カード屋さんがこんなにいっぱいあることに驚きました。
あと、そこでけいおんのスリーブ?っていうんですか?
遊戯王と関係ないはずのアニメのキャラの絵が入ったカードの袋がいっぱいあってそれにも驚きました。
そして何より、カード1枚でこんなにお値段がするなんて・・・驚きました。
全然本編に関係ないと思いましたか?
残念!ムギちゃんのを買ったことにより私の力になるんでした!
(スリーブで、透明で前と後ろで大きさの違う袋の名前ってなんていうんだろう・・・)
ただいま軽音部の部室です。
唯さんが3人がけのイスに座りながらこちらを見ています。
少し涙目です。
手には入部届けとケーキ。
私達、軽音部は演奏の準備をしています。
律さんも澪さんも紬さんもどこか緊張した面持ちです・・・私もなんだか変な言葉使いですね、なんて・・・。
うぅ~・・・やっぱり歌うのは恥ずかしいです。
でも、この演奏で唯さんが入るかどうかが決まるかもしれませんから、精一杯歌います。
まだ準備がかかりそうなので、なんでこんな状況になっているか、順を追って話して行きたいと思います。
昨日の夜、家に帰った私はろくに料理も出来ませんので、お米をたいて、卵とお野菜を炒めたものと、納豆さんを頂きました。
すごく美味しかったです。
ここでレポートしたいのですが、そうすると長くなりそうなのでまたの機会にさせていただきます。
ご飯を食べた私は、どきどきしながら紬さんに電話をかけました。
「はい、もしもし」
わ、でました!
「あ、えと、あああああの」
「ふふ。落ち着いて千乃ちゃん」
「すいません・・・友達(ボソ)・・・に電話するのはじめてで・・・」
「・・・いいのよ~。電話番号登録しとくね」
「あ、ありがようございます!」
「・・・ところで千乃ちゃん、律ちゃん達にも電話した?」
「あいえ、これから電話するところ、です」
「私が最初・・・うふふ」
「?」
「千乃ちゃん、ありがとう」
「え、どどどうしたんですか?私何か、しましたか?」
すると、電話の向こう側からまた笑い声が聞こえました。
こういった笑い方一つとっても、紬さんはお上品だと思ってしまいます。
「んー・・・軽音部に入ってくれて!」
「そんな・・・私がお礼言いたいくらいで・・・」
「・・・うん。明日の演奏、頑張ろうね」
「は、はい!えと・・・じゃあまたあ」
「ところで千乃ちゃんは何が好き?」
「な、何が好き・・・ですか?」
質問の幅が広すぎて・・・えっと。
「・・・・・・・・・・・・・」
私の好きなもの・・・わかりません。
嫌いなものはすぐに言うことが出来るのに。
「私の・・・好きなもの・・・」
答えあぐねてる私に、紬さんが慌てたようにフォローしてくれます。
「そんなに難しく考えないでいいのよ?」
「・・・」
目を閉じて考えます。
お父さんとお母さん。
美味しいご飯。
目に映るものすべてが新鮮で、どれもこれもが好きになってしまいます。
でも、今胸に浮かんだものは。
「け、軽音部・・・の皆さんが・・・好きです」
うん、しっくりきます。
好きになるのも大事に思うのも、怖いですけど。
でも、この『好き』っていう気持ちは本当です。
「・・・・・」
紬さんが無言になってしまいました。
変なこと言ってしまいましたでしょうか?
