美音蘭は私の頬に手を当ててもちもちと感触を味わっていた。口内がもぐもぐ動かされ空気の入り方が変になる中で私は、姿見に望遠鏡を入れる絵を思い浮かべた。人間が通ることができるのだ。物も通すことはできる。しかし、
「どう考えてもサイズ合わなくない?」
「……分解する?」
美音蘭もその場の思いつきで話したようだったが、厳しいことは目に見えていた。望遠鏡を起動して武器としての機能を発揮した時点で奇跡的とも言えたが、分解ともなると設計書が必要になる。
設計書なしで、勢いのままに分解をしてしまった暁には、復活させることができずに、私の部屋に幅を取るガラクタが溜まるだけになる。
きっと、美音蘭のお父さんは事情が分かるのだろうが、いかんせん感動された身が助けを借りる訳にも行くまい。二人はすっかり黙ってしまった。
と、そこで一つ別の仮説がぽんと頭の中に滞かんできたのだ。次々と築かれていく事実らしきものの間を縫えば、いや原点に立ち返れば。今まで、気になっていたが一向に解決の糸口がなかったもの。解決などできないだろうとたかっていたこと。この仮説が合っているのならば、私たちの繋がりが分かる。
「あのさ、そうなると一つ確約されることがないかな」
「な、何?」
そうなると、の中身が掴めなかったか、首を傾げている。美音蘭はすっかり装縮してしまって、先程感心していた私の脳内とはまるで違う振る舞いになっている。反省を強いられた悪戯っ子は情けなく映るものだ。そこに光を射すような素晴らしい発言をする訳ではないのだが、言いたかった。
「望遠鏡から撃った光線のせいでできた破片が地球に飛ぶんなら、地球と、この星が同じ宇宙上にあるっていうこと、だよね」
「......! 確かに!」
私たち二人は、幼少期から交流を持っている中で二人を繋ぐ世界の間に何か秘密はないか探っていた。
しかし、何一つとしてこつの世界に共通点を見つけることができなかったのだ。
それこそ望遠鏡で惑星を楽った日に星空を見て初めて感じたのだ。この世界もまた星空を持つ、惑星であると。当たり前のように、昼と夜を繰り返す。太陽みたいな自ら光を発する星があり、それによってもたらされる明るさを享受して生きる。地球と似通ったスタイルだ。別世界に飛んだなら、そんな常識の常識から洗い直さねばならない。しかし、その必要がないのがこの妖精の世界だった。
惑星に向けて撃った光線。それからできた破片が玉突きで地球の方まで飛んでいくのだとしたら、大凡惑星の延長線上に地球があることになる。
「私たち、ここを異世界として認識しすぎてたけど、もしここが同じ宇宙上なら、鏡は異世界への入り口じゃなくて、他の星へのワープホールになるんだよ」
「ワープホール……」
美音蘭はパンと手を叩いて私を指差した。洞穴の中に音が響く。半ばそれに驚きつつ、美音蘭の晴れた表情に期待を寄せていた。ワープホールになら、心当たりがあるのだろうか。
「戦時中に、開発されたって聞いたことがある。もし、戦況が悪くなった場合、疎開するためのワープホール。実際、ずっとこの国が有利に働いてたから使われたことはないと聞くけど。でも、開発自体は成功していたらしいの。それかもしれない。鏡の形をしてたんだ……」
「一応カモフラージュだったってこと? ザ・ワープホールって見た目じゃないもんね。てか、そっちにも鏡の概念あったんだもんね」
「あったよ。あれ、これ自分の姿反射する素材じゃーん、的な感じで」
「雑」
戦時中、疎開するために開発され、見た目は一見分からないように鏡の姿になっていた。なるほど、理解はできる。
「待って、じゃあこの星の名前って何?」
「ファイナンスっていう、けど。そっか。じゃあ千遥の方も星としての名前があるよね。日本てことしかちゃんと把握してなかったわ」
