「学校に行きたい!」
大きな声でそんなことを言いながら赤い背中にもたれかかる。
「ぐらぐらるぅぅ?」
「あぁ、ごめんね?ちょうどいい陽射しでとっても気持ちがいいよ
ありがとうグラードン」
そう言いながら背中を撫でると嬉しそうに尻尾をゆらゆらと動かしていた。
転生してから僕もそろそろ6歳になる。
まだ前世よりも短い期間しかこの世界にはいないが、それでも前世より充実していると思える
だってお母さんがいて、皆がいる。
あのゲームの中にしかいなかった皆が目の前に
ごろごろりと寝返りをうち伸びをする。
今日はグラードンにお願いをして丁度いい陽気での日向ぼっこを試してみたのだ。
グラードンの特性は日照りだが、その出力の調整は可能なのかが気になったからだ。
強くする分にはゲンシカイキのこともあるしできるだろうが、弱くするのはできるのか試してみたくなったのだ。
実験は成功し、こうして緩やかな温かさに身を委ねている。
「学校〜学校行きたいな〜」
そう、学校である。
6歳ということは小学生と同じ年齢になる。ならば小学校に行って勉強とかお友達を作って遊んだりしたい。
前世で最後に遊んだSVが印象に残っているからか、ポケモン世界の学校で何をやるのかとか気になるのだ。
アニメみたいにポケモン貰えたりとかするのだろうか。
ポケモンバトル関係以外のこともやるだろうしぜひ行ってみたい。
それに転生特典について調べたいこともあるし、家と牧場とたまに遠出くらいの今よりも行動範囲を広げたい
『おや、主。
なにやら難しそうな顔をしていますね。
グラードンの寝心地があまり良くありませんでしたか?』
グラードンに寝転がる僕の前にやってきたのはアルセウスだった
「あ!アルセウス!
ううん、僕が勝手に悩んでただけ。グラードンの背中は気持ちいいよ。」
「ぐらぐらるぅ!」
僕はドヤ顔で鳴くグラードンの背中から少し身を乗り出しアルセウスに手を伸ばす
すると、アルセウスは前足を差し出してくるので伸ばした手で触る。
『おや、これは勘違いを。それでは一体何にお悩みなので?』
「学校に行きたいんだ。…でも、お母さんがダメって」
『ふむ…母君が』
少し前にお母さんから誕生日は何が欲しいか聞かれたので、学校に行きたいと言ったのだ。
そしたら、お母さんはダメだと言い許可してくれなかったのだ。
『…私達が原因でしょうか。』
「そうじゃなくて僕が学校に行ったら寂しいって」
『なるほどそういう…私達が言えることではありませんが母君も主のことが好きですからね』
なぜダメだったのかというと、心配だからとか、お家にいてくれないと寂しいとか、一人で外に出るなんて危ないとか色々あった。
僕は皆がいるから大丈夫だと説得を試みたが、お母さんは「イヤだー!行かないでー!」と泣きながら拒否してきた。
結局その後も旅に出るとき安心だとか皆のためにもなるとか言ってはみたがあまり通じず、説得は失敗となった。
『それで今はどう説得すればいいかわからず、困っていたと』
「うん…どうすればいいかな」
僕が苦悩しているとわかり心配してくれたのかグラードンの背中から感じる温度がほんのり暖かくなった。
僕はそれに感謝するようにグラードンの背中をゆるりと撫でる
『ところで何故学校に?ポケモンについて知りたいのであれば、私がお教えしますよ?』
「色々学びたいのはもちろんあるけど、お友達も作りたい。
それにトレーナーに早くなりたいんだ。」
『トレーナーにですか。』
「うん」
トレーナーになるには条件が存在する
ひとつは10歳以上であること
もうひとつはポケモンという生物を扱うに足る資格があるか
この資格というのには試験に合格しないといけない
ゲームのようにポケモンの捕まえ方も知らない状態でいきなりポケモン貰って旅になんてことは現実では認められない
故に10歳になると受けられるようになるこの試験に合格する必要があるのだ
しかし独学で簡単に合格できるような内容というわけでもなく、学校などで専門的に学んだりしていなければ早く旅に出るなど夢のまた夢だ
『何故そこまで早く旅に出たいので?』
「以前、アルセウスが教えてくれたでしょ?皆がどこにいるか」
『はい。私達は主がこの世界に生まれたと同時にこの世界にいたいくつかのポケモン達と入れ替わるようにしてこの世界に降り立ちました。』
「だから皆は色んなところにいて、僕のところにまで来るのは少しだけって」
色んな地方に皆がいて、伝説のポケモンのように飛んだり跳ねたりが得意なポケモンはその足でこちらまで来てくれているが、飛べなかったり泳げなかったりそもそも動けないポケモンなどはこちらにはこれない。
ポケモンによっては出会った場所で再会したいと思う者もいるそうだ
「だから会いに行くためにもトレーナーに早くなりたい!
