Dye Your Soul Your Color   作:鏡狼 嵐星

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腐敗の夜
鴉が蔓延る(にれ)の館
(しもべ)すら啄まれ
崩れ落ちた玉座にて
ある神の行末を憂う
ある神の末路を嗤う



Outside, Marching Baby Holds Your Hand

元々、零番離殿であった真世界城(ヴァールヴェルト)へと繋がる五本の道。そのうちの一つを駆け抜ける一団。

 

「ねぇ~、ちょっとさぁ? 眩しいんだけど?」

 

「これはまた物を知らん小娘だネ。偉大な相手とは輝いて見えるものだヨ」

 

「眩しい理由の方を聞いてないんですけど?」

 

「マユリ様が眩しいのは当然のことです」

 

「だから、眩しいからもう少し暗くしないって言ってるんだけど!? 分かんないかなぁ!?」

 

涅マユリ及び涅ネムに加えて、ジゼル・ジュエルが街の中を駆ける。

 

「……下らん」

 

対し、多少の距離を取りながら、滅却師に支配されたはずの空中を移動するバラガン。彼は霊王宮へと繋がる入口から敵の霊圧を捕捉するまでの短い移動時間の中で、よく喧嘩ができるなと関心すらしていた。

 

「おや、貴重な貴重な実験体のご登場だヨ」

 

長い道のりの一角に佇む小さな影。子どもほどの大きさのそれはこちらを見据えるだけで、言葉一つ発しない。

 

「レヒトという子どもから聞いた情報によれば、君は自身の神経を接続したものを自在に操るとのことだが、相違ないかネ?」

 

その滅却師はマユリからの質問にすら応えようとしない。

 

「言葉すら理解できないのカネ?」

 

マユリはじろりと横にいるジジに視線を向ける。

 

「ボクはレヒト以上のことは知らないよ~」

 

「なんだ、随分使えない小娘を寄越したものだヨ」

 

マユリの不躾な言い草に顔を不満げにしたジジは彼よりも若干、前に出る。

 

「へえ、じゃあ、ボクは勝手にさせてもらおっかな~? 協力しろとは言われなかったし~?」

 

彼女はそう言うと、周囲から霊子を集め、自身の新たな滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)を解放する。

 

「『虚神の屍(アザルビオラ・ネビロエル)』!」

 

青い翼は四枚のように見えるが、左右それぞれの翼の間にある骨がそれを否定する。コウモリの翼なら爪があるであろうデフォルメされた頭蓋骨がカタカタと軽い音を出す。そして、ジジは自身の作った霊子兵装で腕を切り、その血を地面に垂らす。

 

「ダンシング・ダンシング・ロッキングベイビーズ!」

 

血が地面に染み込むと、()()()()()()()()()。地面の表面が赤黒く染まったそれは、徐々に人のような形になっていく。五体ほどの土人形が完成して、ペルニダ・パルンカジャスへと走り出す。

 

「ほう? 観測した能力とは違うネ。これが滅却師の力の分配能力と虚化による影響、いやはや興味深い」

 

「マユリ様、対象が動きます」

 

小さな体の頭が不自然な形で膨らむ。そこから伸びた白い線のようなものが土人形にへばりつくと、それをねじるように粉々にしてしまう。

 

「無機物にも神経を通せるのかネ。いいネ。とてもいいヨ」

 

「……まぁ、しょうがないよね~。いくら虚の力があっても、神赦親衛隊(シュッツシュッタフェル)相手に力勝負は無理~」

 

手をブラブラとさせるジジの様子を確認すること無く、空の上から見下ろすバラガンがその口を開く。

 

髑髏大帝・傲慢死朽(デスティーノ・アロガンテ)

 

漏れ出る紅い霧。霞が徐々に黒く染まり、じゃらりと音を鳴らす。固まったそれは紅みを帯びた漆黒の斧となり、その骸の腕に収まる。

 

「『枯滅の斧(デカデンシア・カイーダ)』」

 

