ニンジャスレイヤーAOS ラピット・ラビット・ホワイト   作:郭尭

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兎◆ニンジャ名鑑NO2【ノーターン】◆角◆
とあるキョート勢力に属するハッカーニンジャ。勢力内では嫌われるサイバネ者でもある。
ネオサイタマではソウカイヤへの電子攻撃や人材のリクルートを行っており、その存在に気付かれていなかった。それは彼自身のハッカー能力以外に、とあるニンジャがまだソウカイヤに加わっていないことが大きい。



ツーハンド・ガン・フロム・ロングタイム・アゴー 3

 

 

 パッセージスルーが如何にソウカイヤに不満を抱こうが、その組織が強大であるということは否定できるものではない。彼は学はないが、実地での経験から学ぶことが出来ないほどのイディオットではないのだ。

 少なくとも彼が知り得る中で、ソウカイヤが手出しを躊躇うだけの組織は、ネオサイタマには存在しなかった。

 

 ソウカイヤから下されるビズで、不本意な額のインシデントを受け取り、そしてソウカイヤの用意したアパートの一室でケモビールで不満を抑えるのが彼の日常だった。

 もし彼がもう数か月今の待遇に我慢してカラテを磨き続けていれば、何れはシックスゲイツのアンダードッグとして大きく待遇が向上していただろう。その程度には彼のジツは評価されていたのだ。

 

 そんな彼がソウカイヤをヌケニンする事を決心したのは、ある人物との接触があった。その男もニンジャであり、キョートの者であると語った。

 キョートの裏を支配するその組織は、ラオモト・カンの存在が目障りであり、何れはその排除を行う心算だと。そしてそのためにより多くのニンジャを、ネオサイタマに欲しているのである。

 

 うまい話ではあるが、同時に胡乱な話でもある。パッセージスルーにとって都合もタイミングも良すぎる。訝しむパッセージスルーに、キョートのニンジャが紹介したのがこのデスウィンド・ヤクザクランであった。暴力と恐怖で押さえつけ、ネオサイタマで確保したニンジャへ施すための飴、その内の一つなのだ。

 その接待を受けて良い目を見たパッセージスルーはヌケニンを決め、ソウカイヤのまだ支配域の外にあるこのヤクザクランの元で、キョートのニンジャから要請があるまで潜伏を続けていくという手筈だった。

 ただ、ソウカイヤの捜索能力が彼らの想定を超えて優秀だったのだ。より多くのニンジャを集めてから、事を起こそうという計画で用意された複数の潜伏先。だが本気になったソウカイヤの捜索を、ネオサイタマ内で躱し続けることは実際困難なのだ。

 キョート勢力にとって不幸中の幸いだったのはソウカイヤのターゲットはあくまでヌケニンした裏切り者であり、キョートからの介入までは把握しているわけではない事である。故にこそ、テストとしてアルミラージを含めたニュービーが送り込まれたのだ。

 

 パッセージスルーが追手の迎撃を選択したのは、彼のカラテとジツへの自信と、更にはキョートニンジャの援軍を期待してのことであり、彼が上げたノロシは敵の到来を伝えるためのものだった。如何なる相手であろうと、逃げ出し生き残るくらいはでき、時間を稼げば敵を増援のニンジャと挟み撃つことさえ可能だと。

 

 この自信が彼から、確実に成功したであろう、逃走という選択肢を奪ったのである。彼は奥ゆかしさが足りなかった。

 

 

 

 

 

 敵の姿を見失い、一番先に行動に出たのは、キツネビだった。

 

「お前ら、こっちに来い!背中合わせだ!」

 

 指示されるままに、アルミラージはスナイパーライフルを右手に構え、キツネビの元まで駆ける。左手でマインドシーカーの透明サイバージャケットの襟を引っ掴みながら。

 

「フギッ!?」

 

 アルミラージもマインドシーカーも、同格に自然と指示を飛ばせる正確ではなく、誰が決めるでもなく自然とキツネビが指示出しを行っていた。そしてアルミラージはいざという時、諸々をさて置いて決断的に行動が出来るのもあって、衝突なくそれに従えたのだ。

 だがアルミラージがキツネビの下に辿り着くまでの一瞬の時間、唐突にパッセージスルーが彼女の視界に現れた。

 

「イヤーッ!」「クッ、グワーッ!」

 

