Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜   作:かもめカメ

87 / 92
今回はディセ達に勝利したカノンノ達の日常である。


襲撃後〜カノンノ達の守りたいもの〜

ーーーーーNO SIDE

 

此処は海鳴のとある一軒家。

その一室で少女が2人一緒のベッドで眠っている。

 

1人は以前に図書館で冥沙が出会った車椅子の少女――八神はやて。

もう1人は、昨夜なのはを襲撃した少女――ヴィータ。

 

状況を見る限りはやてが『闇の書の主』である事は疑いようも無い。

 

 

その寝室に現れたのは『闇の書』。

空中に浮かび、器用に紐を引張ってカーテンを開けて行く。

 

「ん……」

 

カーテンが開けられた事で差し込んだ光で、はやてが目を覚ます。

覚醒後でまだ眠そうだが、その視界に確りと『闇の書』を確認したようだ。

 

「ふあぁぁ…ん…おはよ、闇の書♪」

「………♪」

 

物言わぬ本ゆえに、はやての挨拶に返事は無い。

だが、それでも闇の書は(おそらくだが)嬉しそうにはやてに擦り寄っていった。

 

その闇の書を抱きかかえ、はやても嬉しそう。

はやてにとって闇の書と、その守護騎士達はとても大切な存在のようだ…

 

するとそんな彼女のいる部屋に向かってノックの音が聞こえた。

 

「はやて?起きてる?」

 

そう言いながら入って来たのは1人の女の子。

髪はピンクで、紅葉のような赤い服装を纏っている少女。

 

名はカノンノ・グラスバレー。

ディセにとって…かけがえのない人その者であった。

 

「おはよう。グラスバレーお姉ちゃん」

「うん。おはよう♪」

 

彼女もまたはやてにとっては大切な人達に変わりは無かった。

 

ーーーーー

はやての家は先ず、全員集まって挨拶する事から始まる。

 

「おはよう♪」

「おはようございます。主はやて。そしてグラスバレー」

「シグナムさん、おはようございます」

 

「おはよう、ザフィーラ」

「おはようございます。我が主」

「おはよう♪」

「おはよう。グラスバレー」

 

いつもこう言うやり取りをしながら1人1人に挨拶をしているのである。

 

すると、そんな中、1人だけ黙々と剣の手入れをする女性がいた。

先に言っておこう…シグナムでは無い。

シグナムは挨拶をした時から、素振りの練習をしている。

しかもその後も未だに剣の稽古をしているのだ。

なので、シグナムでは無い。

 

では誰か?それはこの後の台詞で分かる事になる。

 

「おはよう♪ウインタお姉ちゃん♪」

「ひゃあ⁉︎…!お、おい…!

あたいの時はいつも「お姉ちゃん」とか言わないでくれよな⁉︎」

 

その名はカノンノ・D・ウインタ。この家族の中では、色々と面倒見な性格をしているが、時々こう言う口調を取ることもある。

…所謂「ツンデレ」である。

 

「そう言われてもな?」ジロ〜…

「な、なんだよ…」

 

そう言っているとはやてはウインタにジト目を使ってきた。

ウインタはその様子から何かを察し感づくも、あえて控えめにスルーする。

 

するとはやては車椅子からするりと離れるやいなや、ウインタの背後に回り込んで、すかさず…

 

 

 

 

モミュゥ!

 

「きゃあ⁉︎」

 

ウインタの胸を揉んだのだ。

ウインタは他のカノンノ達よりも遥かに実ったそのメロンな双丘を持っている。

おまけにスタイルが良いのも相まって、出掛ける時は幾度となくナンパに遭ってしまうのである。

 

が、怪力持ちのようなアクションを見せるとすかさずナンパ野郎達は通称Gと呼ばれるあの忌々しい虫のように一目散へと逃げて行くのであるが…。

 

それはさておき、その突然の行動に流石のウインタも驚き、甲高い声をかけ上げてしまった。

 

「ちょっと!はやて!」

「ええやん♪減るもんじゃないし〜♪」

「あたいの精神面が減るから止めろ‼︎」

 

その行動を当たり前のようにスルーする騎士達とカノンノ達。

実はこの行動はつい最近始まった事では無い。

 

