俺の後ろには、先程までヒューマギアと戦っていた特殊部隊がいる。
俺の存在自身、本来ならば一企業が持って良い力ではないだろう。
「悪いが、これから仕事があるんだ。だから、ここから立ち去らせて貰う」
その瞬間、俺は再び走り出した。
「なっ待っ」
後ろから声が聞こえるが、それを無視し、俺はその場を去って行った。
未だに謎の多い出来事ではあったが、俺が行えるのは、ヒューマギアによる被害を最小限にする事。
既に戦闘を終えた俺が、この場で出来る事もない為に早々に立ち去った。
そして、その翌日だった。
「おはようございます。本日から、お願いいたします」
「お願いって」
俺の自宅前に、1人の人物がいた。
世に言う秘書型ヒューマギアだと思われる女性がいた。
「あんたは?」
「自己紹介が遅れました。私は社長秘書のイズと申します」
「社長秘書って、もしかしてこれに関係して?」
そう、俺は昨日の戦いで使ったカリバーライザーを見せると。
「えぇ何よりも本日より小戸川片木様には、社長が乗られる車の運転手を務めさせて頂く、参りました」
「聞いていないんだけど」
「ナビに変身する際に、既にお手続きは済んでおります。それでは、本日よりもよろしくお願いします」
「えぇ」
そう言われながらも、俺は普段乗っているタクシーに向かう。
「既にこちらでは飛電の技術によって、アップデートされております。今後、戦闘でのサポート方面に必要なシステムなども組み込まれております」
「俺のタクシーが勝手に」
すると、タクシーの外装が変化する。
先程までは、どこにでもある普通のタクシーだったのに、かなり高級な車へと変わった。
「飛電の技術、半端ねぇ」
「それでは、社長のお迎えに行きましょう」
「あいつかぁ、菓子パンばっかり喰っていないと良いけど」
そうしながら、俺は、イズさんを乗せて、そのまま今は奴が住んでいる家に向かった。
家に辿り着き、イズさんが挨拶に向かった。
俺はそのまま、車の中で待機をしている。
しばらくすると。
「こちらにどうぞ」
「あぁ、どうもって、あれ? なんか見た事があるような」
「久し振りって言う程じゃないな」
「あれぇ!? 片木さん、なんでここに!?」
「本日より、運転手を務めさせて貰っています。社長のサポートも考え、採用しました」
「そうなんだ」
それに対して、或人は少し戸惑っている様子だけど。
「とりあえず、会社までは少し時間があるだろ。お前、朝飯も軽く済ませているようだから、これでも食ってろ」
「あっ、ありがとう! いやぁ、久し振りだなぁ、じゃこおにぎりと味噌汁、なんかほっとするなぁ」
そうしながらも、俺達はそのまま飛電に向かって行く。
そうして、辿り着くと共に。
「それじゃ、頑張って来いよ」
「あぁ、行ってきます!」「帰りもお願いします」
そのまま、或人達を見送った。
さて、これからどうするか。
俺がそうして、近くの駐車場に車を止めると。
「んっ」
何やら、見覚えがある人影があった。
俺は気になり、近づく。
「あれ、福添さんに山下さんじゃないか」
「んっ、この声って、あぁ!? 片木さん!」
「あぁ、本当だ! なんでここに!?」
そこにいたのは、俺にとっては馴染み深い福添さんと山下さんがいた。
彼らは俺のタクシーの常連でもある。
すると、福添さんの方は慌てた様子だった。
「いや、なんでここに?」
「んっ、いや、今日から俺、ここの運転手になったんだよ。まぁ、副業みたいな感じになったけど」
「豪華な副業ですなぁ、というよりもなんで?」
「いや、先代社長にスカウトされてな。今日が初出勤なんだよ」
「そっそうなんですかぁ、良かったぁ、あの件の奴、バレなくて?」
すると、福添さんは慌てている様子だけど。
「あぁ、そう言えば、今日は確かサ「あぁぁ、それ今日はないから、ないから!」んっ?」
「どうしたんですか?」
「なんでもないなんでもない!」
そう言えば、よくサウナに行っていたけど、サボっていたな。
「ふぅん、なるほどなるほど」
「あっあのぉ、片木さん、この事は」
「まぁ、客のプライバシーは探らないからな」
「いや、それ、誤解されそうだから止めて下さい!」
そう、福添さんが言っていると、俺の持つカリバーライザーがアラームが鳴った。
何だと疑問に思っていると。
社内で何か、騒いでいた。
「さっそく、仕事か」
そうしながら、俺はすぐに走る。
「えっ、片木さん!?」「どこに!?」
俺はそれを無視しながら、物陰に隠れると共に。
『ハリケーン』
それと共に、俺はストーミングペンギンプログライズキーを起動させ、そのままカリバーライザーに装填する。
『Kamen Rider……Kamen Rider……』
鳴り響く音声と共に、俺はそのまま腰にあるドライバーにカリバーライザーを装填すると共に。
「変身」『スラッシュライズ! Spining cyclone! ストーミングペンギン!』
