Talesof・Lyrical〜救世主と魔法少女達との物語〜   作:かもめカメ

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カノンノ達とは別に、敗北を喫したなのは達。
彼女達の様子を見ておきたい。


惨敗を味わった日〜しかしそれは修行のチャンスでもある〜

ーーーーーSIDEtoなのは

 

「おはよう、なのは。紫闇と紅華、蒼雷も」

「おはよう、フェイトちゃん」

「おはようございます」

「おっはよ~、へいと!」

「うむ、良い朝だな」

 

 

襲撃から一夜。

リンディさんのおかげで、アースラで治療を受けた私達は、ムーン以外の全員が一晩で回復した。

 

私達が早く回復できたのは、身体の怪我がある程度治されていたのとリンカーコアが『収縮』だけですんでいたから。

でも、リンカーコアに甚大なダメージを受けたムーンは回復には時間がかかるって…。

それに…

 

「…ディセ…いないの?」

「…うん…」

 

ディセ兄に至っては、朝起こそうとしたらもう部屋には何処にもいなかった。

それにニアタさんまでいなかった。

何処に行ったのかすら分からないのである。

 

昨日の戦いは、言い訳もしようが無いくらいの完敗だったの。

それだけあの子は強かった……デバイスが変形した後は全く何も出来なかった…!

 

「皆は大丈夫?」

「はい。魔法はしばし行使不能でしょうが身体の方は問題ありません」

「そっか…」

 

誰も言わないけど、フェイトちゃんも、紅華達だってきっと気持ちは同じ筈なの。

けど、負けたことよりも…

 

「あの人達は一体なんなんだろう?」

 

そのことが気になってた。

如何して、行き成り襲い掛かってきたのか、何で私達の魔力を蒐集したのか……分らない事だらけだったの。

 

「彼奴等は闇の書の守護騎士プログラム『ヴォルケンリッター』……やってくれたわ…!」

「「ヴォルケンリッター…」」

 

闇の書……って言う事はムーンと同じ存在。

其れなのにムーンをも襲ったって事は、きっと管制人格さんの事は覚えてない…

 

「結局私達は何も出来なかった。…けど、あの人達とはまた会う気がする」

「うん、私もそう思ってた」

 

フェイトちゃんの言うように、あの人達と私達はきっと又会う。

でも、今のままじゃ次に会ったときも結果は同じ。

 

いくら話を聞いてもらいたくても、其れをなす為の実力が無ければ其れすら出来ないの…!

 

「それに…あの子…ピンク髪の4人は何者なのだ?」

「ピンク髪の4人?如何いう事?」

 

不意に紫闇が何かを思い出したのか、重要な事を言ってきた。

 

「彼奴ら、武器は両手剣の類を持っていながら、魔法を行使する力まで得ておった。

そ奴等に兄上はやられたと言っておった。

何者なのだ…一体?」

 

両手剣の類?その子達はその両手剣で戦いながら、魔法を放っていた…?

ねぇ紫闇?

 

「む?なんだ?姉上」

「その子達…どんな術式をしてきた?」

『⁈』

「あれは…ミッドでも…ベルカでも無かった…

いや、あれは…兄上と同じ術式であったぞ」

「!ディセ兄と…同じ…」

「それって、リオン達と同じ術式と言う事にもなるよね?」

 

!流石、フェイトちゃんなの!

と言う事は、その子達は…

 

「兄上達と同じ…異世界の人達になる…と言う事でしょうか?」

「う〜ん…何がなんだか…」

「要するに、その4人組はディセ達の仲間であると言う事になるんじゃ…?」

「⁉︎なんと…」

「え⁉︎ど、如何いう事⁈」

「貴方に分かりやすく言うと、紫闇が見た4人組は兄君のかつての仲間なのでは無いか。と言う事です」

「へぇ〜…って⁉︎それだとなんで戦わなくちゃいけないの⁉︎」

「もしかしたら、元から敵だったんじゃ?」

「いや、それはまず無いと思うぞ。

我が兄上は彼奴らの事を少なからず知っておる筈だ…

教えてくれない限りはなんとも言えないがな…」

「兎に角、特訓…あるのみだね…」

「とーぜん!魔法使えなくても、しゅぎょーは出来るもん!ミユキやセネル達にも手伝ってもらって猛特訓だ!!」

「うむ、異論は無い。守護騎士に対するには我等の地力の強化も必須よ」

「私達は持って生まれた魔力の大きさに頼っていた部分があるのは否めませんから」

 

うん、強い力だけじゃ駄目なの。

其れを生かすためにも今よりも戦い方を磨かないと。

 

「早速今日からはじめよう」

「「うん!」」

「うむ」

「はい」

 

 

けど其れとは別に…

 

「それと…ムーン達のお見舞いも行かないとね…」

「そうだね…」

 

ムーン、レイジングハート…大丈夫だよね…?