「地球って言うんだけど」まさかの妖精の星が財政という名前だとは。確実に語源は異なるが。そのまま隠語にできそうな名前だ。
「それにしても、何でそんなに遠い、地球に繋がって……?」
「保険かけてたんだと思う。他国の戦艦はかなり探知機能も優れてたから、近くの国に飛んだところで意味がないし。そこももしかしたら敵国側かもしれないからね。だったら確実に戦争に関わりがない国に行く方が確実っていうか」
大分ギャンブルな疎開である気がするのだが。それなら、流石に実験時に妖精が地球に派遣されているはずでは? 地球に美音蘭の仲間は未だ居るのでは? 途端に望みが出てきた。
「てか、国? え、もしかして美音蘭が言ってる国って。惑星と同義なの? 宇宙戦争してたってこと?」
「そこから? だってそっちも歴史的に他国と戦争してたって話だったじゃん」
「いや、こっちは星の中でも二百余国に分かれてるから、国同士って言ったって地球の中に収まるけど?」
「マジか、何だよ。じゃあ前に千遥が見せてくれた本に載ってた人工衛星って戦争用の武器じゃないんだ? あれから光線出たりするのかと思ってたよ」
「それは説明読めば分かるでしょうが」
「あんまちゃんと読めないんだって」
美音蘭との認識の齟齬が上手くパズルのようにはまっていった。望遠鏡は一度海上の敵に対して使われたと聞いたが、海を挟んだ戦いというより、空を挟んだ戦いで、敵に、星に上陸されていたということだったのか。よって、早急に打ち抜ける強力な武器を用いた、と。
この鏡は、疎開用のワープホールだったのだ。ならば人が通ることができるのは当然だ。どうやって人間界の鏡と繋げることに成功したのか。それは恐らくこの財政の星、名付けるならば「財星」の歴史を紐解かないとならない。更に私たちのサイズ感も変化することも謎である。計算上、この財星は地球よりかなり小さいことになる。
「凄い技術だね……。ワープホールも、あり得ないくらい強い武器もあるのに、まともな住宅があんまり建ってないってどういうことよ」
「そっちこそ、インターネットとかAIとかが発達してるのに、何で羽も生えてないの?」
そういうものか、と二人は思い切り笑った。他の星の技術というのは計り知れない。それらを結集すればきっと物凄い力になるのだろう。
長年の謎、というものはこうもあっさり解けてしまうものか。二人を繋いでいたものはファンタジーでも何でもない、他星の技術だったのだ。まさか、鏡の形をしているとは思わなかっただけで。
「なら、他の場所にも鏡はあるんじゃないの? まさか、一度に一人しか通れないような鏡一つな訳がないよ。色々なサイズで、もっと数があるはず」
「……望遠鏡がすんなり通る鏡もあるかもしれない」
点と点が、曖味な点線によって結ばれた。それだけで私たちは大興奮、というくらいに盛り上がった。これなら、私たちの力で隕石を防ぐことができる。
待てよ。本当に、これは私たちが責任を負うべきものなのか? 私たちの過失が地球に危機をもたらしていることは確かだが、手を出していい問題か? 望遠鏡を持ち込んで、地球で使用することは許されるか? 銃刀法違反、にも引っかかるか分からない何かを持ち込めるか。
その疑問が絶えず浮かぶ中、美音蘭は私の頬をまた掴んだ。少し強い力で頬の内壁が引っ張られ思わず振り払う。
「何?」
「資任取るなんて考えはやっぱり駄目だよ千遥」
思わず私も美音蘭の頬を掴んだ。柔らかい。美形の顔が少しだけ歪む。やはり手を払われた。
「え、いや。ここまで決断しておいてやっぱり無視するって、どうなの?」
私の元からの性質を気にしているのだろうが、仮にも私たちの過失が原因なら責任を取らずとも罰則は受けるべきだ。地球の危機単位の事件を引き起こしておいて心が痛まないほど頑丈ではない。もっと繊細だ。
