勇者の世話係辞めたい   作:社畜

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7話

 

やっと自分の時間が作れる。と言っても眠るだけだけど。そう思いながらベッドに眠る。あぁ、今日も疲れた。そっと目を瞑れば、そのまま寝てしまった。

 

 


 

 

『ごはん……』

 

再び目を覚ましたのは、そんな言葉と身体の重みでだった。眠い目を擦りながら、嫌々確認をするとやはり暴食の賢者だった。

 

彼女は食べたエネルギーを魔力に変換する事が出来、そしてそれを貯める事が出来るらしい。じゃあ一週間ぐらいご飯を食べなくても良いじゃないか?と思った人もいるかもしれない。少なくとも、それを聞いた私はそう思って喜んだ。

 

でも、それとは別に別腹で食べれるから作ってと言われた時。あれほど悲しくなった事は今でも無い気がする。

 

『チャソ……』

 

賢者は可愛い顔をしている。そんな顔で近くまで来られて名前を呼ばれたら抱きしめたくなるし、何でも要件を聞きたくなる。

 

「何でしょうか」

 

優しく抱きしめながら私は尋ねる。美少女特有の良い匂いに意識を抑えながら。

 

『今日は、四天王が現れたって言う村まで行かなきゃ行けない。だからご飯沢山おねがい』

 

……天使の皮を被った悪魔(ド畜生)は要件が終わると、私の手を振り解いて去っていった。残されたのは、空を抱いてる手と虚しい気持ちだけ。

 

あぁ……。

 

何故昨日言わなかった?それ滅茶苦茶大事な事じゃん。ねぇ?何で言ってくれないの?ねぇ何で?

 

 

 


 

「……」

 

眠い、クソ。明らかに寝足りない。言ったら少し仮眠を取ろう。じゃないと死んじゃう。

 

「ちゃんと野菜も食べてくださいね」

 

『当たり前』

 

フラフラになりながら、何とか四人前の料理を作って椅子に座って目を瞑る。

 

『チャソさん大丈夫ですか?具合でも悪いんじゃ、私が何か手伝いましょうか!?』

 

「大丈夫です。少し睡眠不足なだけなので、自己責任ですし気にしないで下さい」

 

それに、貴方に下手に動かれる方が大変なので。彼女は悪く無い。悪いのは彼女をドジっ子にさせた神様が悪い。

 

『バッちゃんは良く朝からそんなに食べれるな。食べ過ぎたりしないのか?』

 

そう言う勇者は朝ご飯はあまり食べないタイプだ。だからこっちも簡単なサンドイッチを出している。逆に朝からがっつりステーキを食べる方が異常だけど、美少女が楽しそうなら何でも良いやと思ってしまう。

 

「チャソ、おかわり」

 

訂正、何でも良く無いし何にも良く無い。

 

『あっそうだ。チャソ!バッちゃんから昨日聞いたと思うけど今日は四天王がいたと噂される村へ行くから軽く摘める物を用意してくれ』

 

昨日じゃ無くてさっきだよ。もう嫌!

 

私は泣きそうになりながら、残っていたステーキをパンでサンドする。切るのも面倒くさい。あ、しまった。これお代わり用だった。まぁ、追加で焼けば良いや。

 

「すいません、出来立ての方が良いと思って今から焼くので少し時間を」

 

『早く……』

 

ちなみに先程から言われているバッちゃんとは、バクの略で賢者さんの名前らしい。本当は麦らしいんだけど、渾名でバク。それから何やかんやでバッちゃんになったらしい。

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