ゼロワン・タクシー   作:ボルメテウスさん

2 / 5
片木の新たな就職先

 俺の後ろには、先程までヒューマギアと戦っていた特殊部隊がいる。

 

 俺の存在自身、本来ならば一企業が持って良い力ではないだろう。

 

「悪いが、これから仕事があるんだ。だから、ここから立ち去らせて貰う」

 

 その瞬間、俺は再び走り出した。

 

「なっ待っ」

 

 後ろから声が聞こえるが、それを無視し、俺はその場を去って行った。

 

 未だに謎の多い出来事ではあったが、俺が行えるのは、ヒューマギアによる被害を最小限にする事。

 

 既に戦闘を終えた俺が、この場で出来る事もない為に早々に立ち去った。

 

 そして、その翌日だった。

 

「おはようございます。本日から、お願いいたします」

 

「お願いって」

 

 俺の自宅前に、1人の人物がいた。

 

 世に言う秘書型ヒューマギアだと思われる女性がいた。

 

「あんたは?」

 

「自己紹介が遅れました。私は社長秘書のイズと申します」

 

「社長秘書って、もしかしてこれに関係して?」

 

 そう、俺は昨日の戦いで使ったカリバーライザーを見せると。

 

「えぇ何よりも本日より小戸川片木様には、社長が乗られる車の運転手を務めさせて頂く、参りました」

 

「聞いていないんだけど」

 

「ナビに変身する際に、既にお手続きは済んでおります。それでは、本日よりもよろしくお願いします」

 

「えぇ」

 

 そう言われながらも、俺は普段乗っているタクシーに向かう。

 

「既にこちらでは飛電の技術によって、アップデートされております。今後、戦闘でのサポート方面に必要なシステムなども組み込まれております」

 

「俺のタクシーが勝手に」

 

 すると、タクシーの外装が変化する。

 

 先程までは、どこにでもある普通のタクシーだったのに、かなり高級な車へと変わった。

 

「飛電の技術、半端ねぇ」

 

「それでは、社長のお迎えに行きましょう」

 

「あいつかぁ、菓子パンばっかり喰っていないと良いけど」

 

 そうしながら、俺は、イズさんを乗せて、そのまま今は奴が住んでいる家に向かった。

 

 家に辿り着き、イズさんが挨拶に向かった。

 

 俺はそのまま、車の中で待機をしている。

 

 しばらくすると。

 

「こちらにどうぞ」

 

「あぁ、どうもって、あれ? なんか見た事があるような」

 

「久し振りって言う程じゃないな」

 

「あれぇ!? 片木さん、なんでここに!?」

 

「本日より、運転手を務めさせて貰っています。社長のサポートも考え、採用しました」

 

「そうなんだ」

 

 それに対して、或人は少し戸惑っている様子だけど。

 

「とりあえず、会社までは少し時間があるだろ。お前、朝飯も軽く済ませているようだから、これでも食ってろ」

 

「あっ、ありがとう! いやぁ、久し振りだなぁ、じゃこおにぎりと味噌汁、なんかほっとするなぁ」

 

 そうしながらも、俺達はそのまま飛電に向かって行く。

 

 そうして、辿り着くと共に。

 

「それじゃ、頑張って来いよ」

 

「あぁ、行ってきます!」「帰りもお願いします」

 

 そのまま、或人達を見送った。

 

 さて、これからどうするか。

 

 俺がそうして、近くの駐車場に車を止めると。

 

「んっ」

 

 何やら、見覚えがある人影があった。

 

 俺は気になり、近づく。

 

「あれ、福添さんに山下さんじゃないか」

 

「んっ、この声って、あぁ!? 片木さん!」

 

「あぁ、本当だ! なんでここに!?」

 

 そこにいたのは、俺にとっては馴染み深い福添さんと山下さんがいた。

 

 彼らは俺のタクシーの常連でもある。

 

 すると、福添さんの方は慌てた様子だった。

 

「いや、なんでここに?」

 

「んっ、いや、今日から俺、ここの運転手になったんだよ。まぁ、副業みたいな感じになったけど」

 

「豪華な副業ですなぁ、というよりもなんで?」

 

「いや、先代社長にスカウトされてな。今日が初出勤なんだよ」

 

「そっそうなんですかぁ、良かったぁ、あの件の奴、バレなくて?」

 

 すると、福添さんは慌てている様子だけど。

 

「あぁ、そう言えば、今日は確かサ「あぁぁ、それ今日はないから、ないから!」んっ?」

 

「どうしたんですか?」

 

「なんでもないなんでもない!」

 

 そう言えば、よくサウナに行っていたけど、サボっていたな。

 

「ふぅん、なるほどなるほど」

 

「あっあのぉ、片木さん、この事は」

 

「まぁ、客のプライバシーは探らないからな」

 

「いや、それ、誤解されそうだから止めて下さい!」

 

 そう、福添さんが言っていると、俺の持つカリバーライザーがアラームが鳴った。

 

 何だと疑問に思っていると。

 

 社内で何か、騒いでいた。

 

「さっそく、仕事か」

 

 そうしながら、俺はすぐに走る。

 

「えっ、片木さん!?」「どこに!?」

 

 俺はそれを無視しながら、物陰に隠れると共に。

 

『ハリケーン』

 

 それと共に、俺はストーミングペンギンプログライズキーを起動させ、そのままカリバーライザーに装填する。

 

『Kamen Rider……Kamen Rider……』

 

 鳴り響く音声と共に、俺はそのまま腰にあるドライバーにカリバーライザーを装填すると共に。

 

「変身」『スラッシュライズ! Spining cyclone! ストーミングペンギン!』

 