すると。
「嬉しいわぁ!私も軽音部のみんなが大好き。もちろん千乃ちゃんも!」
すごく嬉しそうにそう言ってくれました。
そこからの紬さんは凄くて、およそ1時間ほど喋りっぱなしで、いろいろな話をしてくれました。
私の想像もできない世界のお話。
外国やお菓子、そして紬さんのお家が裕福で、そのせいであまり普通の女の子という事が出来ないということ。
「いっぱいお喋りしたね~・・・ごめんね、迷惑だったかしら?」
「そそそんなことありません!」
「よかったぁ。私、友達と長電話するのが夢だったの~」
「わ・・・私もです!」
「うふふ、おそろいね~・・・なんだか千乃ちゃんとお話できてスッキリしたわぁ」
ありがとうね。
また明日、そう言って紬さんとは電話を終えました。
結構、時間も遅くなってきちゃいました。
急いで電話しましょう。
「はい、田井中です」
・・・!?
おおおおおおおお男の人の声!?
「あ、うぇっと!その、あの・・・私は・・・・うぅ・・・すいません・・・」
「えっと・・・どちらさまですか?」
すると大きな声で。
『
「姉ちゃんの友達?」
「おう、代わって!・・・・はいはーい千乃か~?」
「り、律さん!よかった・・・知らないところにかけてしまったと思いました・・・」
「(最初に田井中って言ってたと思うんだけど・・・相当テンパってたな。)」
「律さんが出てくれて・・・本当に良かったです・・・」
「(か、かわいい・・・けど、携帯じゃなくて家の番号を教えてこんな展開になるように仕組んだ私としては胸が痛む・・・)」
「・・・律さん?」
「あぁいや!なんでもない!っていうか結構遅かったなー。こんな夜遅くに!」
「わぁああ!すいません!迷惑でしたよね!」
「ジョークだよジョーク!」
クックっと笑う声が聞こえます。
「いや~・・・いじりがいがあるよなぁ」
律さんはこういう人なんだと忘れないようにしよう・・・
「でも、本当に遅かったな。なんか用事でもあったか?」
「あ・・・え、と。紬さんに色々お話してもらってました・・・」
「・・・なんだって?」
なんだか律さんの声のトーンが少し下がったような気がします。
「私が最初じゃないのかー!」
「ひっ・・・しゅいません・・・」
「まったく・・・部長の私を差し置いてだな・・・」
ここからまた1時間くらいお話しました。
律さんのお話は、日々の失敗談や弟さんのことなど、どれも面白いものばかりで、私も自然に笑っていました。
特に澪さんとは幼い頃からの友達だそうで、幼馴染がいない私は凄く羨ましかったです。
「おっと、話し込んじゃったな。この後は澪に電話するんだろ?」
「はい・・・でももう遅いですから迷惑じゃないでしょうか?」
「いや、むしろ電話してやらないと明日、絶対すねるぜ!」
「まさか・・・澪さんって、クールで大人みたいにかっこいいじゃないですか」
「ふっふ~ん!澪は結構子供っぽいぜ。ま、電話してやってよ、喜ぶからさ!」
「・・・わかりました。澪さんのこと、何でも知ってるんですね・・・羨ましいです」
「まぁな!付き合いがないからな」
そして。
「千乃ともこれからそうなる予定だからな!」
「・・・はいっ」
「ん!じゃあまた明日な!」
「あ、お休みなさい・・・」
「お休み~」
律さんと話すと元気をもらえるような気がしますね。
さて、最後。
澪さんに電話をしようかと思いますが・・・本当にいいんでしょうか?
もう時計は11を指しているのですが。
律さんは言ってました。
『喜ぶ』って。
・・・寝てたら申し訳ないので、3回くらいコールして出なかったら、残念だけどきることにしようと思います。
「prrrrr!」ガチャ
「はい!」
早い!