「違う。考え方を変えよう。普通に、地球が終わったら今まで稼いだお金が無くなるし、将来二人で暮らす場所も無くなる。大損どころの話じゃない。だから、こう考えよう。これから行うことは、あくまで私たちの利益のため。もし、私たちが地球救っちゃったら、大儲けどころの話じゃないよ!!?」
「……はは」
ダイナミックというか向こう見ずというか。ポジティブが過ぎるその考えに、私は呆れる他なかった。同時に、この子とともに生きていくのだ、という決意がより強固になった気がした。
私は弱い。でも、美音蘭はそれを補ってくれる。前を向かせてくれる。行き当たりばったりでも、進んでみようと思えるのだ。
「そうと決まったら鏡探しだよ!街に出よう、情報集めだ!」
美音蘭に引っ張られて、私はふわりと風に乗った。未だ明け方の空が私たちの新たな日々を告げる。挑戦を続けていくのだ。無謀な挑戦を。地球を救ったら、今度は一転大儲け。本当は責任を取るだけ。でも責任の所在なんてバレっこないのだ。
空中から見た街は、閑散としていて、いや。一点に妖精が集中している様子だった。
「今日、何かあるの?」
「別に、何もないはずだけど?」
街に出ると、何やら騒がしかった。喧騒の中心は見えないが、多くの妖精たちが野次馬に集まっているらしい。それも、何か物珍しいものを見るときの興味津々な明るい声ではなく、どよめきと言うべきか、低くくぐもった声の集まりだったのだ。
鏡探しどころではないようなトラブルの匂いがした。基本的に、今の財星は平和を保っているはずだが、今回は事件ではないか? この、現場を囲むような円の陣形。これは妖精の国でも同様なのだなと感じられた。未だSNSなどが存在していないため撮影をしようとしないことが救いに思えた。
「こりゃ何が起きてるんだか」
美音蘭の支えで喧騒の縁の方にそっと着地した私は、近くに先日見た三日月型の髪飾りを見た。あのコーヒー中毒の妖精だ。
「ユージーさんじゃん、何これ、何が起きてるの?」
美音蘭が近付くと、彼女は心配そうな表情で円の中心を指差した。
「貿易商の店が襲われてるの、見知らぬ奴に」
襲われている、これは間違いなく事件を示す言葉だ。私が今まで抱えていた緊張とは種類が違うものがのしかかる。
「え、貿易商が?他国から誰か来てる訳?」
これは、戦争の危機ではないか。両方の世界に何か事件が起きている。その嫌な予感が私の胸の辺りを撫でていた。
「他国、なんだろうけど。誰も見たことないの。近くの国じゃないかも。羽が生えてなくて、頭は丸くて。体格が良くて。貿易商を拘束して店の中を調べてるみたい」
「何で誰もそれを止めないの!?」
「だって見たことないから怖いんだもん……!」
ユージーさんの情けなさと言ったら。彼女もひ弱なのは分かるが誰かの応援も呼ばず何をやっているのか。
その髪飾りもまた貿易商から買ったものではないのか。多少義理くらいありそうなものだが。
「見てくるか、貿易商の店」
美音蘭が闊歩し出すものだからそれはそれで驚いた。ユージーさんと彼女の間のギャップは随分とでかい。心中でユージーさんを非難しておいて一歩が重い私が情けない。
この星には、警察というものが居ないらしい。犯罪に無縁というか。私怨から起こる殺害事件などというのも起こっていない、あくまで平和なものらしい。
妖精たちの間を縫っていくと見えて来たのは派手な色の看板を掲げる二階建ての店。周りの店に比べてかなり飾っているように見える。儲けはそれなりに大きいらしい。隙間から見えたのは、表に出されて項垂れる貿易商らしき人物の姿。羽を容赦なく折るように縄で縛られている。固く縛っているらしく、周りの妖精も手が出ないようだった。
