勇者の世話係辞めたい 作:社畜
帰り道。結局、大して期待はしていなかったけれど。何も変化は無かった。ある日突然夜逃げでもした方が良いのかなって思う程だ。そしたら動くのかな。まぁ、そんな根性は私には無い。放置された彼女達が可哀想って言う感情が勝ってしまう。
まぁ、要は私が全て飲み込めば良いのだ。何も言わず、唯感情を殺していつも通りの仕事を永遠にこなすだけ。今までやって来れたのだからこれからも出来る筈。
「やってられっかバーカ」
何もしないで彼女達と一緒にいられるのなら喜んでだけど、そんな事は無い。やはり、楽な仕事を探すか。山奥で引きこもるかの二択になりそうだ。
「よし、簡単に掃除をして綺麗になったし明日の分も買った。……一応沢山作って置いたけど。もう少し作っておくべきか」
賢者の食欲は見た目と違って、全く可愛らしく無い。あの身体でどうやって食べてるのか分からないぐらい毎回残さず完食する。だから、どのぐらいの量が適切なのか分からないんだよね。出せば出すだけ食べるし。お腹いっぱいになるまで食べて貰えば良いか。
「頑張ろ、美少女達の笑顔の為に」
結局、勇者達が帰ってくるギリギリまでキッチンで調理をしてた。
『ごはん……』
「お帰りなさいませ。あれ?賢者様だけですか?他の方は?」
『勇者と占い師が四天王以上に街を破壊した挙句、逃したから今ギルド長にお説教喰らってるのよ。取り敢えず……バクにご飯出してあげて』
「成程、大変だったんですね……」
『貴女こそ。大丈夫?今日倒れてたけど』
「あ、まぁ大丈夫です。今は見ての通り元気です!」
後どれだっけ。作り過ぎて、どれがどれだか分からなくなった。
『イタダキマス』
「私の分も残しといてよバク」
並べ終えるのを待たずに挨拶をすると黙々と賢者が食べ始めた。賢者の被害は無かったらしいけど、果たして働いたのか気になったのかさり気なく聞いてみた。すると。
『バクと私は街から離れた四天王の援軍と戦ってたのよ。だから、被害はほぼ無かった。その代わり、数は多いし一人一人は強いしで本ッ当厄介だった』
「へぇ……ちなみに四天王の人って男性か女性かは分かります?」
『私は見てないから知らない。バクは?』
『ん?私は今巨大ステーキモンスターを倒すのに忙しい。後にして』
「お二人とも怪我は無いですか?」
『美味しい』
『はぁ……私もバクも大丈夫。怪我してもバクが回復魔法すぐにかけてくれるし』
「そうですか。良かったです。食べたらお風呂入って、先に寝ていて下さい」
『分かった。んじゃ、バクお先〜。あっ……それからご馳走様。今日も美味しかった』
何アレ。何あの、ちょっと照れた感じ出しつつ、思い出した感じでお礼を言って去っていくみたいな。可愛い。