まだワンコールしてるところだったのですが。
「もしもし!?千乃か!?」
「あ、はい、えっと澪さん、こんばんは」
「遅いじゃないか!もう11時だぞ!なにしてたんだ!心配したじゃないか!」
「す、すいません!」
普段の澪さんでは考えられないくらい、尋常じゃないほどまくしたてられました。
「もう遅いからちょっとしか話せないじゃないか・・・」
「・・・ごめんなさい」
「なんでこんなに遅かったんだ・・・?」
恐る恐る、といった感じで聞いてきました。
「えと、紬さんと律さんと少し話し込んでしまって・・・」
「私が最後なのか!?」
「ひっ・・・ごめんなさい」
「うぅ・・・」
「ああああの!深い意味はなくて、電話番号を聞いた順番で電話させてもらったんです!」
なんで私はこんなにあせってるんでしょうか。
「・・・そうなのか?」
「は、はい」
「わかった・・・大声出してごめんな」
「いえ・・・心配してくれてすいません・・・」
「こういうときは、ありがとうって言ってくれ」
声が優しい、いつもの澪さんに戻りました。
よかった・・・もしかしてさっきのが律さんの言う『拗ねてる澪さん』なんでしょうか・・・。
いつもは大人びた美人な澪さんがこんな風になるなんて・・・なんだか可愛いです。
「・・・はい、ありがとうございます!」
「あぁ・・・そういえば2人とはどんなこと話したんだ?」
「はい、えっと、紬さんには外国の風景とか、美味しいお菓子とか・・・夢のようなお話をたくさんしていただきました。律さんには・・・弟さんのこととか、ファーストフード店のこととか・・・あ、あと澪さんのお話も・・・」
「な!なんて言ってた!?」
「えぁっと・・・捏造をよくする・・・とか」
「してない!!全部律のでまかせだ!」
「そ、そうなんですか?」
「他にもいってたか!?」
「うんと・・・軽音部に入ろうとした理由とか・・・あっ!あと澪さんが寂しがりやだって言うのもお話してくれました」
「律・・・明日しばく」
「・・・でも、律さんと澪さんは本当に仲が良くて羨ましいです」
「・・・はぁ」
澪さんがため息をつきます。
「まぁ腐れ縁だからな・・・こっ、これからは軽音部の皆で・・・仲良くなるんだからな?」
!!
やっぱり、お2人は仲がいいです。
同じこと、言ってますもん。
心がほっこりしますね。
「うふふ」
「どうした?」
「いえ・・・何でもありません」クスクス
「なんだよぉ・・・気になる・・・」
「澪さん!」
「はいっ!?」
「明日の演奏・・・頑張りましょうね!」
私にしては珍しく、はっきりと言えました。
だんだん、緊張もしなくなってきてるのかもしれません!
「あ、あぁ!」
結局、澪さんとも話し込んでしまい、一時間くらいたっていました。
澪さんは、元は詩を書くのが好きで文芸部に入りたかったみたいですが、律さんと軽音部に入ることを決め、そこで才能を活かすことにしたそうです。
会話の途中、良い詩が思い浮かんだりもしたそうです。
聞かせて欲しかったのですが、恥ずかしいの一点張りで、残念なことに聞くことはできませんでした。
私も歌うのは恥ずかしいですから、しょうがないと思いました。
でも、今度ノートに書いたやつを見せてくれるそうです。
楽しみです!
電話を切った後、疲労感がありましたがそれ以上に、楽しかったです。
友達と夜、長電話・・・夢でした。
明日、和さんと唯さんにも電話番号を教えてくれないか聞いて見たいと思いました。
この幸せを・・・忘れないうちに日記帳に書いとかないと。
翌日、1年3組、教室にて。
春とはいえ、まだ結構肌寒い気がします。
入院してるときはそういった感覚すらなかったので、ある意味新鮮ではありました。
「千乃、おはよう」
「の、和さん・・・おはようございます!」
「あら、元気いいわね。何かいいことでもあった?」
さすが和さんです。
声のトーンなどから察するなんて・・・!