その奥に見えたのは、妖精には似ても似つかないような黒いTシャツ。頭は丸刈りで、広い背中には汗をかいている。腕に血管が浮かんでいるが皺は寄っておらず、年配にも見えない。と、ここまでまるで、人間らしい特徴ばかりが集まっていた。私は背中に重みを覚えた。まさか。
「あれ、花田さんじゃん?」
その後ろ姿は敏感に美音蘭の声に反射して動いた。吊った眉に対し目はまんまるで大きく、人が良さそうに見えた。
花田さん。間違いないならば、それは美音蘭に東宮さんを紹介した人物である。
「……、待て、君。みおちゃんとか言ったな。何故、ここに居る? 何故、羽が生えているんだ」
みおちゃん、というのは想世ちゃんに誤魔化すための偽名だったはず。みおちゃん、という名前はまさか、SNS上で使用しているものだったか。何となく落胆するものの、感動の再会、みたいなものに水を差すことはできなかった。いや、きっと感動でもない。花田さんは、金を強奪した美音蘭を恨んでいるはずだ。そしてその後、
待て。何故花田さんが生きているのか。東宮さんは消えた、と言っていた。GPSの反応が切れたと。それなのに、こんな所に居る。
まさか、妖精の星に居たことが原因なのか。
「花田さんこそ。東宮さんが消えた的なこと言ってましたけど、何でここに? そして何で貿易商の店を襲ってるんですか?」
「……訳を話そう。二階に来い」
花田さんは、自分が花田で、私たちが東宮さんに関係していることを認めた様子だった。捕らえてある貿易商を引き摺って店内に押しやる。
あまり腕は太く見えないが力は強いらしい。美音蘭がお兄さん、という言葉を選んだことも分かる。眉は太いが精麗に弧を描いていて、端の左側にある大きな黒子もまた、あまり圧を感じさせない。株倉さんとは違うようだ。そして、今の所鶴見さんのような静かな怖さも見えない。
そのまま二階への階段を登る。木造の階段がきしぎしと音を立てる。古民家らしい特徴を秘めながら思いの外綺麗である。立っている家々はまともに見えるのに、どうにも数は少ない。それが財星の特徴だ。すると、見慣れないオブジェなどの間に、いくらか見慣れたような小さな達磨が置いてあった。
「何でここに達磨が?」
「何、ああ、あの悪趣味な顔面した奴?」
「美音蘭、何か呪われるよ。そんなこと言ってると」
「え、あれ呪物なの? 怖」
「呪物じゃないけど……」
貿易商は、一体どうやって達磨を手にしたのか。貿易商は他国と取引を行うと聞いた。その他国、というのが他星を指すならば、もしかすると。
二階に着くと、沢山のダンボールが置いてあった。
棚に整列しているものと、机の上にそのまま並んでいるものがある。伝票らしき紙も置かれている。
「これが、貿易商が売ってた商品かぁ」
美音蘭がそれらに手を触れようとすると、厳しく花田さんに払われた。花田さんは私たち二人を睨んで不審がっている。それも当然。居るはずがない人間が、妖精がここに居るのだから。突然飛びかかって拘束されなかっただけ実はありがたいかもしれない。少なくとも、ここはお互い、警戒するのが筋かもしれない。
「みおちゃんに会ったのはあっちの世界のはずだ。何故ここに居る。君も妖精だったのか?」
「ご名答、私は妖精でーす。あ、でもこっちは鍋島千遥。人間だよ」
美音蘭は私の背中をぽんと叩いて隣に立たせた。花田さんは疑うような目を向けたが、美音蘭がさっと私の羽を外すと信用したらしかった。
それにしても、咄嗟になのか何故本名の方を、と思ったが一旦流しておいた。その反応が本名か否かを語る気がした。
「人間と、妖精のコンビなのか。ここを行き来できる、ということは君たちも鏡を?」
「え! 鏡を知ってるんですか?」