 アルミラージからは視界の上、中空から突如現れたように見えたパッセージスルーはそのまま空中キックを放つ。アルミラージは掴んでいたマインドシーカーを逃がすために放ってバックスルーで回避を試みたが避けきれず、胸板を蹴られ胸が揺れる。その胸は中々に豊満だった。

 

「ナニッ!?何処から!?」

 

 キツネビからすれば、唐突に背後から敵が現れたのだ。テレポートの類だとでもいうのか、考えが纏まらないまま、キツネビは敵に背後の敵にマワシゲリを繰り出す。だが咄嗟に繰り出された芯の通っていないカラテ、加えてキツネビは強力なカトン・ジツにかまけてカラテトレーニングを怠って来た。パッセージスルーはこれを難なくガード。すぐさま連続バク転で距離を離す。

 そこにキツネビのカトン・ジツによる火炎弾の追撃が迫るが、パッセージスルーはタタミ返しでこれを防ぐ。そう、このフロアのタタミは防火仕様なのだ。

 そこに更なる追撃が加わる。キックの衝撃から立て直したアルミラージの強力なジャンプキックがタタミを蹴る。タタミは壁のように直立を維持したまま吹き飛ぶが、後ろにいる筈のパッセージスルーを巻き込まずそのまま背後のフスマを突き破っていった。

 

「また……」

 

 タタミでの防御の後、消失。これが仮にステルス・ジツなら、時折自分のトレーニングを見てくれていたバンディットを凌ぐ隠密性だということになると、アルミラージは感じた。尤もバンデットはシックスゲイツとは言え、アニメイシヨンでは登場もしないモブニンジャ、どこまで基準にして良いかは疑わしくも思っている。バンディットに対する認識については、出番が少なすぎて覚えてなかっただけであるが。

 

 兎も角、アルミラージもキツネビも正体を掴めていないパッセージスルーのジツ。その正体に気付いたのはまともにニンジャのイクサに参加できていないマインドシーカーだった。

 元よりカラテに乏しく、既に大きなダメージを受けて十全に戦闘能力を発揮できない状態だと判断され、彼女の事をパッセージスルーは彼女に対する注意を怠ったのだ。そのため、防御のためと見せかけた、その実はジツの正体を視覚的に隠すために立てたタタミの横からその様を晒すというミスを犯したのだ。

 だがここでその正体を口にした場合、敵ニンジャが逃げてしまうかもしれない。敵のジツは暗殺に向いており、ここで取り逃がした場合自分たちが報復として標的とされるリスクを恐れたのだ。

 

 さて置き、パッセージスルーを取り逃がしたアルミラージは、元の目的通りキツネビと背中合わせの体勢になる。その際、倒れているマインドシーカーを視界から外さないように気を付けながら。

 

「オイ、ヤツのジツだか、テックだか、正体は分かったか?」

 

「分からない、だけど透明化ではないと思う。足音も、テックの動作音も聞こえない」

 

 アルミラージのニンジャ聴力は、何かしらのジツやテックのサポート込みでさえ、並ぶことが出来るニンジャは今のソウカイヤにはいない。自身の実力に対して、さして自信のない彼女であるが、ウサギ・ニンジャのソウルの影響か、ニンジャ聴力には相応しい自信を持っていた。

 だが、ウサギ・ニンジャのソウルが誇るのはそこだけではない。ウサギ・ニンジャは、兎角イクサに於ける生存性を磨き続けたニンジャだった。ヘンゲヨーカイ・ジツとて、その強靭なニンジャ身体能力やニンジャ再生力は何れもそのために学び取ったものでもあった。そして幾度ものイクサで身に着けた鋭いニンジャ第六感も、アルミラージには受け継がれているのだ。

 

「ッ!?イヤーッ!」「イヤーッ!」

 

 素早い一撃を放つため、アルミラージはスナイパーライフルから左手を離し、自身の後頭部より上の空間に、振り向きながらのハンマーブローを放つ。その一撃はキツネビの後頭部めがけて放たれたパッセージスルーの再度の空中キックを迎撃した。だが、不完全な姿勢で放たれた咄嗟の一撃で、必殺の意気を込めた一撃に抗するには十分ではなかった。アルミラージの腕は折れるには至らなったが、拳の芯に強い痛みと痺れが残る結果となった。

 

「ムウ、勘の鋭いヤツ、先に仕留めるべきは貴様か」

 