そして、気づいてくれたことに、頬がほころんでしまいます。
「はい・・・えっと、和さん。私・・・昨日クラブに入ったんです」
その言葉に、ポカンとした表情になる和さん。
そして。
「い、いったいどこのクラブ・・・まさか運動部じゃないわよね!?」
「・・・どういう意味ですか?」
「あ、いや・・・別に千乃が運動音痴だなんて思って・・・・・・・・・・・・ないわよ?」
「・・・ひどいですっ」
「もう・・・冗談よ。だからそんなに怒らないで?」
いつのまにか膨らんでいた私の頬。
そんな私を撫でてくれます。
・・・・・・温かい、です・
「でも、本当になんのクラブ?」
「あ、はい・・・軽音部に、はいりました」
「音楽系ね。いいと思うわ。でも軽音部は確か廃部になりかけてたような・・・」
「はい、ですので私が入って4人になりました」
「そう。じゃあ部長の人にちゃんと申請するように言っておいてくれるかしら?一週間たつと廃部になっちゃうからね?」
「わかりました・・・ありがとうございます、和さん」
「私、生徒会だから。それに、千乃の友達だからね」
パチンと、ウィンクしてくれました。
うぅ・・・かっこいいです。
「それで、友達はできた?」
「あ・・・はい・・・3人友達に・・・なってくれました」
「それは良かったわ」
「あ、和さん・・・あの、その、もし良かったらなんです・・・けど」
「どうかした?」
「あの、えっと、携帯電話・・・モニョモニョ」
「あぁ、そういえばまだ交換してなかったわね」
そう言って携帯を鞄から取り出します。
「・・・?千乃?」
いつまでたってもペンとメモ帳しか手に持たない私に、和さんが問いかけます。
「あ・・・私、携帯電話、もってないんです」
「あら、珍しいわね」
「それでね・・・もし迷惑じゃなかったら・・・家から掛けたいから、和さんの携帯番号・・・教えてくれませんか?」
断られたらどうしようなんて。
考えてしまうのは、もうどうしようもないくらい私なんですね。
でも、和さんは。
「えぇ、いつでもかけて」
どうしましょう・・・すっごく嬉しいです!!
それが、伝わってしまったのか。
「そんなに喜んでくれるなんて、なんだかこっちまで嬉しくなるわね」
「なになに、なんか楽しそうね」
「お、おはようございます中島さん」
「おっはー」
「おはよう。千乃と番号交換してたのよ」
「携帯の?なら私とも交換してよ!」
中島さんがそう言ってくれます。
「は、はい!・・・でもあの、私携帯持ってなっくて・・・」
「そうなの!?じゃあ家の固定電話?」
「はぃ・・・」
なんだか恥ずかしくて消えそうな声になってしまいます。
「そっかー。じゃあなんかあったら電話しておくれ!」
電話番号を、サラサラっとメモ帳に書いてくれました。
ううううれしい。
和さんと中島さん、そして律さん、澪さん、紬さんの5人の電話番号が今この手に。
宝物のようです。
「いちいちかわいい・・・」
「おっはっよ~!」
中島さんが何かを言った後に、唯さんが登場です。
「唯、おはよう」
「おはよう、平沢さん」
「おおおはようございます」
「みんなおはよ~」
唯さんは朝から元気です。
今日の放課後のこと、唯さんに聞いてみないと・・・。
「あ、あのね唯さん!放課後・・・大事なお話がある・・・んですけど・・・」
その言葉に、クラス中がザワっと。
和さんも、どこか顔が怖いような気がします。
え、なんですか?
どうしたんですか?
「なになに、告白してくれるの~?」
・・・・・・・!!!???
「え、や、そういう意味じゃなくって!なんていうか、全然ちがくて!!」
確かにそういう意味に取られてしまうかもしれない発言でした。
顔が真っ赤になってるのがわかります。
なんでこんなに頭が回らないんでしょう!
