賛否分かれているけど個人的には面白かったのでTV版が楽しみ。
映画に出て来たMSのガンプラがどんな出来になるか待ち遠しいな。
マザーベースでの修理と補給を受けた後、アークエンジェルはダイアモンド・ドッグズの護衛に守られながら1週間かけてオーブへと密航することに成功した。道中、連合・ザフト両陣営に発見されることを警戒していたがアラスカの1件でオーブ方面に目を向けていなかったことと事前に諜報員からもたらされた情報を基に安全ルートをいくつか用意したため、1度も遭遇せずに済んだ。
直接入港するのは目立つため、艦はオノゴロ島の隠しドックへと収納され、別れたダイアモンド・ドッグズの艦艇は識別をオーブ軍へと変えて表の港へと向かった。
格納される様子をウズミと共に見ていたカガリは、すぐさまアークエンジェルへと入ってスネークを探す。運ばれて行く重軽症を含める連合兵士たちの姿に少しばかり戸惑いを覚えるものの案の定、彼は喫煙スペースで葉巻を吸っていた。
「キラ!」
「うん?おぉ、カガリ。久しぶりだな。」
心配していたのを他所に言葉をかけてくるスネークに対し、彼女は思わず嬉し泣きをしながら声を荒げる。
「この馬鹿!こっちはお前が死んだと思ったんだぞ!!それなのにいつもみたいにタバコ吸いやがって・・・」
「ハハハッ。だが、こうやって戻ってくることができた。心配させて悪かったな。」
火を消すと彼は、軽く笑ってみせる。それを見てカガリは、夢ではないと改めて実感する。
一方のブリッジではウズミ達がマリュー、カズと共に話をしていた。
「話は、先にミラー副司令から聞いている。しかし、ことがこと故、クルーの方々にはまたしばらく不自由を強いることになるがそれはご了解いただきたい。」
「こちらこそ、私共の身勝手なお願いを受け入れてくださってありがとうございます。」
マリューは、改めて頭を下げて礼を言う。それを横にカズは、真剣な顔でメモリーチップを彼に手渡す。
「ウズミ代表、これが俺たちの諜報員が撮影したアラスカでの一連の全てをまとめたデータだ。向こうに戻ったら是非見てほしい。」
「うむ、地球連合本部の壊滅から世界は再び大きく動こうとしている。ひとまず、君たち少し休まれよ。大事な話はその後に。」
遅れて艦に乗り込んできたトールの姿を見てクルー全員がギョッとしたのは、それから少し後のことである。
特にミリアリアに関しては、姿を見ると茫然としたもののすぐに彼が本物だと理解し、号泣しながら抱き着いたのは言うまでもない。
ひとまず、クルー全員に待機を命じた後にマリューたちは、国防省へと移動。
アラスカ本部に到着後の出来事を含めて全て話し、アラスカでサイクロプスが使用されたことを伝えた。
「サイクロプスの使用については、ダイアモンド・ドッグズが撮った映像からも確認させてもらった。しかし、いくら敵の情報の漏洩があったとて、そのような策を実行するとは・・・・常軌を逸しているとしか思えん。」
「ですが、ウズミ様。実際にアラスカで連合はザフト攻撃軍8割の戦力を奪うことに成功しています。自分たちの都合のいい犠牲を以て。」
「机の上の冷たい計算と言ったところか。その結果がこれと。」
ダイアモンド・ドッグズから提供されたアラスカ戦の実態を目にウズミは、複雑な表情を浮かべる。こうしている間にも大西洋連邦加盟国内では、サイクロプスの件を隠蔽した上に最後の一兵までアラスカで勇猛果敢に戦ったと報じ、プロパガンダとして利用していた。
「あぁは言ってけど、捨て駒にされた俺たちからしてみればたまらんね。」
テレビから流れている映像に対してムウは、ため息をつく。もし、命令通りカルフォルニアへ向かっていたら自分も真相を知らないまま連合に居続けることになっただろう。
「大西洋連邦は現大統領であるジョージ・シアーズの元、中立の立場を取る国々へ一時的な加盟を圧力を強めながら求めている。もし、認めぬのなら敵対国とみなすとも。無論、我らオーブに対しても勧告声明を出している。」
「一時的な加盟とは言っているが奴らは、ただオーブの力を欲しがってるのさ!」
淡々と事を告げる父親に対して、カガリは少し不満そうに話す。実際、あの映像で連邦加盟国の多くは打倒ザフトへと扇動され、中立を貫こうとする国に対しての敵対心を植え付けようとしているのだ。