カノンノ達がはやての家族になってからしょっちゅうやるようになってしまっていたのだ。

しかも、はやてのそのちt…ゲフンゲフン。

そのマッサージの影響で、カノンノ達の胸は大きくなった。

3人は共にBからCへ1アップ。

そして今、被害に遭っているウインタに至ってはほぼ毎日やられまくりなので、

AからEまでなんと4カップもアップしていた。

 

勿論、シグナム達にも被害に遭ってしまっているのは言うまでもなく。

特にスタイル抜群のシグナムに至っては、ウインタの次に回数が多く、皆から『おっぱい魔人』と呼ばれるようになり、かなり頭が痛い様子であった。

 

さて、そんな被害に遭っているウインタは、流石にキレていた。

 

「そんな事するなら、はやてだけ"シャマルお手製料理フルコース"をプレゼントしてやろうか〜(#)」

「なっ⁉︎ちょっとそれだけは!」

「それ、如何言う事⁉︎」

 

ある意味て殺人兵器なシャマルの料理のフルコースを提示して来たウインタ。

それにより、はやては必死にそれだけは!と、懇願して、

それを聞いたシャマルはショックしていた。

 

すると、はやては何かを思い出したのか、ウインタにある事を話しかけてきた。

 

「そういえば、ウインタ?」

「なんだよ?」

「いつもザフィーラの世話をしてくれてるけど、なんでなん?」

「⁉︎わ、我が主⁈」

 

ウインタはよくザフィーラの世話をしている所をはやてはよく観察していた。

それを聞いたザフィーラは慌てていた。明らかに怪しい挙動である。

が、

 

「別に?ただ、犬や狼なんかの毛がフサフサしている奴を見るとお世話したくなっただけだよ」

 

そこはウインタ。ちゃんとザフィーラに助け舟を出す。

こう言う気遣いも何気に騎士達と友好的に扱ってくれているのである。

最も、その話は事実で、ウインタはアドリビトムメンバーであるメルディのパートナー・クィッキーや、ラッコのような見た目をしている種族。通称【モフモフ族】のキュッポ、ピッポ、ポッポのモフモフ三兄弟。

獣の戦士・ガジュマのユージーンの尻尾袋のデザイン、

リカンツと呼ばれる獣人種のカイウスやフォレストの服をコーディネートしたり、

イリアのお供の猿のコーダとその兄・アーダ。

終いには、ミュウやラピードにノルミン、そしてもはや毛が無い筈のティポや、高度な知能を持つと言われている種族・ナツナッツ族のパニールと、それに似た存在のロックスとモルモまで世話してしまっている事態にまで陥った事がある…。

それ故に彼女は、モフモフLOVE♡なのである…。

 

 

「(す、すまない…)」

「(お前もお前だ、ザフィーラ。無口なお前がいきなり怪しさ全開だったら、如何しようも無いんだからな?)」

「(以後、気を付ける…)」

「(分かればよろしい)」

 

そんな念話を通じての2人のやりとりをしていたのは言うまでも無い。

実はザフィーラはウインタの正体については他のカノンノ達の次に知っている。

理由はウインタ本人が告白したからだ。

 

 

ウインタは元々は男の子だったのだ。

 

彼は当時、豊かな環境下にいた。

けれど、先のラザリスとの戦いの際に、それは崩壊した。

両親が死に、兄妹も死に、町の人達も死に、終いには自然そのものまで死んだ。

彼は絶望してしまった。

そんな彼の所に強大な闇が現れて、彼に手を差し伸べた。

彼は自分の全てを捧げてしまい、

彼は闇に染まり、終いには性転換までして女になり、

当時大活躍していたカノンノ達やディセ達【アドリビトム】メンバー相手に一騎当千の力で圧倒させていたのだ。

 

しかし、テレジアのディセンダーとグラニデのディセンダー、そしてルミナシアのディセンダーことディセの3人の手により、彼女が捧げたその強大な闇は滅び、彼女は宛も無くなってしまった。

そこをルミナシアのアドリビトムマスターであり、別名【腹黒聖者】のアンジュによりスカウトされたのである。

 

それ以降はアドリビトムメンバー…特にカノンノ達からは懐かれて、今では大切な家族のような関係にまでなった。

 

