Dye Your Soul Your Color   作:鏡狼 嵐星

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奪い尽くした果てに
失くしたものを拾う
血でもなく
肉でもなく
骨でもなく
直ぐ隣にあったそれを



Outside, BIGGER and LOUDER and STRONGER

「我が名はジェラルド・ヴァルキリィーーッ!!!」

 

真世界城(ヴァールヴェルト)、その一角。世魅の指示の元、多くの隊長格がただ1人の敵を相手にする。

 

「我は最大、最強、最速の戦士ッッ!!!」

 

あまりに強力かつ理不尽なその聖文字(シュリフト)に対抗するべく、いくつかの作戦がとられた。

 

「貴様たちがいくら策を練ろうともッ!!!」

 

初手、平子の逆撫による感覚操作と砕蜂の雀蜂による二撃決殺による即死。

 

「我が『奇跡』の前に為す術なしッ!!!」

 

雀蜂により即死するものの、体が倍の大きさとなり、復活。次点、虚化した拳西、リサ、羅武たちの卍解による物理的な畳み込みに加え、一角の龍紋鬼灯丸を全開にした一撃を重ねた火力による圧死。

 

「我が肉体は民の恐怖によって巨大となるッ!!!」

 

一部の攻撃が防がれるものの、二度目の殺害の後、より巨大化して復活。三段目、虚化ローズ及び海燕の卍解により、全身を焼かれ、喉を焼かれ、水流が口と鼻に集中したことによる溺死。

 

「民が恐怖する限り、我が折れることはないッ!!!」

 

3回に渡って行われた隊長格による必死の攻撃だったが、全て決まったにも関わらず、無傷の復活。周囲のビルよりも遙かに大きくなった敵は多くの味方を薙ぎ払い、未だ戦える者たちは霊圧を隠しながら、あらためて作戦を練っていた。

 

「世魅殿が私たちを集めた理由はこの力が故か」

 

「馬鹿力にもほどがあんだろうが!」

 

駆け回る白哉と海燕。その上から巨大な手が迫る。

 

招雷(エレクトロアウフルフェン)!」

 

横薙ぎにされる緑色の雷。それは白哉と平子、そしてジェラルドの間に生成され、戦士へと直撃する。

 

「ウワハハハッ!! 軽い、軽いぞッ、キャンディス・キャットニップ!! 我に膝を突かせたいなら、もっと強力でなければならぬ!!」

 

空を向いて叫ぶジェラルド。しかし、そんな煽りに対し、彼女の顔は冷静そのものだ。

 

「今のは当たりゃいいんだよ。そういう技なんだから、さ!」

 

彼女の言葉を理解できなかったジェラルドは、再び自分に飛来した雷によって、その答えを知る。

 

「お前が生きてる限り、アタシの雷撃は終わらない! 『再落雷霆(The Thunderbolt of Rechargeable)』! 永遠に痺れてろ!!」

 

「ぬうぅ~~! うざったいなッ!!」

 

ジェラルドのエネルギーを吸い取って強力になった雷撃を受け、僅かに焦げた肉体が光とともに治る。しかし、緑色の稲妻がその体にまた落ちる。

 

「だが! 我が奇跡の前に、その程度の力では直ぐに無意味になるのだッ!!」

 

既に巨人と化したジェラルドが振るう腕をキャンディスは華麗に避けていく。

 

「頼む、捩花ぁっ!!」

 

再び雷撃が発生しようとしたその時、海燕の卍解がその体に入り込み、体の隅々まで電撃を走らせた。ふらつく巨体。即座に白哉と冬獅郎が追撃を行う。

 

「郡鳥氷柱!」

 

うねる千本桜景厳、氷の礫の束。もし相当な強者であったとしても、キャンディスと海燕、白哉と冬獅郎による挟撃を無傷でなど突破できないだろう。だが、その巨人は不敵に笑う。

 

「ウワハハハッ!!! 笑止ッ!!」

 

手を薙ぎ払い、口から暴風を生み、その巨体で受ける。傷こそついても、より強くなって生まれ変わっていく。

 

「退けェッ!!」

 

迸る霊圧に、周囲の面々が反射的に退避する。始解すらしていない状態の一撃で、巨人を吹き飛ばし、その体勢を崩れさせた。

 

「いい感じにデカくなったじゃねえか。後は俺がやるぜ」

 

剣八がその体に闘気を纏う。

 

「ハァッ!? 何言ってんだ、お前! 馬鹿じゃんか! コイツはアタシら全員でかかるべき奴なんだってば!」

 

「なら、テメェから先に死ぬか?」

 

