勇者の世話係辞めたい   作:社畜

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2話

 

「ただいま帰りました」

 

私の感情とリンクしている様に重い扉を開けると、何かが走ってくる音がする。

 

「ごはんおかえり」

 

「私はご飯じゃありません」

 

帰って早々、襲って来たご飯モンスターの口撃を私はそう言って躱す。そう返すと、不満げな顔で彼女は腹の音を鳴らした。

 

「分かりました。荷物を置いたら、すぐ作るので待ってて下さい」

 

私には休みが無い、その理由がこう言う事である。

 

「あ、何が食べたいとかあります?」

 

「何でも良い。お肉なら」

 

なら、ちょうどお肉屋さんで買ったワイルドビーフのバラ肉があるからそれをステーキにして夕食に出そう。

 

そうして、キッチンへ向かい料理を始める。……待って、部屋が汚ねえ。出かけてから数時間。あのコンビが動いたか。

 

「賢者さん、この惨状は?」

 

「予想通りあの二人がやった」

 

賢者は淡々と私の背中に乗ってそう言う。重い。

 

「何で止めなかったんですか?」

 

「止めてもお腹が空くだけ、ならそのままにして置くのが最適解」

 

ブン殴りたいと心の中で思っても実際にはやらない。今大事なのは、この腹ペコモンスターを何とかする事。

 

 

 

 


 

 

 

「お待ちどう様です、ごゆっくりどうぞ」

 

焼きたてのステーキとライスをテーブルに置くと、腹ペコモンスターはすぐ席に座って食べ始めた。

 

ふぅ、これで少しは静かにしてくれる。この間に部屋の片付けをして、二人を呼ばないと行けない。部屋にいるのかな。

 

「勇者様、少し宜しいでしょうか。ご飯の支度が出来たので……」

 

『ああ、今行くよ!いつもありがとう。君が居なかったら本当に……どうなっちゃうんだろうね、ボクみたいな虫ケラ。戦闘だけしか脳が無いってバレたらきっと誰も今みたいに支持してくれないだろうなぁ。ねぇボクはどうしたら良いと思う⁉︎』

 

「はい、はい。ご飯食べてからゆっくり話し合いしましょうね。まずはご飯冷めちゃうので、先に食べてきてください」

 

『グスッ。今日のご飯は?』

 

「勇者様のはワイルドビーフのガーリックステーキです」

 

勇者様は人前ではカリスマぶって頼れる理想の勇者であり王子様みたいな感じなんだけど、実際はそんな事無い。自分に自信が無い普通の女の子だ。

 

まぁ、勇者様達は全員異世界から召喚されたみたいだし。結局異世界もこっちも変わらないと言う事だろう。まぁ、私にはどうでも良い。唯、彼女達が生きて魔王を倒すか、自立する。もしくは代わりが出来るまでは、私に暇は無いのだから。

 

『ガーリックステーキ好き。流石解ってるぅ!』

 

先程まで泣いていたとは思えない程のテンションで彼女は食卓へ向かったのを見て、お酒でも飲んでるのかなと私は思った。

 

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