「あはは、わかってるよ~。放課後だよね?今日は何もないからいいよ~」
「うぅ・・・ありがとうございます・・・」
唯さんが笑うようにいってくれたのがせめてもの救いでした。
どこかほっとしたような和さんを見て、何故か私もほっとしてしまいます。
「放課後に何の用事~?」
「えっと・・・わ、わたし、軽音部に入った、んでう」
「え~凄い!」
「そ、それでね、唯さんもおおお音楽に興味があるって・・・」
「うん?」
「えっと、えっと・・・」
「千乃は軽音部に入ったから、音楽に興味が出たって言ってた唯も一緒にどうかって思ったのよ。だから放課後にクラブ見学に行かない?ってことよね?」
和さんが全部説明してくれました。
なんでこうも言いたいことを、わかってくれるんでしょうか。
そして、和さんにわかってもらえることが、どうしてこんなに嬉しいんでしょうか。
こくこくと縦に首を振ります。
「ほぇ~。でも、急に行ってもいいの?」
「は、はいっ、大丈夫です」
「わかった~、楽しみだねぇ~」
鼻歌を歌いながら、唯さんは承諾してくれました。
よかった・・・来てくれるんですね。
これで入部してくれたら・・・すごく嬉しいです。
「ま、唯はなにかきっかけがないと、何も始めないからいい機会ね」
「む~、ひどいよ和ちゃん」
「きっと千乃が誘わなかったらニートが出来上がってたわ」
「部活してないだけでニート!?」
「千乃、唯のことよろしくね」
「そ、そんな・・・こちらこそ、よろしくお願いします・・・」
「いいもん。ゆっきーと仲良くやるもん」
そして放課後。
「ねぇねぇゆっきー」
「はっい?」
「軽音部ってどんな人達がいるの?」
軽音部の部室へ向かう途中、唯さんがそう聞いてきました。
「はい、えっと、皆さん同じ1年生で・・・私のほかに、3人います」
「先輩はいないんだー」
「はい・・・んと、部長の律さんはドラムで、元気いっぱいでみんなを引っ張ってくれる人で、面白い人です・・・ベースの澪さんは綺麗でかっこよくてしっかりした人だけど、可愛いところもあります。キーボードの紬さんは・・・おっとりぽわぽわしてる人で、すごくあったかい人です。なんていうか、全体的にやわらかいと言いますか・・・」
抱きしめて貰ったときのことを思い出してしまいます。
「きっと・・・皆さんと仲良くなると思います・・・」
「うん!ゆっきーはみんなのこと大好きなんだね~」
「え?」
「だって、あんなに軽音部のいいところを言えるなんて凄いもん」
「そう・・・なんでしょうか」
「そうだよ~!あ、ところで軽音部ってどんなことやるのかな?軽い音楽だから口笛とかかな?」
「い、え・・・部室に着いたら、その、演奏を・・・モニョモニョ」
「演奏してくれるの?・・・ゆっきーが歌うの!?」
「あえっと・・・はぃ・・・・」
「わー楽しみ!早く行こう!」
私の手を握って、唯さんが走り出します。
けれど。
私は、長い入院生活のせいか、それとも元来運動神経がよくなかったのか、うまく走ることが出来ず転んでしまいました。
「いたっ・・・」
「ゆっきー!?」
階段で、また転んでしまいました。
和さんの時もそうでしたが、階段と私はなにか縁でもあるのでしょうか?