キャンディスの発言に睨みを利かせる剣八。キャンディスはグレミィとあれだけ戦えるわけだぜと、どこか納得して後方へ下がる。その発言を聞いていた周囲もまた、同様。

 

「ウワハハハ! 我を転ばせるとは、貴様、強いな!」

 

「レヒトってやつから聞いたぜ。お前はいくら斬っても、強くなって再生するんだってな。いいぜ、どれだけ強くなんのか試してやろうじゃねえか!」

 

「貴様のような強力な闇の化身には、我が『希望の剣(ホーフヌング)』の錆にしてくれようッ!!」

 

飛び上がるように起き上がったジェラルドが盾から引き抜くように、希望の剣(ホーフヌング)を構える。ジェラルドが剣を抜いたという事実に対し、剣八が応えるようにその名を呼ぶ。

 

「呑め、野晒」

 

斧のような形状と化した斬魄刀が煙から現れた瞬間、ジェラルドの振り下ろした希望の剣(ホーフヌング)と野晒がその刃をぶつける。流石というべきか、野晒は無傷で、希望の剣(ホーフヌング)が刃毀れしている。それと同時に、剣八の体に巨大な裂傷が浮かび、血を吹き出す。

 

「……何だこりゃあ?」

 

その光景を見た白哉はレヒトの言葉を思い出した。

 

 

 

 

 

技術開発局、霊王宮へ繋がる門が創られている途中のこと。

 

「『奇跡(The Miracle)』の力は再生じゃありません。受けた傷と自身が肉体と認識したものを置換する力。自分の傷はより強力な体躯と、武器の傷は敵の肉体と交換ができる。力そのものを無効化するか、能力を使う前に即死させない限り、どうにもならないんです。加えて、零番隊を倒せるほど聖別(アウスヴェーレン)で力を得ていることを考えると、生半可な能力の無効化では意味がない」

 

「……なら、どうすりゃ良い?」

 

海燕の疑問に、レヒトは簡潔に答える。

 

()()()()()()()()()()()。リジェさんやペルニダさんもそうなんですけど、元から神赦親衛隊(シュッツシュッタフェル)の3人の力はただの滅却師が持てる能力を超えてます。特にジェラルドさんの力は対抗する方法がほぼ存在しないので、能力を暴走状態に持っていって、自滅を狙うのが一番なんです」

 

能力の概要を聴いていた隊長たちも納得はしている。しかし、それは彼らに相手の能力に対策ができないと言っていることになる。

 

「それは余りに受け身すぎる戦い方ではないのか?」

 

「……否定はしません。ただ、()()()()()()()()()()()()()()()。能力を使っていない状態への一撃でもない限り、ジェラルドさんを殺し切るのは()()()()()()()()()()()()難しい」

 

白哉の疑問への回答がその凄まじさを物語る。

 

「世魅の言った通り、彼を倒すにはひたすら火力を要求されます。それも尋常ではないほどのものを」

 

だが、レヒトは世魅をちらりと見る。彼の少し息をつくような様子を確認した後、死神たちを見据え、ニッコリ笑う。

 

「逆に言えば、殺せない存在じゃないんです。それに世魅が任せる判断をするなら、大丈夫! ねえ、世魅?」

 

「……そうだな。任せるぞ、お前たち」

 

世魅は彼らをまっすぐ見て答えた。

 

 

 

 

 

(いくら相性の問題とはいえ、これだけの戦力を割き、世魅殿に任せていただいた。敵を倒せないなど、恥も同然)

 

眼帯を外した剣八がジェラルドに攻撃を加えるが、その度に希望の剣(ホーフヌング)が刃毀れしていき、自分の体のみが傷ついていく。白哉、冬獅郎、海燕、キャンディスも剣八の攻撃の隙へと希望の剣(ホーフヌング)を避けながら、ジェラルドに攻撃を仕掛けていく。一部は盾に防がれ、手に叩き落される。しかし、確実に傷を増やしても、その傷は彼をより強力な肉体へと転じる。

 

「もう一度、言おうッ!! 我は最大、最強、最速の滅却師ッ!! 我はすべてを与えられた戦士ッ!!」

 

巨大な雷鳴が響き渡るが、キャンディスの雷すら、もうジェラルドにまともな傷を与えられなくなっていた。希望の剣(ホーフヌング)による傷の反射を受け続けた剣八が地面に倒れ伏す。

 

「我を出し抜けると思うなッ!!」

 

倒れた剣八を狙い、巨人が希望の剣(ホーフヌング)を振り下ろす。トドメを刺すために。

 

「オオオオオォォォッッ!!!」

 