 

 

 

 

 

 

ーーーーーSIDEtoクロノ

 

昨日の海鳴で発生したなのは達への襲撃事件。

マリーの方からデバイスの記録映像をまわしてもらった訳だが…

 

「ベルカ式…其れも真正のエンシェントベルカ…」

 

加えてカートリッジシステム搭載のデバイス付きか…厄介だな。

でもそれ以上に…

 

「この4人の女の子達は一体何者なんだ?

ディムと同じ術式を使っているし、何より…まるで四つ子のように思える程…顔が似ている…」

 

そこに映っていたのは、ディムと同じ術式でディムを攻撃し、ディムを落とした4人の少女達。

彼女達は一体…

 

 

プシュッ……

 

 

「あ、クロノ君」

 

エイミィか、如何した?

 

「ほら、担当事件の資料とかをね?」

「あぁ、ありがとう」

「…これってなのはちゃん達の…?」

「うん、レティ提督から捜査命令を受けた事件と、なのは達が襲撃された事件は類似点が余りにも多いから調べていたんだが…」

「如何したの?」

「いや、マリーからまわしてもらったなのは達のデバイスの記録映像なんだが…」

「うん、其れは見れば分るけど……ん?あ、アレ?」

 

気付いたか?

 

「うん、これ…この人達が持ってる本て、ディセ君や紫闇ちゃんが持っているのと同じ…!」

「あぁ、色彩こそ違うがそれ以外は全く同じなんだ。――凄く厄介な事だなこれは…」

「厄介って…この本知ってるのクロノ君?」

「…第一級封印指定ロストロギア…………闇の書だ」

「闇の書…!!」

 

どうやらこの事件、只の『違法ハンティング、強盗傷害事件』では済みそうに無いな…

それともう一つ…

 

「?…この子達は?」

「この騎士達と一緒に行動しているんだが、如何も彼女達の使う魔法術式が、ディムと似てるんだ」

「ディセ君に?…?って事は、リオンさんやサラちゃん達、そしてジュードさんと同じ術式を、この子達は使っていた。と言う事になるの?」

 

あくまで可能性の話になるがな…

 

 

プシュゥゥ…

 

ん?

 

「あれ?…ジュードさん。如何したんですか?」

「ああ、うん。実は、ディセが学校休んで、何処か行ってしまったようなんだ。

だから、サーチャーとかで捜索してほしいなぁって思ってね」

 

そう言う事か。分かった、なるべく急いで探すよ。

 

「分かった。んじゃ…?…あれ?

この映像は…?」

「先日なのはちゃん達がやられて、その原因を調べる為にデバイスの記録映像を見ていたんだ。それが…如何かしたのか?」

「!…嘘…だよね…これ」

 

そう言いながら、明らかにジュードの様子が動揺していた。

 

如何したんだ?

 

「此処に映っている女の子達…知ってる」

 

「「⁉︎」」

 

本当なのか⁉︎名前は⁉︎

 

「名前は…カノンノ。

それが彼女達の名前だよ。

黄色の服を着ているのはパスカ・カノンノ。

水色はカノンノ・イアハート。

白色はカノンノ・D・ウインタ。

そして赤色の服を着た女の子はカノンノ・グラスバレー。

…ディセが『大切な人』だって言っていた女の子だよ」

 

「⁉︎嘘だよね?」

 

あまりの衝撃に、エイミィは疑ったが、ジュードは首を横に振った。

…如何やら本当の事のようだ。

 

「それじゃあ…ディセ君は大切な人に裏切られたって言う事だよね⁉︎それじゃ、今のディセ君って…」

 

そう言おうとしたエイミィ。

それに気づきすぐに手で塞いだのは賢明な判断だ。

それに僕もそう思ってしまった。

今のディムは…精神的にかなりのダメージを負ってしまっていると。

 

急いで探さないと!