空より敵の頭に振り下ろされる、滅びを呼ぶ荘厳な斧。ペルニダは神経を接続した地面を隆起させて、手のひらの壁を何枚も展開するが、斧に触れる直前に風化し、老化し、塵と化していく。斧が自身に当たる直前に回避しようとするが、その直前に突如として()()()()()()()()()()()()()()、避けきれず一撃を負ってしまう。

 

「ギィヤァアアッ!!!」

 

白い制服が老いの力で急速に朽ちていく。ペルニダの身体も斧に触れてしまったせいで、一部が朽ちていっている。

 

「おい、私の実験材料に対して、何を勝手にしているのかネ!?」

 

マユリの怒りの言葉にさえ、バラガンは耳を貸さない。

 

「分かっているのかネ? 私は世魅にいくつか技術を提供した身だヨ? 私の言う事を聞いたほうがやつの評価は高いのではないかネ?」

 

「左なる神はそのような低俗な判断はせん。蟻が神を測るな」

 

「蟻、かネ。私のことを蟻と呼ぶのかネ? ……己の力で朽ち果てた骨は言うことが秀逸だヨ」

 

それ以上話をする気はないのか、バラガンは地面に突き刺した斧を鎖を引き上げて手に戻す。

 

「フウッーーー!!」

 

ペルニダは老化の力に侵された指を切り落としながら、自身の指についていた鎖を引きちぎり、町の建造物を超えるほど巨大化する。掌にある2つの虹彩がある単眼がバラガンたちを見据え、口がないはずなのに荒くなった息遣いが聞こえる。その姿を見たバラガンは老獪な声で笑い声を上げる。

 

「フフ、フハハハ!! これが霊王、その左腕か! これが我が神、その友の成れの果てか!? 滑稽極まりない! 片や蟻の一部となり、片や蝿の下僕に成り果てたのか!」

 

「…………良い采配だヨ、世魅。これほど貴重な実験体は中々いない」

 

耐えきれないと言わんばかりに額に手を置く彼に、ペルニダは一つしかない眼を細める。

 

「レイ、オウ? チ、ガウ。ナマエ、ペルニダ。ペルニダ・パルンカジャス」

 

自分のことをペルニダという存在だと言わんばかりに、バラガンの言葉を否定する。

 

「お前の名など知らん。聞く必要もない。だが、貴様が自身を霊王でないと言うのなら、話は早い。貴様が我が神との決着に背中を向けた者の切れ端でしかないならば、儂が滅ぼす。頭蓋ならばともかく、腕など捧げても我が神の弔いの品にはならぬだろうからな」

 

バラガンの体から滲み出る紅い瘴気が徐々に勢いを増す。周囲の物質が際限なく塵になっていく様子を見たネムがマユリの前に立つ。

 

「マユリ様、ここは危険です」

 

「……全く。興味をそそられる折角の実験体が手に入らなければ、世魅に文句を言ってやるヨ。なんならヤツを実験台にしてやるかネ。それを踏まえて行動することだヨ」

 

バラガンに何を言っても無意味だと理解したのか、マユリはネムと共に後ろに下がりながら、懐から出した端末を操作し始める。

 

「えっ、ちょっと待って! ボクも逃げるから〜!」

 

徐々に地面が崩壊している現象が自分のもとに迫っていることを理解したジジは、必死に翼を動かして後ろに退避する。

 

「『死の息吹(レスピラ)』」

 

紅く、そして黒い息。周囲一体の景観を無に帰しながら、それは指向性を帯びてペルニダへと迫る。

 

「ム、ダ!」

 

ペルニダは自身の指ではなく、手のひら全体をつかって、巨大な矢を作り上げると、バラガンに向けて放つ。

 

「愚かな」

 

矢は崩れ落ちながらも霧を巻き上げて、バラガンに迫る。しかし、バラガンの眼前に迫ると一気にスピードが落ち、遂には止まる。バラガンはボロボロになった矢を骨の指で摘み、崩壊させた。

 

「お前達、蝿が以前の戦いを見ているとの右なる神の御言葉だったが、そのようだな。儂の力は『老い』。今の儂に老いさせることが出来ぬものはない。速度如き、老いさせられぬと思ったか?」