しかし、巨大な霊圧が吹き上がり、希望の剣(ホーフヌング)そのものが赤く染まった剣八の片手一つで受け止められる。

 

「何だとッ!?」

 

ジェラルドが光る目を見開いたその時には、剣八が鬼のような叫び声を上げて希望の剣(ホーフヌング)を持つ手に噛みつき、肩から腕を引きちぎる。

 

「ぬうぅッ、おおおぉぉッ!!!」

 

その衝撃で僅かに後方に退く。あまりの光景に目を見開くキャンディスと海燕。

 

「愚かッ!! 腕など幾ら捥いだところで無駄だと言ったはずだッ!!」

 

再生しつつある腕。そんなことに微塵も興味がないと言わんばかりに飛び上がった剣八の狂気的な笑みを見たジェラルドは、盾を構える。今まで誰一人傷つけられたことのなかったそれは、野晒よりも劣化したように見える斧で腕ごと斬り落とされる。

 

「我が盾がッ……!!」

 

おまけと言わんばかりに顎に激突されたジェラルドはその力を抑え込めず、足が建物を破壊し続けても尚勢いは止まず、真世界城(ヴァールヴェルト)から落ちる。その巨大さ故に落下するだけで尸魂界を破壊しかねないその事実に冬獅郎が呻くが、ジェラルドが落下するまいと翼を生やす。

 

「馬鹿なッ……馬鹿な馬鹿な馬鹿なッ……!」

 

先程までの余裕を失ったジェラルドが再生の光を帯びた腕で希望の剣(ホーフヌング)を構え、剣八へ突貫する。

 

「こんな馬鹿なことがあってたまるかああアアッ!!!」

 

しかし、剣八が笑みを浮かべたその瞬間、ジェラルドが真っ二つに引き裂かれた。

 

「……ヤバすぎじゃんか」

 

地に落ちる巨体。白哉が冬獅郎を制し、海燕もキャンディスも誰も剣八に近づこうとしない。それほど、今の剣八は変化する前よりも意思疎通が取れるように思えない。少しの間、大人しくしていたはずの剣八が再び叫び声を上げる。その声に反応するかのように分断された巨体が、滅却師十字(クインシークロス)を中心に光り輝き、翼を生やした古代の戦士がそこに降り立った。

 

「我、『神の権能(アシュトニグ)』。高潔なる神の戦士」

 

顔の輪郭のみを覆うような鎧を身に着け、宣告する。

 

「死して尚、神の為に剣を振るう者なり!」

 

振り下ろされた希望の剣(ホーフヌング)に剣八が剣を合わせようとするが、何故か腕が弾け飛び、その一撃をモロに受けてしまう。

 

「更木……!」

 

白哉はもう剣八が本気で戦えないことを察し、懐から黒い小さな箱を取り出した。黒腔の箱(カハ・ガルガンタ)と世魅が呼んだそれを神の戦士へ向けて投げる。その箱が開くと、普段と違い、黒腔(ガルガンタ)は地面に向けて開く。そして、『神の権能(アシュトニグ)』とほとんど変わらないほどの巨体が戦士に対するように、地響きとともに現れた。

 

「……あぁ~~、うざってえなぁ~~」

 

倒れながらもピクリと剣八が反応したような気配。それに対し、黙ったままの白哉。

 

「何者だ、貴様?」

 

「あぁ? 何者だ、だと?」

 

浅黒い肌は少し黒く、覆っていた鎧は濃い灰色へと変わり、いくつかの黒い角を額や背中から生やし、恐竜のような尾をしならせる二足歩行の体。

 

「俺はヤミー・リヤルゴだ!!!」

 

胸の穴ではなく、背後に崩神玉が浮いているという復活した十刃の中でも特殊な体で、戦士へと殴りかかった。轟音と共に、2人の巨人が拳と剣を交える。

 

「我が剣を受けられる肉体! 貴様、虚では無いのか!」

 

「見りゃ分かんだろうが! ピカピカしやがって、このゴミカスがァッ!!」

 

天使のような戦士の『神の権能(アシュトニグ)』と悪魔のような怪物のヤミーによる真っ向勝負。余波だけで周囲の建造物が破壊され、その残骸が空を舞っていく。少なくない巨大な瓦礫が真世界城(ヴァールヴェルト)から落ちていく。

 

「こうなることを分かってたな、世魅のやつ!」

 

白哉と共に後方へ下がる冬獅郎が思わず愚痴を漏らす。その腕には剣八が抱えられており、腕が千切れかけであったり、反射された傷の様子から重傷具合がよく伝わってくる。

 

