就活や研究等により、遅くなってしまいました。
しかも、こんなに遅かったというのに内容が進んでいないという…
本当に、申し訳ございませんでした。
そこは『分裂』する世界。
そこは『歪曲』する世界。
そこは『死』が溢れている世界。
三つの世界が入り乱れていて、何を基準にしているのかまったくわからない世界の中、俺はただ彷徨っていた。
どれだけ時間が経ったのか、ここに居続けてもいいのか全くわからない。
ちなみに精神体が彷徨っているため、今の体は男だ。
「さて、どうすればいいんだ?」
「私と話をして終わったらここから出られる」
俺の言葉に答えた声が聞こえたのでその方向を向くと、
あの神様がそこにいた。
「んん?なんで神様がここにいるんだ?」
「君がなぜこの場にいるのか、その理由を教えるのと謝罪するためだ」
なるほど、なぜこのような状況になったのかを説明してくれるのか。
それは助かる。
ん?謝罪?
「なんで謝罪?」
「簡潔に言うと、君に最後のプレゼントをしたらこんな結果になった」
「…はい?」
ちょっとまて。
スキル『直感』についてこれる体に、(エヴァ曰く)魔力量がナギと同等かそれ以上の量がある。また、チートすぎる能力にオリジナルの斬魄刀に、さらに従者ま
でプレゼントしたのにさらにまた追加って…
「どんだけ俺を強くしたいんだよ。インフレしすぎだろ」
「それにはちゃんとした理由がある」
「理由?」
「君は、この世界に転生された時点で、世界にとっては邪魔な存在でしか無い。それが例え全く戦う力が無いとしてもだ。
つまり、君は無条件で、世界の修正力と戦わなくてはいけない。力の有無関係なしに」
「なるほど。要は、その修正力に対抗出来るようにするために、ここまでするということか」
「そういうことだ」
うわぁ…逆に考えたら、これくらい力がないと勝てないくらい強いのかよ…
「ちなみに衛宮士郎に関しては、召喚の手順をふんで来たから、君ほど強い修正力は出てこない。
しかも、元居た世界の神から対抗出来るために、色々プレゼントしてくれたらしいから心配する必要はない」
「へぇ。で?最後に貰える力って何?」
「ああ、それは『内包する世界(World entailing)』だ」
「『内包する世界』?」
「魔眼の名称だ」
「…は?」
オイオイオイ
「魔眼って、あの」
「代表的な魔眼と言えば、メデューサの『石化の魔眼』や、あとは遠野志貴や両義式が使っていた『直視の魔眼』等だな」
「さすがに魔眼はちょっと強すぎるだろ」
「ちなみに、君に渡した能力と斬魄刀、魔眼、体これら全て全力で使いこなせて、ようやく修正力に勝つことができる」
「まじかよ…あれ?ちょっとまて、交錯する…
まさか」
「その交錯する世界というのは今現在君が見ている世界だ」
「『直死』と『歪曲』と『分裂』の三つ。
その三つを世界と定義して、その三つの世界が一つの魔眼に内包されている。そういうことか?」
「そういうことだ」
さすがに強すぎるだろ…
だって『直死』ってあの事だと思うし、『歪曲』ってあのキャラが使っていたのと同じだと思う。『分裂』はわかんないけど文字通りだったらやばいだろ。
「一つ質問したいんだけど」
「なんだ?」
「たしか、『歪曲』って超能力と魔眼の間で、正確に言ったら魔眼じゃないはずなんだけど」
「それは、私が勝手に『歪曲』を魔眼として定義したからだ。だから、浅上が使っていたのとは別物として考えてくれ」
「わかった」
神が質問に答えてくれるのと同時に、体というか意識が薄れてきた。
神が俺に説明すべきことは全部したのだろう。
「あ、あと最後に渡しておく物がある。
その魔眼が周りにバレないようにするために、専用のコンタクトレンズを作っておいた。 戦闘の時以外はできる限り付けておくように」
「わかった」
神からコンタクトをもらうと、視界が段々狭くなってきた。
「では、がんばりたまえ」
神のその言葉を最後に、俺は意識を失った。
けど、最後に見た神の表情がほんの少し、ほんの少しだけ、悲しそうな顔をしていたような気がした。
「ふぁああ…」
京との模擬戦を何回かやった後、俺のこの世界の魔法の適正を検査してもらった。
結果は、とてもひどかった。
俺の属性は剣であるために、この世界のどの属性にも適さなかった。
ぎりぎり闇が使えるくらいで、どんなに頑張っても上級魔法は使えない。できても威力が約三分の二に下がってしまう中級魔法が限界らしい。
また、魔術回路を通しながらだと魔法がすぐに使えるのだが、燃費が非常に悪い。攻撃魔法の中で一番初級である『魔法の矢』一本を出すのに、干将莫耶を十回分、投影したときに消費される量と一緒だった。
威力はただ出しただけなので測ってないが、エヴァ曰く、本来一本の威力はさっき私にパンチしてきたのと同じくらいだとのこと。
今のところ、魔法は戦闘に使えるレベルではないというのがわかった。
その後は京の鍛錬が始まった。
俺も、早く自分の体に慣れるために鍛錬を始めた。
別荘で一日を過ごした後は、部屋に案内され、その部屋で寝た。
そして、今起きたところである。
「別荘でも思ったけど、こんなに気持ち良く寝れたのは久しぶりだよ」
清々しい気分になりながら着替え、俺はリビングに向かった。
すると、エヴァと茶々丸がいた。
「おはよう。エヴァ、茶々丸」
「おはようございます。衛宮さん」
「おはよう、士郎」
茶々丸は朝食を作っていて、エヴァは紅茶を飲んで寛いでいる。
「京は?」
「まだ起きてない。もう少ししたら起きるんじゃないか?」
エヴァが飲みながら適当に答えていると、
「皆、おはよう」
全員で棚町さんに声を掛けようとしたが、顔を見た瞬間唖然としてしまった。
棚町さんの目の色が銀色になっていた。
目から何か不思議な力を感じるということは魔眼なのだろう。
「おい、京。その目はどうした?」
「ん?ああ、目?
