Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜   作:かもめカメ

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今回はあの子再び…
そして、あの子達が遂に登場‼


車椅子の少女と4人の桃髪少女達〜邂逅〜

前に少しだけお話をしたのだが、憶えているだろうか…?

 

アスベルとエステルが出会った1人の女の子の事を…。

 

 

名は八神はやて。

 

その子の両親は既に他界し…

自身には身体的障害を患っていながらも…

懸命に生きている車椅子の少女である。

 

そんな彼女なんだが、実はアスベル達と出会う前にもう既にこのお話の主人公である少年、高町ディム・センダースが所属していた組織(ギルド)「アドリビトム」。

そのギルドのメンバーと既に邂逅を果たしていたのである。

 

これはその時のお話である…。

 

時はアスベルとエステルと出会うずっと前の話…

 

遡ればそれは今年度に入ってすぐの4月はある日の事だった…

 

ーーーーー

「今日もええ天気やな〜」

 

と、如何にも関西なまりな声を発したのは、今回のお話のメインである少女・はやてだ。

彼女は就寝をする時以外はほとんど車椅子での生活を余儀無くされている…いや、その生活しか出来ないのだ。

 

理由は明白…足の神経麻痺による機能不全だ。

 

そのため、思うように足が動けず、自分が生きてきた中でのほとんどを車椅子で生活しているのだ。

 

そんな彼女の家は1人暮らしにしてはあまりにもデカすぎる物件だった。

元は両親と共に暮らしていたであろう実家なのだが、

先に述べた通り、はやてには両親はいない。

 

そんな中でも彼女は懸命に生きているのだ。

 

本来なら、はやてと同い年の少年、少女は学校に行かなくてはいけないのに、彼女の場合はほとんどを家か近くにある図書館、いろんな品が揃っているスーパー、

そして担当医がいる病院の4つの場所を転々とした毎日を彼女は送っていた。

 

そんな彼女には夢があった…

 

"家族が欲しい"と。

 

家族の暖かさを感じ取れずにこのご時世まで生きてきたはやて。

 

両親がいなければ、兄弟姉妹のような存在もいない。

 

自分の事を心配してくれている人がいるのはいるのだが、

それはこう言ってしまうと悪いかもしれないが、赤の他人なのである。

 

なので、はやては家族の温もりを知らないままこの年まで生きてきたのである。

 

「今日は如何しようかな〜♪」

 

口ではああ言っているが、心の中では寂しく感じていた。

 

"神から授けられし試練"と言えば聞こえは良いかもしれない…。

だが、逆を取ればこう言う発言も見て取れる…。

 

"神は何故不幸を自分に与えるのか"と。

 

ーーーーー

その日の夜…

 

「今日も色々な事があったな〜♪」

 

と、何やらウキウキ気分のはやて。

当たり前の日常かと思うのだろうが、

彼女からしてみればそれは毎日のように楽しく生きているようにも感じるのだ。

 

因みにはやての手元には鎖で頑丈に封じられた一冊の本がある。

 

これが後の事件に関連する書物…闇の書(・・・)である。

 

そう言いながら、はやては就寝しようとした。

 

その時だ…

 

 

ピカァァァー‼

 

「⁉な、何や⁈」

 

突然、外から真昼のような光が放たれ、はやては外を見た。

 

そして、そこにはいつの間にか4人の桃色の髪を生やした女の子達が倒れていた。

 

1人1人服の色が違うが、顔ははっきりと言って全員似ている。…1人だけ別だが。

 

「⁉あかん!はよ中にいれないと!」

 

その光景を目の当たりにしたはやては自分の庭にいる4人の女の子達の所まで行った。

 

何故、不審者である彼女達を家の中に入れようとするのか?