 二度も死角からの攻撃を防がれたパッセージスルーは再び距離を取った。徹底した一撃離脱である。パッセージスルーはマインドシーカーを一瞥すると、直ぐに意識から外した。最初のダメージが深刻だったのか、未だ起き上がる気配のないサンシタより目の前の二人であるとの判断である。

 既に二度の飛び道具による攻撃は防がれた。アルミラージのは決断的に駆ける。常忍の三倍以上の脚力と上半身を大きく捻って刺突を繰り出す。パッセージスルーは三度タタミを返す。銃剣はタタミを貫き、アルミラージはタタミごと前進、諸共貫くなりタタミで潰すなりを狙って。だが実際にはそのどちらにもならずに、途中で下方の方に何かにぶつかった感触があった他は一気にフスマまで突き抜けてしまった。ステルス・ジツではない、詳細が分からないのは変わらないがそこだけはアルミラージのニンジャ洞察力によって確信した。

 

 

 

 

 アルミラージたちの前から姿を消したパッセージスルー。彼が行使するジツは一定以下の厚さの無機物を通り抜けるというものである。そして彼がいる場所は地下エリアの更に下、各種配管などが通るメンテナンス用のフロアである。メンテナンスフロアでソウカイニンジャたちの居るエリアから離れ、フスマで隔てた外から一旦外に、そして一階まで上ってアンブッシュである。

 仮に一度、二度、と防がれようと何度でも状況をリセットしアンブッシュをするのである。幸運も集中力も無限に続きはしないのだ。

 そしてフスマで隠れられる位置で地下一階の床に潜る。粘り気の強いスライムを潜るような感覚と共に、タタミフロアに出る。相手はこちらまで見に来る可能性は低いとみている。何度も連続でアンブッシュを決めれば、普通は思考が守りに入る。パッセージスルーの経験則である。

 彼には静かに飛べば、フスマの僅かな消音性でも向こうに伝われない程度に、音を抑えるワザマエがあった。そして地上一階で床に耳を当てて敵の位置関係を探る。先ほどと同様、二人のニンジャの位置は再度近づく。そして床に潜り込み、三度のアンブッシュを狙う。

 

「イヤ「イヤーッ!」」

 

 空中からのキックを、完璧なタイミングでアルミラージがキックで迎撃で止められる。

 

「グワーッ!?」

 

 常忍の三倍位以上の脚力を誇るアルミラージのキックは、加減をした上でも一方的にパッセージスルーのキックに打ち勝った。押し負けた勢いで後方にに跳ね除けられたパッセージスルーはそのまま連続バック転で後退する。

 

「貴様!俺の現れる位置が分かったというのか!?」

 

 パッセージスルーはジツに頼り切った惰弱なニンジャではないが、そのカラテはジツを中心に添えてのものである。それを如何様に見抜かれたのか、驚きを隠せないでいた。それに対してアルミラージは親指で部屋に置かれた大型モニタを指した。そこに映っていたのは一階の防犯カメラの映像であった。

 元々このモニタにテレビ以外の映像を映す機能はない。それを倒れたままで相手の油断を誘い続けたマインドシーカーが脳内無線LANでハッキング、制圧したままのヤクザハウスの防犯システムと繋げて見せたのだ。そのため映像からパッセージスルーの降りてくる位置とタイミングを把握したのである。

 

 アルミラージはフィジカル重点のニンジャであり、キツネビはカトン・ジツ使い。そしてマインドシーカーはハッカーニンジャでもあったか。パッセージスルーはそう判断しシニフリじみた真似をやめて起き上がろうとするマインドシーカーへと必殺の一撃を叩きこまんと跳び上がる。だがそれはより早く駆けたアルミラージがマインドシーカーを回収してそれを防ぐ。

 マインドシーカーを左腕で俵担ぎして距離を取るアルミラージと入れ替わりにキツネビが前に出る。

 

「イヤーッ!」

 

 カトン・ジツの炎を纏った大振りの連続パンチ。先ほどの攻撃と比べると芯は通っているが、それでも決して達者ではないカラテで隙もある。だが纏った炎を纏っていることが防御の難易度を格段に上げている。パッセージスルーは安全マージンを考慮して大きな動きで回避し、必殺のチャンスを窺う。

 

「マインドシーカー=サン、左手に力が入らない。しっかり掴んで」

 