 

 

そう言うと僕はサーチャーを展開させて捜索した…が、

 

それはものの数秒で見つけてしまった。

 

ディムを見つけたのだ。

ただ、見つけたのは良かったが、問題があった…

 

ディムの奴…なんであんな所にいるんだよ‼︎

 

 

ーーーーーSIDEtoなのは

「此処が時空管理局…」

 

ムーンとレイジングハート達のお見舞いに時空管理局の『本局』まで来たけど…なんて言うか凄い。

まるで近未来にタイムスリップしたみたい。

間違いなく技術レベルが地球の数段先を行ってるの。

 

 

プシュ…

 

 

で、辿り着いた『デバイスメンテナンスルーム』。

え~と…この人が担当の人なのかな?

 

「あ、いらっしゃい。フェイトさんと…そちらの方々が…」

「高町なのはです」

「高町紅華と言います」

「高町紫闇だ」

「高町蒼雷だよ♪」

「はじめまして、時空管理局技術部のマリエル・アテンザです。クロノ先輩とエイミィ先輩の後輩です、マリーって呼んでください」

 

マリーさん。

あの、それで…

 

「うん、今は機能停止して検査してるからお話は出来ないけど…会ってあげて?」

「「「はい」」」

「うむ…」

「うん!」

 

 

円筒形のガラスケースの中に居るレイジングハート達。

壊れそうなくらいの皹が入ってる……酷い傷…

 

「幸い、コアは無事だから修復は出来るよ」

「「「お願いします」」」

「頼むぞ…!」

「お願い!」

「任せて♪」

 

うん、マリーさんに任せれば安心できそう。

 

けど、レイジングハート達以上に…

 

「ムーン…」

 

その隣の大き目の円筒ケースの中のルナ…マダ目を覚まさないんだ…

無理も無いよね、ムーンは私達と違ってリンカーコアを直接攻撃されたみたいだから。

吸収されるだけでも、意識が無くてもその苦しさを覚えてるくらい苦痛だったのに其れを直接攻撃されたルナはどれ位苦しかったんだろう…

こんなになるまで、私を護ろうとしてくれたんだよね…ありがとう、ムーン…

それでマリーさん、ムーンは…

 

「うん…身体の方の怪我は問題ないし、リンカーコアの方も直に治ると思うんだけど…

何て言うのかな、ムーンさんを『ユニゾンデバイス』とだけみるなら、本体が結構厳しいかも…」

 

「「「「「え…?」」」」」

 

ど、どう言う事ですか!?

ムーン、治らないんですか…!

 

「そ、そうじゃなくて治す事は可能なんだけど、結構無理してたのかなって…

今回のダメージじゃなくて、長い間稼動してた事による『勤続疲労』とでも言えば良いのかな?

言い方悪いけど『経年変化』による、言うなれば『老朽化』が見られるの…本人は気付いてなかったみたいだけど…」

 

「老朽化…」

 

あんまり良い気分がする言葉じゃないけど、ある意味では的を射てるのかな?

長い間生きてきたムーン……その月日の中で身体にきちゃったのかも…

 

「でも安心して、管理局でも次世代の『ユニゾンデバイス』の研究が行われるの。

その技術を転用すれば、ムーンさんの損傷部分も完全に治してあげる事はできるから。」

「お願いします!ムーンを助けてください!!」

「うん、任せておいて!

…けど、ムーンさんのコアダメージ…其れにレイジングハート達を此処まで壊すなんて…」

 

物凄い強さでしたから……ディセ兄の術式は私も使えるけどぜんぜん格が違った。

其れにデバイスの中で何か爆発してたアレは…?

 

「カートリッジシステムだねぇ。圧縮魔力の弾丸をデバイス内部で炸裂させて爆発的な力を得る古代ベルカの技術。

デバイスの強度と使用者の技術が低ければそのまま自爆装置になりかねない諸刃の剣…

紅華さんと蒼雷さんのデバイスには不完全な状態で其れが搭載されてたせいで破損に至ったくらいだから」

「カートリッジシステムは古代ベルカの戦乱期に開発された技術。

1人で多くの相手をする為の強化システムだってリニスから聞いたことがある…」

 

1対多を目的……それならあの異常な強さも納得なの。

でも、それなら尚更もっともっと強くならなくちゃ!

レイジングハート達が直っても、私達が今のままじゃ駄目だから!