 

死を帯びた息がペルニダに迫る。ペルニダは急いで背後に移動するも、一部の息が形を変えて、弾丸のように射出され、その一部に触れてしまう。老化していく自分の体を引きちぎりながら、ペルニダはどうにか逃走する。

 

「哀れな姿だな、切れ端よ」

 

逃げ回るペルニダをゆっくりと追うバラガン。ジジはその様子を建物の上から見つつ、呆れた顔で自分の顔を手で仰いだ。

 

「何あれ。あの骸骨お爺ちゃんだけで全部終わりそうなんだけど」

 

その瞬間、背後から高速で忍び寄った神経に足を取られてしまう。ぐしゃという音と共に足が折りたたまれる。

 

「うっ!? ……なんちゃって」

 

しかし、神経が赤茶色に変色し、苦しげにジジの体から逃げ出す。彼女の足はぐちゃぐちゃと肉がこねられるような音はそのままに、周囲の瓦礫が集まるとそれらが肉片と変貌し、傷を再生する。

 

「ざんね〜ん。今のボクの力はただ、ゾンビ化させる能力じゃないの。『死者死物(The Zonbi of Redefinition)』。女の子の体にまで入り込んでこようとするヘンタイさんは、神経だってゾンビ化させちゃうもんねー」

 

赤茶色に染まった部分が、徐々に広がっていく。侵食されたことを理解したのか、その神経は侵食された部分を引きちぎり、姿を暗ます。

 

「わぉ、はや〜い」

 

しかし、ただでは終わらない。ペルニダは接続したジジの情報から、虚による力を除き、自分の再生能力を底上げする。加え、最初に受けた老いの力に対抗し、成長する能力を含めると、バラガンの死の息吹(レスピラ)を最大限回避しながら、彼の元へと突撃する。老いて朽ちる間に、自身を再生しながら成長させることで、無理やりバラガンの前まで迫る。

 

「ほう。儂の力を学び、無限に成長する気か。懐かしい顔が思い浮かぶわ」

 

カツカツと自身の骨を鳴らすバラガンは斧を振りかぶる。その時、建築物を瓦礫にしながら、黒い目を持った複数の顔を並べた奇妙な金色疋殺地蔵が現れると、バラガンに構うことなくペルニダへと襲いかかる。

 

「……蟻め。左なる神の言葉通りの男だ」

 

「世魅のことだ。私をさぞかし褒めたんだろうネ」

 

宙に浮く奇妙な顔をした虫のようなものから聞こえる声。バラガンはそちらを確認せずに、ペルニダを食らう金色疋殺地蔵を見据える。抵抗しようとしているペルニダを押さえつけるように、体のあちこちから新たな腕が生え続けている。

 

「なに、心配はいらんよ。アレは私の改造卍解でネ。神経の膜を増やすついでに、成長能力も付随させておいたヨ。一欠片でも肉片が残っていれば再生できる」

 

ペルニダを食い尽くした金色疋殺地蔵だったが、突如として膨れ上がり、破裂する。

 

「ペルニダ、滅却師! コレクライ、簡単!」

 

血だらけで、指の何本かが老人の如く皺だらけになりながらも、ペルニダは再度、立ち上がる。周囲の金色の肉片が小さな金色疋殺地蔵となり、絶叫を挙げる中、マユリはペルニダの発言に興味を抱く。

 

「ほう、よく足掻くネ。それにしても、霊王の左腕が自らを滅却師だなどと恥知らずなことを言うとは思いもしなかったヨ!」

 

大きく笑い声を上げるマユリの様子を見たペルニダが、身体を再生させつつ、その単眼を細める。

 

「滅却師を名乗る事が恥知らずとはどういう事だ。余は元より滅却師である」

 

刹那、声音が変わる。マユリもバラガンも一瞬、言葉を失う。そして、その眼はバラガンを、正確にはその胸に埋まる崩神玉を見据える。

 

「ソロディオス。余の、宿敵」

 