そのようにみてとれるのだが、はやてからしてみれば、何処の誰かをみすみす餓死してしまう方が余程嫌いなようで、

彼女達を一先ず家のリビングへと連れて行くのであった。

因みに無事、運びきったそうだ。

…車椅子に座っていながらよく4人をよく運びきったものだ。

 

ーーーーー

それから数時間が経ち、今は朝の6時を過ぎた時だった。

 

「う、う〜」

「!」

 

1人の女の子が無事に起き上がった。

水色のワンピースみたいな服装を着ている。

左手にはポーチらしい物を付けている。

 

「此処は…?」

「気がついた?」

 

周りの風景を見渡す女の子。

 

「貴方は…?」

「うちか?うちははやて。此処の家の主や。

そこにおるのは貴方の姉妹?」

「え?…!パスカ!グラスバレー!ウィンター!」

 

そう言うと女の子はその子達の名前であろう呼び名でその三人を起こそうとしていた。

 

「大丈夫や。皆、少しだけ寝てるだけやけん」

「…そうですか。良かった〜」

 

そう言うと内心では安心していた。

 

「所で貴方のお名前は?」

「!あ…ごめんなさい!私、カノンノ!カノンノ・イアハート!」

「そうか〜。じゃあこれからはカノンノって呼んでもええか?」

 

その子、カノンノははやてに自己紹介をした。

そこではやてはカノンノって呼ぼうかと言おうとしたのだが、イアハートは首を横に振った。

 

「なるべくなら、カノンノって言うのは、極力控えて欲しいな〜」

「?何でや?」

 

はやてはその理由を聞いた。

 

「実は…此処にいる三人も、カノンノ(・・・・)って言う名前なんだ…」

「・・・え⁉」

 

何とも言えない理由だった。

此処にいる桃色髪の女の子達全員の名前が同じ名であったと言う事に。

 

その事ではやては一瞬、思考が停止した。

だが、すぐ顔を振って話をした。

 

「んじゃ、さっき言っとったパスカや、グラスバレーってのは?」

「あれは皆のファミリーネームだよ?」

「んな⁈」

 

そのような事を言われて、さらに困惑したはやてなのであった。

 

そうしていたら…

 

「う、う〜」

「此処は…?」

「あ痛たた…何処だ、此処?」

「!皆!」

 

皆がようやく目を覚ましたのであった。

イアハートは、皆に簡単な説明をした。

 

「…そうかい。っと、助けてくれてありがとな?

あたいはカノンノ・D・ウィンター。この娘達の姉のような者だ。よろしくな?」

「私はカノンノ・グラスバレー!」

「私はパスカ・カノンノ。パスカは私の故郷の名前なんだ♪」

「…全員、カノンノって言う名前なん?」

「「「「そうだけど?」」」」

「…マジですか…」

 

先程、イアハートが言った事が本当だった事に内心、驚いていたはやてなのであった。

 

「そう言えば此処は何処なんだ?」

「此処は私の家やけど?」

「…あ、いやそうじゃなくて…此処は地図では何処ら辺なのかなって、思ってな?」

 

そう言うと、ウィンターは懐から地図を取り出した。

その地図を見たはやては、驚いていた。

 

その地図は地球の地図では無かったからだ。

 

「…これ、ホンマに地図なん?」

「「「「・・・え?」」」」

 

その一言で、皆の周りの空気が可笑しくなった。

 

「いやな、うちの知ってる地図はこっちなんよ…」

 

と言うと、はやては書棚にあった地図を取り出し、それを広げた。

 

それを見たカノンノ達は目を疑った。

 

"自分達が知ってる奴ではない"と。

 

「…嘘だろ…」

「嘘やあらへんよ?皆、この地図やで?」

「「「「…嘘でしょ(だろ)⁉」」」」

 

それにより、ますます混乱したカノンノ達であった。

 

ーーーーー

それから、ようやく頭の整理を終えたカノンノ達。

しかし、自分達のいる場所がまさかの異世界に終始戸惑いを隠せずにいた。

 

そんな時、はやてから衝撃的な一言を口にしたのであった。

 

「もし、良かったら…

 

 

 

 

 

 

うちの家族になってくれませんか?」

「「「「・・・はい⁉」」」」

 

…あまりにも唐突すぎる一言であった。

だが、他に行く宛もないカノンノ達。

 

それに今のはやての現状を見たカノンノ達は昔の自分達を重ねていた。

 

イアハートは、幼くして両親がいなくなった。

しかし、その時にニアタからの助言を頼りに様々な事を教えてくれた。

 

グラスバレーも同じ境遇だが、こちらは執事をしていた存在・ロックスプリングスことロックスから教わって今に至る。

 

