Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜 作:かもめカメ
ディセはこの状況を如何捉えるのか…
――2005年12月24日
ーーーーーSIDEto⁇
「リインフォース…」
我が主、八神はやて。
夜天の魔導書の最後の主が貴女のような人で本当に良かった。
そんな顔をしないで下さい。私は貴女に会えてよかった。
私が残っている以上、防衛プログラムは再構築され遠からず暴走を引き起こしてしまう。
そうなれば今度こそ如何にもならない。
私だって本当は消えたくは無い…だが主と其の仲間に危険が及ぶ可能性があるのならばいっそ…
貴女は私に『リインフォース』と言う強く美しい名を送ってくれました。それだけで充分です。
主も、其の仲間も皆優しい。
其の優しさに甘える事はできない。
ふと、将と目が合った
――将よ、主を任せる。
――あぁ…主はやては何があってもお護りする。お前と我が剣に誓おう。
ふふ、何処までも生真面目な…だが、それだけに頼もしい。
…さて、そろそろ、
ありがとう小さな勇者よ。
最後まで諦めずに『私』と戦い、暴走を止めてくれた少女に其れだけを告げる。
主はやて、高町なのは、フェイト・テスタロッサ、そして守護騎士達よ……本当にありがとう。
そして私は自らを消去した…
…と言うのが僅か数十秒前の出来事なのだが…
一体何が起きたのだろう?
確かに私は自分を消去したはずなのに何故こうして存在して…?
場所は、先程までと同じ。季節は異なるか…
場所そのものは己を消去したのと同じ所なのだが、少なくとも季節は『冬』ではなさそうだ。
何が起きたのか皆目見当も付かないが、
先ずは己の状態を確認しておくか…
取り合えずは戦闘装備の展開を……はて?
展開は問題ないようだが、私の戦闘装備の上着はこんな色ではなかったような…?
雑じり気の無い純粋な黒か…
よく見てみると胸でクロスしていた部分も黄色から赤に変わっている。
騎士服の方は如何だろう?
…矢張り違うな。
青の部分が赤に変わっているか。
本当に何が起きたのだろう?
それに『闇の書の意志』として戦っていた居た時の技は全て使える…何故なのだろうか?
…考えても仕方ない。
現状確認が最優先だな。
先ずは可能な限りの情報収集をした方が得策。
ならば最初に行くべきは、我が主『八神はやて』の家。
ーーーーーSIDEto⁇
砕け得ぬ闇の完成を目指し、しかしオリジナルとの戦いに敗れ私達『マテリアル』は消滅したはずでしたが…
何故未だ存在しているのでしょう…?
おまけに、
「えぇい!一体どうなっている!」
「消えてない!僕、消えてないよ!!」
此の2人が一緒とは……いえ、嫌な訳ではありませんが。
力よ嬉しいのは分かりますが少し落ち着きなさい。あと、その様に叫んでは迷惑ですよ王。
「むぅ…だが、うぬは気にならんのか?実に不愉快だが我等はあの小鴉等に敗れ消えた筈なのだぞ?」
「そうだよ〜!ま、こうして消えてないから僕としては嬉しいんだけどね〜!」
確かに不可思議とは思いますが…
其れよりも何か気付きませんか?
私が感じているのは恐らく気のせいなどではないでしょう。
王も分かっている筈。
「…!矢張りうぬもか…あぁ気付いているとも。我の中に
矢張りですか。
しかし如何言う事なのでしょうか…?
砕け得ぬ闇の完成を目指していた私達が闇を求めないとは…
加えて服の色も変っているようですし…
まぁ此れは此れでオシャレですが。
「ま、何でも良いじゃない?僕達消えてないんだし!」
…私は貴女のその脳天が時々とても羨ましくなりますよ…
ともあれ現状確認が最優先ですが…!?
此れは!?
転移魔法、一体…
「わぁぁ何此れ!?」
「転移魔法だと?小癪な…此の程度が我に…。」
ダメです…転移が始まっています
一体私達に何を…!
瞬間視界が光で多い尽くされてしましました…
ーーーーーSIDEto⁇
よもや異なる世界とは…
現状確認の為、主はやての家に出向いて得た答えが此れ。
時期尚早だったのか『闇の書』はまだ未起動状態。
だがあの闇の書に間違いなく『私』は存在している。
私の存在を未起動ながら感知したようだ。
故に此処は別の世界なのだと結論付けられる。
少なくとも『私』は起動前に『私』の存在を感知した事など無かったのだから。
しかしそうなると如何したものだろう?
此の世界の『私』が存在している以上、私が主はやてに『今の時点で』関わる事は避けたほうが良い。
…我が主…はやて…
私の事をまだ気づいていないと言う事になるのか…
私に名前をくれた我が主、はやて。
しかし、この世界はまだ私は機動も確認していない。
それに…あのピンク色の髪の娘達は一体…?
…とにかく、今は無闇に接触はやめておこう…
だが並行世界となると、何故私は此の世界に…?
