Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜 作:かもめカメ
これらのイベントをこなしたとは言え、夏はお決まりの風物詩を含め色々ある。
寧ろ夏にしかできない事を楽しまないほうが大損である。
ディセ達もご他聞に漏れず、夏休みは略毎日を遊び倒していた。
此れも終業式の日に『自由研究』や『工作』を除いた宿題を終えたからこそだが。
ともあれ語り尽くせぬほどの充実した彼等と彼女達の夏休みの様子を見ていく事にしよう!
……『■■■ン』しないでちゃんとやれ?
其れは流石に無理だ。
では、ダイジェストスタート!!
「アイテムなぞ…使ってんじゃあ…ねぇぇぇぇ‼」
アイテムなんか使ってねぇよこのドSの自称紳士がぁ‼
ドゴォ!
「ぐぁぁあ‼」
「容赦無え…作者の野郎…」
「にゃははは…」
ーキャンプしようぜ!ー
夏と言えば『アウトドア』も定番の一つ。
高町家でも2泊3日の予定で郊外の山林にキャンプで来ていた。
空気が美味しく、小川もありキャンプには持って来いだ。
テント張りはお決まりの如く男の仕事で士郎と恭也とクロノにジュードが行っている。
桃子と美由希、ミラ達お姉ちゃんズは食事の際に使う竈を川原の石で製作中。
で、なのはとディセ達はと言うと…
「む〜〜〜…全然食いついてこないぞ〜〜!」
「釣りは忍耐ですよ蒼雷」
渓流釣りに勤しんでいた。
此処は山女や岩魚、鮎なんかが取れる小川で、釣った魚はそのまま夜のご馳走だ。
だが、早々連れる筈もないのはお約束。
お約束なのだが…
「来た…!」
「我もだ…!」
何でかディセと紫闇が魚釣り無双状態。
クーラーボックスが既に満杯だ。
「ディセ兄、紫闇…そろそろ充分だと思うの」
その凄さになのはが『もういいよ?』と言うが、2人の目的はとっくに別のことにシフトしていた。
「何を言うんだなのは!」
「我等はまだこの川の『主』を釣り上げてはおらぬ!主を釣り上げぬまま終わる事などできぬであろう!」
「…そうなの?」
「「そうだ!!」」
2人とも俄釣り人として覚醒してしまったらしい。
しかし、
「?…主とはこいつか?」
そう言ったのは家族内で釣りが趣味と言っていたリーガルなのだが…
明らかにデカかった!
「「「もう釣り上げてた〜⁉」」」
結局『主』級の魚を釣り上げたリーガルの実力は底しれず、大量の魚と『主』は桃子が様々に加工する事になったのだが。
因みに火を点ける際は紅華とジュードの鳳堕拳が大活躍。
炎熱系の魔法と技は応用が効くらしい。
最も、ジュードの場合はアローサルオーブと言うアイテムのおかげでそうなっているのだが…。
ついでに、テントの組み合わせにてディセと一緒になったのはクロノとリーガル、ジュードにセネルだったのだが、
なのははルナとエルとミラ、
更に美由希と一緒になったのは紅華と紫闇、蒼雷にムーンだった。
恭也が心底悔しがっていたのは想像に難くないだろう…
ーーーーー
ー自由工作が一番時間かかる!!ー
終業式の日にテキスト系の宿題は全て終わらせたが、流石に工作は無理。
只今、なのは、ディセ、エルは夏休みの自由工作中。
紙粘土、木材、空き瓶、布きれ等等、色んなものを使っての工作だ。
「よ〜っし、完成!」
真っ先に出来たのはエル。
木材等を使っておたまじゃくしの魔物『オタオタのマトリョーシカ』を何故か作り上げていた。
「凄いねエルちゃん」
「えっへん!」
「なのはは何を作ってるんだ?」
「私は定番だけど、紙粘土で貯金箱」
まだ完成はしてないがなのはが作ってるのは夏休み工作の定番の1つだった。
そして残る1名のディセなのだが…
「ディセ兄は何を…って⁉」
それは明らかに凄い奴を作ろうとしていた。
それは…
「?…1/16スケールの俺達家族の木像だけど?」
…前に言わなかっただろうか?
ディセは手先が器用だと。
ロイドとガイと共にアドリビトムに画期的な物を作る事を。
「「すごっ!」」
当然の反応である。
間違いなく休み明けには工作部門1番だろう。
因みにだが、ディセはまだまだと言っていたのだが、その理由が紅華であり、
彼女達は何もしないで良いのだが、
作品を見た影響なのか、自分達も作りたいと言いだしてやらせたのだ。
しかし…
廃材同然の奴で如何して『1/8スケールの機動戦士』を作り上げたのか…。それはもはや芸術の域を超えているとしか言えないのであった。
――――――
ー虫採りも夏休みの一つ!!ー
虫採りだって外せないと言えば外せない。
幸い、海鳴は自然も豊かで少し市街地を離れれば虫採りに最適な林は結構あるのだ。
「成程、この世界の虫と言うのはこんなに綺麗なものも居るんだな。」
「僕達の世界にもいろんな虫がいたけど、此処まで豊富なのはいなかったよ」
クロノとジュードも連れてこられた訳だが、初めて見る地球の虫に驚いている。
まぁ、コガネムシやアゲハチョウ、タマムシなんかを見れば其れも頷ける。
セミの鳴き声が煩いが、此れもまた夏の風物詩だ。
「ね〜、ディセ、なんかおっきいの採れた!」
「蒼雷?カブトムシでも捕まえたの………って、ちょっとなのは!」
慌ててなのはを呼び出すディセ。
「如何したの?ディセ兄…って、蒼雷⁉それ、ヘラクレス!?」
…蒼雷はトンでもないカブトムシを捕まえてきた。
ペットとして飼われていたのが逃げ出したのか、それとも飼い切れなくなって捨てたのか…
兎に角如何に凄くとも、生態系的には放っておけない『ヘラクレスオオカブト』!