それに…」
『それに?』
「ボックスの中にもいるかもしれないんでしょ?」
『!』
既存のポケモン達と入れ替われることができるのはかつて野生だったりタマゴから生まれていたり人から貰ったり交換したりしたポケモンであり、それ以外の方法で手に入れたポケモンは対象にならないのだ
つまり配信や映画の前売り券で手に入れたポケモンたちである
これらのポケモンはこの世界には存在していないのだという
だが…
『えぇ、主の願いは受理されています。
一度受理したのであれば、必ず何らかの形でこの世界に呼び出されるはずです。』
「うん。だからその第一候補のボックスの中を見るためにも早くトレーナーになりたいんだ。」
この世界に突然現れて贈り物を渡してくる配達員という存在は今のところ確認されていないし、Wi-Fiコネクトや不思議な贈り物なんて制度もない。
それならば最も可能性が高いのは電子世界である、ボックス内に呼び出されるのではないかとアルセウスは話していた。
僕が転生特典を貰うときにもっと正確に「生まれてすぐ自分の周りに現れる」とかもっと情報をつけておくべきだった
そうしていれば今頃、今はいない皆にも出会えただろうに
転生特典を選ぶときは気をつけないとな
『なるほど、我々のことを想ってのことと…であるならば協力するしかありませんね。
そうですね…ひとまずもう一度母君とお話してみてはいかがでしょう。』
「また断られるだけじゃないかな?」
『前回はいきなり言われたこともあり混乱してしまった部分もあるでしょうし、改めて落ち着いた時に話してみれば変わるかもしれません。
それに、母君のことです。主が言ったことを無下にすることは絶対にありえないでしょう。』
「うん…そうだね1回ダメって言われたぐらいでへこたれるなんて違うよね!証付き最大サイズ色違いを手に入れようとしたときだって何日もかかったんだし。
誕生日までまだ1ヶ月もあるんだからまだまだ頑張ってみるよ!」
「ぐらぐらるぅ!」
「グラードンも協力してくれるの?じゃあ絶対成功間違いなしだね!」
―簡単に諦めるなんて無理な話だ
だって皆に会いたいし、それにゲームでしか見れなかった景色を少しでも早くこの目で見たいから
暖かい日差しが晴れていく
効果時間が切れたのだろう、僕はそれを合図に背中から降りて立ち上がる
「さて、じゃあお母さんを説得しよう大作戦、始めよっか!」
「ドドギュウゥーン!」
「ぐらぐらるぅう!!」
「バリバリバリッシュ!」
「みゅう」
「ショオー!」
「ギャァアアス!」
「モエルーワ!」
「きゅりりゅりしぃ!」
「ぎゅらりゅうぅう!」
「ぱるぱるぅ!」
「グギュグバァ!」
「ビシャーン!」
「ヒュラララ!」
「イクシャア!」
「イガレッカ!」
「わぁ!皆いつの間に!
…って、ゼルネアスにイベルタルもいる!いつのまに〜?!
…ふふっ!会いたかったよ〜!」
喜びをあらわにし2匹を抱きしめる
すると、抱きしめられた2匹から少し不思議な感覚を感じた。
今日はとてもいい日だ
自分の気持ちにも整理がついたし、新たな仲間とも再会できた
皆がいるだけで何でも良い方向に進んでいるような気がする
「あぁ…転生して良かった」
さて、まずはお母さんにゼルネアスとイベルタルを紹介しにいこっと!
………
『そういえばまた少し花壇に手を加えたのです。よろしければ戻る前にご覧になりませんか?』
「ほんと?!やったー!見に行く!この前見たときもすごい綺麗だったよね〜」
『はい。今回のはかなりの自信作です。
思わずシェイミが花の楽園と勘違いして飛んでくるかもしれません』
「ふふっ、シェイミにも早く会いに行きたいなぁ」
家の中に戻ろうとした時にふとアルセウスが誘ってきたので行ってみることにした。
以前見たときは花壇の中に非常にキレイな花が咲き誇りまるで芸術のようであった
以前にお母さんが見たときは「くっ、なんでそんなデカいのにこんなにすごいもの作れるのよ…」と褒めていたくらいだ
『さて到着したました。さぁ!ご覧くだ…さ………』
「ん?アルセウス?どうかした…の…?」
そこから見えた光景は悲惨としかいいようがないものになっていた
花壇に植えられていたのだろうたくさんの花たちは全て枯れ、周りには雑草が伸び切っていた
これはいったい?そう思いながらアルセウスの方を向くとあんぐりと口を開けながら唖然としていた
アルセウスってあんなに口開くんだ…
『これは…一体何が…
ハッ!そういえばさっきゼルネアスとイベルタルから何かオーラを感じたような…まさか!』
アルセウスは僕の後ろにいる2匹に首を向ける
すると2匹はあっやべっとでも言いたげな顔をして気まずそうに目を逸らした
とても重い沈黙がその場を支配する
アルセウスは下をうつむく
体の小さい僕からは表情が見えたが、その表情はまったくの無であった
対する2匹は何かを感じだったのか冷や汗を流しながらアルセウスから後ずさる
僕はその場から動けないでいたが横にいたゼクロムに手を引かれ、アルセウスと2匹の間から離される
僕が離れた次の瞬間、アルセウスは突如顔を上げ目を見開く
『許さん…許さんぞ貴様らぁ!この私が主に見せるために作り出した箱庭をよくもこのような惨状にしてくれたなぁ!
