Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜 作:かもめカメ
しかし、それでも立ち向かう我らが主人公・ディセ。
そして戦いは新たな局面へと至る…
ーーーーーSIDEtoディセ
ちっ!最悪の状況だ…
せっかく、
「無茶するからこんな事になるんだよ?」
「うるせぇよ…でも、ありがとな…」
「本当に大丈夫?」
「ああ、心配かけたな」
「あの子が…」
「まぁ、やらなければ此方の方が負けるからな」
カノンノ達と戦うはめになるとは…
と、そんな風に感じているとカノンノ達の方に1つの魔法陣が浮き上がり、そこから2人の男女が現れた。
「⁉︎シグナム!大丈夫⁉︎」
「シャマルか。済まないが、先ずはヴィータの方を見てくれ」
「…遅くなった」
「ザフィーラ。済まないが、回復するまでの間、彼奴の動きを阻止してくれ」
「心得た」
どうやら、女の人はシャマルと言っていて、先程戦った女剣士はシグナムと言う名前で、赤髪の女の子はヴィータ、そして今、俺の目の前に立つ巨漢でありながら、何故か犬耳と尻尾がついた男の名がザフィーラである事が分かった。
「お前が、シグナムとヴィータを倒した者か?」
と、そんな事考えていたら、話しかけられてきた。
ああ、そうだよ。
赤髪っ子は生粋の突進馬鹿だったし、
女剣士は女剣士で剣術が上手いが、銃に関しては対処しきれていなかったよ。
「ほぅ…僅かな戦闘だけで、それだけ見抜くとはな?」
伊達に、戦場を駆け巡ってきた訳では無いしな。
…色んな意味で。
「だが!この【盾の守護獣】ザフィーラの相手になるかはお前次第だ!」
「防御系武闘派か…良いねぇ。そうこなくちゃ!」
そう言うと俺は手持ちの銃を戻し、拳を構えた。
その瞬間にレディアントが自動的にモード・グラップラーの格好を出してくれた。
サンキュー!
【(これくらい朝飯前ですよ♪)】
という訳だから、相手になるか試して貰うぜ!
「では…行くぞ!」
「来いよ、狼男のなり損ない!」
そう言うと俺達は瞬時に間合いを詰め、互いの拳をぶつけた。
ーーーーーNO SIDE
そこからはもう乱舞と言っても過言では無かった。
ディセが攻撃すればザフィーラが鉄壁の防御で阻止すれば、
ザフィーラが攻撃すれば、ディセは《柔軟舞踊》で軽やかに避けていく。
まるで舞を踊っているかのように。
「魔神拳!」
そう言うとディセは右手の甲で魔神剣の格闘ver.を繰り出した。
それを見た相手は特定の動作を構えた瞬間に此方に攻撃してきた…
「烈鋼牙!」
カウンター魔法。
そう思ったディセはすぐに左手でアッパーを繰り出した。
「ルーク直伝、烈震天衝!」
ルークから教わった直伝技《烈震天衝》。
アッパーを繰り出す事で、地面から土煙を噴出させる技。
だが、此処は生憎、空中の真っ只中。
じゃあどうやって?
…アッパーをする事で、上昇気流を生み出した。ただそれだけの事だ。
そうだな…≪
え?普通じゃないだろ⁈って?忘れてはいないか?ディセは世界樹の化身…そんな事は造作も無い事なのだ。
「…やるな?」
「おあいこだろ?」
お互いの格闘センスの影響なのだろうか、
いつまでも続く2人の攻防。
しかし…
「エンシェントノヴァ!」
「‼︎」
何処からともなく、ディセの頭上から、炎の熱線が放出された。
幸い、緊急回避で回避したディセ。
そして声のした方を見ると、
「…っち!(イアハート…)」
カノンノ・イアハート(以降イアハート)が攻撃をして来たのだった。
「大丈夫、ザフィーラ?」
「済まない。このままでは一向に終わる気配がしなかった。感謝する」
「お礼は後でね。それよりも…そこの男の子!」
「?おれ?…しかないよな…」
イアハートはザフィーラを心配していたが、如何やら杞憂の様だった。
それに安堵したイアハートは、ディセの方に向き話しかけてきた。
「貴方…一体何者なの?」
イアハートは話しかけて来る。
ディセは自分の事を話そうと考えていたが、今の自分の姿を思い出して、本音を言えない状態に陥っていた。
「………(参ったな…本当の事を言っても、驚いた後に信じて貰えないのが見え見えだしな。
それに、あの女剣士達と真面に戦ったから、信用のしの字も聞いてくれはしないか…。…参ったな…)」
「黙ってたら、色々分からないよ⁉︎」
「その辺にしておけ、イアハート」
そうは言っても…と、言おうとしたら、如何やら女剣士ことシグナムの体力が全快した様だ。
「…(マジかよ…)」
あまりにも早い回復力を見て、流石のディセも唖然になっていた。
「大丈夫?」
「おかげさまでな。しかし、彼奴に話す気が無いなら、後はやるしか無いぞ?彼奴のリンカーコアを蒐集する事が出来れば、少なくても200ページは埋まりそうだ」
