「どぉしてこうなるのよぉぉお!」
「おいイブキ…」
「えぇ…」
「リュ…」
今僕の目の前では、一人の女性が地面に四つん這いになりながら慟哭している姿があった
それを見た女性の知り合いであろう赤い髪のマント姿の男性が呆れたかのように顔に手を当てていた
………
僕は今日、フスベシティのジムに挑戦に来ていた
ジョウト地方に来てから色々あり、ようやく8個目のジムバッジを取りにやってきたのだ
ジム戦に関しては特に問題なく終わった
最後にコライドンが逆鱗でキングドラを空中に打ち上げ、四方八方から連撃を与え、最後は地面に叩きつけるとかいうどこぞのファイナルなファンタジーの超究武神覇斬Ver.5みたいなフィニッシュを決めていたのが印象的だった
で、まぁフスベジムのジムリーダーといえばお馴染みイブキさん
ゲームの時のように負けず嫌いを発動し、当然の如くジムバッジを渡してくれず、竜の穴の試練を突破しろと言われたのである
いちプレイヤーとしては想定していたことだったので、特に断ることもなく竜の穴に向かい、最奥の長老の質問に答え、特に問題なく合格を頂いたのだった
それでもまだ納得がいかなかったイブキさんが何か言おうとしていたが、後ろから来たワタルさんに説得され渋々ながらジムバッジを渡してくれたのだった
まさかワタルさんがここに来るとは思っていなかったので驚いた
話を聞いてみると、なんと僕がフスベジムに挑戦すると聞いて飛んできたのだという
「アデクさんとシロナから話を聞いていてな。チャンピオンですら手も足も出ないほどの強さを持つ君に、是非とも会って話をしたかったんだ。」
とのことらしい
その後は何故リーグに挑戦しないのかとか、何故これほどまでポケモン達を育て上げることができるのかなど色々聞かれ答えていたが、長老さんに呼び出されたのであった
ここで問題が起きた
長老さんが僕にミニリュウをくれるということだったので、僕はゲームのイベントを体感できることに喜んだ
が、それと同時に前世、ゲームで手に入れたミニリュウのことを思い出す
皆と同じであれば、竜の穴の何処かにカイリューとなって生息しているはずである
なので、長老さんからのお話を一旦止めて、竜の穴内の湖に向かってカイリューの名前を呼んだのである
「おぉーい!ミズチー!出てきてよぉー!」
「ミズチ?君のポケモンの名前かい?」
「いきなり何しようとしてるのよ…」
僕のやっていることに、ワタルさんとイブキさんは困惑したように此方を見ていた
「リュー!」
暫く経つと突如湖から大きな水飛沫と共に一匹のカイリューが僕の方に飛んできた
カイリューは…ミズチは僕の前までやってくると、黄色い大きな両手を広げ、僕のことを抱きしめた
「ミズチ!久しぶり!会いたかったよー!」
「リュー!リュー!」
僕もミズチの事を抱き返し、再開を喜びあった
「このカイリュー…まさか…!」
「な…っ!嘘っ…!」
「ほぉ…まさかあの者であったのか…。」
それを見たワタルさん達はとても驚いた顔をしていた
まるでいつも機嫌の悪そうな知り合いが、滅茶苦茶機嫌良さそうに遊んでいるところを見てしまったとでもいった感じであった
その反応が気になり、話を聞いてみると
「そのカイリューとは少し関わりがあってね。10年ほど前のことなのだが…」
約10年前…つまり僕が丁度この世界に転生してきた頃
まだ、四天王やジムリーダーになっていない頃のワタルさんとイブキさんは竜の穴で、ミニリュウが突然カイリューに進化した所を目撃したのだという
その光景を見て非常に驚いたという
ミニリュウがハクリューを経ずにカイリューに進化したのだ驚いて当然だろう
2人はその不思議なカイリューを自分たちのポケモンにしようと捕獲を試みたが、手も足も出ずにポケモン達を倒されてしまったそうだ
負けた後は何かされるわけでもなく、ただカイリューは竜の穴を彷徨っていただけだった
その後長老がそのカイリューを見て「どういう理屈かはわからぬが、カイリューは誰かの手によって既に育て上げられている。そしてカイリューはその自身を育てた人間を待っているように感じられる。」と話し、2人に対してカイリューを捕まえることを禁じた
しかしイブキさんはそれに納得がいかなかったのか、それとも負けたのが悔しかったのか必ず自分のポケモンにしようと、何度もカイリューに挑み続けていたのだという
………
「何で!アンタみたいな!そこら辺のトレーナーに!簡単に懐くのよぉぉ!」
どれだけ挑み続けても自分のことなぞ歯牙にもかけなかったポケモンが、全く関係のない11歳の子どもにベッタリになっているのだ
なんとも言えない感情をイブキさんから感じた
「辞めろイブキ。おそらく◯◯君が長老の話していた、カイリューの待ち人だったんだろう。…そうだろう◯◯君?」