ペルニダのあらゆる部位から大量の目が開く。同時に目が開いていない部分から、干からびたような白い神経が這い出ては、神経がむき出しとなった左腕の分身を何本も作り上げていく。2つの虹彩を持つ本体は体中に目として開いたいくつかの瞼を瞬きさせた後、口を開くように穴が空いては小さな左手を生やしていく。それを確認したバラガンは死の息吹(レスピラ)を先ほどまでの倍近くの量を展開し、小さな金色疋殺地蔵たちごとペルニダを滅ぼそうと攻撃を始める。

 

「……なるほど。『前進』を司ると言われる訳だネ」

 

マユリは自身の握る奇妙な顔がついた装置を押す。先程までスピーカーだった虫が膨れ上がり、爆散する。ばら撒かれた液体に触れたペルニダたちが固まっていくが、一部のペルニダが一部を切り離して神経凝固剤による自身の無力化を脱出する。

 

「早いネ。予想以上だヨ!」

 

少し離れた高台からいくつかの機器を駆使しながら、ペルニダを観察するマユリだったが、這い上がってくる神経の数が増えたため、酸と麻酔を浴びせつつ、ネムと共に移動を始める。

 

「……マユリ様、これ以上、対象を放置しておくのはまずいのでは」

 

「私に意見するか、ネム?」

 

彼の問いに合わせるかのように、マユリとネムの間に現れた干からびた神経。即座に反応したマユリだったが、酸も飛廉脚も神経凝固剤も通用せず、神速で迫るそれを受けるしかない状況に陥る。マユリの危機を察知したネムが自身の意志で肉体のリミッターを解き、周囲を爆散させる形でマユリを救い出した。

 

「ネムっ、お前っ……!」

 

その力の内容を理解し、叱責するマユリだったが、ネムはそれを知って尚、自身の使命はマユリを守ることだと言い残し、ペルニダのもとへ向かう。

 

「ふっ、ネムに戦いを任せることになるなど、屈辱だヨ」

 

しかし、その顔に嫌悪感はない。

 

「いいか、ネム。お前がやることは()()()()()()()()()()()だヨ。そうでなければ、出力が足りんからネ」

 

ネムは耳元から聞こえる声を聞き逃さない分だけのリソースを使い、残りは身体能力に割く。

 

「今、対象はあの骨の破面と霊圧をぶつけ合っている。成長と老衰の応酬だ、お前が飛び込めばひとたまりもない」

 

ペルニダの本体は自身の分身をバラガンに突撃させては、バラガンの死の息吹(レスピラ)に滅ぼされ、さらに分身を増やすことの繰り返しを続けている。いくらペルニダでも、今のバラガンの老いの力に完全抵抗するには時間がかかっているのか、バラガンに神経を接続できていないことが理由なのかは不明だが、力が拮抗していることは間違いない。

 

「右斜め前の建物にゾンビ娘がいるはずだヨ。回収しろ」

 

ネムは直ぐ様、その屋上にたどり着き、ジジを脇に抱えて飛ぶ。ジジがちょっとぉっ!?と叫んでいるのを無視して。

 

「そのゾンビ娘の能力が死体だけでなく、無機物まで自身の肉体の一部として吸収可能なら、有効活用ができる。ゾンビ娘、貴様は以前、再生は味方にも使っていた以上、今も可能なんだろうネ?」

 

「ちょ、いきなり何なの!? というか抱え方が完全に荷物扱いじゃん!?」

 

「質問にだけ答えてください」

 

「ぐえっ、ぐるじい。で、出来るからはなじてぇ」

 

死なないようにネムに腹を絞められたため、痛みはなくとも息苦しくなったジジがパタパタと少し暴れながら答えた。

 

「なら、方法は簡単だネ。ゾンビ娘の血を血液凝固剤で凝固させたものを用意しろ」

 

「失礼します」

 

「えっ、何その馬鹿でかい注射器!? 何処から出したの!? そ、それでボクの血を吸い上げる気!? 干からびちゃう!?」

 

「安心してください。致死量は把握しています」

 

「そういう問題じゃないんだけど!?」

 