「あんまり、無理やりは駄目なんだけどな〜?」
と、普通に話しているので、ディセにとっては呆気にとられていた。
と、ふいに後ろから小さいながらも声がしたので、ディセはそちらの方に見ると、アルフと紫闇がやって来た。
「無事か?兄上」
「大丈夫か⁉︎」
2人の心配にディセは頷き話をし始める。
「なんとかな。けど、厄介すぎる相手がいやがるのが、またなんともな…」
そう言いながら、イアハートたちの方を見るディセ達。
「それに、赤髪女の子相手になのはと紅華が、
あの女剣士…シグナムって言っていたな。そいつがフェイトと蒼雷をそれぞれ倒していた…」
「⁉︎なんと…」
「な⁉︎…彼奴ら!」
なのは達がやられたのを聞いて、紫闇は驚き、アルフは警戒心を剥き出しにしながら、イアハート達の方に怒りの矛先を向けた。
だが、ディセはアルフを宥めさせる。
「だからって、特攻していったら、あちらの思う壺だ。それだけは間違いなくしないでくれよ?特にアルフはな?」
「な⁉︎なんで私なんだ…「心当たりがいくつもあるのは気のせいかなぁ〜?」うぐぅ…」
「そう言う訳だから、アルフや紫闇は、彼奴らの猛攻を潜り抜きつつ、なのは達の回収をしてくれ」
そして、ディセはアルフ達に役目を与えると、前に出て、
「俺は俺で、こいつらに出来るだけ、近づかさせないようにする!それだけだ」
と言って、拳同士を打ち付けた。
すると、
「私達を忘れてはいないか?」
「ええ!」
ふいに聞こえた声により、その方を見るとそこにはムーンとミラが共にいた。
「私達はシグナム達を相手にします」
「あんたはあんたで、あのピンク髪の女の子達を相手にして頂戴。
4対1になるけど、大丈夫?」
「…ふっ。愚問さ。寧ろその方が効率が良い。良いぜ!その案、乗った!」
そう言うとディセはその場に留まり、
ムーンとミラは先行して来た。
「え⁉︎み、ミラさん⁈」
先行して来た相手に見覚えがあるイアハートはそう呟く。
他の皆もそれに気付く。
「これで!」
「うぉぉぉぉ!」
ミラが剣で斬ろうとしたが、ザフィーラの防御力を前に崩れた。
しかし、それは想定内。
「…
ミラは挑発をしかける。
「主、後は頼みます!」
そう言うとムーンはミラの所へと急行する。
そして、騎士達とムーン、そしてミラはその場から少し離れた。
それに便乗して紫闇とアルフはなのは達の救出へと向かった。
そして、ディセは残されていたメンバー…カノンノ達と相対する事になった。
相手がカノンノ達だからディセにとってはやり辛い事この上ない。けれど、なのは達と相対したもの達と手を組んでいる以上は敵になっている。
倒したくないと思いながらも今のディセはなのはの義妹。
心を鬼にして立ち向かうしかなかった。
たとえそれが…
愛する人に刃を向ける事になったとしても。
そう思っていたディセに声がかけられた。
「あんた1人で大丈夫か?」
口調は荒いが、根は優しい性格の存在…D・ウインタだ。
「…いや、大丈夫さ。
敵に情けをかけられたとなれば、生き恥だしな。それも相手が女性なら尚更さ」
「…そうかい…」
そう言うとカノンノ達は両手剣を構えた。
黄色の服を着た女の子…パスカは、桜色の剣《スプリングフローラ》を。
水色の服を着た女の子…イアハートは、蒼色の剣《セブンスサマー》を。
白色の服を着たカノンノ達の中で異色の高身長の女性…D・ウインタは銀世界を思わせるような血の色に染まってもいない大剣《クリスマスウィンター》を片手で豪快に担ぎ。
そして、ディセにとっては本当に戦いたくない赤色の服を着た女の子…グラスバレーが、自身と同じ刀身が真っ赤に染まっている大剣《オータムリリィ》を。
4人はそれぞれ持ち構えた。
「(レディアント)」
【(何でしょうか?)】
それを見たディセはレディアントと念話で話し始めた。
「(今回は何もしないでくれ)」
【(⁉︎な、何故ですか⁈)】
「(俺のこの拳で、彼女達に今の俺の事を知って欲しいんだ。頼む…)」
【(………はぁ。分かりました。けど!ピンチになったら、問答無用で武器を出しますからね‼︎)】
「(!…ありがとう)」
ディセの唐突すぎる内容にレディアントは怒ったが、ディセの思惑に感じたのか、はたまた、その内容に納得してしまったが、条件付きで了承したのであった。
「さ、始めようぜ」
そう言うとディセはファイティングポーズをした。
ディセにとっては厄介すぎる相手…カノンノ達との戦いの幕が…
ガキィィン!
開いた。
ディセにとっては戦い辛い事この上ない相手…カノンノ。
しかし、今のディセはなのは、紅華、蒼雷の義兄であり、フェイトの親友。
そんな4人を倒した者達の方へ力を貸すカノンノ達を相手に、
ディセは心を鬼にして立ち向かうのであった。