同時に、俺はナビへと変身する。
ナビに変身すると同時に、物陰から飛び出すと、既にマギアが暴れている。
周囲には被害は多く、戦っているのは確か先日の現場にいた2人。
そう考えていると、マギアが放った巨大なブーメランが、2人に向かっていた。
瞬時に、俺は駆けると共に、2人の目の前に立つように、カリバーライザーを横に薙ぎ払う。
「あっ」「うわっいきなり何をする!?」
そして、運が悪かったのか、攻撃を避ける為に、もう1人の男性を守る為に女性は蹴っていたようだ。
避ける際には、本来だったら、正しかったと思うが、俺のせいで無駄骨になってしまった様子。
「あっお前はっなんでここに!」
だが、男性の方は特に怪我をした様子もなく、むしろ俺を睨み付けている。
「悪いが、仕事を先攻させて貰う」
それと共に、俺はカリバーライザーを手に、眼前にいるマギアに向かって行く。
マギアは、その両手に巨大なブーメランを持って、構える。
俺はカリバーライザーを構えながら、そのまま駆け出す。そのままマギアはブーメランを投げるも、俺はそのブーメランを弾く。
その間に俺は跳躍する。
すると俺の真下では、ブーメランが通過。
そしてマギアの背後に着地するとカリバーライザーを振り上げる。
しかしマギアはすぐに、その場から離れる。
その行動に対して俺はカリバーライザーをマギアに向けて投げつける。そしてカリバーライザーはそのままマギアの目の前で静止。
「っ!!」
だがマギアは、カリバーライザーが止まるよりも先に俺の方へ向かってくる。そのままマギアは俺の腹部に蹴りを入れる。
俺は後ろに吹き飛ぶと同時に、空中で姿勢を制御するも、地面に倒れる。だが俺の頭上を通り過ぎたカリバーライザーが、俺の手に戻る。
「はぁぁ!!」
それと共に、俺は再び構える。
「さすがに、ここじゃ被害が大きくなるな」
周囲を見ても、社内のスタッフが不安の目で見ている様子。
そう考えていると。
「はぁ!」
聞こえた声。
それと共に見つめた先には、緑色のアーマーを身に纏った人物がいた。
その姿は、俺のと似た要素が見られ、おそらくは仮面ライダーだろう。
「ナビ! 待たせた!」
「その声、そういう事か」
それと共に、俺もまた、その正体が理解出来た。
おそらくはゼロワンに変身した或人。
その或人が、同時に構える。
「ここじゃ、被害が大きくなる。外に連れ出す」
「分かった!」
それと共に、俺と或人はすぐにマギアを外に連れ出す。
マギアの両手に持っているブーメランは、脅威ではあったが、その動作を見て、良ければ問題ない。
外に連れ出す事に成功した俺と或人は、同時にマギアを蹴り上げる。
その威力は凄まじく、近くにある壁にぶつかる。
だが。
「えぇ?!」「マジか」
そこには壁面にくっついているマギアの姿が。
それに気を取られている間に、こちらに迫る攻撃を感じた。
俺はすぐにカリバーライザーで、その攻撃を斬り裂く。
「今度はって! 何をしているんだよ!」
そこには銃を構えている2人が立っていた。
「ヒューマギアはぶっ潰す」
その一言と共に銃弾が放たれる。
俺はすぐにカリバーライザーを振り上げ、攻撃を斬り裂く。
「何をするんだよ! 狙うんだったらあっちって」「もぅいないな」
俺達がこちらに意識を向けている間に撤退したようだ。
「こうなったら、逃げるぞ」「あぁ、もぅ!」
俺はすぐにその場を駆け、或人は、なんと跳び、その場から離脱した。
各々がバラバラに逃げると共に、近くの壁に隠れて、変身を解除させる。
「ふぅ、さて」「あの」
俺がすぐに離れようとした時だった。
「私はA.I.M.S.の技術顧問の刃唯阿だ、すまないがこの辺に怪しい人影はいなかったか?」
まさか、ここで会うとは。というよりも、以前会った女性じゃないか。
「いや、俺は休憩していただけだが、なんか騒ぎがあったけど、何かあったのか?」
「あぁ、実はヒューマギアが暴走した。その際に、所属不明のヒューマギアも現れたので、調査を行っている。もしも、何かあれば教えて貰うと助かる」
「あぁ、分かった。そういう事だったら」
俺は、すぐにそのまま去って行った。
だけど。
「それにしても、先程の男、どこかで声を聞いた事があるような?」
思わずぎくっとしたのは、隠しておこう。
仮面ライダーナビ ストーミングペンギン
カリバーライザーにストーミングペンギンプログライズキーを装填する事で変身する事が出来る基本形態。
その特徴としては、地上における高速戦闘を主に想定しており、高速かつ小回りの利く高い機動性で、ゼロワンのサポートを目的に戦う。
水中戦での戦闘も可能となっている。
また、ナビの最大の特徴として、高機動形態へのシフト時。
これは、頭部にバイザーがかかり、未シフト時をはるかに隔絶した戦闘力を見せる。
ただし、これは変身者に負担が大きい為に、主に必殺技を放つ時に行う。