その後は言うまでもない。げっそりしたジジの口に、ネムは経口補血液を無理やり流し込み、固形化した血液の塊を慣れた手つきで弾丸状に整形していく。

 

「……んでさぁ、ボクの血をどうするの?」

 

「ここまで来てまだ分からないとは。低能は大変だネ」

 

「君の副官、ボクのゾンビにしてあげよっかぁッ!?!?」

 

扱いがとてもひどいため、キレ始めているジジに向けて、ネムが説明を始める。

 

「私の脳下垂体に存在する強制細胞分裂加速器官に使われている薬品、過成薬と貴方の血を対象に打ち込みます。その効果で対象の成長能力を暴走させて自滅させます」

 

「……よく分かんないんだけど」

 

「対象は驚異的な学習能力で肉体を成長し続ける能力を獲得している上に、再生能力の幅が不明です。そのため、貴方の周囲の物体で再生する能力を敢えて与え、過成薬の作用を追加することで過剰成長させ自滅させます」

 

「…………ん~、とりあえず、ボクはペルニダを再生させればいいの?」

 

「はい」

 

分かった~、と考えを放棄するジジ。作戦が確認できたネムは残る自身の行動可能時間を数える。

 

「残り300秒」

 

成長と老いが繰り返される空間へ彼女は飛び込む。バラガンもペルニダも神速で距離を詰めるネムを観測しながらも一切、そこに思慮を割かない。ネムはペルニダの頭上に位置どり、その真下に向け、両腕を構える。

 

「義魂重輪銃」

 

ジジの血液を加えて結果、赤くなった弾丸。小さくともその密度が並ではないそれは、真下にいるペルニダの体を吹き飛ばし、粉微塵にする。肉片が再生しようと蠢くが、周囲の瓦礫を巻き込んで膨らむように再生し続けて爆発していく。

 

「ギュアアアッ!!」

 

しかし、最後の足掻きと言わんばかりに肉片から放たれた神経が空から無防備に落ちていくネムを貫こうと迫る。ネムもマユリもジジもその凄まじい速度に、対処が間に合わない。

 

老落の息遣い(エルビエオ・レスピラ)

 

バラガンの周囲に展開されていた死の霧が膨張し、開いた貝が閉じるように()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「貴様ッ!!」

 

その光景を見たマユリが思わず叫んだ。だが、紅黒い霧は直ぐに晴れ、薄い結界のようなものに包まれたネムが地面へと落ちる。それ以外のものはもう存在しなかった。

 

「蟻よ、右なる神に感謝することだ。その言葉無くして、お前は生き長らえることはなかったのだから」

 

地面に倒れ伏すネムにそう声をかけると、バラガンは再度宙に浮き、真世界城(ヴァールヴェルト)を目指す。マユリはその光景を悔しそうに見た後、ネムの傍から彼女を見下ろす。

 

「お前には私が死ねと言うまで、死ぬ自由など無いのだヨ」

 

「…………申し訳、ございません。マユリ様……」

 

「分かったら立て。敵の残存霊圧でもなんでもいい。回収できるものを回収するヨ」

 

マユリの顔に安堵は無い。されども、悲しみもまた無い。僅かばかりの喜びを宿す。

 




【滅却師資料】

今回も引き続き、聖混文字についてだ

みんなお待たせ〜、ジジだよ〜!

説明よろしく。俺はカフェオレ飲んでるから

と言うわけで、ボクの能力は『死者死物(The Zonbi of Redefinition)』! ボクのゾンビに制限はもう無いんだ〜! 血をかけたら、もうそれは何でもボクのゾンビ! はい、以上!

……え、もう終わり? まだコップに注いだだけなんだが?

だって、それ以外に言うことないもん

もうちょっと時間稼ぎとか……

ヤダよ。めんどくさいし。もうレヒトのところに帰るね〜

ちょっ。俺も帰らせてくれよ! ……行っちまった。で、俺はいつまでここにいりゃいいの? え、『分からん』? なんでそれは知らないんだよ! マジで勘弁しろよ!

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このメンツでネムさんが死ぬわけ無いですよねえ。

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