転生特典には気をつけよう   作:鯛じゃ

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これはもしもの話


if

うーん、むにゃむにゃ

もう食べられないよぉ…

こんなに沢山グミなんていらないよぉ…

う、栄養ドリンクもこんなにいっぱい飲めないよぉ…

え?グミが嫌ならミツ?何にしてもそんな沢山はいらないよぉ…

 

…ハッ!

目を覚ますと前には崖があった

崖下にはどこまでも続く広い海が広がっていた

ここは…サメハダ岩の上か

どうしてボクは上で寝ていたんだ?いつもは◯◯と一緒に下で寝てたのに…

 

周りを見回してみるが◯◯は見当たらない

昨日は確か…最近仲間になった記憶を無くしていたダークライ、アイツのためにグミとか栄養ドリンクを集めに行ったんだっけ?

それでとりあえず集まったから明日にでも全部食べさせようって話になって寝たんだった

◯◯もよくダークライを鍛えようと思うよねぇ…

賢さが上がった拍子に記憶が戻ったりしたらどうするんだか…

いやまぁ?ボクと◯◯がいればどんなポケモンにだって負けないけどね?

 

さて◯◯は何処に?

とりあえず崖下に行くための階段の方を見る

そこには茂みが乗っかっており下の階段は見えなくなっていた

 

あれぇ?階段の上の茂みは、◯◯と住み始めてからは外したんだけどな

誰かが乗っけたのかな?勝手に住まいにイタズラしないで欲しいな

そう思いながら茂みをどかし、下に行ってみる

 

そこには信じられないものがあった

本来なら2つの寝床が置いてあるはずなのに、そこには小さな寝床1つしか無かった

まるで昔探検隊に入る前にボク1人でここに住んでいたときと同じだった

それに…

寝床の横に置いてあるそれをボクは見る

 

「遺跡の欠片…!」

 

ボクが探検隊になりたいと思った切っ掛け

これをドクローズに奪われたのを◯◯と取り返しに行ったなあ

 

だけど、これはもうここには無いはずだ

次元の塔に行くときに台座にはめたんだから

 

「どうしてここに…」

 

まさか過去に戻ったとか?

急いで隅にある水場に顔を映す

そこには、ヒノアラシの顔が映って…はいなくバクフーンの顔が映っていた

 

良かった…体は戻ってない…

じゃあ戻ったんじゃなくて、過去に来ちゃったってこと?

でもそれだと昔のボクがここにいないのが不思議だけど…昔のボクが遺跡の欠片を置いて何処かに行くはず無いし…

 

 

ああもう!ここにいても混乱するばかりだ…

まずは◯◯を探そう!◯◯なら次元の叫びで何かわかるかもしれない

一応、この遺跡の欠片は持っていこうかな

もし、本当に過去に来ていたなら、これがダークライとかの手に渡ると大変だしね

今のボクなら誰かに簡単に奪われるなんてことは無いだろうし、何なら来るやつには火炎放射で迎え撃てばいいしね!

 

 

◯◯の居場所は何処か分からないけれど、一先ず浜辺に行ってみることにした

あそこは◯◯と出会った場所だ、それに次元の塔から戻ってきたときもあそこで再会したんだ、◯◯がいる場所としては一番可能性が高そうだ

 

途中トレジャータウンを横切る

トレジャータウンはいつも通り活気に溢れていたが、やはりいつもとは違う部分があった

まず、お店の皆はボクのことを知らなかった

ガルーラおばちゃんの所に顔を出したら「あら?バクフーンなんてここらじゃ見ない顔だねぇ」なんて言われてしまった

ネイティオも、最近ミツ集めでよく利用しており、僕達が来るたびに「またミツの鑑定か…」と渋い顔をしてくるのに、特にそういうことは無かった

ヨマワル銀行ではあんなに貯めてたポケが存在しなかったし、ガラガラ道場にはまだ最後の間が開かれてなかった

 

何より違う部分が、リングマとヒメグマの兄弟と、真珠を持っていないバネブーの姿だった

あの兄弟のヒメグマがリングマに進化したところをボク達は目の前で見ていた

進化したせいであの2匹の見分けがつかなくなっちゃったりもした

あのバネブーの真珠を取り返したのはボク達の初めての仕事だ

忘れるはずが無い

 

やっぱりボクは過去に来たんだろうか

皆ボクのことを全く知らない様だったし

 

トレジャータウンを過ぎた後はギルドに…行こうとしたが、辞めた

正直、トレジャータウンの皆がボクのことを知らないというのは中々に心にくるものがあった

ギルドの皆にまであんな態度を取られたら…あんまり考えたくないな

 

早く…早く◯◯に会いに行かないと

◯◯だってボクと同じで困っている筈だろうし…

 

