフルを切られただけで済んだものの既に勝敗は決したも同然だった。

 

「アスラン、もうこれ以上は止せ!お前らの負けだ!!」

 

「何を今更!」

 

アスランは、負けじとばかりにビームサーベルを二刀流で展開し、格闘戦へと移行させる。

 

「撃ちたければ撃てばいいだろ!お前はそう言ったはずだ!!」

 

「ラクスを一人残していくつもりか!婚約者を!!それがお前の答えか!!」

 

シュベルトゲーベルとマイダスメッサーで応戦するスネークだが、その背後へ残された左手にランサーダートの槍を持ったブリッツがミラージュコロイドを解除して向かって来ることに気づかなかった。

 

「アスラン、下がって!!」

 

ニコルは、死なば諸共とストライクへと向かって行く。しかし、カタパルトから戻ろうとしていたトールが目撃していた。

 

「キラ、危ない!」

 

彼は、咄嗟に置いていたアグニ砲を手に取るとブリッツに向けて放つ。

 

狙いは外れたものの、ランサーダートを誘爆させるのには十分な熱量でブリッツは左腕の吹き飛び、背部スラスターから煙を吹きながらバランスを崩して海へと転げ落ちた。

 

「うわああああああ!!」

 

誘爆の衝撃に動揺しつつもニコルは、ハッチを開いて脱出しようとする。

 

倒れたと同時にブリッツは、内部の回路がショートしたことで限界を迎えたのかその場で爆発してしまう。

 

「うん?」

 

背後からの爆発に気づいたスネークは、イージスを押し飛ばして様子を確認する。

 

アスランは、僅かに聞こえた仲間の断末魔の叫びを聞いたことで爆発したのがブリッツだと一瞬で理解した。

 

「ニ・・・・ニコル?」

 

更に海中から上がってきたデュエルとバスターもその場を目撃し、同僚が死んだことを知ることになった。

 

「う、嘘だろ?」

 

「・・・ッ!ストライク!!」

 

仲間を殺されたことにイザークは、怒りを露にして片足で万全ではないにもかかわらず、ストライクに攻撃を仕掛ける。

 

『ヤマト少尉、帰投しろ!目標は達成した。これ以上深追いする必要はない!!』

 

「・・・・了解。」

 

ストライクは、スラスターを吹かして上空にいるアークエンジェルへと戻っていく。デュエルは、その後を追おうとするが右足だけで立つのが困難な上に艦からの攻撃で防御するのは精いっぱいだった。

 

「クソ・・・・」

 

「止せ、イザーク!今は下がるんだ!!」

 

ディアッカは、デュエルに肩を貸しながらその場から撤退を始める。その近くではいつの間にかフェイズシフトダウンしたイージスが呆然とした状態で立ち尽くしている。

 

「アスラン!」

 

「ニコルが・・・・ニコルが・・・・死んだ?今の・・・一瞬で・・・・」

 

「マジでやばいって!早く戻ろうぜ、アスラン!!」

 

「ハッ!?」

 

我に返ったアスランは、ブリッツの残骸を目にしながらも海へ潜っていく。ストライクが着艦するとマリューは、ノイマンにこの場を離脱するように指示を出す。

 

「これより戦闘空域を離脱する!推力最大!!」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫へ戻ったスネークは、コックピットから降りると下では初陣を飾ったトールがマードックたち整備スタッフにちやほやされていた。

 

「初陣にしちゃ上等じゃねえか!1機仕留めちまうなんてよ!!」

 

「は、はい・・・」

 

「この調子で頼むぜ、新人ルーキー!」

 

「全く、坊主・・・じゃなくて少尉にも引けを取らなかったぜ、ケーニヒ二等兵!」

 

「・・・」

 

無事に帰ってきたにもかかわらず、浮かない顔をするトールに対して彼はスタッフたちを避けながら目の前に来た。

 

「ご苦労だったな、トール。」

 

「あぁ・・・」

 

「どうした?」

 

「いや、こうやって生きて戻ったからいいんだけどさぁ・・・・俺、あのブリッツのパイロットを殺しちゃったんだなってさ。ミリィたちを守るためだし、戦争だからって分かってはいるんだ。でも・・・」

 

無意識に震えている自分の手を見ながらトールは、人を殺めてしまったことへの恐怖と罪悪感を感じているようだった。そんな彼に対し、スネークは両肩に手を置いてきっぱりと言う。

 

「これが銃を持って人を殺した感覚だ。これは、相手の人生を奪った罪悪感と人を殺した恐怖を背負い続けることを意味する。慣れて行けばこの震えも怯えも収まっていくだろう。だが、感触は一生消えることはない。過去の戦争では、PTSDを患って生涯苦しむことになった若者が大勢いたそうだ。」

 

「・・・」

 

「今日はもう休め、トール。後でバジルール中尉に頼んでミリィを部屋に行かせるように言っておく。いいな?」

 

「・・・・悪い。」

 

彼は、謝ると格納庫を後にしていく。その重苦しそうな後姿をスネークは、ムウと共に見守る。

 