「ご存知のことと思うが、我が国はコーディネーターを拒否しない。オーブの理念と法を守るならば、誰でも入国・居住を認めている数少ない国だ。遺伝子操作の有無ではない。ただ、コーディネーターだから、ナチュラルだからとお互いを見る。そんな思想こそがいっそうの軋轢を生むと考えるからだ。カガリがナチュラルなのも、キラ君がコーディネーターなのも当の自分ではどうすることもできぬただの事実でしかなかろう。なのにコーディネーター全てを『敵』として、『悪』として攻撃させようとする大西洋連邦のやり方に私は同調することはできん。一体、誰と誰が、何のために戦っているのか。」
「確かにアンタの考えには一理あるな、アスハ代表。しかし、この世界からしてみればそれも難しい問題だ。全てとはいかなくともコーディネーターはナチュラルを見下し、ナチュラルの方もコーディネーターを妬む。理想は分かるが現実ではそうはいかない。」
彼の考えを聞いていたスネークは、腕を組みながら自分なりの解釈を述べる。ヘリオポリス脱出の頃から連合・ザフトの軍人を見てきたがハルバートンのように良識な者もいれば、バルトフェルドのように意図的ではないとはいえ、敵対することを選択する者もいる。そう考えるとオーブの理念を通すのは困難とも言える。
「キラ君の言う事も尤もなことだ。無論、我が国とて全てうまくいっている訳ではない。がっ、だからと諦めては我ら人類は、お互いを滅ぼし合うしかなくなることになる。そうなってから悔やんだとて、既に遅い。それともそれが『世界』と言うのならば、黙って従うか?どの道を選ぶも君たちの自由だ。今着ているその軍服を裏切れぬと言うのなら手も尽くそう。君らは若く、力もある。これから見極められよう。真に臨む未来をな。幸い、まだ時間もある。」
「・・・それで今のアンタの考えは?」
「ただ、剣を飾って置ける状況ではなくなった。そう思っておるよ。」
「・・・そうか。」
ウズミの言葉にスネークは、特に言い返すことはなかった。
アークエンジェルがオーブへ入港してから数日後。
アフリカ戦線の縮小によってジブラルタル基地から戦力を割くことで態勢を立て直したザフト軍は、早朝パナマを攻略するべく攻撃を開始した。
ボズゴロフ級潜水艦が沖からミサイル攻撃を開始すると同時にモビルスーツ部隊は、次々と発進。マスドライバーを潰すべく動き出す。
「しかし、正気の沙汰ではありませんな。ジブラルタルから戦力を回してもらったとは言え、この数でパナマを墜とせだの。」
スピットブレイクからまだ日が浅いこともあってクルーゼが指揮している艦の艦長は、出撃していく仲間の姿を見ながら愚痴をこぼす。
「仕方ありますまい。アラスカで調子に乗った奴らの足元をすくっておかねば、ザラ議長もプラントも危ない。宇宙への門を閉ざし、奴らを地球に閉じ込める。そのためにもここのマスドライバーは叩いておかねば。」
「グングニールの方は?」
「予定通り、間もなく大気圏から降下を開始するとのことです。目標地点周囲の制圧がありますが、兵士の士気を考えればうまくいくでしょう。アラスカの弔い合戦をしようと皆が息巻いております。」
当然、連合もマスドライバーを死守すべく防衛線力を展開して応戦を開始する。対モビルスーツ用地雷を始めとするトラップで侵攻を妨害しつつ、リニアガン・タンクなどで次々とモビルスーツを墜としていくがザフト側もアラスカで散った仲間の仇とばかりに容赦なく破壊しながら、グングニールが降下する予定のポイントへと向かって行く。
「敵モビルスーツ部隊、第二防衛ラインへ到達!」
「第2中隊、第3中隊どうした!?応答せよ!」
「第8防空隊は南側へ!敵の侵攻を阻止せよ!」
パナマ基地の司令部は、各戦線で味方がやられていくのを見て焦りを見せていた。
「むぅう・・・・止むを得ん。第13独立部隊を展開しろ!」
「よろしいのですか?あの部隊は・・・・」
「何のために作ったモビルスーツ部隊だ!シアーズ大統領閣下が視察に来る予定だったんだぞ。墜ちるようなことになればいい恥さらしだ。奴らにもう自分たちが一方的ではないことを思い知らせてやる。」