其れが一番の疑問。
『闇の書の管制人格』は2つも要らない筈…
考えても答えは出そうには無い…
そして考えに埋まっていたせいだろう、私は其れの発生を感知する事ができなかった。
!!転移魔法!?しかも強い…!
離脱は…最早不可能か…
今度は一体何処に…
ーーーーーSIDEtoディセ
今、俺となのはは買い物帰りの真っ最中。
因みにクロノとジュードは身体を鍛え直す為、近くの公園で手合わせをしている。…もちろん結界を貼って。
セネルとリーガルは今回は翠屋のお手伝い。
意外にも紳士姿のリーガルを見て、
ー異性だったら、間違いなく付き合っていたー
と思えるぐらいのナイスガイだったのは言うまでもない。
ミラとエルはルルと一緒に今日はすずかの家に遊びに行っている。
同じ猫好き同士、気が合うのだろうな?
それにしても…
「気になって拾ってきちゃったけど、此れ何の本なんだろう?」
帰りの途中になのはが見つけた鎖で縛られた真っ赤なハードカバーの本。
なのはが何故か気になって持って帰ってきちゃった…アリサは『変なもの拾うな!』って言ってたよな…
でも、本当に凄く気になるのは俺も同じだ。
まるでこの本が見つけて欲しかったみたいに思えるのは気のせいか?
なのはや俺がが気付くまで誰も気付かなかった…
目の前に有ったと言うのに。
其れに、
「うん、やっぱりキレイ」
…確かにな。
この本には埃一つ付いてない本当の真っ赤。
道端に放置されてたのにも関わずだ…
「でも、どうやって開けるのかな?」
取り敢えず、二アタに詳しく調べておかないとな?
と言う訳だから、俺がこの本を預かる!異論は?
「無いの♪」
よし!
ーーー
そう言うと俺は二アタにその本の事を調べた。
【(…ディセンダー。如何やらこの本は我々でも分からない事があるようだ)】
そっか…なんか残念だな。
【(だが、この本には持ち主を決めるようなシステムがあるようだ)】
持ち主を決める?それって、この本は今の今まで本当の持ち主がいなかったと言う事になるのか?
【(あくまで可能性としての話だ。だが、否定が出来ないのが現状だ)】
そうか…
そう思っていたその時だ!
――パキン
【(⁈)】
なっ?!
い、行き成り鎖が外れた⁈
「うぐっ!!?」
其れに頭の中にイメージが……
この本は…『
畜生!整理してもさっぱり分からないだと〜⁉
と、取り敢えず中身を見てみれば何か分かるかなぁ?
そう思って表紙を開いた瞬間、
カッ!
「うわあっ!!??」
今度は何だ〜!?
ま、眩しい〜〜…め、目を開けてられないぐらいに…
「…?此処は……!貴女は…?」
は?…ひ、人の声?
此の部屋には俺と二アタ、それとレディアントしか今は居ない筈なのに…
やっと光が治まると、其処には綺麗な銀髪のお姉さんと、なのはと同じ位の3人の女の子が居た…
ーーーーーSIDEto⁇
魔力を全開にしても抗えないほどの転移魔法とは…
どうやら転移が終了したようだ。
「…?此処は…」
場所は誰かの部屋…?
其れよりも此の魔力…!
私よりも同等いやそれ以上だと⁈一体…
…!貴女は…?
目の前には驚いた表情をしている少年。
この少年からなのか⁈
何故彼が?それに其の本は一体?
彼が持っているのは色こそ赤だが、外見は『闇の書』そのもの…一体
!?
く、此れは…!
「あ、頭の中にイメージが…?」
「おのれ、猪口才な…」
「だめ…僕分かんない…」
私以外にも誰か…でもそれどころでは…
頭の中に流れ込んでくる様々な情報…あぁそう言うことか…
全て、理解した。
彼が持っているのは『夕紅の魔導書』
…一種のストレージデバイス。
そして私は闇の書と切り離されこの夕紅の魔導書の管制融合騎となったのだ。
ならば私以外の彼女達も此の魔導書に呼ばれたのだろう。
私同様、新たな主に仕える為に。
私以外の3人の外見が『彼女達』に酷似している事は気になるものの其れよりも先にやらなければ成らない事がある。
我が新たな主に先ずは挨拶をしなくては。
初めまして、我が主よ。
驚いている新たな主たる少年に跪き、そう告げる。
其の表情から驚愕が消えないのは…無理もない。
「だ…」
……?だ?
何を言わんとして、
「誰だ〜〜〜!お前ら一体誰なんだ〜〜〜〜!!!!!」
絶叫一発……し、至近距離だったのでダメージが…
う、迂闊だった…驚きの絶叫を考慮していなかったとは…
此の絶叫と共に、私と新たな主は出会った…
新たにやって来た4人。
銀髪のお姉さん。
なのはと顔が似ているショートヘアーの女の子。
フェイトやアリシアと似ている青髪の女の子。
そして、羽根を生やした坊ちゃんヘアーの女の子。
果たして彼女達の正体は如何に?
次回…正体明らかに。