 

いや、でも、もしかしたら、◯◯もボクのことが分からないのかもしれない…

当然のように◯◯も一緒に来てるなんて考えてたけど、過去に戻ってきたのは、もしかしたらボクだけなのかも…

 

 

…もし、◯◯がいなかったら、ボクはどうすればいいだろう

ボクは強くなった

昔の頃とは比にならないくらいには

伝説のポケモンを相手にしてもそう簡単には負けなくなった

モンスターハウスに巻き込まれたってへっちゃらだ

 

でもそれは◯◯が一緒にいてくれたからだ

今が◯◯に出会う前だから、これからまた沢山の事件が起こる

今度は前回のように上手くいく保証なんて無い

ジュプトルが協力してくれたのも◯◯がいたからだし

次元の叫びで未来や過去を見ることもできない

 

ボクにできることはこの遺跡の欠片を幻の大地に持っていくくらいだ

 

「◯◯…」

 

◯◯がいないかもしれない、その不安がボクの足を重くする

でも、もしかしたら◯◯も来てるかもしれない…その思いも捨てきれなかった

 

 

いるかも分からない◯◯を探すためにボクは海岸の方へと歩いていった

 

………

 

海岸に着くと空には沢山のシャボン玉が浮かんでいた

クラブの泡シャボンだろう

あのとき◯◯を見つけたときもこんな風に泡を出していたっけ

 

海の方を見てみる

当然ながらラプラスがそこに待っていることも無かった

まだ磯の洞窟で出会う前だしね、ここにいるはずないか…

 

砂浜を見渡してみる

今ボクの立っている場所からは誰も見えなかった

 

―やっぱり◯◯はいないのかな…

 

もう会えないのかもしれないそう思いながら歩いていると、目の前に青色のポケモンが倒れているのが見えた

 

「っ!◯◯だ!」

 

急いで倒れているポケモンに向かって走っていく

やった!やっぱり◯◯も来てたんだ!

 

「◯◯!大丈夫?起きて!」

「う、うぅん…」

 

◯◯の体を揺さぶると、◯◯は身動ぎをして目を開ける

 

「こ、ここはどこだ…?」

「あ、良かった起きてくれた。◯◯大変なんだよ!ボク達今過去に戻ってきちゃったみたいなんだ!皆ボクのこと忘れてて、凄く寂しかったんだ…」

「え、バクフーンが喋ってる…」

「え…」

 

◯◯がボクの名前を呼んでくれない…

もしかして◯◯もボクを知らないのかな…

 

「ば、バクフーンって、ボクだよ?もしかして覚えてない…?」

「喋るバクフーン…ここは、どこかの浜辺…」

「◯◯…?」

「◯◯は僕がポケダンで使ってた名前…それをバクフーンが知ってる…と、いうことは!」

 

◯◯は起き上がり、自分の体をあちこち見始める

 

「体がラグラージになってる…僕、ポケモンに転生しちゃったんだ…!」

「◯◯…?いったいどうしたの…?」

 

◯◯は小声で何か言っているがボクの耳には届かない

もしかしていきなり目の前に現れた見ず知らずのバクフーンに怯えているのかもしれない

今もボクの方を見ながら何かを考えているようだし

 

◯◯に知らないポケモン扱いされるのは、他のポケモン達にされるよりもずっとツライ…こうなったらもうここから離れてしまおうか

そう思いボクは砂浜から立ち上がり、去ろうとすると

 

「君、もしかしてヒバシラ…?」

 

ボクの名前を呼ぶ声が聞こえた

ボクは◯◯の方に振り返り、◯◯に詰め寄る

 

「い、今なんて言った…?」

「あ、ああ。君はヒバシラって名前じゃないか聞いたんだ。ほら、チーム◯◯◯◯◯◯の…もしかして違う…?」

「そう!そうだよ!」

「うおっとと!」

「なんだよかったぁ…◯◯までボクのこと忘れちゃってたらどうしようかと思ったよ…」

 

ボクはあまりの嬉しさで◯◯に全力で抱きついてしまう

今の限界まで鍛えた(オボンの実や栄養ドリンクで)体でそこら辺のポケモンに抱きつけば、多分相手の胴体が泣き別れするかもしれないけれど、同じように鍛えている◯◯であれば少しよろめく程度で収まる

 

