マギアの戦闘が終えた後、俺達は会社に戻ってきた。
本来ならば、俺は別に良いと考えていたのだが、イズの方から渡したい物があるらしい。
「或人社長、片木様、こちらを」
「これって、もしかしてプログライズキーか?」「俺と片木さんの、なんか違うような」
そうしながら、或人も同じ意見なのか、見つめる。
「或人社長は、現状、近接戦闘をより特化するのが必要だと、衛生ゼアが判断し、そちらを採用しました。そして片木様には、これからの撤退を行う際のサポートを行って貰うように、用意させて貰いました」
「まぁ、確かに、戦闘を行う度に撃たれたら嫌だからな」
それを考えれば、確かにこのプログライズキーは打倒かもしれない。
そうしていると。
「質問があります。心をデータ化できますか?」
「えっ?」
すると、一緒に帰ってきたニギローの言葉に思わず或人は首を傾げてしまった。
「質問の意味がよく分かりません」
それはイズも同じく、すぐに返答を行った。
その際。
「大将は心を求めています。だから私に心をインストール出来れば」
「それは不可能です。心はデータ化できません」
そう、ニギローは言うが、きっぱりとイズは答える。
その時、ニギローの表情の変化がよく分かる。
「・・・確かに心はデータに出来ないよ、そもそも、心を手に入れるにはかなり長い年月が必要なんだ」
「私は機械です。人間よりも早く取得できるはずです、どれ程の年月が必要なんですか」
「最低でも100年だな」
「えっ」
それに対して、ニギローは思わず声を出した。
或人もまた首を傾げた。
「というよりも、なんでそんな事を知っているんだ、片木さん」
「付喪神って知っているか?」
「付喪神って、確か」
或人は少し首を傾げると、すぐにイズが検索を終えたように頷く。
「古い器物に霊が宿って誕生する妖怪の総称とされています。ですが、それはあくまでも古い昔話でしかありません」
「かもしれない。けど、心なんてのは、そもそも人間だって分からないんだよ」
「大将は、心を込めなければマズイと言っていましたが」
そう、ニギローは首を傾げる。
「愛情がない料理は不味い。そう思っているからな。間違ってはいないがな」
それと共に、俺はニギローを見る。
「意味が分かりません」
「ようするに、お前が知りたい事を知る為には、大将がどんな風に頑張ったのか。記録じゃなくて、記憶でな」
そう言い、俺は立ち上がる。
「記憶とは一体」
「とりあえず、着いてこい」
「何か手はあるのですか?」
「あの頑固野郎の弟子の所だ」
それに対して、反応したのはニギローではなく、或人だった。
「えっ、知っているんですか」
「まぁな、長くやっているとな、どうする」
そう、俺がニギローに尋ねると。
「お願いします」
それと共に、俺達は、大将の、弟子だった連中を回っていった。
大将は、その腕もあって、多くの弟子があった。
だが、その大将の方針に着いていけず、別の寿司屋で働いていた。
そして。
「よぅ、大将」
俺はそのまま、店に入る。
「・・・タクシーのあんちゃんか、何の用だ」
「あんたに食って欲しい寿司があるんだよ」
「また、あれかい、いいか、俺はな「職人なら」んっ」
「職人ならば、味で、そしてそいつ自身を見て判断したらどうだい」
「あぁ?」
「あいつ、もしかしたら案外、良い職人になると思うぜ、あんた次第では、そのチャンスぐらいやったらどうだい」
そう、俺の挑発に対して。
「・・・良いだろう」
それだけ聞くと共に、俺は外に出る事にした。
「片木さん」
「或人、あとはてめぇの仕事だ。お膳立てはしたからな。お前が社長だ」
そのまま、俺は外に出る。
中でどのような取引をしているのか、俺はそれを知らないようにする。
空を眺める。
「・・・なんとかなるだろって」
そんな呟きと共だった。
空から、こちらに向かって、何かが降り注ぐ。
俺は、瞬時に、カリバーライザーで、それらを斬り裂く。
「今のは、まさかマギアか」
そうしていると聞こえるのは悲鳴。
「ちっ」
俺はすぐにその悲鳴の場所へと向かっていく。
悲鳴が密集している所には、前回のライダーも戦っていた。
瞬時に俺は、カリバーライザーにプログライズキーを装填し。
「変身」
瞬時に変身すると共に、通りすがりながら、斬り裂いていく。
「人工知能特別法違反を確認。対象を破壊する」『ラッシングチーター!Try to outrun this demon to get left in the dust.』
聞こえた声。
見れば、そこには刃さんがいた。
まさか、向こうも2人目のライダーが。
「おい」「なんだ」
そのまま、刃さんが変身したライダーの方に目を向ける。
「手を貸せ。この数は一気に片付けなければ、被害が大きくなる」
「それに応えるとでも」
「効率と、そして状況を見れるお前ならば、分かるだろ」
俺は、そのままプログライズキーを起動させる。
「今、優先すべきは、市民の安全だと」『SMOKE』
同時に、俺は新たに起動させたプログライズキーを、そのままカリバーライザーに装填する。
それと共に、構え。
「ふんっ」『All seats smoking!スモーキングラクーン!Sometimes it's important to cheat, it enriches your life just like a good tasting cigarette.』
それと共に、俺は新たに現れたライブメタルを斬り裂き、新たな姿へと変わる。
先程までの姿に加えて、身体の各部にはバイクのマフラーを思わせる追加装備が装着される。
それと共に、俺は。
「カウント、10」
「なに?」
その言葉の意味に、刃さんは疑問の声を出す。
だが、それよりも早く、俺は走り出す。
同時に向こうにいるトリロバイトマギアの集団に入り込む。
奴らは、こちらに向かって、襲い掛かる。
だが、それよりも早く、俺の全身から、煙が噴射される。
「カウント、なるほどそういう事か」『ダッシュ』
その言葉の意味を察した刃さんもまた、動き出す。
俺が噴射した煙によって、視界は悪くなる。
だが、その範囲は一定であり、それ以上は越えない。
先程まで、そこにいたのはトリロバイトマギアのみである。
故に。
「ふんっ」
煙の周辺を走り回る。
同時に、マシンガンを思わせる連射で、次々と銃弾を放っていく。
俺は、それを潜り抜けながら、カウントを数える。
「10」「9」
連射される弾丸の嵐を掻い潜り
「8」「7」
時にはトリロバイトマギアの動きを封じる。
「6」「5」
同時に煙の噴射を止め。
「4」「3」
同時に、そのまま地面を掻い潜り、その場から出る。
「2」「1」
互いの声が聞こえると共に、俺は瞬時に、カリバーライザーで一閃。
『ダッシュラッシングブラスト』『スモークレイン』
それと共に爆散する。
煙は、その場を舞い上がり、俺達を包み込む。
同時に、刃さんは、既にこちらに銃口を向けていた。
それに対して。
「また、会おう」
その一言と共に、その場から消えていった。
「・・・逃がしたか」