 同時に、俺はナビへと変身する。

 

 ナビに変身すると同時に、物陰から飛び出すと、既にマギアが暴れている。

 

 周囲には被害は多く、戦っているのは確か先日の現場にいた2人。

 

 そう考えていると、マギアが放った巨大なブーメランが、2人に向かっていた。

 

 瞬時に、俺は駆けると共に、2人の目の前に立つように、カリバーライザーを横に薙ぎ払う。

 

「あっ」「うわっいきなり何をする!?」

 

 そして、運が悪かったのか、攻撃を避ける為に、もう1人の男性を守る為に女性は蹴っていたようだ。

 

 避ける際には、本来だったら、正しかったと思うが、俺のせいで無駄骨になってしまった様子。

 

「あっお前はっなんでここに!」

 

 だが、男性の方は特に怪我をした様子もなく、むしろ俺を睨み付けている。

 

「悪いが、仕事を先攻させて貰う」

 

 それと共に、俺はカリバーライザーを手に、眼前にいるマギアに向かって行く。

 

 マギアは、その両手に巨大なブーメランを持って、構える。

 

 俺はカリバーライザーを構えながら、そのまま駆け出す。そのままマギアはブーメランを投げるも、俺はそのブーメランを弾く。

 

 その間に俺は跳躍する。

 

 すると俺の真下では、ブーメランが通過。

 

 そしてマギアの背後に着地するとカリバーライザーを振り上げる。

 

 しかしマギアはすぐに、その場から離れる。

 

 その行動に対して俺はカリバーライザーをマギアに向けて投げつける。そしてカリバーライザーはそのままマギアの目の前で静止。

 

「っ!!」

 

 だがマギアは、カリバーライザーが止まるよりも先に俺の方へ向かってくる。そのままマギアは俺の腹部に蹴りを入れる。

 

 俺は後ろに吹き飛ぶと同時に、空中で姿勢を制御するも、地面に倒れる。だが俺の頭上を通り過ぎたカリバーライザーが、俺の手に戻る。

 

「はぁぁ!!」

 

 それと共に、俺は再び構える。

 

「さすがに、ここじゃ被害が大きくなるな」

 

 周囲を見ても、社内のスタッフが不安の目で見ている様子。

 

 そう考えていると。

 

「はぁ!」

 

 聞こえた声。

 

 それと共に見つめた先には、緑色のアーマーを身に纏った人物がいた。

 

 その姿は、俺のと似た要素が見られ、おそらくは仮面ライダーだろう。

 

「ナビ! 待たせた!」

 

「その声、そういう事か」

 

 それと共に、俺もまた、その正体が理解出来た。

 

 おそらくはゼロワンに変身した或人。

 

 その或人が、同時に構える。

 

「ここじゃ、被害が大きくなる。外に連れ出す」

 

「分かった!」

 

 それと共に、俺と或人はすぐにマギアを外に連れ出す。

 

 マギアの両手に持っているブーメランは、脅威ではあったが、その動作を見て、良ければ問題ない。

 

 外に連れ出す事に成功した俺と或人は、同時にマギアを蹴り上げる。

 

 その威力は凄まじく、近くにある壁にぶつかる。

 

 だが。

 

「えぇ?!」「マジか」

 

 そこには壁面にくっついているマギアの姿が。

 

 それに気を取られている間に、こちらに迫る攻撃を感じた。

 

 俺はすぐにカリバーライザーで、その攻撃を斬り裂く。

 

「今度はって! 何をしているんだよ!」

 

 そこには銃を構えている2人が立っていた。

 

「ヒューマギアはぶっ潰す」

 

 その一言と共に銃弾が放たれる。

 

 俺はすぐにカリバーライザーを振り上げ、攻撃を斬り裂く。

 

「何をするんだよ! 狙うんだったらあっちって」「もぅいないな」

 

 俺達がこちらに意識を向けている間に撤退したようだ。

 

「こうなったら、逃げるぞ」「あぁ、もぅ!」

 

 俺はすぐにその場を駆け、或人は、なんと跳び、その場から離脱した。

 

 各々がバラバラに逃げると共に、近くの壁に隠れて、変身を解除させる。

 

「ふぅ、さて」「あの」

 

 俺がすぐに離れようとした時だった。

 

「私はA.I.M.S.の技術顧問の刃唯阿だ、すまないがこの辺に怪しい人影はいなかったか?」

 

 まさか、ここで会うとは。というよりも、以前会った女性じゃないか。

 

「いや、俺は休憩していただけだが、なんか騒ぎがあったけど、何かあったのか?」

 

「あぁ、実はヒューマギアが暴走した。その際に、所属不明のヒューマギアも現れたので、調査を行っている。もしも、何かあれば教えて貰うと助かる」

 

「あぁ、分かった。そういう事だったら」

 

 俺は、すぐにそのまま去って行った。

 

 だけど。

 

「それにしても、先程の男、どこかで声を聞いた事があるような?」

 

 思わずぎくっとしたのは、隠しておこう。




仮面ライダーナビ ストーミングペンギン
カリバーライザーにストーミングペンギンプログライズキーを装填する事で変身する事が出来る基本形態。
その特徴としては、地上における高速戦闘を主に想定しており、高速かつ小回りの利く高い機動性で、ゼロワンのサポートを目的に戦う。
水中戦での戦闘も可能となっている。
また、ナビの最大の特徴として、高機動形態へのシフト時。
これは、頭部にバイザーがかかり、未シフト時をはるかに隔絶した戦闘力を見せる。
ただし、これは変身者に負担が大きい為に、主に必殺技を放つ時に行う。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。