「そういえば、さっき過去がどうとか言ってなかった?もしかして何か事件にでも巻き込まれた…?」

「そうなんだよ!ボク達過去に来ちゃったんだよ!ほらこれ!」

「遺跡の欠片だ…。これ確か次元の塔に行くときに使ったから、本来ならヒバシラが持ってるはずないね…」

「それに、トレジャータウンの皆もボク達のこと覚えてなかったし…」

「転生したのと何か関係があるのかな…」

「えっ?てんせー?」

「あー。うん。何でもない。何にしても過去に戻ってきたってことは、またディアルガの暴走とかダークライのこととか色々やらないと行けないんだよね…」

「うん…でも今のボクらなら大丈夫だよ!昔よりもずっとずーっと強くなってるもんね!」

「あ、そっか。バクフーンとラグラージってことは、クリア後なのか。……そっかぁ、あの地獄のエナドリグミ周回は無駄じゃ無かったんだ…」

 

◯◯は改めて自分の体を見ながら感慨深そうにしていた

わかる…ボクもまたアレをやれといわれたら、多分挫けてたと思う…

再開を喜びながら、現状についてボク達は話し合った

 

 

………

 

「さて!それじゃあこれからどうしよっか?ボク達以外にも過去に来ているポケモン達もいるかも知れないし、先ずは探しに行くことから始める?」

 

ボクは一度◯◯から離れ正面に向き直る

◯◯を見つけるっていう目的は達成できたけれど、それで現状が変わるかというと、そうでもない

正直この先のことはあんまり考えてないので、どうしようか悩んでいる

 

「そんなの決まってるよ!」

「おお!なになに?」

 

◯◯は既に決まっているようで目を輝かせ此方を見ていた

 

「あのときはヒバシラから言ってもらったけどさ」

 

ボクに手を差し出す

ボクはその手を見て、再び◯◯の顔を見る

あのとき…ボクから…

 

「それって…!」

「僕と一緒に探検隊になろうよ!ヒバシラ!またチーム◯◯◯◯◯◯を最高の探検隊として名を轟かせよう!」

 

 

…!

 

「うん!」

 

ボクは迷うこと無く◯◯の手を取った

 

___________________________________

 

・ラグラージになった主人公

転生したら本編じゃなくて外伝だった世界線の主人公

これ転生特典ちゃんと適用されるのかと思いつつも、せっかくポケモンになれたので存分にはしゃぎまくる予定

全ステータスカンストしているため、力加減を間違えると大変なことになる

試しに海に水鉄砲を打ってみたら、海が真っ二つに割れた

 

・ヒバシラ

バクフーン

最初に選ぶパートナー

主人公の転生特典によって置き換えられたことでヒノアラシから即進化した

だが、彼は主人公が持っていたポケモンでは無いので特典が上手く機能せず、何故自分が過去にいるのか理解していない

主人公に対しては、弱虫だった自分を変えてくれた存在であり、沢山の冒険を共にしてきた掛け替えのない仲間である

もし主人公が浜辺にいなければ、ありとあらゆる場所を探し回る予定だった

 

・ストーリーで一番最初に戦うボス達

ドクローズのズバットとドカース

うわ、何か浜辺にヤベェ雰囲気のポケモンがいる…近づかんとこ…

 

・未来のポケモン達

ジュプトル:オレは未来に戻った筈だ。なのに、何故また過去に来ているんだ?

とりあえず◯◯達を探し出して次元の塔に行くしかないか

 

ヨノワール:突然ディアルガ様がまた暴走したかと思ったら、直ぐに戻った…後ジュプトルの奴がどっかに行った…

 

ディアルガ:私よりも強大な存在の力によって過去に呼び出されたようだな…とりあえず時空の歪みは治しておこう。

落ち着いたら◯◯とヒバシラ達にでも会いに行くとしよう

 

・黒幕

ダークライ

突然脳内に、自分の計画がミズゴロウとヒノアラシにご破産にされ、逃げようとしたらパルキアにグチャグチャにされて記憶を無くし

挙句の果てに、計画を邪魔してきたミズゴロウとヒノアラシの仲間になり、薬とグミとミツ漬けにされそうになった謎の記憶を思い出す

一体これが何のことなのかはサッパリわからないが、ここ(闇の火口)にいては何か嫌な予感がするので早く別の場所に行かなけれ―「前回は失敗したが…今回は逃さないからな?」

 

・この世界での転生特典の扱い

この世界線では主人公が持っていたポケモンは存在しないので、本編とは特典の扱いが異なる

本編では置き換えられたポケモン達も転生したことを理解しているが、こちらでは転生については一部のポケモンしか理解していない

そしてこの特典に適用されるポケモンは、

1.主人公が勧誘したポケモン(ダンジョン内や卵で生まれたポケモン)

2.ゲーム内で共にダンジョンを行動したことのあるNPC(ジュプトルやビッパ)

3.スペシャルエピソードで使用できたポケモン(ヨノワールやプクリン)

なので、ギルド内では主人公達を覚えてる者と覚えていない者がいる

 




ZAでAZがニコニコしててビックリしました
ZAって過去の話じゃ無いの?!
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