またあの神からもらったわ」
「またか…
どれだけ京を強くしたいんだ…」
「神?どういうこと?」
「ああ、おまえは知らないか。実は京はこの世界の人間ではなく、お前と同じ違う世界の人間だったんだ」
「え!?」
それから俺はエヴァから棚町さんのことを教えてもらった。
なぜこの世界に来たのか、棚町さんの持ってる能力等々。
それを聞いてなぜ模擬戦であれほど戦えたのかようやく理解した。
ただ、棚町さんのことを聞いてもあの時感じた違和感がわからない。
あれはなんだろうか…
「…ということだ。ん?どうした、わからないところでもあったか?」
と考え事していたら説明が終わっていた。
「あ、いや問題ないよ」
「ならいいが…」
違和感の正体がわからない以上、無闇に言う必要はないな。
「まぁ、神が考えていることも一理あると思うよ。
抑止力を強くしないように、召喚という方法で来た俺と違って棚町さんは世界から見たらいきなり来たんだ。
そう考えたら、その抑止力に対抗できるようにするのは間違いではないよ」
「確かにな…」
「ただ、使いこなせなかったから意味ないと思うけど」
「うう…」
というかこのままだと能力に振り回されて終わってしまうかもしれない。
「さて、棚町さんも起きたことだし、ここから出る?」
「外の時間を考えたらちょうどいい時間だろう
京は動けるか?」
「体は問題ないわ。
出れるならでたほうがいいと思うわ」
「俺は先に学園長に会いに行ってくる」
「いってらっしゃい。
多分、教室で会うわね」
「貴様が教室に入ったときが楽しみだ」
「いってらっしゃいませ」
さて、とりあえず行ってくるか。
今、俺は家を出て、2-Aの教室にいる。
士郎は昨日学園長に言われた通り、学園長室に向かっていった。
俺とエヴァと茶々丸は、普通に教室に向かった。
教室に入って、俺は刹那がどういう行動をとるのか非常に楽しみだった。
が、さすが臆病刹那。
木乃香を何回もチラ見するだけで、行動にでることはなかった。
チラ見をする毎に木乃香が刹那を見てしまうので、目線が合うのだが刹那はすぐに目を逸らしてしまうため全く意味が無い。
これ、事情を知らない人から見たらただの変態にしか見えないと思うんだけど…
と刹那を観察しているとタカミチが教室に入ってきた。
「ええ、今日からこのクラスに新しい副担任の先生が赴任されます」
「朝倉、どういうこと?」
「うっそ!私、そんな情報聞いたこと無いんだけど!!」
まぁ、聞いたことあるわけがない。
だって、昨日違う世界から来たばかりだし。
少なくとも、俺とエヴァと茶々丸とタカミチ、あと学園長くらいしか知らないだろう。
「元気がいいねぇ。
とりあえず、もう入ってもいいよ」
タカミチが教室の外にいる士郎を呼んだ。
そして、教室に入ってきたのは、スーツ姿の士郎だった。
「ええと、初めまして。
今日からこのクラスの副担任になった衛宮士郎です。よろしくお願いします」
『…』
士郎が自己紹介するとクラスメイト全員が静かになった。
全員が静かになったのが気になったのか、士郎は首を傾げた。
俺とエヴァはこの後何が起こるのかわかっているため耳を塞いだ。
『かっ…』
「か?」
『かっこいい!!!!』
大音量で言った。
俺はこの後、恐らくというか確実に俺と同じことになると思ったので、心のなかで士郎に向かって同情しつつも。
この雰囲気が楽しくて仕方がなかった。