「…………下ろせ……」

 

「馬鹿か! こんな状況で下ろしたら巻き込まれるだろうが!」

 

大紅蓮氷輪丸の力で傷を凍結された剣八がどうにか体を動かそうとするが、冬獅郎に抑え込まれる。

 

「こんなの、どうしろってんだよ!」

 

キャンディスもまた攻撃の機会を見極めようとするが、戦っているもの同士が巨大すぎることや少しでも近づけば、その余波に吹き飛ばされてしまいかねないことが彼らの一対一に手出しできない理由となっていた。

 

「まぁ、貴様が何者であろうと、どうでも良いか!」

 

神の権能(アシュトニグ)』が心底どうでも良さそうにしながら、距離を取る。希望の剣(ホーフヌング)を構えながら空を飛び、ヤミーへと突撃する。

 

「貴様如きに受けられる剣では無いぞ!」

 

「舐めんじゃねぇッ!!」

 

ヤミーは自身の拳に赤い霊圧を纏う。あまりの圧縮具合のせいか、中にあるはずの拳は見えず、霊圧の色しか見えない。振るわれた希望の剣(ホーフヌング)と拳が衝突し、爆音と衝撃波が周囲を吹き飛ばす。

 

「ぬうっ!」

 

「うぐおっ!!」

 

拳に宿る霊圧自体に斬り込みが入るが、希望の剣(ホーフヌング)の剣が弾ける。威力の勝敗はヤミーの拳に軍配が上がったものの、希望の剣(ホーフヌング)と傷が置換されたことでヤミーは傷を負い、希望の剣(ホーフヌング)は元の姿を取り戻す。

 

「『虚神の万雷(ケラウ・バルバリエル)』!!」

 

希望の剣(ホーフヌング)が弾けた瞬間を狙い、キャンディスが両手を重ね、滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)の羽である小さな雷が集まり、そこに濃緑色の球体を生み出す。かつて、レヒトが真似したものを自分なりに改良した一撃。

 

「ガルヴァノフランヴェルジュ!」

 

見た目はガルヴァノブラストと変わりないそれ。撃ち放たれたそれを『神の権能(アシュトニグ)』は盾で受け止めようとするが、その射線は縦に当たる直前に大きく曲がり、盾を避けて『神の権能(アシュトニグ)』の体へと直撃する。

 

「どうだ!」

 

雷音とともに煙が上がる巨体は直ぐに光が収束し、傷一つない姿を作り上げる。

 

「無駄だと言ったはずだ!」

 

迫りくる巨大な腕。自身に電気を帯びさせることで一気に加速するキャンディスだったが、『神の権能(アシュトニグ)』は腕を振るうことで風を起こし、奇跡を起こしたようにキャンディスのバランスを崩させる。それに追撃する希望の剣(ホーフヌング)。避けられないと覚悟を決めた彼女は刹那、桃色の光を見た。

 

「平気ですか~?」

 

「ッ、ミニー!?」

 

ハート型の翼を揺らす天使に抱えられた雷の天使は巨人の手が空振ったのを見届け、驚きで口を大きく開けた。

 

「私、やることなくなっちゃったの。それでまだ騒がしいこっちに来ました~」

 

「いや、助けてくれたのは感謝するけど! んな、喧嘩見に来ましたみたいな軽い気持ちなのかよ!」

 

未だそびえ立つ建物に着地し、キャンディスを下ろすミニーニャ。キャンディスのツッコミはなんのその。

 

「クソがアァッ!! 痛えじゃねえか、このクソ羽野郎がぁあっ!!!」

 

裂けた拳の痛みを言葉として叫ぶ。怒りに呼応するようにヤミーの背後に浮かぶ崩神玉がその大きさを増す。同時に崩神玉の周りを揺らめく赤い霊圧も大きくなっていく。

 

「その力! 我の相手としてふさわしいな!!」

 

神の権能(アシュトニグ)』が笑い、剣と盾を構える。両者の獲物がぶつかり合おうとしその時、突然、『神の権能(アシュトニグ)』が振るった希望の剣(ホーフヌング)の速度が衰え、巨体の天使、その顔面へとヤミーの拳が炸裂する。

 

「何をしている、ヤミー」

 

吹き飛んだ『神の権能(アシュトニグ)』を気にすること無く、ヤミーにそう問いかけたのは宙に浮く骸の王。

 

「あ? てめえこそ、何をしてやがんだ。バラガンのジジイ」

 

「我が神への供物を見繕いに来ただけだ。腕なんぞよりも、心臓の方が相応しいからな」

 