「ええ、はい。ミズチは僕が育てました。」
「リュ!」
「…やはりそうか。以前シロナから聞いたときはあまりに同じ状況だった故にずっと気になっていたんだ。」
「シロナさんがですか?」
「あぁ。シロナが君に渡したポケモンのタマゴから、生まれたトゲピーが一瞬でトゲキッスに進化したと話していたんだ。しかもトゲキッスは既に育ちきっていてバトルの仕方も技の出し方も全て理解していたそうじゃないか。」
「あー。その話ですか。」
シンオウ地方でちょっと色々あって、そのお礼というか謝罪としてシロナさんからタマゴを貰ったことがあったのだ
そのタマゴを受け取ると直ぐに孵化が始まって、中からトゲピーが生まれたのだ
直ぐに孵化したことで周りの人達は驚いていたがそれよりも、その後に起きた突然の進化に誰もが開いた口が塞がらなかった
トゲピーがトゲキッスに進化したのだ
しかもトゲチックを介さないで、光の石も使わないで進化したのだ
当時は大変だった
シロナさんとタマゴを貰う事になった原因を作り出した人がそれはもう興味津々で、色々なことを聞かれたものだ
転生特典関係のことだったので何とかはぐらかしはしたが、あの時は中々大変だった
「あーっと…あれはですね…」
「いや、言わなくて大丈夫だ。シロナからも散々誤魔化されて逃げられたと聞いているからね。」
「そ、そうですか。」
どう誤魔化そう頭を悩ませていたら、ワタルさんがそう言ってくれたので安心する
「代わりに、オレとバトルしてくれないか?君の強さ、言葉ではなくこの身で確かめてみたい。」
「おお!是非!」
「ちょっと!私を忘れてもらっちゃ困るわよ!私とも戦いなさい!あのカイリューにどっちが相応しいかここで決めるわよ!」
「再戦ですか?!やりますやります!」
何か凄く面倒くさそうなことになりそうだったけれど、最終的にはワタルさんとバトルができるようになるなんて運が良い!
「ミズチ!早速だけどいけるよね?」
「リュー!」
ミズチも久しぶりに一緒に戦うのが楽しみらしく、両手を振り上げ元気いっぱいだ
「そのカイリュー…いやミズチ君が相手か…!あの時は手も足も出なかったが、あれからどれほど成長できたか確かめさせてもらうとしよう!
いけ!ボーマンダ!」
そうして僕とワタルさんのバトルは幕を開けた
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・11歳になった主人公
シンオウ地方の旅を終え、ジョウト地方に来ていた
ジム巡りは原作通りに進めていった
途中、渦巻島の惨状を見てちょっとルギアとホウオウをお説教したりした
最近の悩みは、どうやったらリーグに行かないでシロガネ山に登ることができるのか
・ミズチ
カイリュー
置き換え時の進化する姿を見られてしまった数少ない一匹
長老が外には存在を隠していたので有名になることは無かった
頻繁にイブキに挑まれるのは良い暇つぶしだった
・原作とリメイクでバッチを渡すまでの過程が違うジムリ
イブキ
アニメの良い感じに大人な性格な方ではなく、ゲームの負けず嫌いな性格の方
自分が10年以上追い続けてたポケモンがぽっと出の子どもに捕まえられてNTRやんけ〜!となってた
主人公の事は普通に有名だったので知っていた
その上で「ま、私のほうが強いけどね!」と余裕ぶっていたがボロ負けしたので、悔しくってジムバッジを渡すのを渋っていた
・不正がよく噂されるチャンピオン
ワタル
チャンピオンの集まり的なやつでアデクとシロナから主人公について聞いており、そんな少年がいるなら戦ってみたいなぁと思っていた
丁度フスベジムに挑戦することを知ったので、どうせイブキはバッジ渡すのに時間かかるだろうからと竜の穴に向かって行った
ミズチ(カイリュー)に関してはイブキ程執着はしていなかったが、負けたままというのは嫌だったのでいつか再戦しようと考えてはいた
・その他一部ジムリーダー
プレイヤーに耐久ポケモンの恐ろしさを教えた人「アルセウス半端ないって!タイプ変わるとか知らんて!先に言っといてやぁ!」
リメイク前の姿があまりにも寝巻きだった人「まさかホウオウ様をあんなに近くで見ることができるなんて思わなかったよ。後あんなに甘え倒す姿も…」
いつも滝行してる人「10年以上どうにもできなかった41番水道の問題を片付けてくれてありがとうな!お陰で修行で熱湯を浴びなくて済むわい!」
シャキーン!な人「あの!以前ホウエンチャンピオンがオススメしていた商品って、ジョウトではいつ発売してくれるんですか?!え?ネットで買える?し、知らなかった…」
ポケスペで最強の人「ラプラス?ウリムー?持っているけどそれがどうかしたのかい?」
・ジョウトのゲーム主人公
この世界ではヒビキとコトネだよ!クリスは残念ながらいないよ!