後に元の身体に戻る薬が完成するも、当の本人は「このままの方が色々、落ち着けられそう」と言う理由でそれを断わったのだ。

 

ウインタの真実を聞いたザフィーラは、「それでもお前はウインタだ。それは変わらない」と言って、ウインタはザフィーラにだけ、心を許していたのであった。

 

それからは何事も無かったかのようにお昼が過ぎ、みんなで一緒に食事したり、

お風呂場でははやてがカノンノ達のちt…ゲフンゲフン。

訂正。胸をちゃっかり揉んで、カノンノ達は諸にはやての毒牙に犯され、それを見た騎士達に慌てて抑制する始末を起こっていた。

 

因みにウインタはザフィーラと共に、その被害に遭う前にすり替わって、お風呂に浸かり、のんびりと浸っていたのは言うまでも無い。

 

そして、はやては疲れたのか、自分の部屋で就寝したのである。

しかし、此処からがカノンノ達と騎士達の本格的な活動時間であった。

 

 

 

ーーーーーSIDEtoヴィータ

 

 

「………はやて?」

「Zzz…」

 

おし、完全に眠ってる。

一度寝たらよっぽどの事が無い限りはやては起きねぇ。

それ以前にシャマルが睡眠補助の魔法かけてるから、朝までは目覚める事はねぇ。

 

「…ちょっと行ってくる」

 

はやてが眠ったからって、アタシ等に休みはねぇ。

寧ろ、はやてが寝てからが本番だ。

 

 

〜〜

 

 

「悪い、遅れた」

 

着替えて公園に行くと、シグナム、シャマル、ザフィーラ、そしてカノンノ達は集まっていた。

まぁ、はやてが寝たの確認しねぇと動けねぇから、基本アタシが何時も最後なんだけどさ。

 

「あとドンくらいだ?」

「この前の子達で結構埋まったから、残り270ページね」

 

半分以下か。

ならさっさと埋めちまおうぜ、これからはきっと管理局の目も厳しくなるだろうからな。

 

「あぁ、我等が主のためにも闇の書は早急に完成させねばな」

「さぁ、行く準備だ…始めるぞ!」

 

アタシも、シグナムも…全員が騎士甲冑を纏う。

カノンノ達は何処からか両手剣を全員取り出す。

ウインタに至っては片手で両手剣を担いだ…どんだけの怪力だよ…。

それは良いとして闇の書はぜってー完成させる。

 

その為だったら、誰であろうと何であろうと邪魔する奴はぶっ潰す!

はやての命は、絶対にアタシ等が救ってみせる……いや、絶対に救うんだ!!

 

ーーーーーNO SIDE

 

一方、はやてがすやすやと寝ている家では1匹の猫がはやての様子を伺っていた。

 

するとネコは直ぐに屋根の上に行くと光を発生させた…!

 

みるみると姿を変える猫。

そしてそこには1人の女性がいた。

ただ、猫の耳と尻尾が出たままで。

 

すると彼女は何も無い空間からディスプレイが現れた。

 

『はい。こちらアリア。如何したの、ロッテ?』

「アリア。こっちは未だ動く気配は無いよ」

『…そう。分かったわ。引き続きお願いしておくわね』

「…ああ」

 

そういうと通信を切って、夜を見渡した。

そこには美しい三日月が照らし出されていた。

 

「良いのかな…

あんな、異世界の子達にまで協力させて…」

 

そう言う猫もといリーゼロッテはそう呟きながらもまたネコになって、姿を消した。

 

そんな姿を見ていた人影が1人いた。

 

「………ふぅ。

 

行くか…

 

全ては…カナの為に」

 

そう言うと人影は消えさった。

 

 

 

…1つ抜け落ちた金の髪の毛を残して。




はやてとの日常。
それが今のカノンノ達にとっては大切なものに変わりは無い。
だが、それを成し遂げる為には闇の書の蒐集をしなければならないと言う苦渋の選択。
カノンノ達はやってはいけないと分かってはいるけれど、やり遂げなければならなかった。

そして、それを傍観する猫改めリーゼ姉妹。
そしてそんな輩を眺め、そして消え去った1つの影。

物語は着実に動き始めていた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。