 アルミラージは改めてマインドシーカーを俵担ぎにする。マインドシーカーが孤立すれば、敵は確実に彼女を狙うだろうし、仮に死ねば連続アンブッシュ戦法が復活する可能性が高いからというのが理由の大部分ではある。

 マインドシーカーがアルミラージのジャケットを掴んだのを確認し、自身もパッセージスルーへの攻撃に加わる。銃剣による足元への一薙ぎ。パッセージスルーはこれを小さく跳んで回避。その着地に合わせてキツネビのキックが胸元に向かう。パッセージスルーはブリッジ回避の動作に入るが、最早間に合わないタイミングである。だがキツネビのキックは躱される。パッセージスルーの体は、足首までだが床の中に沈んでいた。カラテとジツを組み合わせた見事な回避である。そしてバックフリップを決めて二人の間から距離を取る。

 

 パッセージスルーは事ここに至って、初めてこの場からの逃走を考えた。見るからにニュービーであるニンジャたち相手に屈辱ではあるが、命あっての物種である。その一瞬の隙を生む。キツネビの水面蹴りでパッセージスルーの体勢を崩す。倒れ込んだパッセージスルーの顔面目掛けて体重をかけたストンプを落とす。

 

「イヤーッ!」「グワッ!」

 

 床ごとタタミを陥没させるほどの一撃、通常なら殆どのニンジャでもカイシャクとなる強力な一撃。だがパッセージスルーは自ら頭を地面に沈みこませ衝撃を拡散させることで頭部粉砕を免れた。とは言え常忍の三倍以上の脚力の一撃は、それだけで受け流せるものではなく、彼のメンポの顎を砕き顎骨に罅を入れた。

 アルミラージは追撃に銃剣で突き下ろす。これをパッセージスルーは逆立ちの姿勢から回避。そのまま銃身を掴み、下方に押し込む。なんと銃身先端のナイフはタタミを透過し床に沈んだ。そして手を離すと銃剣は床と融合し、近代アートオブジェめいた有様と化す。

 アルミラージは動かなくなったスナイパーライフルの、銃剣の先端を蹴る。銃剣をうまく蹴り折り、自由を取り戻すも追撃のタイミングを逃す。だがキツネビが連続側転でパッセージスルーを追い、逃さぬように背後に回る。

 

 パッセージスルーのジツは回避にも逃走にも優れた能力を発揮する。だが物体に潜るには若干の時間を必要とすることが、マインドシーカーの映像で見られているのだ。沈む際を狙われた場合、地面を踏みしめることが出来ない時間は,

特異な回避能力を齎すと同時に、カラテに致命的な隙を生みかねない諸刃の刃なのだ。本来はその隙を隠す意味ことと、防御を両立するためのタタミとフスマであったが、既にタネは割られてしまっている。安易に繰り返せなくなっていた。

 パッセージスルーのジツの正体が大凡晒され、ウカツな攻撃が出来なくなったが、かと言ってアルミラージたちも安易に攻撃に移れない。アルミラージの銃剣を床に沈めたことが、彼らを警戒させていた。生き物は引き摺り込めないと知らない彼らは自分たちが壁や床に埋め込まれることを、である。

 

 こうして生まれた膠着、イクサの場に一時の静寂が訪れる。互いに次の一手を 試行している中、フスマの外から響く足音があった。

 

「おお!漸く来てくれたか!ノーターン=サン!」

 

 このヤクザハウスで、今更地下に降りてくるモータルはもういまい。ならば降りてくるのは増援のニンジャであろう。そしてこの場にやってくるニンジャなど、パッセージスルーには自分をリクルートした人物しか思いつかなかった。

 足音はフスマの前で一度止まると、ボールのようなものがフスマを突き破って来た。それは黒いメンポを着けた、ニンジャの首だった。

 

「ナニッ!?ノーターン=サンが!ナゼ!?」

 

 それはパッセージスルーが救援として期待したニンジャの変わり果てた姿であった。ソウカイニンジャたちもその首に目を向けた。

 

「伏せろ!」

 

 ウサギ・ニンジャのソウルの齎すニンジャ第六感のアブナイ信号に従い、マインドシーカーを押し込める様に伏せる。

 

 BLAM!BLAM!BLAM!フスマ越しに二丁拳銃による連続射撃が彼らを襲う。だがアルミラージの警告にキツネビどころかパッセージスルーも反応してそれぞれ回避。

 ズダーン!フスマを蹴り飛ばし、銃を撃った本人が姿を現す。

 