 

「確かにな。現に、兄上はお主らがやられたのでかなりの怒りを使用していた事と彼奴ら2人がカートリッジを使わなかったとは言え、その2人を圧倒しておったからの」

 

⁉︎そこまで⁉︎

なら、益々ディセ兄が上になるって言う事だよね。

 

「うむ。兄上は『絆の力』と称しておった。

仲間や友達、そして家族を傷付ける奴等にとっては絶大な力を得ると言っておったな」

「なら、尚更私達が強くならないとね」

「はい。このままだと私達は兄君のお荷物になりそうです」

「デイセお兄ちゃんの前でぎゃふん!と言わせてやる!」

 

すっかり意気込んでいるの。勿論私も♪

 

「其れに付いてなんだけど、レティ提督からの伝言があるんだ」

「レティ提督から?」

 

『レティ提督』?

名前からしてきっと偉い人なんだろうけど、誰なのフェイトちゃん?

 

「レティ・ロウラン提督…リンディ提督と一緒に私達の裁判で奔走してくれた人でリンディ提督の古い友人だって…」

「なんと、リンディの旧友か?」

「『提督』と言うには相当に高い位の方でしょうが…其れほどの方が一体?」

 

 うん、レティさんが伝言て…

 

「『もしも戦闘の訓練をするなら本局やアースラの訓練室は自由に使って良い』って」

「「「「「えぇ~~!?」」」」」

 

ほ、本当に良いんですか?

 

 

「みたいだよ?ジュエルシードの時の事で、管理局でも君達有名人だからね~」

「そうだったんだ…」

 

ちょっと気恥ずかしい感じもするけど、これなら!

 

「うむ、気兼ねなく修行も出来ようぞ。」

「いっその事ミユキ達にも同行願いましょう、そっちの方が質も高くなるはずです。」

 

うん、其れが良いね。

 

「お~、さっすが紅華ん!凄いぞ、ぱちぱちぱち~~!」

「お褒めに預かり光栄です。もっと褒めて頂いてもよろしいですよ?」

「紅華ん、すご~い!偉いぞ~~!あったま良い~~~!!」

「ありがとうございます」

「え~っと…」

「何をやっておるか、マッタク…」

 

にゃはは…でもフェイトちゃんも其れで良い?

 

「うん。あの人達にもう一度会ったら、今度は負けないようにしなくちゃならないから」

 

「決まりだね♪」

 

今よりも強くなる。

私達は頑張るよムーン、だからムーンも早く目を覚ましてね?

 

「………………」

 

眠ったままのムーンは何も言わない。

けど、ホンの少しだけ頷いたような気がしたの。

 

「それとクロノ君から伝言が来てるんだけど?」

「?クロノから?」

 

なんだろう?

そう思っているとマリーさんが1枚のカードを渡してきた。

 

「『このカードに書かれている座標でディムを見つけた。

けど、忙しいから、君達で迎えに行ってくれないか?』だって」

「!ディセ兄が⁉︎」

 

ありがとうなの、クロノ君!

 

「そうとなれば行こう!」

 

そう言うと皆んなも頷き、私達はディセ兄のいる場所へと転送した。

 

ーーーーーNO SIDE

一方、先程までなのは達がいたマリーの部屋では、マリーがせっせと作業に明け暮れていた。

すると、

 

 

プシュゥゥ…

 

 

ドアが開く音が聞こえ、マリーは少し休憩がてら、部屋に入ってきた人に対して挨拶をかけた。

 

「ふぅ…あ!ウィルさん!」

「メンテナンスは大事だが、自分の身体を怠っていたら、話にならないぞ。ほら、差し入れだ」

「!ありがとうございます!」

「さて、私も博物学者として見ていくとしようかな」

 

そう言うとウィルはマリーの手伝いに入った。

 

彼の名はウィル、ウィル・レイナード。

自由のギルド(アドリビトム)のメンバーにして、【自称博物学者】。そして…

 

ディセの…仲間である。

 

彼はマリーの所で現れて、そのまま厄介になっていると言う。

そんな彼はまだ知らない…

今、マリーと一緒にメンテナンスをしているデバイス達が、全て仲間の手掛かりになる事など…知る由も無かったのであった。




ウィル・レイナード。
アドリビトムのメンバーにしてディセの仲間。
本職はセネルと同じマリントルーパーなのだが、
自ら【博物学者】と自称する程、考古学には目がない人。


…次回へ続く。
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