訓練所に到着した面々。
ブラドキングは安全を考慮し己でデブの必殺技を受けるべく舞台の中央へ二人で向かった。
ブラドキング、個性『操血』
文字通りシンプルに血を操る個性だがシンプル故に強力。
その防御力は本気になればランキング中位のプロヒーローに並び、拳を硬くする等の方に個性を使えば十分な攻撃力を持つ。
正直に言うならば学生の指導員として強すぎる男だが、彼は今戦慄している。
この短い期間だが緑谷出久を見てきて抱いたのは『好かれる男』
トトロトランポリン筆頭に皆に料理を振る舞ったり応えられることなら全部応える姿勢はヒーローそのもの。
そんな誰よりもヒーローに近い生徒、付け加えるならそれの放つ必殺技は担任である自分が受けるのが義務と、少しずれた感性なのだ。
「い、行きます!」
「こい緑谷!お前の憧れを見せて見ろ!!!」
突如として湧き上がる蒸気、前回のオートファジースマッシュと違う動き。
デブの右クリームパンは全力で全身を固めたブラドキングの腹に優しく添えられた。
「それが攻撃なのか!みど――――ゴフッ!?」
「ぶ、ブラドキング!?」
(な、何故だ?緑谷はただ右手を俺に添えただけで攻撃はしていないのだぞ!?)
コレにはB組の面々も驚きが隠せない。
いくら優秀と言えどプロに血を吐かせる攻撃を出来る生徒はいないからだ。
それに付け加えるなら無個性がソレを行う。
それでもだ、それでもその中の一部の生徒はそんなプロすらもそうなる一撃を学ぶために全力推理しているのは流石と言えよう。
「ちっ……シバリングかよクソラードめ考えやがったな」
「お、お前は……」
シバリングと聞き殆どの生徒が頭にハテナを浮かべているのだが、ソレを見て呆れてため息を吐く爆豪さん。
「シバリング?」
「シバリングすら知らねぇのかよクソまつ毛
シバリングってのは寒けりゃ体が震えて体温を作る行為だ」
「震えて何でブラドキングが血を吐くんだよ!」
「るっせぇな!
いいか、この世界の一番ヤベェモノは振動なんだよ!
声だって突き詰めれば空気の振動、地震だって地面の振動、そんなヤベェ力を振動ってのは持ってるんだよ!
ソレをあのクソラードは一点にだけ押し当ててる
人間ってのは水分の塊で振動の影響をモロに受ける、クソラードは脂肪を振るわせるだけでも食らった奴は人体破壊の振動なんだよ!」
悔しかった。
自分がダイエットさせなければと思っていた男が自分の先を行ってる姿は最悪だった。
それに、それがこんなに嫌うクソラードだという事実が余計に苛つかせる。
「で、でもトトロは近接型だしそれだけじゃ……」
「おいクソ目隠し、ヒーローってのは一芸だけじゃねぇんだよ」
小森にそう言うと、デブは突然四肢を地面に着けて口から何かを飛ばした。
一瞬だが戸惑うブラドキング、一瞬の理由は簡単。
突然肩が爆発したのだ。
「ノコッ!?」
「シバリングをあのクソラードがすりゃ相当高温だ
ソレを口の中で丸めて唾液なり水なりでうちだしゃ立派なマグナムだっての
それによ……」
「ぐぅううう!!!」
シバリングを止めたデブは突然某GONNさんみたく拳を構え、ゆっくりと動き出した。
まるで特撮ヒーローが必殺技を放つように誰も動けない、それはそうだ。
何故ならデブは今、熱により違う宇宙にいるからだ!
相対性理論を突き詰め、温度差による時間の差異を用いた高機動。
そして放たれるのは……
「今日の昼はカツ丼が香物だスマーッシュ!!!」
何万ものカロリーを凝縮した一撃。
ソレをブラドキングは防ぐが……
(腕が……持ってかれる!?
ぬぉぉおおおおおおおお!?!?!?)
防ぎきれない。
否!防ぐ事すら無意味!
その一撃により飛ばされ、何年ぶりにかになる地面へと敗北していた。
「コレが僕のスマッシュとシバリングです(CV速水奨)」
「……」
「……」
「「「「「「「「「誰!?」」」」」」」」」
あまりの現実にみなの理解が追いつかない。
いや、皆ではないか。
この二人。
爆豪勝己と拳藤一佳は久しぶりに見たとなっていた。
【悲報】デブが痩せたら【イケメンだった】
この時爆豪さんには邪な考えがあった。
曲がりなりにもあのクソラードは世間一般で言えばイケメンの部類。
ソレを見れば何人かはクソラードを痩せさせようとする、とだ。
だが現実は非情なり。
「み、緑谷氏……なんておいたわしや……」「トトロが……優しいトトロが優しいイケメンに成り下がったのこ!」「うらめし……うらやましい」「IZUKUはTOTOROじゃないとNO!!!」「あれ?僕のアレはどこ?ほら、気持ち良くトブアレはさ!」
更に悲報!
B組はイケメンよりもトトロが大事だった!
必殺技を食らったブラドキングですらあのデブが一瞬で痩せたことに嘆き、そしてB組の面々も全員キレ、そして硬く心に一つの誓をたてた。
いや、裏学級目標だ。
『緑谷出久は痩せさせない』
こうして、長きに渡るダイナマイト対ワンビーズの戦いは幕を開けるのだった。
ギガントデブヤ
ヤツの手下であり、止め処無い食欲で人類を滅ぼしかけた化け物
流石ヤツ、ただしヤツはガリである
貧相め
誰がデブになるのかのお楽しみゲーム(ヒーロー編)
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