 両手には大型のオートマチック・チャカ・ガン。全身を覆う薄茶色の包帯。そして顔には黄金色に輝くフルフェイス・メンポ。

 もし読者の皆さんの中にニンジャ古代史に詳しい方が居れたら知っているかもしれない、その黄金色のフルフェイス・メンポのデザインが古代エジプトで魔除けとしてもつかわれるデザイン、ツタンカー・メンポであることに。

 

「ブッフォ!?」

 

 古きファラオの棺に魔除けとして彫られることもあるこのデザインに、テンセイシャであるアルミラージは思わず噴き出した。

 

 ツタンカー・メンポを被った、ただらなぬアトモスフィアを発するこの男。全身を覆う包帯はカラテを纏っており、明らかにニンジャ装束である。この男はあからさまにニンジャなのであった。

 

「……ニンジャは杖を投げ、杖は大蛇となった。大蛇はファラオの家臣を丸のみにした……」

 

 何かをぶつぶつと呟きながらツタンカー・メンポのニンジャは二丁拳銃を構える。

 

「アイサツもなしか!シツレイなヤツ!」

 

 ニンジャのイクサに於いて、アイサツは神聖不可侵な行為。一度だけ許されたアンブッシュで一方の命が断たれたなどの、極めて例外的な状況以外では必ず行わなければいけない。だが一度のアンブッシュを経て、尚アイサツなしに攻撃を続けるツタンカー・メンポのニンジャの攻撃に、ソウカイニンジャたち諸共に狙われたパッセージスルーは側転回避しながら罵った。だが、側転の終了に合わせてツタンカー・メンポのニンジャが一足跳びに接近、パッセージスルーの胸板を蹴り抜いた。

 

「イヤーッ!」「グワーッ!?」

 

 パッセージスルーが吹き飛ぶ。そしてキックの勢いのままキツネビの側頭部目掛けて後回し蹴り。先に別人を攻撃した時間があったおかげで、キツネビに一瞬の猶予が与えられ、辛うじて両腕でガード。その威力はキツネビを吹き飛ばし、タタミの上を転がる。更にその反動を利用し、バク転ジャンプ。後方回転しながらアルミラージの上まで跳んでくる。アルミラージは咄嗟にマインドシーカーを蹴って遠ざけ、横に転がって避ける。

 

「ゴメン!」「ンアー!?」

 

 アルミラージはウサギ・ニンジャのソウルに由来するニンジャ第六感に従い、ツタンカー・メンポのニンジャと対峙する。裏切り者より、この相手の方が驚異度は高いと。

 同時に立ち上がったキツネビが叫ぶ。

 

「アルミラージ=サン!そいつを足止めしろ!俺が裏切り者をやる!」

 

 ツタンカー・メンポのニンジャは裏切り者の味方ではないようではある。目的は分からないが、裏切り者にも攻撃を加えているのだから。だが、仮にこのツタンカー・メンポのニンジャが裏切り者を殺した場合、ソウカイヤから自分たちの評価はどうなるか?このイクサは彼らにとってテストなのだ。獲物を奪われることが、どう評価に影響するか、少なくとも良い方向には傾くまい。

 キツネビの言葉に、アルミラージは従う形で彼女はツタンカー・メンポのニンジャに意識を集中する。

 

 ウサギ・ニンジャのソウルを宿すアルミラージ、そして誰も知らぬことであるが眼前のツタンカー・メンポのニンジャはファラオ・ニンジャのソウルを宿すニンジャ。アーチ級ニンジャのソウルを宿す者同士のイクサが始まるのである。

 

 

 





 大分冷え込んでいる今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?どうも、郭尭です。
 ここ暫く少しファンタジー書いてたのと、純粋に時間が取れずに投稿が遅れました。という訳でヤクザ天狗登場を予測していた方もおりましたが、二丁拳銃のオリニンジャでした。ファラオは二丁拳銃を使う、ソースはヤクザ天狗=サン。
 尚ファラオ・ニンジャ周りの設定は今後貼り下げる機会が有ると思いますが、ファラオ・ニンジャに関する本作のニンジャ真実の多くは本作世界線に限ったものです。誤解無きよう。
 それでは今回はこの辺で、また次回お会いしましょう。
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