「あれは、結構やっちまったな。」

 

「こればかりは、自分で乗り越えて行くしかないさ。そうでもなければこの先、生き残れない。守ることさえも。」

 

「・・・そうだな。アラスカ本部までまだ先が長い。俺たちも休んでおこう。そんじゃ、曹長。後は頼んだ。」

 

「分かりましたよ、少佐も坊主もしっかり休んでくださいよ。」

 

機体の整備をスタッフに任せ、スネークたちもまた次の戦闘に備えてしばしの休息を取ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、アスランたちも母艦に戻って追跡を続行していた。

 

「クソ!クソクソクソクソクソクソ、クソー!!」

 

更衣室でイザークは、他の二人が着替えているのを他所にニコルの戦死に対して己の無力感とスネークに傷一つ負わすことができなかったことへの怒りでロッカーのドアが歪むほど殴りつけていた。

 

「イザーク、もうそのぐらいに」

 

「何故、アイツが死ななければならない!こんなところで!えぇ!!」

 

止めようとするディアッカに牙を剥こうとする彼の行動に耐えられなかったアスランは、胸ぐらをつかんでロッカーに押さえ込んだ。

 

「いい加減言えばいいだろ!俺のせいだと、俺の指揮のミスで死んだと!!」

 

「アスランもやめろ!ここでやり合ったってアイツは帰ってこない!俺たちが撃たなきゃならないのはストライクとあの緑野郎だ!」

 

「分かってる、そんなことぉ!!ミゲルもアイツに殺られた!俺も傷をもらった!次こそは・・・アイツを撃つ!!絶対に!!」

 

そう言うとイザークは、悔し涙を浮かべながらパイロットスーツのままその場を後にする。ディアッカも彼の後を追って出て行くとアスランは、一人その場に取り残された。

 

彼は、さっきの衝撃で開いてしまったニコルのロッカーを閉じようとすると中に彼が書いたと思われる楽譜が散らばっていることに気づく。

 

「ニコル・・・・クッ、すまない!」

 

ニコルは本来ピアニストであり、このような戦場にいる筈じゃない少年だった。ユニウスセブンの事件をきっかけに戦争を早く終わらせたいという思いでザフトに入隊し、今日まで自分たちと共に戦うことを選んだ。軍人にならなければ、もっと曲の創作活動やコンサートに専念できたし、あんな最期を迎えることはなかった。

 

自分の甘さが彼を死に追いやった。

 

「・・・・今度こそ、キラを撃つ。どんなことになろうとも。」

 

アスランは、泣きながらも死んだ彼のために改めてスネークを撃つ決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・・・ここは・・・僕はどこに・・・)

 

夜が更けた頃、ブリッツが爆発した現場からそう遠くない海岸に赤いパイロットスーツを着た少年が打ち上げられていた。

 

(アスランは・・・・みんな・・・どこへ・・・・)

 

ブリッツが破壊されたとき、脱出を試みたニコルだったが爆発の衝撃で吹き飛ばされ、ヘルメットのバイザーに罅が入って顔を負傷したものの辛うじて生き延びることに成功した。しかし、そんなことを知らないアスランたちは既にアークエンジェルを追撃するために遠くへ離れてしまい、彼を回収してくれるものは誰もいなかった。

 

(痛い・・・・体をあちこち打ったせいで動けない・・・)

 

薄れゆく意識の中で彼は、プラントで待っているであろう両親のことを思い浮かべる。二人は自分が前線に向かうことを心配していた。それが現実となってしまい、申し訳ないことをしたと後悔する。

 

「母さん・・・・・僕の・・・ピ・・ア・・・・ノ・・・・」

 

ニコルは、その場で再び気を失ってしまう。同時に彼の目の前にモビルスーツが現れ、コックピットから何者かが降りてきた。

 

彼は、抱き起すとヘルメットを外して顔を確認し始める。

 

「・・・・ニコル・アマルフィ。ユーリ・アマルフィ武官の一人息子か。よりによって、こんな形で生き延びるとはな。」

 

男は、通信機を取り出すとどこかへ連絡を取る。

 

「・・・・ミラー、ボスに頼みたいことがある。負傷したザフト兵の回収だ。後、同時に頼んでいたストライカーパックを回してくれ。・・・・そうだ。できるだけ早くしてくれ。外傷は、額を切った程度だが恐らく乗機の爆発の衝撃であちこち強く打っている。」

 

通信を終えるとオセロットは、テスタメントのコックピットから救急キットを取り出して応急処置を施し始める。

 

「今頃、プラント本国ではお前の戦死扱いになっているだろうな。しばらく、家に帰ることはできないだろう。親父のアマルフィ武官も過激派への転身も避けられないだろう。」

 

彼は、眠っているニコルの傍に座りながらつぶやく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後、現場に駆け付けたダイアモンド・ドッグズによって彼は密かに連れて行かれるのであった。

 

 




『MISSION FAILED』

???「ボス、子供を相手に何をした?任務失敗だ。」

□CONTINUE
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