基地司令の命令が下ると基地内で待機していた30機以上はいるであろうストライクダガーたちが発進。火力で劣るザフト軍を押し始める。
「ストライクの量産タイプ・・・・ナチュラルはもうこれだけ配備できるほど量産可能になったのか?」
イザークは、ミサイルと合わせても一斉発射で数機のストライクダガーを撃墜する。
ザフト製モビルスーツよりも火力が高いビーム兵器を標準装備しているのも十分脅威だが、問題は搭載されているOSだ。
これは、スネークがオーブに滞在していた際にアストレイに入れたナチュラル用の物でパイロットが慣れていなければそれほどではないが操縦慣れしたエースが乗るようになれば単機でも複数の相手を倒せるほどの物へと早変わりする。それが集団で反撃してくるのだから旧式化が進んでいるジンには溜まったものではない。
降下したグングニールの設置ポイントに到着した機体も次々と撃墜され、遅れて到着したジョニーも応戦するのが精いっぱいだった。
「連合がもうここまで性能のモビルスーツを量産しているなんて・・・・」
彼は、ミサイルとライフルで接近してくるストライクダガーを墜としていくがビームライフルの光弾を防ぐことができず、背後で操作していたジンが命中して爆発した。
「そんな!?」
ジョニーは、残りの作業をやろうと振り向くが連合の攻勢を前に動けないでいた。そこへデュエルがグゥルから降りて傍に着地して来た。
「ここは俺に任せて、早くシステムを起動させろ!」
「分かった!」
イザークは、シールドをジョニー機の背後に立てるとビームサーベルを引き抜いて、ストライクダガーの群れに向かって行く。ダガーたちは、一斉にビームライフルを発砲するがデュエルは、アーマーで機動性が落ちているにもかかわらずスラスターを吹かせて回り込み、1機の頭部にサーベルを突き刺し手押し倒すように押す。押された機体はバランスを崩し、他のダガーも巻き込んでドミノ倒しにされた。
「各機、落ち着いて対応していけ!ビーム兵器は強いが動きは素人だ!!モビルスーツ戦に慣れている俺たちの方が上手だ!!」
彼の鼓舞に呼応するように押され気味だったザフト軍は、単機から連携に切り替えて対応する。苦戦であることには変わらないが先にモビルスーツに乗っていた経験を活かして攻撃を受け流しながら1機1機と着実に撃破していく。
その様子は艦内で戦場の動きを見ていたクルーゼも見ていた。
「イザークがうまくまとめてくれたようです。先ほどまで押されていた陣形が戻りつつある。」
「流石、貴方が目をかけていることはありますな。グングニールも予定通り発動できそうです。」
イザークたちが奮闘している間に、ジョニー達は、無事にグングニールのシステム起動に成功。作動すると同時に強力なEMPが発生、基地の軍設備・ストライクダガーを始めとする兵器群の電子機器が破壊され、マスドライバーの超伝導体レールも耐え切れずに歪みながら爆発して崩壊した。
一方、事前にグングニールのEMP対策を施していたザフト軍はこれを待っていたとばかりにただの的となったストライクダガーへ攻撃を加え始める。
「はっはっはっは!良い様だな、ナチュラルの玩具共!!」
「アラスカでやられたハンナの仇だ!!くたばりやがれ!!」
強硬派であるパトリック・ザラの思想に共感する兵士が多いこともあるがアラスカの時の報復とばかりに容赦なく、機体を蜂の巣にしていく。
残された連合兵の中には逃亡する者、降伏しようとする輩までいたが報復心に駆られた彼らは、捕虜にまで銃口を向けようとする。
「おい、待て。何をするつもりだ!?作戦は成功したんだぞ!」
イザークは、思わず発砲しようとしたジンを止める。
「止めるな!ナチュラルの捕虜なんかいらねえだろ!!」
「こいつ等にもう戦う意思はない。これじゃあ、ただの虐殺だろ!?」
「だが、こいつらのおかげでアラスカで大勢の仲間を殺されたんだぞ!こんな奴らのために!!」
「しかし・・・・」
「どけ!俺はやるぞ。死んだヴィッツの味わった苦しみをこいつ等にも・・・ん!?新たな機体反応?上か!?」