私は焦ってそう口走った。タイムリーな話題に食いつかざるを得ない。実際そうだ。地球に居た人間がこの星にやって来ているということは、鏡が関係しているはずなのだ。
「知っているも何も。俺もそれを潜って来ている。仕事先で見つけたんだ」
仕事、という言葉に躊躇したように見えた花田さんだが、美音蘭が「花田さんのアドバイスのお陰で今は東宮さんの下で仕事してますよ。白石と黒川って名前でやってます」と言うと咳払いをして続けた。おい、今ので鍋島が本名だとバレたぞ。名乗らずともどうせ組織内になら知られているだろう、くらいの気でいるのか。
ともかく花田さんは自身が雑に残した後継が卵から孵ったことを知って安心したらしい。
「あの日、君、みおちゃんではないんだよな? 白石と呼べばいいか」
美音蘭の反応を確認して、罰が悪そうに花田さんは領いた。後ろめたい気持ちはあるのだろう。SNSで見つけた美少女に声をかけて何処かに連れ込んでいる事実は消えないのだから。それが後々再会することになるとは思ってもみなかったはずだ。
「白石と会った日、あの日は重要な仕事が入っていた。死を覚悟しなければならない仕事だったからな。ヤケクソで君に会ったんだ。正直、働き始めて以降まともな人間関係を持っていなかったから当然恋人なんて居なかったもんだよ」
それは、当然か。この仕事をしていて一般人と関わりが深いのはリスクを大きくすることだ。
「金をすられて笑うしかなかったがな。仕事内容は、犯罪組織のアジトに入るといえば簡単な話だ。詐欺から殺しまでマルチにやってた連中だったが、とうとう追い詰めてな。結果、命に関わることはなかったんだ。あちらの連中はひっ捕えたんだがな、それにしても未だ謎が多かったんだ」
詐欺から殺しまでマルチに、というのはブーメランにならないのだろうか。実際、東宮さんの元で働く人間達が何処までの悪事をやらされているのかは不透明だった。
「謎、ですか」
「遺体の行き場が分からなかったんだ。凶器なんかも含めて。何処に処分されたのか。それらを探るためにアジトに残っていたんだが、そこで鏡を見つけたんだ。イメージできるか、バレエ教室にあるような一面鏡になっている壁があったんだ」
「それが、この星の入り口……!」
まさか、犯罪組織が証拠隠のために鏡を使っていたとは。何とも不名誉な使われ方をしたものだ。
花田さんはつまりそこからこの妖精の星に訪れて今の今までここに居る、ということた。では、何故戻ることをしなかったのか。
「そこからこちらに入ると、すぐそこにもう魔乱死体やら武器やらが散らばっていて酷い匂いだった。どうやら山ん中だったみたいだが、妖精さんたちは偶然にも寄り付かなかったらしい」
山中に大きな鏡があるという事実を知っているのかと問おうとしたが美音蘭が明らかに初耳だという様子だったので愚問だと処理した。
疎開するための入り口の場所と言ってもあくまで歴史の中に埋もれた品であるのか、知られていないらしい。付近に妖精が住んでいる様子がないなら尚更だ。
「そこから離れて調査をしていた次第だが、帰れなくなった」
「え。それまた何故です?」
「簡単だよ。鏡が向こうで割れたらしい。通り抜けられないんだ」
「ああ……」
当然の話、と言えば当然の話だった。鏡が入り口なら割れたら終わり。想像できるミスである。バレエ教室の鏡。あれだけ大きかったら望遠鏡を通せる可能性が高かったのに。惜しいことである。
「そこからはずっと調査だった。俺も帰らなきゃならないからな。他に鏡がないか探った。そして今、ここで見つかった改第だ」
「......! 見つかったんですか!」
運がいい。探してすぐに見つかるとは、とんとん拍子に行き過ぎている気がして、これはこれで怖かった。