「…そ、総員外来種を片っ端から捕獲するの〜〜!!」
即時命令!
「「了解」」
「「りょ〜〜か〜い♪」」
然る後に実行。
結局探せば採れるわ採れるわ外来種。
…遺失物として海鳴署に届けたら流石に驚かれたのは当然だろう。
因みに多く捕まえたのは意外にもジュードであった。
ジュードよ…君の身体からフェロモンが出ているのでは無いのか⁈
と、誰もがそう思ったのは気の所為では無いかもしれない。
ーーーーー
―番外編:デバイス作りましょうー
「私のデバイス?」
「あぁ、ジュエルシード事件の際に貴方のその刀…ボロボロになってしまっただろ?
其れを知ったマリー…僕の後輩で技術部の人間なんだが、彼女が貴方のデバイスを作らせて欲しいって。
もちろん、その刀を継承させて」
何が発端かは不明だが、真夏のある日のこんな会話。
ジュエルシード事件終結時にミラが決戦時に持っていた刀を修復及びデバイス化にしようとの事。
如何にも管理局技術部の人間が其れに名乗りを上げたらしい。
尤も、ミラは自身が元とは言え精霊である為にデバイスはあまり必要としない。
しかし、刀を使ってみて自分用の武具の有用性も理解していた。
「折角作ってくれると言うなら無碍に断るのも悪いわね。お願いしようかしら?」
「分かった。一応何か要望が有れば言ってくれると助かるんだが…」
「そうね…」
要望と言われ、自分の戦闘スタイルを思いながら考える。
どうせなら尤も自分にあったものが良いのは当然だろう。
「形は杖や手甲の類ではなく近接戦が出来る刀類の物が良いわ。私の力にも耐えられる強度も必要かな」
「刀や騎士の類だな。他には?」
「…属性魔法の強化と魔法の処理速度向上を所望するわ」
「了解だ」
果たしてどんなデバイスが出来上がることだろうか…
と思っていたら、ムーンが現れた。
「済まないが執務官…私も良いだろうか?」
如何やらムーンも自分のデバイスがあった方がこの先、良いと言う事らしい。
そう言うとクロノはムーンの意見も聞いた。
ムーンはミラと異なり、籠手等の格闘戦仕様が良いとの事だった。
それを聞いたクロノは2人分のメモをとっていたのであった。
此れは兎も角として、夏休みは怒涛のように過ぎていった。
充実と言うなら、これ以上充実した40日間も無かっただろう。
ーーーーー
――8月31日早朝・海鳴臨海公園
ーーーーーSIDEtoルナ
怒涛のような40日が過ぎ、気がつけば夏休みの最終日です。
クロノ執務官様とジュード様も今日でミッドに帰ることになっています。
今はその見送りです。
「40日間も世話になった。こんなに楽しかったのは久しぶりだ、感謝する」
「ううん、私達も楽しかったから。また何時でも来てね」
「出来れば、平和な時に何時でもきて欲しい物だな?」
「うん、そうだね」
開店準備で桃子様達は見送りには来ていません。
お土産に翠屋のシュークリームを用意していたのは流石ですけどね。
さて、そろそろですね。
「執務官、また来なさい。桃子達も喜ぶわ」
「何時でもこいよくろの〜!」
「まぁ、遠慮せずに来るが良いぞ?」
「お待ちしています」
「バイバーイ!クロノお兄ちゃん!ジュード!」
「また遊びに来てね、クロノ君!ジュードさん!」
「あぁ、仕事の合間でも見て来させて貰うさ。……それじゃあ」
「皆、待たね♪」
「あぁ、それじゃあな。………行ったか」
「うん…行っちゃった」
「まぁ、何時でも会えますよ。さ、戻りましょう」
「うん!」
夏休みの最終日だからきっと人が多いんでしょうね。今日は。
真夏最後の営業日ですし、私も手伝いますからね!とにかく頑張りましょう!
ですけど、それ以上に…リインさん?
「一度騎士達に会っておくべきか…?」
…リインさん、一体何を考えているのでしょうか?
はっ!いけないいけない!つい癖が出てしまいました。
そのおかげでいつもアスカから怒られているのでした。
「お〜い、クロハネ〜!ルナ〜!何してるんだよ〜?おいてっちゃうぞ?」
「あぁ、スマナイ」
あ、はーい!今行きまーす!
兎に角、今はこの平和な一時を過ごしましょう!
ーーーーーNo Side
こうして怒涛のような夏休みは終わりを告げた。
そして其れは救世主達が望んだ平和と平穏がしばし途切れる事を意味する。
近く幕は上がる。
救世主にとって、それは人生の分岐点を決める大きな戦いが始まる。
救世主はこの事実に如何捉えるのであろうか…
かつて自分自身が愛していた物達に剣を向けると言う事に…
本来ならあってはならない事なのだが、時はもう動いている…
いや、既に其れは始まっていたのだろう。
6月のあの日に。
そう…『闇の書』が起動したその日に、『A’s』へと至る扉は、きっと開かれていたのだった…
お待たせしました…
次回からA's編です。
乞うご期待‼