吹き飛んだ頭が光とともに再生し、『神の権能(アシュトニグ)』が体勢を戻す。

 

「我はッ、神の戦士ッ! この程度で倒れはせんのだ!」

 

もう何度立ち上がったのかを数えるのが億劫になるほど。周囲の死神が眉をひそめる中、ヤミーも先程の一撃に感じた手応えから驚きはすれど笑う。

 

「ハッ、いいぜぇ。まだイラつきが収まってねえところだからよぉッ!!」

 

取っ組み合いのようなものを始める彼らに、バラガンはため息をついた。

 

「右なる神が最も倒すのが難しいと考えていたわけだ。さて、肉人形と化した神の肉片よ。どういった末路をくれてやろうか」

 

カツカツと骨の音が小さく響く。

 

 

 

 

 

「世魅のやつ、能力把握しとったんやったら、アホやろ。いや、妥当なんやろうけど、後始末どないすんねん」

 

平子は戦えなくなった隊長たちを集め、避難していた。攻撃を当てるため、巨人化した際の攻撃を庇ったためなど理由は様々だが白哉たちが敵の視線を誘導してくれている。仲間を集める時間自体はあった。

 

「……平子隊長ですか?」

 

「七緒チャンか!? 何処から話しかけてんねん!?」

 

「隣の街からです。伝令神機が使えないので、通信用の鬼道を創りました。感度は問題ないようですね」

 

「……すっごいわ。なにより無事やったんか、良かったわ」

 

頭に響く声。対象を指定した天挺空羅、恐らく掴趾追雀を重ねたもの。位置がわからない相手との個人連絡を行うための鬼道だった。

 

「隊長は重傷ですが、こちらはどうにかなりました。相当、苦戦されているようですね……」

 

「巨人の喧嘩やから、そっちからも見えとる訳か。大変やわ、無限復活は伊達とちゃうみたいやし」

 

平子は相当距離を取ったはずなのに、余裕で確認ができる二体の巨人を確認しつつ愚痴る。

 

「……確認したいことがあります」

 

「なんや?」

 

「聞こえてるか、オカッパヤロー」

 

突如、声が変わる。

 

「お? 金髪の嬢ちゃんか? 確かアンタもオカッパとちゃうかったか?」

 

「それ、今はどーでも良いだろーが。とにかくだ。筋肉ヤローに何か気になる点はあったか?」

 

「……そやなぁ。今、滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)やったっけ。それになっとるみたいやけど、それになる前に真っ二つにされたんや」

 

「筋肉ヤローを真っ二つ、ね。更木剣八か」

 

「そやで。で、気になったんは小さいなんかが光りだしてから合体したことやろな。まるでそれが本体やと言わんばかりに」

 

平子の答え、そして言いたいことをリルトットは即座に理解した。

 

滅却師十字(クインシークロス)だ。間違いねー。つまり、そいつをどうにかできれば」

 

「ワンチャンあるかもしれへんな」

 




【滅却師資料】

というわけで、色々諦めて解説していくぜ。今回はキャンディスの『再落雷霆(The Thunderbolt of Rechargeable)』だな

……どういう状況なんだよ、これ?

もう気にしたら負けよ

バンビ!?

バズビーが帰るから変わりに残れって。あたしは嫌だったんだけど、一応、あたしが任された敵だし。レヒトになにか言われるのは嫌

……というわけなので、解説頼む。

頭まで下げられてんのなんか変な気分なんだけど、いっか。『再落雷霆(The Thunderbolt of Rechargeable)』の力は電撃を浴びせた相手の霊圧で再度充電して攻撃する雷撃って感じ。ただ、無限に再充電は出来ないから、追加攻撃ができるって点以外は威力調整の幅が増えたことと軌道を変えられるようになったこと。レヒトのアドバイスを聴いてからやってたことが物凄くうまくできるようになったんだ。まるでレヒトが直接、アタシに手を貸してくれてるくらいスムーズに……

……(泣)

な、なんだよ!? なんで泣いてんの、コイツ!?

いや、真面目に色々話してくれたの初めてでよぉ……

何があったんだよ、今まで!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こいつを1話で終わらせるのは無理だったよ……。
追加戦力として海燕、バラガンとミニーニャを用意しました。
(一部の人たちは公開情報などの都合上退却となりました。仮面の軍勢の活躍は禍進譚を待とう!)
だってね? 久保大先生が壊せたら死ぬよ、壊せたらねとか言ってるんですよ?そりゃこれだけ用意しますよ。
というわけで次回をお待ちください!
あと感想ください(いつもの)(奇跡で10件くらい来ないかな)
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