「ゆっきー!」
慌てて唯さんが駆け寄ってきてくれます。
「どこか痛む?怪我してない?ごめんねゆっきー・・・ごめんね!」
すごく謝ってくれます。
でも特に傷はないし、少し痛むくらいだったので。
「はい、大丈夫です。ごめんなさい、私、走ったりするの得意じゃ、なくて・・・」
「違うよ!私が引っ張っちゃったから・・・」
「気にしないでください・・・っつ」
「本当に?大丈夫?」
「はい・・・すぐそこに保健室があるので、絆創膏だけ貰ってきますね」
「私も一緒に行く!」
「えあっと・・・唯さんは先に、部室に行ってくれませんか?」
入院していてわかったことはいっぱいあります。
それは、大勢でいるのは迷惑という事や、あまり治療中の姿を見られたくないということ。
ですので、先に唯さんには部室へ向かっておいて欲しいのでした。
それに、もし、気分の悪い人がベッドで寝ていたりしたら、なるべく静かに素早く用事を済ませたいので、1人のほうが都合がよいのです。
「もう、軽音部の皆さんには放課後、行くこと、伝えていますので・・・」
「・・・わかった・・・本当にごめんね」
すごく落ち込んでしまったようで。
私は本当に気にしてないので、というか私の運動神経に問題があったわけで。
きっと普通の人だったらこんなことはおきていなかったはずです。
私だから起きてしまった事故。
唯さんにいらない責任を負わせてしまったのだから。
和さんや紬さんがしてくれたように。
「唯さん、そんな顔しないでください・・・唯さんの顔は笑ったほうが好き、です」
そういって、唯さんの頭を撫でました。
「ふぇ・・・」
泣きそうな顔になってしまいました。
・・・なぜでしょう。
私には、和さんや紬さんのような魔法は使えないんでしょうか。
なんとか、唯さんを部室へ送り出しました。
保健室は、他に生徒はおらず、すぐに先生に治療して貰えました。
膝を少しすりむいていたようで、消毒液が染みます。
絆創膏をはって貰って、先生にお礼を言い部室へ向かいます。
部室の前に着いたら、何か騒がしい感じが中から聞こえてきます。
開けてみると、唯さんが泣いていました。
な、なんで!?
「あ、千乃、大丈夫か?」
律さんが声をかけてくれます。
「はい、すり傷だけでしたので・・・ところで、唯さんは、どうしたんですか?」
「なんか自己紹介をして、千乃を怪我させたって、報告してくれたところで泣いちゃって・・・」
「ごめんね・・・ゆっぎーごべんんん!」
鼻水が凄くたれてます・・・でもこんなに謝らせてしまうなんて・・・なんだか私も泣いてしまいそうです。
「わ、わたし・・・昔からこんなんで・・・楽器だって・・・軽い音楽だからもっと・・・楽なものだって思ってて・・・すいません・・・」
軽音部の皆さんも、かなり困ってるみたいです。
「ゆっきーに怪我させちゃったし・・・楽器だってできないし・・・だから・・・入部の話は・・・」
「そ・・・そんな」
私が何か言う前に、軽音部3人の目が光りました。
「ちょっと待った!」
「もう少し考えてくれないか!?」
「美味しいケーキもあるの!」
「4人いないと演奏できないんだ!」
「1からギター始めてみないか!?」
「美味しいお茶もあるの!」
律さん、澪さん、紬さんと説得にかかります。
私も唯さんに入って欲しいですから、頑張ります!
「ゆ、唯さん!私達の・・・演奏を聴いてくれませんか!?」
大きな声を出したのが私だと驚いたのか、4人がこちらを見ます。
「精一杯歌います・・・ので、聞いていってくれませんか?」
私の心を少しでも伝えたい。
自然と手を唯さんの手に重ねます。
後ろのほうでなにか雰囲気が変わったような気もしますが、いまは唯さんに集中です!
「お願いします・・・」
「う・・・・うん」
顔が赤い唯さん。
泣いてしまったからでしょうか。
失礼ですが、可愛いと思ってしまいました。
そして、冒頭に戻ります。
落ち着かせるために、と餌付け?のためにケーキが唯さんにお出ししました。
そして、唯さんが持ってきていた入部届けを見て、私達に力が入ります。
絶対に、唯さんに入って欲しいです。
だから、今出来る最高の演奏を。
最高の歌を。
「翼をください」
神様「和!和!和!和ぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああん!!!(ry」
この作品は、話が結構進むのが遅いですね。
作者の気分で書いてますので、それでもよいという方のみどうぞよろしくお願いします・・・。