ハーメルンにて多くの二次創作を読み漁り、自分でも書いてみたくなって就活も終わったので、意を決して投稿してみました。
小説を書くのも初めてで駄文および原作の漫画も持ってないので色々とおかしな部分があるかも知れませんが、それでもいいという方のみ読んでくださると幸いです。
私の名前は
今年で18歳になるそうです。
なるそうです、と何故他人事のようなのかと言うと、私は生まれてからずっと、
ずっと病院で過ごしてきたからです。
いわゆる不治の病とされるこの病気は体から全てが失われていく病気だそうです。
体の色素が無くなり、髪も白くなり、視力も聴力も味覚も嗅覚も触覚も無くなり、
声もでなくなり、最終的には人生も失われる、つまりは死んでしまうそうです。
ここまでだったらわずかな差違はあれど、似たような病気は沢山あります。
けど何故、この病気に【喪失病】なんて名前がついたか。
それはその病気にかかった人の存在や思いでも失われていく、からです。
どういうことかというと、例えばその喪失病にかかった人が居たとしましょう。
居たとしましょうって、今現在、私が罹っているのにおかしな言い方ですよね。
でも私をその例え話で登場させる事はできないのです。
話を戻しますけど、不運にも喪失病に罹ってしまった人が居たとします。
その人には親友がいて・・・親友じゃなくても家族だったり恋人だったり恩師だったり、誰だって良いんですけど、そんな大事な人と長い付き合いだったとします。
誕生日はお祝いしてもらったり、入学式には写真を撮ってもらったり、一世一代のプロポーズをしちゃったりな関係だったとします。
けど、そんな大切な思いでも、喪失病に罹った人が死んでしまうと、薄くなっていってしまうんだそうです。
どんなに大切に思っていても、例外なく「そう言えばそんなこともあったね」って感じになるんだそうです。
大切な、宝物のようなものでも、喪失、してしまうんだそうです。
それ故に【喪失病】。
この病気の原因は?
発症条件は?
治療法は?
全てがわからない病気らしいです。
一応、喪失病に罹った人は2011年の今までで、全世界で10人程度だそうです。
初めての患者さんが1992年に発症した方らしいので、大体2年に1人の計算になるんでしょうか。
全世界のお医者さんがこの病気を治そうと努力してくれていますが、いまだ有効なものは何一つ発見できず、世間の皆は、
「どうか自分と周りの人間には発症しませんように」と願っている事でしょう。
私がこの病気を発症したのは、今思えば小学校の入学式の日から始まっていたのでした。
症状が現れたのは翌年の事ではあったのですが。
今はもう思い出すのが難しくなってきた両親と、学校へ向かう途中のことでした。
両手を繋いでいたんだと思います。
下から見上げる両隣のお父さんとお母さんが笑っているのだけはまだ覚えていますので。
そこに車が突っ込んできました。
よくある話です。
両親は即死。
私は一命は取り留めたものの、その時の手術の後遺症により、体中にチューブや機械を刺しとかないと、数分と持たないそうです。
手術後、目が覚めた私は、まだ7歳だった私は、体中に繋がる延命のための装置を見て大層泣き叫んだそうです。
もうその事は
泣き叫ぶ私が両親を呼ぶ姿は、きっとお医者さんたちを困らせてしまった事でしょう。
両親が死んだ事も伝えられ、本気でこの世界を恨みました。
翌年に、泣き続けた私から景色が無くなりました。
日本で初の、喪失病だったそうです。
お医者さんたちは、家族を失った私から、神様が見るに耐えかねて、全てをなくしてしまう気なんだと、哀しそうに言っていました。
私はどうする事もできませんでした。
両親を殺した運転手は許せません。
けど、だからってその運転手を殺したって親は帰ってはきません。
心にどうすることもできない葛藤や悲しみを、体には延命装置をつけて。
そうして私は18歳の今日まで生きてきました。
初っ端からえらい話やでぇ・・・。
神様「次から本気出す」
今回出てきた病気の喪失病、これには元ネタがありまして
昔読んだ小説のキーワードになってます。
本家ではもうちょっと症状が重かったような気もしますが、この作品では少し軽めにしてます。
まことに申し訳ないのですが、けいおんの原作は次の次くらいから入れると思います。
よろしくおねがいします。