D・ウィンターの場合なんだが、

彼女は元々は男の子だった。

だが、親を、家族を、友達を村の皆を殺されて、

その時に負の感情体であった悪しき存在に身体を捧げた為、性別を転換させたのだ。

もっとも、今ではそんな事は無いに等しいのだが、

女の子の姿のまま生活を送っている。

決して後遺症とかそう言う物ではない。

自ら選んだ結果で今の姿になったのだ。

 

パスカの場合は、近い未来のうちに自らの星を自分の手で滅ぼそうとするかもしれない。

だが、そのような事実をパスカ自身は知らない。

 

何故なら、それを実現する前から次元を超えてやって来た存在だからだ。

 

はやての今の現状を目の当たりにした皆は、少し戸惑いをかけていた。

自分達がこの子の家族になれるのかと。

 

だが、その沈黙の空気を打ち壊したのは、

グラスバレーだった!

 

「私…貴方の家族になってあげる!」

「⁉ホンマに⁈」

 

それを境に、

 

「なら、私も!」

「グラスバレーがそう言うなら、私も!」

「はぁ〜…ったく、お前らは…

でも、家族か…悪く無いかもな?」

 

上からパスカ、イアハート、ウィンターがそれぞれ口にした。

 

「皆!ありがとう!」

 

こうして、カノンノ達ははやての家族になった。

 

構成順で言うなら、

ウィンターが長女、パスカが次女、イアハートが三女、

グラスバレーが四女、そして何故かこの家の主なのにはやてが末っ子というポジションになっていたのだが、

年齢がそれぞれ…

 

「あたいは16歳だけど?」

「私は15歳だよ!」

「私とグラスバレーは14歳だけど…」

「私は11月生まれで、イアハートは7月生まれだから、イアハートが上になるね♪」

「うち、9歳やわ…」

 

と言う如何にも単純な理由であった。

 

ーーーーー

其れからと言うもの、すっかり家族のように接してきたカノンノ達。

自分達は魔法が使えると言った時にははやてが凄く驚いていたのは言うまでもない。

 

そして月日が経ち、5月は某日。

 

「これから、ちょっといろんな事をしなくちゃいけなくなった。

だから、1週間程ばっかし留守にするけど、大丈夫か?」

「大丈夫や!お姉ちゃん達も気ぃ付けてぇな?」

「うん!分かった!」

「それじゃ!」

「レッツゴー!」

「…相変わらずハイテンションな奴等だよ、全く…」

「あはは…。ウィンタ姉ちゃんも気ぃ付けてな?」

「ああ。んじゃ行って来る!」

 

そう言うとカノンノ達は家を後にした。

何故そうしたのかは、金銭関係に影響して居るからかもしれない。

はやての分のお金はあるけれども、自分たちの分までは流石に無かった。

だから、近くにいる魔物を退治して、自分たちの分を補おうとしたのであった。

最初ははやてに止められそうになったのだが、

皆は身体が鈍るのがあまり好きではなく、寧ろ動かしたかった。

それに自分たちの分は自分たちでと言う信条を掲げていた。

だから、カノンノ達は魔物退治の際に落とす道具や、魔物の素材を売って、生活をしないといけなくなったのである。

 

その為、カノンノ達はこの市内の見回りを兼ねて、魔物退治や自分たちの世界でやってきたギルドのような仕事…

この世界では何でも屋や萬事屋などの事を指すのだが、

それと同じような仕事を探す為、今住んでいるはやての家であり、自分たちの今の家を後にしたのであった。

 

「さて、うちもそろそろ行こうかな♪」

 

そう言うとはやては1人、車椅子を押してとある場所へと向かった。

 

 

もうお分かりだろうか?

 

はやてはこの後、ある者と出会う。

それこそが前の話に出てきた騎士の青年・アスベルと、

皇女の女性・エステルとの出会いの始まりなのであった…




カノンノ。
パスカのディセンダーである、パスカ・カノンノ。
グラニデに住むおとぎ話が好きな女の子、イアハート。
アスタリアにて性転換と言う異色の経歴を持つ元男の子現女の子のD・ウィンター。
そして、ディセが1番に好きだといった存在、グラスバレー。
彼女達との出会いは後の事件に大きく影響を与える…。
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