口論を無視してでも実行しようとしたところで新たに接近してくる反応を見て彼らは上空を見る。輸送機から降下して来たのか自分たちの目の前に新たに5機のモビルスーツが着地してくる。そのうちの4機は漆黒に塗装されたエールストライカー装備の105ダガーだが、中央の機体にイザークは驚く。
「ストライク!?」
その機体は自分が散々苦汁を嘗めさせられたストライクだった。
しかし、機体各部に機動性を上げるためなのかスラスター付きの黒い増加装甲が追加されており、腰の左右には日本刀を思わせる剣が装備されていた。
『ザフト軍に次ぐ。私は、大西洋連邦大統領ジョージ・シアーズである。』
「大統領!?」
ストライクからの回線にザフト軍全体が動揺する。大西洋連邦のトップがこんな戦地にモビルスーツで乗り込んでくるなど常識を逸脱する行為だ。
『君たちの奮闘ぶりには敵でありながら見事なものだ。だが、これ以上の人命を奪うことはやめてもらおう。そうなれば、君たちは多くの人命を奪った虐殺者として戦後、裁かれることになる。』
「そ、それがどうしたってんだ!俺たちだってお前らに仲間を大勢殺されたんだぞ!!」
『そのことに関しては、私自身も哀悼の意を表する。だが、君たちとてこの場で多くの人命を奪った。これでお相子ではないかね?実際、「エイプリル・フール・クライシス」ではそれ以上の人間が餓死した。寧ろ、このまま撤退してもらえればこちらとしてはありがたいのだが。』
「ふざけやがって!いくら大統領だろうが、戦場でも自分のやり方が通用すると思ったら大違いだ!!」
シアーズの言い方に腹を立てたのか、ジン1機が銃を向ける。
「お、おい!」
『間もなく増援が到着する。既に消耗している君たちが戦うのは無謀だと思うが?』
「うるせえ!その前にてめえを墜としてやる!!」
堪忍袋の緒が切れたザフト兵の一人がストライクにめがけて発砲する。シアーズは特に驚く様子はなく、刀を引き抜いて華麗な捌きで弾丸を切り裂いた。
「えっ?」
『閣下。』
『君たちは、基地内に取り残された兵士たちの救助を行え。ここにいる愚か者共は私一人で相手をする。』
『よろしいのですか?』
『元々血の気の多いパトリックの思想に染められた輩だ。ここで消さねば、何を起こすか分からん。』
『了解しました。』
命令を聞くと105ダガーたちは、基地の方へと飛び去って行く。逃がすまいとライフルを発砲しようとするとストライクはスラスターを吹かせて急接近し、上から機体を真っ二つに両断した。
『大人しく手を引いてくれれば、手を出すつもりはなかったが・・・・仕方あるまい。全員、消えてもらうとしよう。』
「ふざけんな!!ナチュラルの分際が!!」
仲間を一瞬でやられたことに激昂し、その場にいた全員がストライクめがけて向かって行く。しかし、シアーズは銃弾を掠めることなく避け、1機また1機と二刀流で切り裂いていった。
「なんだあの動きは・・・・・俺の知っているストライクじゃない。」
ジョニーと共に味方が次々とやられていく惨状にイザークは、呆然としていた。
『どうした?進化した人類と言うのは口先だけか?』
「あ、あ・・・・あぁ!!」
『フン!』
最後の1機も呆気なく撃墜され、残ったのは二人だけとなった。
『君たちは来ないのかね?仲間がやられたと言うのに?それとも、恐ろしくて動けないのかな?』
「クッ!貴様!!」
煽られてイザークは、顔を歪ませて向かおうとするがジョニーに止められる。
「やめろ、イザーク!相手が違い過ぎる!!」
「放せ!アイツのせいで仲間が・・・・」
「やられたら元も子もないだろ!落ち着けって!!」
「つうぅ・・・・・」
説得されたことでどうにか落ち着こうとしているとクルーゼから通信が入る。
『イザーク、ジョニー。聞こえるか?作戦の目的は達成した。これ以上の被害を被る前に撤退するんだ。』
「く、クルーゼ隊長。しかし・・・・」
『仲間を目の前でやられた気持ちはわかっている。しかし、ここで君たちを失うわけにはいかない。分かるね。』
「・・・・・了解しました。」
歯を食いしばりながらイザークは、ジョニーの乗るディンの腕に捕まってパナマの地から離脱していく。その後ろ姿を見届けるとストライクは刀を鞘に戻した。
『あれがラウのところの若造か。踏み止まるぐらいの理性はあると言ったところだな。』