その行い万死に値する!ゼルネアス!イベルタル!そこに立て!この私が貴様ら愚か者に裁きをくれてやる!!!』
「ドドギュウゥーン!」
咆哮を上げると大地が揺れ大気が叫声を上げ始める
そこにあるのは怒れる神であった
おもむろに顔を天に向けて光帯を頭上に収束させる
ギラギラと輝き、全て焼き尽くさんとするかのように熱を放つそれはまるで小さな太陽であった
裁きの礫
アルセウスという創造神が放つ神罰の具現である
…ってそんなこと考えてる場合じゃない!
「ちょっ?!アルセウスダメだよ庭で裁きの礫なんて打ったら!
周りも壊れちゃうよぉ!
あーもう!2匹もすぐごめんなさいして!早くしないと街一つ消えちゃうよー!」
「ちょっと?!◯◯大丈夫なの!?一体何が…ってえ?!何?!なんかすごいことになってる?!」
急いでアルセウスを止めるために動き出す
はぁ…学校のことよりも先にまずはこっちをどうにかしないとな…
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・息子(ようやく主人公視点)
もうすぐ6歳なんだし学校行きたい!
でもお母さんに断られてどうしようか悩んでいた
そういえば学校でゲーム主人公にあった後にポケモン達にゲーム主人公のことをどう思うか聞いてみたところ誰も興味すら持っていなかった
聞いたところによるとポケモン達はゲームの画面を通して主人公のことを認識していたらしく、ゲーム主人公のことはまったく見ていなかったのだという
だからどれだけゲーム主人公が変わろうとも主人公として認識できていたのだという
・母親
息子に誕生日プレゼント何が欲しいか聞いたら突然学校に行きたいと言われ、思わず本音が出てしまった親バカ
あの後、少し言い過ぎたかな…もしこれで息子に嫌われたらどうしよう…あ、なんか想像しただけでヤバい死にそう…
どうやって息子に謝ろうか考えていたところ、突然外から世界の終わりみたいなのが始まったのでそれどころではなくなった
そういえば説得してる時の息子の顔、可愛かったなぁ…
・日照りするヤツ
グラードン
主と一緒に日向ぼっこできて楽しかたー
あ、カイオーガじゃんどしたん?そうだ聞いてよ主がね俺の背中の寝心地がいいって褒めてくれたんだよ。いや、まじ嬉しかったわ〜(優越感)
・潮吹きばっかするヤツ
カイオーガ(嫉妬)
はー???俺なんて前世から一杯背中に乗せてますが~????
お前と違って?お ま え と違って波乗り使えるから?これから先旅に出ればお前なんかよりも一杯乗ってもらえるんだが????
・レジェンドプレートフォルムのくせにいつも輪っかが茶色のヤツ
アルセウス
せっかく主に見せようと思って頑張って作った庭園がものの見事にぶち壊されて、怒りが臨界点を突破
全タイプを無理やり操り虹色に輝くゲーミング創造神が爆誕
後ちょっとでイッシュの地図が書き換わるところだったが、主人公に後ろから抱きしめて貰って怒りが収まったので事なきを得た
・XY
ゼルネアス、イベルタル
ようやく出会えた主に滅茶苦茶歓迎された嬉しさに思わずオーラが溢れてしまう。
結果創造神の逆鱗を軽快なステップで踏み抜き大変なことになった
・XY達を見た伝説達
君達あの花壇壊したの?
あ〜じゃあ死ぬね
・神様
配信されたヤツラとかどーしよ…
流石に新生させたとしても、本来覚えない技とか覚えてて明らかにおかしなことになるし…
というか置き換えした奴等全員強すぎて、結構世界のパワーバランス大変なことになっちゃったし…
せや、もう転生者君がまともに動けるようになったら丸投げしたろ!(思考放棄)
・Z
ジガルデ
そういえば前回の話で出すの忘れてた
まぁセル状態で家のどっかに隠れてるとかにしとけばええやろ…バレへんバレへん
ジガルデごめんね