それでもおkというかたのみよろしくお願いします。
あとかなり短いので、次の更新、早くできるように頑張りますです!
いつも読んでくださってありがとうございます。
Side 律
私と澪が仲良くなったのは小学4年生の時だ。
クラスでいつも本を読んでいて、おとなしかった澪に私が声をかけたのが最初だ。
なんで話しかけたか。
なんの本を読んでいるのか、本が好きなのか、外で遊ばないのか。
理由はなんだって良かったんだと思う。
その綺麗な黒髪とか、おどおどした動作とか、私にない女のこらしさに惹かれたから話しかけた。
澪はクラスの男子から凄く人気があって、それが良くも悪くも澪が人見知りになったことに拍車をかけたと思う。
まあ、もとから人見知りではあったけど。
小学生なんて、深く考える事はない。
気に入らないものは気に入らないと言い、好きなものだけを集める。
たまたまクラスの女の子が好きだった男子が澪のことを可愛いと言った。
もちろん、澪はそのことを知らない。
自分の好きな人が、自分ではない人を好き。
それだけ。
たったそれだけで澪は仲間はずれにされた。
澪は意味がわからなかったと思う。
普段からあまり人と話すタイプじゃなかったんだろうけど、それでもある日を境にそれは始まった。
ぶりっこ、こびてる、どろぼう・・・etc。
ちゃんと言葉の意味を理解しているかもあやしい単語を澪はその身に浴びた。
ある時は机に、ある時は紙で、またある時は面と向かって。
私が澪と始めて話したとき、可愛い女の子だと思った。
なんで仲間はずれにされてるのかがわからいくらい普通で、ちょっと人見知りだけど良いヤツだった。
そんな澪が、仲間はずれにされて、怯えるように本を読んでいた。
私は澪に友達になってと言った。
私は強くなりたかった。
男子に混じって喧嘩もしたこともあるし、女子と取っ組み合いをしたことも多かった。
普段からヤンチャと言われて、男子と遊ぶことが多かった私は、男みたいな思考回路で強いってことが偉いって思ってた。
だから、仲間はずれにされてる澪を助けてあげることが出来れば私はまた『強い』と思えるから。
そんな理由で私は澪と友達になりたかった。
澪は震える声で承諾してくれた。
なにかあったらわたしが秋山さんを助けてあげる!
そんなことを言った覚えがある。
その時の私はただのバカだった。
何も知らない、勘違いしただけのバカな子供。
ある時、澪と仲良くしてるからと言う理由で私も仲間はずれにされた。
今でも覚えてる、あの気持ち悪い気持ち。
私が呼びかけても、誰も何も反応しない、ただクスクスと笑い声が聞こえる。
自慢だった私の『強さ』は何も意味を成さなかった。
そこで私は始めて思い知らされたんだ。
私は強くなんかなかった。
学校に行くことも嫌になった私は、それでも引きずるように学校へ向かう。
机に落書きをされ、それを先生に見られる前に自分で消す作業。
心が壊れてしまいそうだった。
なんで私がこんな目にあうんだ。
私が何か悪いことをしたのか。
澪と友達になったから?
澪を庇ったから?
もうしないから。
助けて。
ピタリ、と私への嫌がらせは止まった。
無視をしていた回りの人が私に話しかけてきた。
何事もなかったように。
私は怖かった。
何で平気で接することが出来るのか。
昨日まであんな仕打ちをしていたのに。
でも、それを言うことでまた無視をされることが怖かった。
私は、ただ愛想笑いを浮かべることしかできなかった。
私への嫌がらせがなくなった理由を知った。
澪が私の分も嫌がらせを受けていたのだ。
正直・・・ホッとした。
ホッとしてしまった。
澪を庇ったから私も対象になったんだ。
だからそれがあるべき形に戻ったんだ。
これで私は解放された。
よかった。
放課後、教室から聞こえてきた。
「秋山さん、おかしいよね。田井中さんに迷惑かけないで!だってさ」
「自分がいじめられてるのに、田井中さんの分も引き受けるって・・・変な子だよね」
教室には5人くらいの女子が固まってそんな会話をしていた。
頭が真っ白になった。
私が解放されたのは、澪が私の分を引き受けていたからだった。
私が助けていたつもりが、私が助けられていた。
同時に、涙が流れてきた。
私は・・・澪を、友達を切り捨てたんだ。
気づいたら教室に入ってそこにいた5人を殴り飛ばしていた。
泣いていた。
私も泣いていた。
でも止められなかった。
私を助けてくれた澪をいじめてるこいつらを許せなかった。
自分のために切り捨てた私自身も。
もうしないから、許して。
そう言って泣いて許しを請うけど止める気はなかった。
こいつらをもう二度といじめる気を起こさせないように。
そして私が『強い』ってそう思いたかった。
けど、私の手は止まった。
止める気なんてなかった。
強さを認めさせるための私の手は、澪によって止められた。
私といじめっ子達の間に震える体を割り込ませ、あろうことかいじめっ子達を庇うように。
「なんで・・・?そいつらは秋山さんをいじめてたんだよ?」
「・・・・・・!」
何も言わなかった澪は、それでもどこうとしない。
ただひたすら私をまっすぐに見て、口を一文字にしていた。
その姿が、私にはわからなかった。
なんで自分をいじめてたやつを守るのか。
けど、すごくかっこよかった。
理由はわからないけど、あの時の澪が今も私の胸に色褪せないまま残っている。
結局、その後は先生が来て、いじめっ子たちが自白し、謝罪。
私も手を上げたのだから謝罪。
それ以降は澪もいじめられず、そのいじめっ子達も落ち着いていった。
そして私と澪は友達として、今もずっと一緒にいる。
守ってくれてありがとうって、澪は私に言った。
けどそれは違う。
あの時の澪の姿に憧れて。
あの、いじめっ子に『勝った』澪の姿を目指して私は今日も生きている。
軽音部の部長としての私は誰からも頼りにされて、絶対に負けない、『勝つ』ことを目指して。
神様「・・・・・」[壁]_・)チラッ。。。。。。。゙(ノ・_・)ノスタスタッ。。。。。。チラッ(・_[壁]
↑改変と短すぎて怒られないか心配な神様の図。