C.E.71 5月25日
地球連合パナマ基地は、ザフトの攻撃によってマスドライバーを始めとする主要施設を失うことになったが大西洋連邦大統領『ジョージ・シアーズ』と彼の率いる親衛隊の救助によって多くの人命を救う結果となった。
これによって、支持していた大西洋連邦国民は『コーディネーターから人命を救った英雄』として称えられ、ユーラシア、東アジア共和国からも彼を支持する声が大きくなった。
翌々日の5月27日、連合加盟国の代表による首脳会議にてプラントを共通の敵として一致団結、彼をトップとする『地球統一連合軍』を結成することが決議された。
カセットテープ《ディアッカとジョニーの会話の盗聴》
『おい、坊主。食事を持ってきてやったぞ。』
『あぁ、サンキュー。おっさん。』
『しっかり、食えよ。出された食事は残さず食べねえと後で後悔することになるかもしれないからな。』
『捕虜なんだからそんな贅沢言わねえよ。そう言えば、あの女・・・・ミリアリアはどうしたんだ?少し前、こっちにまで泣き声が聞こえて来たけど。』
『あぁ、戦闘機に乗って死んだと思っていた彼氏が生きてて嬉し泣きしたそうだぞ。』
『生きてたのか?』
『墜とされて不時着していたところをオーブ政府が保護してくれてたそうだ。』
『そうか・・・よかったじゃねえか。生きててよ。』
『まあ、大事な人とまた会えたんなら運がいい方だ。俺は・・・・家族にも会えてないからな。』
『会えてない?おっさん、どこ出身なんだよ?』
『・・・・俺、実家はユーラシアにあるんだけど元々プラントに住んでたんだ。結婚もしてたし、子供も2人いる。多分、事故死扱いにされているだろうけどな。』
『どういうことだよ?』
『息子が軍隊に入るのを嫌がっててな。だから、家族みんなで地球に移住しようって話してたんだ。それで去年、実家と話し合うために地球に降りたんだ。その時、ザフトがNジャマーを地上に打ち込んで・・・・それからはひどい有様だった。牧場経営していた実家は略奪にあって両親も俺が来た頃には殺されてた。その後は身分隠して地球軍に入隊して、ボスに拾われるまで正体がばれるのに怯えながら暮らしてた。』
『・・・・・大変だったんだな、アンタ。』
『プラントにいる家族は、今頃俺が死んだと知らされているだろうさ。子供のこともあるから嫁も他の男とくっ付いているだろうな。息子もアカデミーに入って君みたいなザフト兵として前線に配属されて。』
『なあ、息子って何て名前なんだ?俺と同じぐらいの歳なら知り合いかもしれねえし。』
『・・・・「ジョニー」。』
『うん?・・・・あのさ、もしかしてだけどよぉ。アンタの名前ももしかしてジョニー?』
『あぁ、俺も「ジョニー」だ。家の家では長男に代々「ジョニー」って名前を付けるんだ。だから、親父も「ジョニー」、爺さんも「ジョニー」だ。』
『あぁ!!アンタもしかして行方不明になったって言ってたジョニーの親父さんか!?』
『えっ?ゆ、行方不明!?』
『アカデミーで同期だったから話は聞いてたんだ。「本当は入るの嫌だっただけど地上で行方不明になった親父を探すためにザフトに入隊するんだ」って。お袋さんたちも死んだって聞かされても信じないで帰ってくるの待ってるんだってよ!間違いなくアンタだよ!!』
『あ、アイツ・・・・まさか、俺を探すために・・・・。それでどこに配属されたんだ?』
『成績はそんなに悪くなかったんだけど・・・・・腹が弱いって理由で宇宙軍に配属にさせられてたっけな。本人はがっかりしてたけど。』
『あぁ・・・・は、ハッハハ・・・・・そうか。遺伝子操作してもこればっかりは治らなかったんだよな・・・娘の方も遺伝しちゃったし。ハハハ・・・・ははは・・・・』
『おっさん?』
『うっ、別に俺のことなんか気にしなくたってよかったのによ・・・・・待っててくれたなんて・・・・うぅう・・・・自分の幸せを優先すればいいのに・・・』
『・・・・アンタの息子、良い奴だよ。アンタに似ている。だからよぉ、戦争終わったら帰ってやれよ。奥さんも喜ぶだろうからさ。』
『うっ、うぅ・・・・・そうだな・・・・早く帰んねえとな・・・・くうぅ・・・・』
『ふう・・・・俺も帰れたら久しぶりに親父と話そうかな?』